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シナリオ詳細

冬の訪れに牙磨く

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●冬の訪れに牙磨く
 深緑『アルティオ=エルム』に眠りし遺跡の果て、伝説の土地『妖精郷アルヴィオン』。
 世は冬まっただ中であっても、ここアルヴィオンは温暖な気候に包まれており、寒さとは無縁な生活を過している。
 ……そんな生活を羨ましいのか、それとも……妖精という小さな存在がただただ鬱陶しいからか、お腹が空いているのかは分からないけれど。
『ガルゥゥゥ……』
 目を血走らせた狼のような獣たちが、妖精郷の一つの村『グランヴェ』へと迫る。
「……んー?」
 小首を傾げながら、村の住人の妖精がふと振り返る。
 ……すると。
『ガルゥ……グルアァアア!!』
 地を駆け、砂埃を上げながら、一直線に迫り来る狼の群れ。
「キャー!! 狼が、狼が来るーー!!」
 と甲高い叫び声を上げて、同胞の仲間達へと急いで知らせようとする。
 悲鳴を上げて逃げていく妖精達……だが、それよりも素早い獣たちは、町へと襲撃し、妖精達を喰らうのであった。


 偶然、妖精郷を訪れていた君達の所へ。
「イレギュラーズの皆さん、大変なのです、話し、聞いて欲しいのです!!」
 『女王の侍女』フロックスはパタパタとその周りを飛んで注意を惹こうとする。
 そんな彼女を話を聞こう、と君達が宥めると。
「はぁ、はぁ……あ、ありがとうございます、なのです。でも、緊急事態なのです! 私達妖精郷の村町が最近、獰猛な狼達に襲われるという事件が続発しているのです!!」
「狼達はとーっても素早くて、群れで一斉に襲い掛かってきて、ガルルゥって私達を食べちゃうのです……恐ろしいのです。でも、イレギュラーズの皆さんならば、きっと助けてくれると信じていたのです!!」
「狼達が襲おうとする村町の狙いは見境無く、襲った所の近くを次々と襲い掛かっている様なのです。最近襲われた村は分かってるのです、その近くの村に急いで向かって、狼達をこてんぱんにして欲しいのです!!」
 小さな身体を精一杯動かし、同胞達の無念を精一杯表現するフロックス。
 そして。
「私達の小さな身体じゃ、なかなか対処が難しい相手なのです……だから、イレギュラーズの皆さんだけが頼りなのです。宜しく頼みます、なのですよ!!」
 と、精一杯の勢いで頭を下げるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回の依頼は深緑の妖精郷『アルヴィオン』で暴れ廻る、人食いならぬ妖精食いの狼退治となります。

 ●妖精郷アルヴィオンとは
  アルティオ=エルム(深緑)に眠る遺跡の果てにある、伝説の土地です。
  妖精達が平和に暮らしています。
  魔種に蹂躙されたアルヴィオンをイレギュラーズが救いました。
  妖精達はイレギュラーズに深い感謝と信頼を抱いているでしょう。

 ●成功条件
   素早い動きをする、獰猛な狼達を退治する事となります。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はAです。
   想定外の事態は絶対に起こりません。

 ●周りの状況
   皆様が村に向かうと、丁度狼達が襲い掛かるとこへ遭遇する事になります。
   周りの妖精達は狼達が近づいてくる事に気づき、恐怖に叫び混乱している状態です。
   一言二言程度ならば周りの妖精達に呼びかける事が出来ます。
   その言葉によって周囲が混乱した状況になるか、イレギュラーズの皆さんの言葉に従ってくれるかになりますので、プレイングにはその説得の言葉を(する場合は)書く様お願いします。
   
   狼達は村に襲来すると共に、目に付いた『妖精』達を優先して喰らおうとします。
   つまりターゲットの優先順位が妖精>皆様、となりますので、妖精達を守りながら戦う様にして下さい。
   (当然イレギュラーズの方で妖精さんがいるならば、そちらが優先となります)

 ●討伐目標
  敵となるのは、狼の群れが20匹です。
  敵の数が多く、速度(反応)も150位の設定となります。
  とは言え、攻撃手段はその獰猛な牙で噛みついてくる、の一つで回復手段はありません。
  ただ、妖精さんが食べられてしまった場合は、HP回復となってしまいますので、それだけはさせないように頑張って下さい。
  噛みつき攻撃は物・至・単で、牙により傷ついた場合、体内に毒を付与します。
  
