PandoraPartyProject

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参加者 : 8 人

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オープニング

●取材依頼
「誰か取材を受けてくれる方はいませんか?」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)がこの指とまれ! というように手を上げる。
 依頼の概要はこうだ。
 先日、幻想国内の各所で起こった蜂起。貴族たちの武力行使によって鎮圧されるかと思われたそれは、ギルド《ローレット》のイレギュラーズ達によって鎮められた。
 貴族達が行うよりずっと少ない犠牲で済んだであろう鎮圧。依頼主のフィルシャー新聞社はイレギュラーズという存在を新聞記事に載せることで、読者の増加を図ろうというのである。
 新聞社の記者がイレギュラーズから聞きたいことは大きく分けて3つ。
 1つ目は召喚当時のこと。
 2つ目はこれまでで最も心に残る依頼や活動。
 3つ目はこれからの目標──自らの指針だ。
「イレギュラーズの皆さんを知ってもらえば、これから更に依頼が舞い込むかもしれないのです。皆さんがここで得た経験を記事にしてみませんか?」

●取材の始まり
 町のとある喫茶店。
「やあ、君たちが今回取材協力をしてくれるイレギュラーズだね! ありがとう!」
 取材協力に応じたあなたの前には、1人の若者がいた。
 カメラを首から下げ、手に持つはメモ帳とペン──取材をするという記者だろう。
「ほらほら、そんなに固くならないでよ! 自然体で! あっ座っていいよ! お茶いる? コーヒー? お金は僕が持つから安心して! あぁでもあまり高くないと僕のお財布に優しいかな!」
 一方的に聞いてくる記者。あなたが席にかけ、飲み物を伝えると記者は自分の分も一緒に注文し、テーブルをはさんで向かい側に座った。
 飲み物が運ばれてきたタイミングで、若者は「さて」とメモ帳をテーブルに置いた。
 先ほどとは打って変わって、落ち着いた雰囲気を醸し出す若者。
「それじゃ、聞かせてくれるかな? まずは、君がイレギュラーズになった時の事を──」

GMコメント

●やること
 これまでの活動を語る

●概要
 あなた達は新聞に載せるための取材を受けることになります。
 聞かれることは以下です。プレイングにはそれぞれのパートについて状況説明と心情を書いてください。

1、召喚当時のこと
 初心に返るつもりで、この世界に来た時のことを語ってください。

2、1番心に残る依頼、活動
 シナリオコンテンツが始まり、そろそろ半年が過ぎようという頃合い。
 通常シナリオやイベントシナリオに参加されたことでしょう。また、交流の過程でギルドの活動もあったことでしょう。
 その中から1番を選び、語ってください。

3、これからどう活動していきたいか
 これまで得た経験から、あなたがどうしていきたいか。
 強くなることを決意してもいい。悪の道を進むでもいい。楽しく生きるも良し。
 あなたの行動指針を教えてください。


●例
・自分はウォーカーで、戦いなんてない世界からやってきた。これが異世界トリップ……と感慨深かった。
 ちょっと前にゴブリンを撃退に行く依頼があったが、あの時は依頼人にとても感謝されて嬉しかった。
 実際の戦闘は怖いものであったが、感謝されたことに悪い気はしない。
 こういう世界だと割り切ってこれからも頑張る。

・イレギュラーズになるまではぐーたらしてたよ。だって眠かったんだもん。
 でもローレットに来てみたら大切な仲間と出会えたの! シャイネンナハトもグラオ・クローネも共に過ごした彼らは、家族と言ってもいいくらい。きっとこの出会いは運命だったんだ!
 そんなわけで、これからも皆で仲良く過ごしていけたらいいな!

