シナリオ詳細
<Raven Battlecry>ルベライトに捧ぐ
オープニング
●
紅きルベライトに光る雫。輝き地に瞬き落とし。
夕焼けを閉じ込めたカーネリアンが石の間から脈動する。
一際輝くシトリンの目映さに心奪われた。
絡まった楔は盟約。
彼の者を守り封じる揺り籠の糸。
されど、彼の者知る者ぞ居らず、只悠久の眠りに身を委ねる。
――捧ぐ血盟。
紡がれるはこの身に受け継がれる血の寄辺。
紫電纏しルベライト。我が言の葉、聞き届けるならば、悠久の牢獄からの開放を誓う。
――――
――
この世の愉悦。快楽。悲壮漂う心の叫び。
何よりも至高の葡萄酒となりて『蛇瞳』ジブリール・アドワの喉を潤した。
光り輝く色宝。それを目の前で奪われる様はどれだけ見物なのだろうか。
天の御使の名を身に宿した男は悪魔の様な笑顔で口の端を上げる。
「嗚呼、足りない、満たされぬ、満ち足りぬ! 喝采を、絶叫を!」
鈍色の鉤爪を月明かりに照らし、赤黒く濡れた死体の群れの上に男は立っていた。
「足掻いて、良い聲で鳴いて。其の血を流し尽くす迄」
――踊ってくださいますか。
渇望するは絶望に歪む心。
世界の救世主ともてはやされ、その身を削るイレギュラーズの悲痛の涙。
空を切り裂かんばかりの慟哭だ。
色宝を取り上げればそれが見られるだろうか。
否、イレギュラーズには『色宝』よりも『人』の方が価値が高いだろうか。
「大層厳重に護りを固めてるみたいですし。少しは楽しめますかねぇ」
人の苦しむ心の軋みを『食事』と称する天使の名を冠した男は、正しく狂っていた。
ジブリール・アドワにとって大鴉盗賊団は隠れ蓑に過ぎない。
以前所属していた嗤笑の蛇が壊滅した後、台頭してきた大鴉盗賊団へ入り込んだ。其れだけのこと。
『食事』をするのを憚られない場所というのは便利なものだ。何時抜けたって構わない。
「おや、まだ生き残りが居たのですね」
物陰に隠れていた少年と少女は肩を振るわせる。
「兄妹ですかね。良いですね。兄が妹を必死に守るなんて麗しい兄妹愛。
で、どっちが先に死にたいですか? お兄ちゃん? 妹ちゃん? ああ、片方生き残らせてあげても良いですよ?」
「……妹は、ダメだ! 俺が守るんだ!」
「わぁお。偉いですね。お兄ちゃん」
恐怖から身体を小刻みに震わせながら立ち向かう少年の頭を撫でるジブリール。
「じゃあ、望み通りお兄ちゃんを殺してあげましょう。私は優しいですから」
ジブリールは少年の肺に鉤爪で器用に穴を開けた。
「かはっ、はっ」
「うんうん。とても痛いでしょう。苦しいでしょう。私は優しいですからね。兄妹のお別れの時間を作ってあげようと思いまして」
後ろに倒れ込む少年を妹が必死に揺さぶる。
「お兄ちゃん! お兄ちゃん! 駄目だよ。死んじゃ駄目だよ」
涙を流しながら兄が死に向かっていくのを見届ける事しか出来ない少女。
「ねえ、お兄ちゃんはね。貴女のせいで死んでしまうんですよ。可哀想ですね。貴女のせい。
貴女が居たからお兄ちゃんは此処から逃げることが出来なかったし、貴女を守らなくてはならなかった。
理不尽ですよね。先に生まれたばかりに妹を守ってその生涯を終えるんです」
――貴女のせい。
少女の頭蓋の中を自罰の声が駆け巡る。
絶望。恐怖。後悔。経験したことの無い情動が少女の心を蝕んだ。
呼吸は乱れ、歯が噛み合わない。
「嗚呼。その顔が見たかった……」
少女が視線を上げれば蛇の瞳で男が嗤っていた。
●
願いを叶える『色宝』ファルグメント。
考古学者が昼夜を問わず調査を行っていた遺跡群『FarbeReise(ファルベライズ)』から出土した小さな願いを叶えるという前代未聞の宝だ。
其れを狙うは大鴉盗賊団の頭領・コルボ。
コルボがパサジール・ルメスの民レーヴェン・ルメスを攫ったという情報が齎されたのはつい数刻前。
同時に大鴉盗賊団のネフェルスト強襲の報を受けたラサ傭兵商会連合の傭兵達は己の住処を守る為に立ち上がる。しかし、フィオナ・イル・パレストが独自の情報網を駆使して手に入れたネフェルスト強襲の報はブラフに過ぎないのだろうと誰しもが理解していた。
コルボの本命はレーヴェン・ルメスを使ってファルベライズ中核層の地下遺跡に至ること。
先んじてイレギュラーズが向かっている情報も流れてくる。
さりとて、残った大鴉盗賊団が首都ネフェルストの色宝を狙ってくるであろうことは明白。