 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 冬の訪れに牙磨く完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年12月26日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

クロバ・フユツキ(p3p000145)
傲慢なる黒
オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
優しき水竜を想う
サイズ(p3p000319)
妖精■■として
アト・サイン(p3p001394)
観光客
錫蘭 ルフナ(p3p004350)
澱の森の仔
ハロルド(p3p004465)
ウィツィロの守護者
フランドール=ジェーン=ドゥ(p3p006597)
パッチワーカー
ルーチェ=B=アッロガーンス(p3p008156)
異世界転移魔王

リプレイ

●牙噛みし者
 深緑【アルティオ=エルム】の遺跡の果てに広がる伝説の土地、『妖精郷アルヴィオン』。
 外は冬の気候となるものの、ここは常春……冬の寒さとは無縁で、妖精達も穏やかに過し、暮らしている。
「うーん……最近まで冬将軍が来ていたと思えない位の春うららだね」
 と、『森の善き友』錫蘭 ルフナ(p3p004350)が目を細める。
 しかしルフナの表情はいつもよりは厳しい……それもその筈。
「うわ~、妖精さん達の危険が危なくて大変だ~」
 と、『パッチワーカー』フランドール=ジェーン=ドゥ(p3p006597)がのんびりとした口調で呟くが、起きている事態は緊急事態。
 妖精達の穏やかな生活を脅かすのは、妖精達を丸呑みにしてしまうという、狼の群れ。
 それがここ、アルヴィオンに現われてしまったのだ。
「……うーん……弱肉強食という概念が生きてる世界だ。だから狼が獲物を喰らうなんてこと、当たり前ではあるんだがな……」
 と『死神二振』クロバ・フユツキ(p3p000145)が空を見上げて呟くと、それに『木漏れ日妖精』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)も。
「そうね……でも丸呑みって……私はそこそこ人間に近い身体だからいいけど、でも一飲みで飲まれるかもって思うとぞっとするわ」
 と、怯えるような仕草をするオデット。
 彼女もかなり小柄なので、一飲みにされる恐怖がある……ただ、妖精として扱われるかの不安もある様で。
「でも、これで狙われなかったら私は妖精ってことにはこの世界ではならないのかしら? それはそれでムカつく気もするし……」
 非常にもやっとしているオデット、対して完全に妖精の大きさへとギフトでなっている『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)は、この依頼に並々ならぬ思いで参加していて。
「妖精を守る! と決めた時には! 行動の選択は決定している! 妖精を捕食する狼……一匹たりとも生かしておけない! 全部斬る!! 妖精を守る為に必要なら狼の大群に突っ込むよ! 捕食なんて他の依頼で約三回位されたんだ! 今更怖がるか!!」
 と、とても強い口調で叫ぶ。
 それに『聖断刃』ハロルド(p3p004465)が。
「なに? 敵陣のド真ん中に単騎突撃をしかける、だと!? まったく、大人しそうな顔して無謀なことを言うじゃないか!」
 と笑う。それにサイズは。
「無謀だったって、何だって妖精達を助ける為になら、全力で挑む! 素早い狼より早く動けるようになる為に、布どころか紙装甲になったが……妖精を守る為なら安いものだ……毒があったとしても、それは体力で耐えてみせる!!」
「ほう……いいぜ、その作戦。楽しいじゃねぇか! 気に入ったぜ、俺も混ざってやるぜ!!」
 とハロルドがサムズアップすると、それにオデットと『異世界転移魔王』ルーチェ=B=アッロガーンス(p3p008156)も。
「そうね……でもサイズにもそこまで無茶はさせられないわ。私も頑張らないと行けないわね」
「そうであるな! よし、全力でサイズを守らねばな!」
 そんなサイズへの加勢を口にする仲間達。
 そんな妖精達の守護の願いと同じ位、ルフナも旧い友人達の危機に思いは強い。
「それにしても、珍しく今回は僕以外みんな旅人なんだね。生ける幻想とも呼べるハーモニアらしいところ、見せてあげないと。ここの妖精郷の人達は旧い友人だと聞くし、ほっとけないし。まぁ……狼達の妖精判定がどの位のガバガバさなのかもちょっと気になる所だけど……」
「そうね……まぁこっちは判定される前に倒すつもりだけど!!」
 オデットの言葉にルフナは苦笑しつつ。
「まぁ、今回そんなに余裕ある訳でも無いし。取りあえず全部を倒せば良い訳だし。とにかく妖精達が襲われる前に付かなきゃだから、急ぐよ」
「ああ、よし、行くぞ」
 最後に『観光客』アト・サイン(p3p001394)が締めると共に、フロックスに聞いた妖精の棲まう村『グランヴェ』へと急ぐのであった。