●注意
 他のシナリオをはっきりした形では明記しません。「こんなモンスター倒す依頼があった」「幽霊と話しに行った」くらいにはぼかすと思います。
 上記と同様に参加者以外のキャラクター名は出せません。関係性等(兄、妻など)でぼかします。
 基本的に該当の他シナリオを参照しません。プレイングを見れば概要が最低限わかるよう書いて下さい。
 それぞれのパートで100~200字くらいプレイングを埋めていただけると良い感じだと思いますが、「此処が語りたい!」と言う場合はそこに文字数が偏っても構いません。
 もし知り合い同士でご参加の場合、複数人同時に取材を受ける事も可能です。その場合はお相手の関係性をプレイングに明記ください。
 相談期間は普段よりやや短いです。ご注意ください。

●ご挨拶
 愁と申します。心情大好きマンです。大抵文字数の壁に苦しみます。
 これまでとは少し、いえ大分異なった依頼になりました。
 こちらへ来てからの自分自身を振り返ってみてはどうでしょうか。
 それではご縁がございましたら、よろしくお願い致します。

  • 文字に記す完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2018年06月05日 21時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

零・K・メルヴィル(p3p000277)
つばさ
銀城 黒羽(p3p000505)
シュクル・シュガー(p3p000627)
活菓子
御堂・D・豪斗(p3p001181)
例のゴッド
アト・サイン(p3p001394)
観光客
グリムペイン・ダカタール(p3p002887)
わるいおおかみさん
アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)
蒼穹の魔女
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子

リプレイ

●砂糖菓子の決意
「俺は、元の世界ではただの砂糖菓子だったんだ」
 『活菓子』シュクル・シュガー(p3p000627)のカミングアウトに記者が目を丸くする。
「砂糖菓子? 君はお菓子なのか」
「意志を持って動く人間そっくりのお菓子さ。あ、こっちでは混沌肯定のおかげで普通の人間と同じようにシャワー浴びたりできるぜ!」
 にかっと笑うシュクルはどう見ても普通の少年だ。けれど、その顔を良く近づけてみれば作り物とわかるだろう。
 勿論記者はそんな不躾なことはせず、空中庭園まで辿り着いた経緯を問う。
「逃げてたんだ。そのうちに森へ迷い込んで……抜けた先が神殿だった」
 王のスポーツハンティングの的に作られたシュクル。彼は他の兄弟より逃げ足と生存本能が飛びぬけてたらしい。
 ひたすら駆けていた。
 兄弟の心配はしていられなかっただろう。そんなことをすれば、王に捕まってしまうから。
 無我夢中で逃げて、逃げて。気づけば多くの者が導かれた空中庭園へ、シュクルもまた辿りついていたのだ。
 シュクルは「そんなもの作らす時点でキチガイじみてるよな」と苦笑を漏らした。
「その王様の手を逃れた君は、この世界でどんな経験が1番残ったんだ?」
 ああ、と頷くシュクル。けれど、その表情は日が陰るように曇った。
「……恐怖を呼び起こす妖精の使い手と戦ったときのことが印象に残ってる、かな」
「妖精の使い手……それはまた、何故?」
 記者からの問いに思い出されるのは、恐怖の幻影に囚われた時の事。
 恐怖の種となった過去。狩りの標的になったことを思いださせられた依頼。
 それが気持ち悪かったことも勿論ある。けれど、むしろ。
「──むしろ俺はアイツのやり口と目的にゾッとしたな」
 そう呟くシュクルは視線をテーブルへと落とす。
 安く流通する薬。その幻覚作用で苦しむ人々を見て楽しむ姿は、まるで正気の沙汰とは思えなかった。
 反吐が出そうな、理解もしたくない姿。この先も考えが変わることはないだろう。
「だからさ、弱者を虐げる奴や面白半分で他人を虐げる奴は許せねーなって思ったんだ」
 顔を上げたシュクルの瞳は真っすぐと力のこもった光を宿していた。
 それはこの世界へ辿りついたばかりの、何もかもが手探りで生きることだけを目標としていた頃とは違う。
「ただ生きていりゃいい。俺の思ってたそれすら叶わない、誰かに奪われる奴もこの世界には沢山いる。……やっぱ、自分の境遇を重ねて憤っちまうよな、そういうの」
 重なるからこそ、見ているだけなんてできないのだと──シュクルはそう思った。