囮といえど、色宝の分け前を貰えると吹聴されている彼等は躍起になって攻め入ってくるだろう。
ならば迎え撃つ他無いのだ。
ラサ傭兵商会連合、首都ネフェルスト。
緊急収集されたイレギュラーズは酒場の一角に陣取っていた。
「よお、カイロ。来て貰って悪いな」
「何を今更。私とナンの仲でしょう」
それもそうかと大声を上げて笑うのは『アール傭兵派遣所』の所長『不退の怪人』ナン・アールだった。
人間種としては凄まじい巨躯故に、酒場の椅子が子供用に見えてしまう。
顔も強面とくれば悪さを働く盗賊団のボスにしか見えないが、彼はとても善良な人格の持ち主であった。
だからこそ、悪の気質を持つカイロ・コールド(p3p008306)が絶大な信頼を置いているのだ。
「それで、状況はどうなってるんですか?」
「ああ、東のオアシス。ムーリッドがやられた」
「あそこにはナンの部下も居たでしょう? それ程強い相手だったんですか?」
首都ネフェルストから東に行った所にムーリッドというオアシスがある。昨晩そのムーリッドの村人が襲われたのだという。生かす者、殺す者を無差別に選定して刈り取っていく。
その男に睨まれれば、幻覚を見せられ狂ったように泣き叫ぶのだという。
「男の特徴は……鉤爪に蛇みたいな目」
「……っ!」
ナンの言葉に息を飲んだのはエーリカ・メルカノワ(p3p000117)だった。
「何だい、嬢ちゃん。その男の事を知ってんのかい?」
「はい……」
エーリカに注目が集まる。視線から逃れるように下を向くエーリカは、それでは駄目だと恐る恐るアイスブルーの瞳を上げた。できることを、やるために震える指を握る。
「その男は、『蛇瞳』ジブリール・アドワ」
天の御使の名を持つ悪逆非道な快楽殺人鬼。その鉤爪で相手を八つ裂きにし苦め乍ら甚振り殺す。
最も弱いものを狙い、守ろうとする人間の怒り狂う様を愉しむ外道。
それが大鴉盗賊団強襲の流れに乗じて『毒蛇』が紛れ込んだということなのだろう。
「今回の私達の仕事は次に狙われるであろう、色宝及び住民を守る事」
首都ネフェルストの東地区から侵入するとみられるジブリール率いる大鴉盗賊団を迎撃する。
地図を指さしたアレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)が頷いた。
愉快犯の気質が強いジブリールが次に狙うのは、人が多く集まる場所だ。
「東地区はマーケットが多いからな。今、こっちでも避難誘導してるぜ。儂達が動く頃には全員とまでは行かねえが大方避難してる手筈だ」
「でも、完全ではないということですね」
「何処の世にも野次馬根性。命知らずの馬鹿が居る。それに商売道具が気になるってのも分かる。命があったとしてもおまんま食っていく術がなくなっちゃあ、何れ死んじまう」
ラサ傭兵商会連合はシビアな環境と隣り合わせの国だ。
自己責任。弱肉強食。誰も自分の明日を保証なんてしてくれない。
「だからよ。イレギュラーズ。お前さん達にしか頼めねえ。
世界の救世主でも何でも無い命を。生活を。守ってやってくれねえか」
ナンは巨体を縮こまらせてイレギュラーズに頭を下げた。同じ街に住むだけの他人の為に頭を下げる事が出来る度量。カイロは親友の肩を叩いて微笑んだ。
「何言ってるんですか。当たり前でしょう。その為に此処に来たんですから。ま、私はお金が貰えればそれで良いんですけどね」
「お前なあ」
減らず口をたたき合えるのも信頼があるからだ。
親友の頼みとあらば、やってやるしか無いのだろう。
求めるものは黄金なれど。それでもナンとは親友なのだから。
- <Raven Battlecry>ルベライトに捧ぐLv:20以上完了
- GM名もみじ
- 種別EX
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2020年12月22日 22時10分
- 参加人数10/10人
- 相談6日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
リプレイ
●
アジュール・ブルーの空高く。雲一つ無い乾燥した冬の砂漠。
照りつける太陽は真夏程は強くないものの、肌を焼くには十分だった。
砂の粒が手の甲に纏わり付く。
「街の人達を襲う、理不尽な死。させるものか。必ず守る」
されど、気持ちが先行すれば其れだけ隙が生まれ悪辣に飲み込まれるだろう。