●獰猛なる獣
 そしてイレギュラーズ達は、借りていた馬車と共に、村へと辿り着く。
 が……村への到着とほぼ同刻に、逆の方角から。
『グゥォオオオ!!』
 と、咆吼を上げて地を駆ける、狼共の姿。
「早速来たね。普通、こんなにタイミング良く到着と同時に襲われてますだなんてなる? まぁ、ぼやいてる暇は無いか」
 とルフナがぼやき、そして早速アトが引いてきた馬車と共に村の中へと突っ込み、陣地構築を発動。
「こっちだ、集まれ! 助かりたかったらこの馬車に全員乗るんだ! 早くしろ!」
 大声で、周りの妖精達に叫びながら、荷車の幌の周りにスロープを下ろし、妖精達が入りやすいように道を作る。
 本当、唐突なことで何、コレは何なの!? と言った具合で混乱している妖精達へ、強い口調で指示を与える……更には。
「中に入れば喰われる心配は無いんだ。安心して震えてろ!!」
 と、妖精達を励ますというよりは、少しの恐怖を呼び起こさせるような声で招き入れる。
 それに加えて、馬車の上空に幻影で文字を作り出し。
『避難場所 ここ』
 という文字を幻影で浮かべる事で、避難場所を明確化し、本能的に『逃げなきゃ死ぬ』という風に思わせる。
 ……そんなアトの作り出した避難場所へ妖精達を避難させるべく、更にはオデットが上空へと飛び上がり、空を跳び回りながら。
「みんな、馬車が避難所よ! すぐ逃げ込んで!」
 と呼びかけ周り、更にルフナも。
「ほら、こっちへ走って!!」
 と端的な言葉で呼びかけていく。
 迷わせないよう、指示を与えるイレギュラーズ。 それに対し、逆に狼に向けて駆けていくのはサイズとハロルド。
 狼に真っ正面から対峙し、狼にがっぷりと衝突しながら、ルーンシールドを展開し、火急の防衛陣を展開。
 狼の勢いを取りあえず大きく削り、妖精達の逃げる時間を少しでも稼ぐよう対峙する。
 そして、妖精達が混乱しながらも馬車に逃げてくる……不安そうな彼女達に、クロバが。
「怖いよな。だが任せてほしい。あの観光客は言動こそアレだけど、やるべきことはしっかり為す人だ」
 と一言付け加え、馬車の中へと飛び込ませていく。
 そして、逃げ遅れた妖精達がいないかを、空からくまなく見渡すオデット。
 出来る限り効率的に見渡し、小さい妖精達が見受けられなくなれば、オデットはサイズとハロルドの近くへ降りて、彼女も又妖精の振りで、狼達の注目を惹きつける。
 村全ての妖精達が馬車の中へと逃げ込んだ所で、アトは荷馬車の幌四方にスロープを立てる。
「狼を中に入れるんじゃないぞ、みんな! このスロープは妖精専用だってね!」
 と、スロープをバリケードの如く展開。
 サイズらが、流石に3対20で耐えきれずに下がってくる……そのバニ向けて、ルーチェが『バスター・レイ・カノン』を早速ぶっ放す。
 更にクロバが。
「お前達、今回は狙う相手が悪かったな……生憎妖精たちを喰らわせるわけにはいかない。妖精郷への負債はまだまだ返し切れてないものでね! クロハ・”フユツキ”……いざ参る!」
 と、『羅刹門』を掲げ、戦線布告。
 それに狼達は咆吼と共に、馬車を睨む。
 それにアトは、馬車の馬に鞭を入れ、狼達とは逆方向へ全力で走らせる。
『グルゥ……!!』
 と、それを追いかけようとする狼だが、フランドールが馬車の居た場所の傍らで。
「え~と~、こういう時なんていうんだっけ~? こっちのみ~ずはあ~まいぞ~?」
 ふんわりとした雰囲気で名乗り口上で、敵の注意を一部こちらへと惹きつける。
 そんなイレギュラーズ達の呼び声に、本能的に咆哮で応える狼達。
 そのターゲットは……やはり妖精の大きさになっているサイズをメインターゲットに据える。
「来たか……ハロルドさん、余ったのは頼むね!」
「ああ!」
 笑みを浮かべながら、ハロルドは周囲に翼十字で一気に敵への怒りを散蒔く作戦。
「はははっ! おら、死にたい奴から掛かって来いよ畜生ども!! 血に飢えてんのはテメェらだけじゃねぇんだぜ!!」
 そんな言葉を投げかけつつ、狼達のターゲットを少しでもサイズから逸らせる様に動く。
 そして、仲間達がこちらへと向かってくる……間にも、狼達は二人へと噛みついてくる。