●夢を叶える為に
「さっそくだけど、運命特異座標だってわかったときのことを聞かせてくれるかな」
「ええ」
 記者の言葉に頷いた『特異運命座標』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)。長い髪を払ってハーモニアの特徴である長い耳を見せる。
「ご覧の通りハーモニアで深緑出身なのだけれど、これまでほとんど外に出たことなかったんだよね。……あ、外に出たことないってのは言葉通り。引き篭もり状態だったってことね」
 深緑の外、ではなく家の外。記者の瞳に興味の色が浮かぶ。
「それは──」
「理由はヒミツ」
 口元に指を当てるアレクシア。思わず口を噤んだ記者に笑みを漏らす。
「まあ、そんなだったからとてもびっくりして……でももしかしたら、これは夢を叶えるチャンスでもあるんじゃないかと思って」
 家を、深緑を出てきたのだ。
「夢についても気になるところだけど……女性は秘密を抱えているほうが魅力的と言うしね。なら、次は君の経験を聞かせてくれるかい?」
「経験……そうだね、最近の蜂起に関する依頼かな」
 『砂蠍』の残党に扇動された蜂起。村の人々を説得し、残党のリーダー格も捕縛する事ができた。上手くいった、と評価すべきだろう。
「上手くいった、という割にあまり浮かない表情をするんだね」
「……扇動されたとはいえ100人以上の村人が、現状に不安や怒りを覚えたりしてたというのも事実だったんだよね」
 本当の意味でこの村の人達が平穏に暮らすにはどうしたらいいんだろう。猟奇事件を解決してみせると意気込んでいたアレクシアに、この依頼はそんな問いを抱かせたのだ。
 だからこそ、強くなる思いもある。
「これからは…………というよりこれからも、1人でも多くの人を助けていきたい」
 善と悪、敵と味方。関係はややこしくとも、助けを求める者へ、手を差し伸べたい。
 幸せになれる手伝いを──そしていつか、皆が笑って本当の意味で幸せに生活できるようになればいい。
 今も、これからも変わらずにそう思うのだ。

●初志貫徹
「前の世界でいつものように死んで、いつものようにダンジョンの最上階で目覚めたかと思ったら、青空が広がってた」
「……失礼、君はゾンビか何かなのかい?」
 記者の問いに「いやいや」と『観光客』アト・サイン(p3p001394)は手を左右に振った。
「僕は観光客だよ。それで、青空を見ていたらざんげに異世界に来たって言われたもんだから……ダンジョンを探すことにしたんだ」
「ダンジョン」
 記者の復唱に頷くアト。
「いや、だって僕の生きる理由ってダンジョンを踏破することだからね?」
 ダンジョンに生き、ダンジョンで死に、ダンジョンで生き返る。それは全て、踏破するという目的があるからだ。
 もはやそれは存在意義で、なければ生きている意味がないと言わしめるほど。
「幸いにも、その日の内に果ての迷宮の噂を聞けたね」
「君が存在意義を失わなかったようで何よりだ。心に残る経験は、やはり……」
「ダンジョンを攻略した時だ」
 アトの言葉に納得の表情を見せる記者。しかし、アトは自らの言葉に少し肩を落とす。
「……いや、攻略寸前だったっていうべきか」
 罠を警戒しながら、注意深く進んでいたダンジョン。イレギュラーズ達はその途中で隠し通路を発見していた。
 進んだ先にあったのは金、金、金。黄金の間だったのである。
「いやぁ、興奮度がやばかったよね」
 そう語るアトは生き生きとした表情を見せる。生粋の冒険者──否、アトに言わせてみれば観光客なのだろう。
「それは……無事に攻略できた、とは言わないのか?」
「前情報のない怪物との死闘があってね。あ、僕は弱いから柱の陰に隠れてポーション投げてただけなんだけど」
 ハッハッハ、と笑うアト。『しかも』とその先を続ける。
 死闘の末、怪物を倒すに至ったイレギュラーズ。しかし更に強い怪物の出現に撤退せざるを得なかったのだ。
「1度は行けたんだ。いやぁ、また挑戦したいね」
 それがこれから君のやりたい目標か、という記者の言葉にアトは「いや」と頭を振った。
「決まっているじゃないか。果ての迷宮を目指すんだ」
 迷宮の踏破こそ、アトが召喚された理由に違いない。アトはそう確信していた。
 前人未到の地に踏み入れる人物だと判断されたのだ……と。
「まあ、貴族とかうるさいから1階にも入れやしないんだけどねえ……果ての迷宮から帰ってきたらまた冒険譚を聞かせてあげるさ」
 楽しみにしておいてくれ。アトはそう言い、記者へにっと笑った。