マルク・シリング(p3p001309)は鷹を呼び寄せ使役獣として空に放った。
鷹と繋げた視界は上空から地上を見下ろしていた。
ベージュの住宅街と色とりどりのマーケットのテント。少し見渡しただけで数人の逃げ遅れた人が発見できた。状況は聞いていたよりも煩雑なのだろう。心を落ち着かせるように深呼吸をする。
「視野は広く。頭は冷静に。燃やすのは心の裡だけでいい」
マルクの後方には『ひねくれ神官』カイロ・コールド(p3p008306)とその親友『不退の怪人』ナン・アールが言葉を交していた。
「逃げ遅れを優先的に狙う盗賊とは、面倒な相手ですねぇ」
「全くだ。正々堂々と勝負を仕掛けてきやがれってんだ」
「まあ、そんなことが出来るのならコソコソと盗賊なんてやってないでしょうけどねえ」
「しゃらくせえ」
「とはいえ、心強い味方に加えて貴方がいれば問題はありませんか。初のタッグですね?」
「そうだったな。まあ、なんとかなるだろ。ガハハッ!」
ナンは緊張した仲間の空気を払拭するようにわざと大声で笑い声を上げる。
「そうっす。必要の無い命の簒奪なんて、僕は認めないっすから!」
ナンの元へやってきた『薬の魔女の後継者』ジル・チタニイット(p3p000943)が決意を込めて頷いた。
「すみません。ナンさん傭兵さん達と一緒に避難誘導するには何処が一番安全っすかね?」
「ああ、マーケットを抜けて西側へ。戦闘があって難しいようなら北側に迂回するように避けるんだ。南側はここよりもっと入り組んでるからな。遠回りになるが北側を抜けた方が確実だ」
ジルの問いかけに的確な指示を下していくナン。流石は傭兵団の所長だろう。
最後にジルの背中を叩いて激励したナンはカイロへと向き直った。
「待たせたな」
「いえいえ。そういった事も重要な作戦お内ですから。
味方の情報などは聞き逃さず、早急に向かいましょう。時間が命。色々値段は張りますが必要経費です」
拳を重ね走り出す二人。ナンとカイロは先行して『蛇瞳』ジブリール・アドワの元へ駆け抜けるつもりなのだ。カイロの手の平にサン・オレンジの光が溢れ出す。
「――寒さを知らず夜を知らぬ光翼の調べ。陽光の御使いは加護を与えん」
光輝は溢れ、カイロとナンを包み込んだ。
「やりますよ、ナン。存分に叩き潰しましょう」
「おう! 任せたぞ相棒!」
駆け出していく二人を視界の端に捉える『知識の蒐集者』グレイシア=オルトバーン(p3p000111)は金色の瞳をマーケットに向けた。
「色宝を巡る攻防に参加した事は幾度かあるが、まさか色宝絡みでこのような相手と戦う事になるとは」
目的の為に殺人を行うのでは無い。快楽の為に人を殺すこと。
「……何とも趣味の悪い事だ。他者の苦しみを喜ぶ、これもまた人の姿なのだろうが」
己が世界の必要悪として『機能』してきたグレイシアにとって、ジブリールの行動は理解しがたいものがあった。全く合理的では無い思想。勇者を育て倒される為に存在する悪である自分と、己の本能のままに他者の命を喰らう悪。其処には矜持や誇りなんていうものは無く。ただ、快楽の欲求のみ。
「醜悪な事この上ない。美しくないのだよ」
「殺すのが『楽しい』だなんて趣旨違いだし相容れないだろうなァ……」
グレイシアの言葉に『雨夜の映し身』カイト(p3p007128)はバイザーの下から赤瞳を流す。
「まぁ、俺も心得が無い訳じゃねぇが。俺が見たいのはそういう糞野郎がきっちり苦しんでくれる事だけさ、不幸の対象が『誰か』ってのは俺が決めるモンだからよ」
「そうだな。存分に苦しめてやろうではないか」
「ああ、腕が鳴るぜ」
グレイシアとカイトが燻し銀の背中で語った言葉。頼もしい限りである。
愛すべきラサの窮地に駆けつけてくれる仲間が居る。
『砂食む想い』エルス・ティーネ(p3p007325)はそっと瞼を伏せて祈りを捧げた。
「……夢の都ネフェルストを襲うだなんて。私が黙っていられるわけないでしょ。
護るわ、絶対に……!」
彼が守っている砂の街に行き交う人々。その笑顔を絶やさないように。
これは自己満足でエルスが勝手に思い描いている事なのかも知れない。
けれど、それでも。好きな人と関わり合いのある人達にも幸せになってほしい。ただ其れだけなのだ。
エルスの儚き願いは、きっと尊いものなのだろう。
「力のない人を虐げて、それで何になるっていうの! 絶対に放っておくわけにはいかないよ!
