PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ハンバーグの蠕動~カスタード・クリームを添えて

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●こねくり回せと蠕動する
 ぶにょり。何処かで嫌悪を擽る『音』が生った。ぐずぐずと膨らんだ物質がこねりと首を傾げ、新たなる誕生に歓喜した。嗚呼。嗚呼。早く食べたい食べられたい。何時ぞやのベコンには負けられないと『それ』が跳ねた。ぴょんぴょんと踊りながら始まった『侵蝕行為』。有難う。有難う。塩胡椒にソース。初めましてのワサビニンニクだ。ぐるりと回転して地面に乗っかれば底無しの大皿――しかしミンチにしては粗すぎるのだよ。
 荒れ狂う彼等の名はハンバーグ。ナイフとフォークに遊ばれてから胃袋へのダイブを待ち望む。食べられなければ覆い尽くすぞ。食べ尽くさなきゃ憎々しい。物足りなさを覚えたならばどうかプリンと謂わないでくれ――ふんわり肉質に刃と歯をとおせ!
 さあ。全部食べきらないと増殖するぞ。さあ。残した者から呑み込まれる。助けて助けて誰か助けて――失楽園への行進だ。誰も殺せる筈がない。

 おいしくいただけぐぅぐぅ腹減り。
 ――添えたのはカスタード・クリーム!

●挽肉らしい謳い方
「ベーコンの次はハンバーグですって? なんてこと。まあ。今回の私は正気だから。添えにはカスタード・クリームに決まっています」
 首を傾げた君達を見つつも案内人たるこすもは涎を垂らした。両手持ちの袋入り真っ白、その中身はひどく甘いに違いない。目掛けて搾ればハンバーグ1ダース。
「なんでもその世界には『ハンバーグ』と呼ばれる生き物が発生するらしいわ。『ハンバーグ』は増殖を繰り返して世界を滅ぼそうと蠢いているの。そして例の如く『ハンバーグ』は殺せないわ。だから――全部食べちゃいましょう」
 フォークを突き立てて満面の笑み。
「ナイフなどは持参してちょうだいな。ああ。あと言わなきゃいけないのは『ハンバーグを食べれば食べるほどに気が狂う』ね。因みに耐性なんてのは赦されないわ――戻ったら元のアナタだから存分に錯乱してちょうだい。頑張ってね」
 ハンバーグの香りが漂う……。

NMコメント

 にゃあらです。
 この依頼はハンバーグです。
 ハンバーグに正気をこねられるかもしれません。

 一章完結予定のラリーシナリオ。

●ハンバーグ
 おそらくはベーコン【https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/2216】の亜種です。殺しても殺せません。食べてください。
 このシナリオでベーコンは出てきません。
 ハンバーグにはカスタード・クリームだと世界では決まっています。
 忘れずに添えましょう。
 全部食べたらおしまい。食べなかったら世界がお終い。

●サンプルプレイング
「ハンバーグって何だ? 俺の知ってるハンバーグじゃないぞ!?」
 カスタード・クリーム添えつつも全力で喰い尽くす。
 ああ。なんだこれ美味いな。
 最高に美味いハンバーグだ。この蠕動する部位なんかたまんねぇ!
 おかわりだ! おかわり持ってこい! おかわりが来い!
 ははは! ははははは……!

  • ハンバーグの蠕動~カスタード・クリームを添えて完了
  • NM名にゃあら
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年12月17日 19時20分
  • 章数1章
  • 総採用数8人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

エクレア(p3p009016)
影の女

 先ずは手順をオサライしよう。掻っ攫ったクリームの名称はカスタードで、その添え方はエクレアに近しいと解けるだろう。つまり中へと注がれた黄と白、蠢くハンバーグとは実に興味深いね。何から造られたのか何で創られたのかを問い掛けている暇は無い。内臓が欲しているのは日々ミンチで在り、成程、今ならばキャベツとレタスの違いも容易に説ける――ナイフとフォークを持参して熟成肉、食べやすい大きさにしてからベコンと頬張る――溢れ出た肉汁が舌と頬を蹂躙し、ただ甘ったるいドロドロが擽ってきた。茫々と広がる光景は正しくハンバーグの尖塔。崩れる前に整えてくれ不味くはないのだが……いや要るかね、クリーム。この台詞は『メンチカツ』に成りました。
 なり染めの切っ掛けは何処か『きもちいい』に似ている。不思議奇怪な事柄に、食の細い『僕』の手が止まらない留まらないもしやハンバーグには魔法が掛かっているのか? 今なら永遠に食べられちゃうと錯覚するくらいだよ。嗚呼、その鳴き声はバーグバグと歓喜して魅せた――駆逐する君の名前はストマックか? 燃えてきた液体が酸々と放たれて――きっと明日は胃もたれで寝たきりだ。
 僕は獣だ。腹を空かせて物語に這入り込んだ、一匹の野獣だ。誰も数字を『つける』事は出来ない。ふふふ。ふふふふふ。美味しい。とても美味しい。黒砂糖も追加して仕舞え。てんてこ毎い込んだおかわりの群れ――おえっ。まだ詰めろ詰めろ。