●I am God!!
「うむ! ゴッドにインタビューとはなかなかのフォーティテュード!」
 記者の前に座ったのはただの男、ではなかった。
「これは……後光!?」
 記者が目元に手で影を作るのも仕方ないと言えよう。
 『神格者』御堂・D・豪斗(p3p001181)は自らのギフト《ゴッドマジェスティ》によりその存在をこれでもかと主張していたのだから!
「ゴッド……神か。これほどの後光、神ならば頷ける。どうしてこの世界に?」
「これはサプライズであったのだ……」
 神──豪斗は語る。
 この世界に召喚されたという事は、ゴッドワールドにおいて全知全能たるゴッドの上を行く存在がいたという事。
 それは驚くべきことであり、同時に喜ばしいことなのだと。
「……つまり、不確定な未来を沢山の仲間と見聞きすることができるから喜ばしい、と」
「うむ! ユーのわかりやすいワードとなると概ねそうなるな! いずれこのワールドのゴッドとも会ってみたいものよ!」
 満足げに頷く豪斗。
 メモを取り終えた記者は相変わらず手で庇を作って豪斗を見る。
「神よ、あなたもこの世界で経験したことがあるのだろう? 教えてくれないか?」
 記者の問いに豪斗はアレクシアと同じ、サーカスにまつわる事だと答えた。
「アジテイトするクラウンや、アップライジングせしヴィレッジャーをキリングしようとするノーブルたちと戦った! ゴッドのシャインは少なからずトラジェディーを減らしてきたのだ!」
「ああ、おかげで被害がずっと少なくて済んだのだったね」
 うんうんと頷いてメモを取る記者。そこへ豪斗が「しかし」と言葉を繋ぐ。
「今のゴッドは人の子の身と変わらぬ」
 元の世界で真に神であったとしても、混沌肯定によってその力は抑えられてしまっている。
 その中でも豪斗がゴッドとして戦う事ができたのは『頼もしきフレンズ、ヒーローズ&エンジェルズ』──頼もしい仲間や友がいたからこそだと告げた。
「ここまで言えばわかるな? つまり、この先もゴッドはフレンズ達と共にティアーを減らすデイズを過ごそうと思っている!」
 この地ならではの食というものにもタッチしてみたい、と語る豪斗。
 神とあれど、いや神だからこそだろうか。この世界を全力で謳歌するつもりのようだった。