苦しそうに吐き出す『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)は犠牲になった人達の無念を慮る。悪逆非道の蛇によって閉ざされてしまった子供達の未来。
それを思えば、腹の底から怒りが湧き上がってくるようだ。
シラス(p3p004421)は迫り来る敵に眉を寄せた。胸に擡げるのは嫌悪か憎悪か。
己が良い育ち方をしていないという自負はあれど。流石に反吐が出る。
「要するに盗賊にも劣る下種共ってわけだ」
無情な現実に怒りの侭、拳を振るった事もあった。けれど、人を殺す事を愉しんでいた訳ではない。
拭うことの出来ない枷としてシラスの足に嵌ったままの記憶。
苦々しい過去に黒い感情が溢れてくる。
「シラス君」
名前を呼ばれ肩を掴まれた。振り返ればの瞳が不安げに揺れている。
「あ、ごめん」
「ううん。大丈夫?」
アレクシアの問いに頷いたシラスは前を向いた。
砂塵の合間に蒼穹が見える。手首に嵌められた『空色の瞳』が揺らめいて。
「いこう、シラス君!」
「ああ!」
長い一日になりそうだと決意を固める。
「いやいや、傭兵の国を襲うとは中々の恐れ知らずですね! 驚きました!」
腕組みをした『離れぬ意思』夢見 ルル家(p3p000016)は大げさな声を上げる。
「馬鹿なのかそれとも何か策があるのか分かりませんが……こっちの作戦はシンプルですからね!」
逃げ遅れた人をマルクとが上空から探し出し、ジル達が避難誘導していく。
「ボスはカイロ殿達に任せて、他の皆で団員の数をバリバリ減らして行きますよ!
まあ本当はボスも倒したいですが今は人命第一で!」
ルル家の声に『夜のいろ』エーリカ・メルカノワ(p3p000117)は薄氷の瞳を地面に落とす。
ジブリール・アドワ。其れは熱砂の地で紡がれた縁。或いは呪いなのだろう。
エーリカの『家族』を奪おうとした嗤笑の蛇の残党。
大切なものを奪う事で、流れる涙と魂の悲鳴に何よりもの快楽を示す殺人鬼。
エーリカは宵闇のフードを目部下に被った。
身体を覆い、尖った耳を隠すための色。
それは、ひとつの儀式なのだ。戦うための楔を己に課す。演じる事が出来る隠れ蓑。
同時にジブリールの目を欺く盾となり得るだろう。
彼はエーリカを引き裂く事で多くの人が悲しむことを知っているのだ。
だからこそ、今は隠しておく。もしもの時の為に。
●
「皆様ご安心下さい! イレギュラーズが助けに来ました! 落ち着いて指示に従い避難して下さいね!」
マーケットの影に隠れていた人達に声を掛けるのはルル家だ。
「思ったよりも数が多いな。其れに点在している」
マルクとアレクシアは空からの視点で逃げ遅れた人を探していく。
「ジルさん、マーケットの南にはぐれた子供が居ます。其方へ至急向かってください」
「分かったっす!」
「エーリカさんはマーケットの中に隠れて居る商人達の誘導をお願いするね」
「うん」
アール傭兵派遣所団員の団員を半分に分けて、ジルとエーリカがそれぞれ別方向へ走り出していく。
エーリカはアレクシアの誘導でマーケットに向かっていた。
風の精と共に逃げ遅れた人を隈なく探していく。
『安心して。私達は貴方を助けに、きたの』
突然脳内に響いたエーリカの声に身を低くしていた人は声をあげそうになった。
それをエーリカが制止し落ち着かせる。
『大丈夫。そちらに、アール傭兵派遣所団員の方が、向ってるから、ちょっとだけ、まっててね』
敵影が居ない事を確認したエーリカはアール傭兵団の団員と共に駆け足で逃げ遅れた人のところまで走り込んだ。
「助かった……っ、あいつらに襲われて、ここに逃げ込んだんだ」
どうやら足を怪我して逃げることが出来なかったらしい。
「其は泡沫、澄清なりし生命の源。彼の者の穢れを祓い給え――」
エーリカはウンディーネの力を借りて逃げ遅れた人の傷を癒していく。
「これで、もう大丈夫。さ、この人に着いて行って」
「分かった。すまない。恩に着る」