 獰猛な狼達の刃が肉を抉り、毒を刻む。
 だが……ハロルドは突撃時に事前付与しておいたルーンシールドとマギ・ペンタグラムのお陰で、さほど苦しい状況には無い。
 ……むしろ、攻撃が集中しているサイズはみるみる内に体力が削れて行く。
 そんなサイズへ、妖精達の乗る馬車を逃しつつ、展開する仲間達。
「サイズ、危険そうだね……急がないと」
 とルフナは近づきつつ、クローズドサンクチュアリで身を固める。
 一方でルーチェとオデットの二人は遠距離の範囲に収まったところで、カーストガトリングの範囲攻撃と、ヘビーサーブルズを、サイズをできるだけ巻き込まない様に発動。
 ……そして、馬車が完全に域外まで到達した所で。
「サイズ、ルーンシールドをつかえ! 案がある!」
 クロバの指示、ハロルドはほう、と言いつつ、サイズを庇うような位置へと移動。
 その間、フランドールは。
「ほらほら~、妖精よりもアタシの方がおいしいかもよ~? アタシは死体だから~熟成肉だよ~。まぁ、防腐処理はしてるんだけどね~」
 と、外三光を発動。
 次の刻、最速のサイズは、自分にルーンシールドを発動し、一時の物理攻撃に対する抵抗を得る。
 勿論そうなると、狼達のターゲットが多少ブレてしまうので、ハロルドは翼十字で怒りを再付与。
 そしてルフナは。
「僕の周囲にいる人は、僕が守るから……ほら、無茶しないでよね!」
 と前線に出ると共に、鎮守森を発動し仲間達を回復。
 回復の後に、オデットとルーチェの遠距離二人の行動。
「サイズ、もう少し頑張って!」
 とオデットはインフィニティバーンを発動しつつ、ヘビーサーブルズ。
 ルーチェはマギシュートで、的確に一匹ずつを撃ち落とす。
 そしてクロバは。
「この断ちは譬え生き残ったとしてもお前らを縛る呪の一閃! 果たして念願の肉にありつけるかな――もっとも、ここに集まった時点で逃す気はないんだがな!」
 渾身の封刃・断疾風で、敵味方丸ごと一網打尽。
 勿論ルフナとハロルドはルーンシールドの結果、ダメージはほぼ無い上での作戦。
 そして、妖精達を逃し終えたアトが馬と共に戻ってくると、そのまま盗火線で纏めて範囲攻撃を嗾け、一方のフランドールも、名乗り口上を上げる事で、サイズを援護する。
 そんなイレギュラーズ達の連携攻撃に、2刻で半分近くの体力が削れてしまった狼達。
 とは言え、牙を剥かんとする姿勢は一切変わりない様である。
 次の刻、サイズは再び名乗り口上で、狼達の怒りを買い、自分に攻撃を集中。
 それに応じるよう、ハロルドは。
「雷よ、我が聖剣に宿れ!」
 と、聖罰の剣で周りの敵を纏めて薙ぎ払い、更にオデットのヘビーサーブルズ、ルーチェのカーストガトリングが範囲に攻撃。
 対しルフナは、サイズに神奈儀を使用し、倒れないように回復へ集中する。
 そして、前衛のフランドールは外三光、クロバの芒に月、アトの盗火線を多重に重ねる事で、更に更に狼達を追い詰めていく。
 ただ、狼達は何か理性的な行動を起こすということは無く、ただ噛みついて攻撃をするがのみ。
 そんな敵の動きをしっかりと見定めながら一撃、一撃を確実に叩きつけていく。
 最初は20匹居た狼の群れだが、一体、また一体……と数が減っていく。
 そして、妖精達を非難させてから十数分が経過し……その頃には残る狼は3体にまで減少。
 ただ、逃げる様な素振りは見せずに、咆哮と共に攻撃をし続ける狼。
「本当、狩猟本能だけは残っているみたいだね……でも、後もう少し。一気に行こうか」
 とルフナの言葉に頷きながらハロルドは。
「ああ。お楽しみはここからだぜ! 遠慮なく受け取れ! トールハンマァァァ……クラッシャァァァァーーー!!」
 渾身の力で、雷槌の鉄槌を喰らわせる。
 その一撃の前に、狼が完全に潰れ散る。
 そして、別の狼へほど同時にクロバが芒に月、後もソニックエッジを使用し、強烈な一閃で更にもう一匹を叩き潰していく。
 とうとう、残るは後一匹……。
「これで……これで最後だっ!!」
 とサイズが、最後の力を振り絞っての呪血炎陣を放ち……その一撃に、全ての狼は崩れ去っていった。