成否

成功


第1章 第2節

イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)
キラキラを守って

 好きだよ。唐突な告白にハンバーグが肉を染めた。どうやら此れは焦げの多めな個体らしく、哀れにもクリームで化粧している。デミグラスソースは何処に有るのかとイーハトーヴはぐるりと目玉。え? 此処ではカスタードだけが最適解だって? うぞうぞと他のハンバーグが頷いている。疑問符を向けた先にはオフィーリア。ながい耳が嫌な予感だけを掴んだようだ。うさぎの女の子は『こんな状況』に慣れつつ在る――持ち込んだのは銀製だった。ああ! なんて痛そうなカトラリー! 叫ぶハンバーグに突き刺したらいただきます! 手の合わせ方は完璧だったから彼等も飛び込んだのさ。
 えいっ……口腔を侵してくる汁気と甘味。筆舌に尽くし難い美味しさと同時に恍惚が迷い込んでくる。くるくると笑っている君の名前は何だろうか。決まっているさ、僕等の呪いはおかわり。うっふふ。別の何かが脳天から足先までを包み混んだ――得体知れなくとも待ちきれない。

 ぎぃこぎぃこと挽き搾れ。
 莫迦げたジョークに肚がヨジれた。

 我慢する方が身体に悪い。口を閉ざすだなんて考えられない。ナイフもフォークもお行儀も、全部々々を投げ捨てて両手のハンバーグ。いっぱい頬張る君がいとおしい。あれ? 君はカスタードじゃなくてチョコレートなんだね。ねばついた中身はひどく扇動し始めた。オフィーリアも一緒にどうかな? この世界なら綿も袋と見做される――お裾分けはベコンも羨むプラス感情。

成否

成功


第1章 第3節

アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯

 こぼしたらダメだ。そのパン粉は人間の宝物で在り、あの葡萄酒は神様の贈物で在れ――ハンバーグを食むだけだとアーリアは説かれたが、解かれた眼前は予想通りに混沌だ。『普通の』挽肉など何処にも存在していない。ただ無意識に蠕動したミンチどもが浮遊感に戯れている――こすもちゃんが繋いでくれた世界だもの――物々しさも愈々曖昧に融け、自然現象が編み出した所業は地へと垂れ下がりだ。ええ。ええ。フォークとナイフに持ち込んだ赤ワイン。ボトルに似合うグラスで挺す。なんてことだ。呈した在り様は振り粉と化している――お肉にはワインが合うもの! するりと這入り込んだ刃が汁気を噴き出させ、整理整頓を始める前に大きなお口! 美味しいじゃない! たっぷりのカスタード・クリームが首を傾げたが、まあ、慣れて仕舞えば相応しいイカモノだ。アルコールと甘さが臓腑を撫でてくる――なんだか段々と感情が昂ってきた。決められた手順なんて壊して掴め。
 ナイフもフォークも面倒だ。躍り出た両手を制御出来ず、できたてアツアツを握り絞める――そうとも此れは屠る作業だ。彼等は活き活きと殺される――ミケランジェロの味わいを忘れたのか……? 肉。悪魔の身体に手を突っ込んで、心臓取り出した時のような……そんな依頼も脳外だ。
 どくどく。あつい。あかい。ハンバーグが鳴いている。おいしい。ふふ――ふれあいの園に鼓を繰れよ。はんばーぐって、なんだったかしら?