安堵した表情で団員に連れられて行くのを見送ってエーリカは次の救助者の元へ向かった。
ジルは助けを呼ぶ声に従って走り続ける。
建物の中にも気配があるが、其れよりも先に辿り着かなければならないのは子供達の元。
悲鳴に近い恐怖の声がジルには聞こえていたからだ。
「待っててくださいっす!」
思えば、豊穣の時もこんな風に路地を走った気がする。
何度も何度も。誰かを救うためにジルは手を伸ばすのだ。
広場に少女を守る少年の姿が見える。
その視線の先には、屍獣と大鴉盗賊団数人の姿があった。
ジルは直ぐさまマルクの鷹へと合図を送る。
『――敵を発見。救助者あり。救援求む』
誰よりも先に敵の前に走り込んだジルは子供達を庇うように立ちはだかった。
「僕達が来たから、大丈夫っすよ!」
気を張っていた子供の瞳に涙が溢れた。
――――
――
剣檄がアジュール・ブルーの空に散る。
金属の摩擦に流れる火花が甲高い音を鳴らした。
「ははっ、か弱いかと思ってましたが、中々どうして。しぶといんですね」
「お褒めにあずかり光栄です、って言えばいいですか――ねえっ!」
カイロの白い衣装にアガットの赤が重なる。
肩を貫くジブリールの鉤爪を押し返して、笑ってみせるカイロ。
「カイロ避けろ!」
「っ!」
ジブリールの背後から大きな戦斧が風を切って叩き込まれた。
それはナンの得物。
「甘い、甘い」
ナンの斧を軽々と避けてみせたジブリールは、楽しげに口の端をあげる。
「私の相手が二人だけとは舐められたものですね。ああ、そうかまだ『逃げ遅れた』人が居るんでしたっけ。そっちを逃がしてるのか。ふふ、余程賢い指揮官がいるようですね。或いは、私を知っている者」
ジブリールの言葉に眉一つ動かさないカイロ。敵に情報を与えるのは得策では無い。
「弱い者虐めが好きなご様子ですけど行かないんですかぁ?
ここを突破すれば幾らでも楽しめますのに。まあ無理ですけど」
カイロの挑発に蛇の目を細めたジブリール。
「まあ、良いでしょう。貴方達でも。ねえ……片方が死ねばより悲しむのはどちらでしょうか」
空気が重圧を増す。其れまでとは比べものにならない程の死の匂いを孕んだ戦場。
百戦錬磨のナンでさえ、一歩を踏み出すことに躊躇するプレッシャーが漂う。
「とりあえず、白い方の貴方から行きましょうか」
「……っ」
一足飛びにカイロの間合いに踏み込んだジブリールは彼の首を狙い鉤爪を走らせた。
「は、ぐ」
「あら、惜しい。でも、ちょっとは嬲り甲斐が無いと面白くないですからね」
その場を飛び退いたカイロは、首から吹き上がる血飛沫を手で押さえる。
血管一本分、深く入り込まれていれば致命傷だった。
直ぐさま回復を施し次段に備える。
「どうしたんですか? 私はまだまだこんなものじゃ死にませんよ?」
「お望み通り、遊んであげましょう。その澄ました顔が歪むのが楽しみですね」
カイロはジブリールの攻撃を受けながらほくそ笑んだ。
アガットの赤に塗れ。血みどろになりながら。
これでいい。時間を稼ぐことが自分達の役割なのだから。
全てはお金のため。多少の傷なんて問題無いと切り捨てる。
●
アレクシアの使役する鳥は子供達の前を庇うように手を広げたジルを捉えた。
「この子達には指一本触れさせないっす!」
「あぁ? 一人で何粋がってんだよ! ぶっころしてやる!」
ジルに迫り来る剣と屍獣の牙。
「――誰が、一人だって言った?」
建物の影からジルと敵の間に走り込むのはシラスだ。
敵の横っ面に叩き込まれた必中の一閃。木箱を潰しながら建物の壁に叩きつけられる敵。
「くそ、がっ!」
ジルと子供達に向けられていた敵意がシラスへと切り替わる。
相手の攻撃を弾き返し、下限からの掌底で脳を揺さぶった。
「今のうちに!」
「ありがとうっす!」
砂塵が口の中に入り込むのを吐き捨てて、シラスは盗賊団の男と対峙する。
シラスの初撃でかなりの痛手を負った男はギラついた目で襲いかかってきた。