●狼の痕
 そして……狼の群れを、完全に殲滅したイレギュラーズ達。
「ふう……と。さて、それじゃ妖精達は無事かな……っと」
 と、逃がした馬車の下へと急ぎ、幌をピラっ、と開けるアト。
『……お、終わった……の?』
 怯えた表情の妖精達に、アトは。
「ああ、無事に終わったさ。ほら、大丈夫だっただろ? 安心してくれ」
 と、笑みを浮かべる。
『わぁぁ、良かったぁぁ……えーと、イレギュラーズさん? 本当、ありがとうなの!』
 まるでダンスを踊るが如く、アトの周りをクルクル回る妖精達。
 そんな妖精達の無事を横目に、オデットは……かなり疲労困憊、ボロボロとなっていたサイズの下へ。
「……っ……」
 顔を背けるサイズにオデットは。
「全くもう……またムリしちゃって。本当、妖精達の事になると、自分の身はどうでもいいとか考えてるでしょ!?」
 と、毎度恒例のお説教が始まる。
 とは言えサイズの妖精達を守りたいという気持ちは良く分かるし……サイズ自体も、多少は申し訳無い、と感じている模様。
 そしてオデットとサイズのやりとりにクスクスと笑うルーチェ。
 その一方、フランドールは狼達の死体の下へ。
「う~ん、終わった終わった~。それにしてもさ~、なんで狼達はわざわざ妖精を狙うんだろ~? もっと楽に襲える動物は居ると思うんだけど~。妖精ってそんなに美味しそうかな~? それとも~、何かに命令されていたのかな~?」
 と首を傾げる。
 それにルフナは。
「うーん……どうなんだろう? 妖精達は小さいから、反撃されない……とか思ったんじゃないかな? 複雑な理由は、知能からして無さそうだし」
「ああ~、確かにそうかもしれないね~。全部が全部倒れちゃったからぁ~、真実は闇の中だよねぇ~」
 ふらふらと左へ右へ身体を揺らしながらのフランドールの言葉。
 そして、クロバが。
「真実は何であっても、オレ達のやるべき事は変わらないさ……狼達を倒し、この妖精郷の『妖精』達を守る。その気持ちは俺にもあるんだ……古い友人にな」
「そっかぁ~。まぁ、頑張るしか無いって事だよねぇ~。よ~し、頑張るぞ~!」
 フランドールの言葉に皆も頷く。
 そして、狼達との戦いで傷ついた村の家屋や建物を、ミニチュアサイズの大きさに少々苦労しながらも修繕していくイレギュラーズ。
 ……一通り、目に付く部分全てを修復し終えた所で。
「よし……取りあえずこれで良いだろう」
「そうだね。それじゃフロックスに報告して、帰るとしようか」
「ああ」
 クロバとハロルドの言葉に皆も頷き、そしてイレギュラーズ達は妖精城へと向かうのであった。

成否

成功

MVP

サイズ(p3p000319)
妖精■■として

状態異常

なし

あとがき

今回、妖精さん達が被害にあう、という事で皆様のプレイングにとても力が入っていた様に思います。
小さな身体の妖精さん達も、心底から皆様へ感謝をしていると思います……ありがとうございました!

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