成否

成功


第1章 第4節

アエク(p3p008220)
物語喰い人

 もそもそと言の葉が嘔吐を繰り返していた。そもそものことだ。秘宝種たる我・貴様は食も眠も不要であり、普段この口が喰むのは情報のみ。簡単に解いて終えば『自給自足』の窮極で、あの臓物の貌は文字でも何でも構わない。かまずに呑む事は身体に悪いだろうが純然たる食物を『いれる』など殆ど『無』――何物かがナンセンスだと大笑いしたが人の演技が下手なハンバーグに違いない。ああ。未知。未曾有。在り来たりこそが我『アエク』の問答――いづれ吐き出すとはいえ『慣れていない』のだ。かちゃりかちゃりと騒がしいカトラリーがマナー違反だと喚いている。これも慣れていない。所詮こういう世界だ。ハンバーグが飛び跳ねて掌に乗った……此方が掴んだのか? 口に運ぶ。運ばれたのは口腔か――ねぶる。カスタードの甘ったるさが『頁』を伝って往った。
 彼らを始末するための我の手段である。彼らを処分するために特殊な過程は要らない。どこかの熱狂やすれ具合を『忘れさせて』くる。汚れ? ああ、こんな事もあろうかと手拭きは持っている。そんな情報はどうでもいい。食せ食せよ甘美を――素晴らしくも剥がれ抉られ、なお、活きている鳴き声――総ては吐しゃ物の世迷い貌だ。
 未知。満ちる。ふくらんだ。指を突っ込まずとも反芻は容易い。ひどい。ひどいよ。ちゃんと血肉にして――食ってやる。もしや全部が※※字数に黄えるとでも?

 誰かの言葉が聞きたいならば腸に流れなさい。

成否

成功


第1章 第5節

Tricky・Stars(p3p004734)
二人一役

 月と太陽が同時に昇ったとして『ハンバーグ』には関係のないフライパンだ。即ちStars、二人一役でも一人二役でも問題ないのだ。その味わいに変わりはなく、故に『胃袋』が何を望むのかなど如何でも良い――菓子だけで充分だ。じゅうじゅう詰めの肉なんて食いたくない――青色の君が拒絶した。そもそも食事自体があまり好きではない。そんな余裕が有るならば空を掴むように『戯曲』を書いていたいのだ。腸を掻き毟るようにハンバーグが泣いている……ああ。可哀想だ。橙色の君が反撥する――お前がそうやって好き嫌いをするから大好きだった寿司焼肉その他を全然食えてないんだよ! 最悪! 我慢する事も『出来ない』世界だ。丁度いい――思い切り食ってやる。さぁ食うぞ喰い尽くしてやるお前が泣いてもハンバーグが鳴き続ける限り止めてやらないからな!! 成程。脚色料は人工的だった――がぶり。ハンバーグの蠕動が口の中を侵していく。カスタード・クリームと混在した汁気が油分と称される奈落を孕む。たっぷりと添えられた「悪かった」「もう許してくれ」何か聞こえたか? 久々のにくにくしさを阻むだなんてパンにも米にも出来ないのだ。
 気分が悪いだなんて変な事を言う。もう限界だなんて妙な事を言う。至福のディナー・タイムを嫌悪するなど『アドリブ』にも成らないのだ。カトラリーに滴った挽も残さずにぺろり。ウェルダンとレアならば後者が最適解。筆舌不可能な人身!

成否

成功


第1章 第6節

チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
炎の守護者

 知りたいのかと彼等が首を傾げている。躊躇しているのかと彼女等が言辞を繰っている。ひさしぶりの肉料理だと理性の裏側が歓んでいた。悦びの狭間で疑問符が回転しているが、そんな空白は押し退けて――青色の二星が光を帯びた。突き刺したナイフの悲鳴、ぶちゅりはみ出たカスタードの異ろ……挽き肉の五月蠅い事煩い事喧しい事……ふるえる咽喉へと流し込むような『ごくり』。え、食べてみたら驚くほどおいしい。頬と舌を冒涜するかのように蝕まれ、だとしてもハンバーグはハンバーグなのだ。咬めば噛むほどに溢れる肉々しい汁気。嗚呼。広がるやみつきに囚われなんて『原則』から引き剥がされた気分だ。もっと、もっと、ベッコベコな胃袋におかわり。
 放り投げたナイフが地面にからからはねとんだ。オイラの相棒は鋭いフォークだけで充分だ。おお、銀色を舐っている人工的な脂分。つかまえた! もう逃さないとおにくに宣言。ようこそカーニバル会場へ。此処がベーコンすらも到達出来なかったクラブ活動――おにくは好きですか?
 もちろん大好きだ。ぎちぎちと詰め込まれた消化モジュール、オマエの吐き気も欲の前には無力だ。クリームと肉汁の不快感も香りに殺され続けている。やめられない咀嚼が壊れ掛けの心身を鞭打った――どちらが先に狂うのだろうか。誰にも解けないオイル塗れ。
 かられた種火は微調整出来ない。眼前で蠢く物・者を貪り尽くすのみ。