それを皮切りに数人の敵を相手取るシラス。
剣を靴裏で弾いたあと、その反動でもう片方の足を男に叩き込む。
グレイシアはシラスの後を追って戦場に立った。
金の目で見渡せば盗賊団の男が三人と屍獣が一体。其れにジルと子供達が居る。
ジル達の逃げて行く方向を庇うように立ち塞がったグレイシアは、向かってくる屍獣を相手取り頭部を抱え込んだ。
「こいつを行かせる訳には行かない」
子供達を連れたジル一人では屍獣の相手をするのは些か不利だろう。
グレイシアは身体を張って怪物の侵攻を食い止めていた。
「しかし、完全に殺してしまってはジブリールの死霊術で操られてしまうかもしれんからな。
こちらがやられてしまっては元も子もない。――全力で行かせて貰う!」
叩きつけられた光の衝撃で、自重を支えきれなくなった屍獣が地面がに膝を着く。
「まだまだ。終わらぬよ」
屍獣の突進をその身で受けて、再度魔光の輝きを放つグレイシア。
「グゴゴゴゴッ――!」
怨嗟の断末魔をあげながら屍獣がグレイシアの光で意識を失った。
「赤き花よ。戦場に咲き誇り、悪しき者を惑わす花弁を散らせ――!」
戦場に舞い散るテロペアの花弁。魔力の塊は敵を穿ち弾けた。
「なんだ、これ!」
「くそ!」
手で振りはらっても目の前に狂い咲く赤い花は消えず、苛立ちが募る。
その術者たるアレクシアに怒りの矛先が向けられた。
剣先がアレクシアの肌を割き、アガットの赤が渇いた地面に散らばる。
幾度も重ねられる剣檄。
アレクシアはその中でシラスへと視線を送った。
『ねえ、シラス君。もし、戦いの中で必要であれば私を巻き込んでも構わないから』
『でも……』
『良いの。みんなを護れるなら、どうってことないもの!』
東地区に向かう道中にアレクシアがシラスにお願いした事を反芻していた。
シラスは彼女の意図をくみ取り、小さく息を吐いてから瞳をあげる。
逃げ遅れた人はこの場所だけではない。様々な所に分散しているのだ。
一つの戦場に時間を掛けることは、それだけ被害が大きくなる懸念がある。
だから。選ぶべき選択をする。
「纏めて叩きのめしてやるよ!!!!」
アレクシアごと。魔力の槍で串刺しにするのだ。
戦場の広範囲に広がった魔力陣。一瞬にして光槍が空に浮かび敵を捉える。
「ウソだろ……!」
「行け!」
降り注ぐ魔力槍は敵の体を地面へと縫い付けた。
砂に血の粒が混ざる。
「何ともないかな、流石だぜ」
「ええ。問題無いわ。次の場所に行きましょう」
血だらけの肌を其の儘に。助けを求める人の所へ三人は駆けて行く。
――――
――
失った右目の奥の奥。
緑柘榴の瞳が赤く光っている。
有り得ざる第三の眼。染み出す混沌は枷を外れ地に這い出るのだ。
「さぁ、夢見ルル家が命じます! 『狂い果てよ』!」
ルル家の声が戦場に響き、横に広がる光線のように吹き上がる深淵。
赤に染まりて、緑を散らす。
「拙者の未来の旦那候補だったディルク殿の街を傷つけるのは許しませんよ!」
「え?」
ルル家の言葉にエルスが眉を寄せた。何故、今彼の名前が出たのだろうか。
空耳か。気のせいだろうか。
「まあ、いいわ。戦闘に集中しないと」
エルスは逃げ遅れた人達が敵の狙いにならないように走り込む。
「傭兵には……時には残酷な手段も必要。殺すのは本意じゃないけれど、仕方ない事もある、そうよ」
何故なら、このラサで犠牲を出したのだから。
罪の無い人々を手に掛けてしまったのだから。
その覚悟は出来ているのだろう。言い逃れなど出来はしない。
「でも……情報を引き出す為には何人かは必要かしら。その際待ってるのはちゃんとした罰、だけれど
ラサで暴れ回ったんだもの、当たり前よね」
エルスの青い瞳が細められる。怪異の王たる吸血鬼の娘。
その片鱗がエルスの身体を覆う。
「さあ、行くわよ!」
エルスの声を皮切りに乱戦に突入していく。
カイトは逃げ遅れた人達を庇いながら戦場を抜けてた。
「向こうの『駒』や『快楽』にされても困るし、戒斗なら『そうする』だろ」