●善悪の差はなく
 召喚された時のことかぁ、と『暇人』銀城 黒羽(p3p000505)はしみじみ呟いた。
「あの時は本当ビックリしたぜ。寝てるところをいきなり召喚されたみてぇでよ、驚いたのなんのって」
 しかも召喚の影響なのか、記憶まで失ってしまっていた。説明を受け、『世界がやばい』ということも実感が湧かなかったのだ。
「それはまた、大変だ。もう実感は湧いたのかい?」
「ああ。なんとか自分に言い聞かせてな」
 困ったもんだぜ、と黒羽は肩を竦めた。
「それじゃ、この世界に来てからが本当にスタート地点だったわけだ」
「そうなるな。ローレットで依頼が回され始めて半年経ったが……今でも俺は忘れられねぇ依頼がある」
 長いような、短いような半年。
 忘れられないのは『荷馬車を守る』という至ってありふれた依頼だ。
「依頼が完遂されるかと思われたところでソイツは現れたのさ」
 裏で糸を引いていた、砂蠍の幹部クラスと思しき男。
 その男によって依頼主の私兵が殺され、盗賊の頭も狙われた。
「目の前で殺されたのに、俺らは動くことができなかった。だが……盗賊の方はなんとか守りきれたさ。本当に良かった……本当に」
 心からの安堵に、記者が目を瞬かせる。
 それに気づいた黒羽が苦笑を浮かべた。
「ん? 盗賊を守るのは可笑しいか?」
 これ以上命が失われていくことは嫌だった。それだけで、そこに善人も悪人も関係なかったというだけなのだ。
 無意味に死んでいい者なんて、この世には存在しないのだから。
「これからも変わらねぇよ。守る、衛る、護る。そんだけだ」

●楽し気な、愉し気な
「よく覚えているとも!! エキサイティングな経験は中々忘れないものさ」
 君もそう思わないかい?
 『わるいおおかみさん』グリムペイン・ダカタール(p3p002887)に問われた記者は曖昧な笑みを浮かべた。
「経験を聞くことはあっても、体験は中々ないから難しいな。そのエキサイティングな経験とやらを教えてくれるかい?」
「ああ、勿論だ!!」
 グリムペインは語る。
 至っていつも通りの日だった。森を歩き、喰らい、終わる舞台のクライマックスだった。
 そこへ飛び込んできた非日常。
「一瞬の浮遊感と共に井戸に落とされる様な感じにフォールンダウンさ!」
「おや、井戸に落ちた経験もあるのか?」
 記者がメモから顔を上げる。グリムペインは「さぁな」と返し、意味深な──にやりという笑みを浮かべた。
「いやあアレは驚いたね。というか私を召喚出来る者が居る事自体に驚いたものさ!!!」
「……ん? 君は旅人(ウォーカー)なのか!」
「ああ! 獣種(ブルーブラッド)だと思ったか? 残念、旅人さ!!」
 召喚当時から依頼の内容まで語るグリムペインは楽し気で笑みを絶やさない。
 依頼は面白かったというその言葉に嘘偽りはないと言わんばかりだ。
 沢山の依頼内容が出てくるが、グリムペインはその中でも1番はバラの花輪の子供達だと告げる。
「あるのだねえ、この世界にはそうゆうの。無くならないんだねえ、ヒトの業。これじゃあ彼等は天国に行けやしない。蜘蛛の糸も、その舌さえも鋏で切られるというものさ!!」
 ハイ・ルールがなければとこの時だけは本当に少しだけ思ったよ、と笑顔で述べるグリムペイン。
 記者はこれ以上突き詰めるべきではないと好奇心に開きかける口を閉じた。
 その笑顔を──にやにやとした笑みを絶やさぬグリムペインはこの召喚を『元の世界からの休暇』のようなものだと告げた。
「これから? 勿論!! この世界の楽しみを、この世界での愉しみを! 楽しんで、味わって、貪り尽くしたいものだ!」
 その声は終始、楽しそうに。