 チャロロは計算が苦手だ。

成否

成功


第1章 第7節

ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
祝呪反魂

 金色に這入り込んだ『もの』は決して病的な善悪ではない。二元論を大切に行動する事は構わないが『ハンバーグを喰え』と囀ってくる。なぁなぁに連れ廻される感覚と共にキセルべきソースが見当たらない。中りそうな外見は成程『普通のハンバーグじゃねぇよな』ァ……過程を重視するのか結果を抱擁するのかで変わると云うのか、挽肉のクセに賢明なものだ。嗜好品じみた思考は果たして至高か否か――本当は人間だったとしても「適任じゃない」と吐けただろう。しかし受けた仕事はこなすべきだ。粉っぽい上っ面を拭い取り、血肉にもならない『うめき』をつつく。ヒトと同じ食事は嫌いじゃない――カルナバルを叩いて渡れば、腸詰めの橋など出来ないのだ。
 銀ではないカトラリー。からふるな彼等に突き刺して曰く、レイチェルは女・祝福らしくない。荒々しい口調も脂塗れだと上品だよね――するすると捌かれたハンバーグをもしゃり。仕草は上品に『夜の存在』はグロテスクだろう――冒す。侵す。犯す。口腔を濡らす本能への刺激。肉々しいほどの血の味が、憎い煮喰いと擽っていく……ああ、所詮化物。美か獣、両者を得る事は不可能だ。今更取り繕うのは無意味だろう――オッドアイがギラ憑いた。
 悍ましい己の身。染みてたまらない、前足と牙のお遊び上手。みちりと千切れたハンバーグがカスタード・クリームを吐き出した。おれはなにをしていたんだっけ?
 あ、あ――新鮮な臓腑は証なのだ。

成否

成功


第1章 第8節

冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛

 彼等の活きている理由・生きている所以を訊ねて観れば、成程、自分自身と大して変わりやしない。おなかすいたところに丁度いい『物語』だ。むつりと膨らんだハンバーグの群贅が睦月へと傾げている。カスタード食べ放題だなんてとってもすてき。素敵なステーキじゃ終わらない部分は天才だ。え、違う? ぐにぐに啼いた連中が否を音を吐いた。ハンバーグの方を貪り尽くせと存在が嗤う。もちろん好き嫌いはしないよ。かちゃかちゃとカトラリーが催促してくる。ちゃんと両方とも食べます――
ぶちゅぶちゅと勝手気儘に破裂して魅せた汁気具合。僕、えらい子? 君は偉い子だ。ごくりと響いたのは唾なのか感情なのか――残さず食べたら褒められる。褒めてもらえるならば何故滓こぼす? 大事な大事な人たちに愛してもらえると言えば『真』と成り得る。君はいい子で在り続けるのがかみさまだ。そうでなくちゃ『いけない』のだ。僕は。僕は。僕は……ハンバーグよりもカスタードが好き。
 考えて身れば極々自然な関係性だ。彼等は始まりの※※ちゃんに似ている。しょっぱいにがいより羊羹みたいな甘い方が好き。ふるえる胃袋と脂汗の視界、でも残さないよ。どんどんと戸を叩くが如く、ハンバーグが増殖して迫る。喰え。残さないよ――嗚呼。いい子のランチなのだ。
 いい子でしょう? 言って。そう言って。言ってよ『誰か』お願いだから――優しい嘘にスパイス。残すと嫌われるかもしれないから。

成否

成功


第1章 第9節

 大皿は貴様等のオカゲでからから鳴った。
 世界と称される挽き肉が、蠕動と云う感謝を表した。
 ありがとう。ありがとう。ありがとう。
 ――カスタード・クリームの濁流も失せ、正気と共に平たい底無し。
 総ては丸く至れなかったのだ。
 何よりもハンバーグは叩くだろう?

 完璧に模る事は難しい。
 こねくり回せ!

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