時折、背中に受ける攻撃を物ともせず、誘導していくのだ。
「しつけのなってないワンチャンですね!」
ルル家はカイトへと向かう屍獣に痛烈な光を叩き込む。何重にも重ねられた攻撃が敵の体力を確実に奪っていった。
「お兄ちゃん、大丈夫なの?」
心配そうに見つめる少女の頭を撫でてカイトは安心させるように微笑んだ。
「なあに、お兄ちゃんはこう見えてもタフなんだぜ。さ、しっかり掴まってな」
「でも、背中穢してるよ? 痛くないの?」
「すっごい痛い。でもな、お兄ちゃんは君が怪我する方がもっと痛い。君が痛くて泣いてしまうほうが辛いんだ。だから、お兄ちゃんが守ってやるから。一緒に逃げような」
「うん。ありがとう。お兄ちゃん!」
少女を抱きかかえながら、他の避難民を連れカイトは戦場を駆け抜ける。
「ほら、こっちだ早く来い! すまん、皆、戦場は任せたぞ! エーリカに合流したら戻ってくる」
「道案内は任せて」
カイトの言葉にマルクが手を上げた。
上空に居る鷹からの視覚情報は、エーリカが此方に向かってきている事を告げる。
敵は、この戦場に集結しつつあるらしい。
カイトとエーリカが合流するのは問題無いだろう。
だが――
「まずいな……」
マルクは眉を寄せた。
戦場を分断されたカイロとナンが相手取るのはジブリールだ。
避難誘導が完了するまでの抑えとしては、申し分無いほどに奮闘していた。
されど、そろそろ限界が近づいているらしい。
「作戦変更。カイロさんに合流する。二人が危ない」
危険を知らせるマルクの声に緊張が走った。
●
ナンは自身の身体に刻まれた傷が膿んでいくのを感じていた。
呪いか毒か。或いは何か別の術か。
霞む視界に親友(カイロ)の姿が見える。
白い聖職者の服は真っ赤に染まり、肩で息をしていた。
既に可能性の炎を燃やし、同じように何かの術に掛かっている。
「沢山、血がでましたね。素晴らしい。こんなに上手く行くとは思ってませんでしたよ」
「何を言って……」
「私が貴方達と悠長に遊んでいたのは。血がちょっとばかり必要だったからです」
死霊術の媒介に使われるのは死体ばかりではない。
生きているものの血は、良質な贄となる。
「まあ、まだ足りないので、貴方達のお仲間の分も頂戴しましょうか。か弱い一般市民の血を使うより良質な材料になりますから――噂をすればいらっしゃった。貴方は運が良いですね。これで死なずに済みますよ」
このまま嬲られ続ければ命さえ危うかったのだろう。
「はぁ……、私はお金の為なら、何だってするんですよ。付合ってあげてたのは私の方ですよ!」
避難が完了したのならば、カイロがジブリールの攻撃を受ける必要も無い。
一番最初に駆けてくる足音はシラスのものだ。
「最も愛おしく思う者なんて存在しないですし、今の私は報酬の事しか頭にありません。
重要なのはお金です。私の報酬の為、早く消えて下さい」
「カイロ! 待たせた!」
シラスの突撃のタイミングに合わせ、カイロはジブリールを掴んだ。
バランスを崩された所に叩き込まれる痛打は相当なダメージをジブリールに与える。
「はっ、やってくれる!」
シラスは意識を失ったカイロをマルク目がけて投げつけた。
その場に残しておけば、命の危険が生じるからだ。
エーリカからの情報によるとジブリールは幻覚を操るらしい。
蛇の瞳に睨み付けられると魅せられるという術。愛しい人の幻覚。
「生憎だが俺の守りたい人は黙ってやられてやしない。作りものだと直ぐに見抜けるぜ」
「そういう強気な心を折るのが、堪らないんですよね」
ジブリールの声にシラスは怒りを叩きつける。
無遠慮に突きつけられる愉悦の塊には嫌悪しか感じない。
「もっと、痺れるぐらいの攻撃をしてくださいよ。血肉躍る喝采を」
「地獄に落ちろ」
シラスの拳とジブリールの鉤爪が打つかり、破砕音が弾ける。
「因果応報。報いを受けよ悪党!」
シラスの影から身を翻すはルル家だ。大太刀を振るいジブリールの間合いへと剣先が走った。