●切れぬ縁
「召喚された時は……」
 元の世界を思い出せば、不思議と緊張も和らぐ。
「学校に出かけるために学生服に着替えて……確か遅刻しそうで慌ててて、カバンも持たずに扉を開けて」
 そして、召喚された。
 身1つだったんだねと記者に言われ、『フランスパン珍道中』上谷・零(p3p0002779)は苦笑を漏らした。
「当時は文字通りの無一文さ。異世界の存在自体は知ってたが、まさか自分がそれを経験するとは思わなかったもんでね」
 零のいた世界は異世界の存在を認知『のみ』していた。だからこそ、まさか自身が異世界へ召喚されるなんて夢にも思わなかったのである。
 現実は小説より奇なり、という普段使わないような言葉を思い出す羽目になったのだ。
「まともに戦闘なんてしたことなくてさ。だからやっぱり初めての依頼は心に残ってる」
 よくありがちなスライムを倒す、追い払うといった依頼だったが、初めてには緊張が付き物である。
 追い払うために罠への誘導役を必要とし、零はその誘導役の1人だった。
「パンのギフトを活用してみたけど、これが上手くいってな」
 フランスパンが出せるんだ、と零はギフト《Infinite bread》でパンを出してみせる。
「へえ、食料に困らなそうだ」
 そう言ってパンを眺める記者に、零は違いないと笑いかけた。
 仲間も各々の個性を出していて凄かったこと、罠の事、罠役の1人がうっかり罠に落ちていたことなどを離していると、テーブルと零の間から何かがにょきと顔を出した。
「……犬?」
「イヌ型スライム──イヌスラだよ。初めての依頼で追い払ったスライムなんだ。実はその後、1匹に会えてな。こうして一緒にいるんだぜー」
 な、と声をかけられライムという名をつけられたイヌスラは零の指へすり寄る。
 すっかり懐いているようだ。
「なるほど、良い出会いがあったんだね。君はこれからどうしたいんだい?」
「そうだな──」
 ギフトもある。友もいる。
 ならば、もっと依頼に出ていい生活をできるようにしたい──そう零は答えた。
「後は……あ、自分の身を守れると程度の力は欲しいかねぇ?」
 考えれば考えるほど望みは出てきてしまいそうだ。
 それだけこの世界にはやりたことで溢れているということなのだろう。

●広がる世界
 抹茶ラテを注文した『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)は飲み物を飲むとほわぁ、と柔らかな笑みを浮かべた。
「えっと、ボクのことをお話すればいいんだよね! お勤めしてる神社のある街の近くで妖怪が出たって言うから、退治しに行った帰りだったんだ」
 見たことのない場所に、最初は幻術の類を疑ったという。
 空中庭園で説明を聞けば、帰れないと言われ。仕方なくそのままローレットで世話になり始めたのだと焔は説明した。
「君はモンスター退治のようなことをしていたんだね。それじゃあ、こちらでもあまり新鮮さはなかったかな?」
 記者の問いに焔は「ううん!」と首を左右に振った。
「新鮮なものでいっぱいだよ! 幽霊のアイドルグループがうるさいから退治して欲しいって依頼もあって──」
 焔は初めてそこで『ライブ』というものを見たのだ。
 感想は凄かった、の一言に尽きる。それだけ圧倒されてしまったのだろう。
「ボクの世界では、あんな風に歌って踊って誰かを楽しませるっていうのはなかったんだ。それを見てからボクも歌が好きになって練習してるんだよ!」
「おや、それじゃあいずれ聞かせて貰えそうかな? 君がこれからしたのはそう言う活動?」
 記者の問いに、焔はうーん……と首を傾げた。
「……そうだなぁ。もっと色々な所に行って、色々なものを見て、たくさんお友達を作りたい!」
 見聞を広げる、という答えに何故? という素朴な疑問が投げかけられる。
「これでも一応元の世界では結構偉かったっていうか、ちょっと特別視みたいなのをされちゃってたんだよね」
 自由になんでもできたわけではない。友達もたった1人だけ。
 だからこそ今までできなかったことをしてみたいと告げる焔は、1人の旅人(ウォーカー)として生き生きとした表情を浮かべていた。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れさまでした! とても楽しく執筆させて頂きました。
 本当はもっと掘り下げてみたかったんですけれど妖怪ジスーノカベが。くっ、勝てなかった……。

 それではまたご縁がございましたら、よろしくお願い致します。

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