避け得ぬ刃はジブリールの腹を割き、アガットの赤を砂塵に捲く。
「拙者の剣はまだ終わりませんよ! こんな所で負けたりはしません! 拙者には帰らねばならない場所があるから!」
「その帰らないと行けない場所は何処なんですか?」
蛇の眼がルル家を見据える。幻惑の術が彼女の中に入り込む。
「彼はここには居ませんよ。絶対に居ません。彼は今もお屋敷の中で忙しそうにしています」
イレギュラーズではない少年は空中庭園を渡る事が出来ない。
あの豊穣の地から瞬時に出てくる事は不可能なのだ。
それは寂しくもある現実で。ルル家が訪ねなければ彼の笑顔も泣き顔も見る事は出来ない。
「だから、拙者は幻覚に惑わされたりしません!」
ルル家の強い意思にジブリールはほくそ笑む。横に割かれたルル家の腹から血が流れた。
「ヤバイ状況こそ、気張って下さいっす!」
ルル家の傷を癒すのはジルだ。
唇を噛みしめて治癒魔法を施して行く。
割かれた傷口は普通の傷では無いらしい。呪いか毒が仕込まれたそれはジブリールが生み出す術式なのだろう。治りが極端に遅くなっているのは看過できない厄介なものだった。
「ふふ、面白いでしょう」
「だったら別の方法を試すだけっす!」
治癒魔法に状態異常の術式を掛け合わせ、突破させる。効果はあるようだ。
されど、攻撃の度に付与される術式は味方の戦力を著しく低減させる。
正しく正念場なのだろう。
ジルはルル家を立たせ、ジブリールを睨み付けた。
マルクは戦場を見渡しながらジブリールの行動を注意深く観察する。
致命傷を避ける攻撃。何かを探しているのか。
それとも。
「マルク、あいつは、血を……」
「ナンさん? 何か知ってるのか?」
満身創痍の身体でナンはマルクにジブリールが血を集めている事を告げた。
「何かの儀式に、はぁ、ぐっ……使うんじゃねえかって」
それだけ伝えたナンは巨体を横たわらせる。
ジブリールの瞳が黄金に光る。楽しげに快楽を追い求めるそれはまるで魔種の様。
「こんな事に楽しくなりすぎよ、あなた。このまま堕ちるなんて馬鹿げてる」
エルスは攻撃の手を緩めずジブリールに語りかけた。
「私の目の前で堕ちるなんて……許さないんだから!」
双鎌を繰り出し、火花を散らせる。
このまま魔種になってしまえば、戦場は血の惨劇となるだろう。
エーリカは拳を握りしめジブリールの元に駆け寄る。
「あなたは、この顔を、おぼえてる、はず。エーリカの名を覚えているはず」
ジブリールは気まぐれで『気が変わる』事だってあるはずだから。
「は、成程ねえ。貴方が私の情報を彼等に与えたのですね。会えて嬉しいですよ」
エリスの元を離れ、エーリカの頬を鉤爪で撫でるジブリール。
白い柔肌に赤い筋が刻まれる。
「あなたがよろこぶものなんて、なにひとつ、ないの……わたさない、ただのひとりも!」
「良いですね。魂が輝いてる。前より一段と」
ジブリールはエーリカの首に手を掛けた。
「おっと待てよ。可愛い小鳥を殺すにはまだ早いだろ? もっと俺と楽しもうぜ。
まあ、俺は殺すってよりは『苦しんで貰う』側の人間なんでな――お前も一度『苦しめられる』側に回るべきだろ?」
「酔狂な誘い文句ですね。良いでしょう。今度は貴方が踊ってください」
吹き荒れる血の輪舞曲。アガットとエンバーラストの赤と緋が空に降り注いだ。
アレクシアの手首に嵌められた青い石が光を放つ。
何かに共鳴しているのか。アレクシアを守ろうとしているのか。
蒼穹を追いかけた少年の姿を思い出す。
「うん、負けられない。こんな所で負けられないよねリコット」
――君に見せたい物が沢山あるんだから。
約束をしたのだ。世界を見て回るって。
アレクシアが光の花を咲かせる。
戦場を覆う鮮烈な閃光に、ジブリール以外の敵は倒れた。
「は、は。……あー、痛いなあ。まあでも良いでしょう。目的も果たせましたし今日の所は私の負けということで」
「待ちなさい!」
「深追いは禁物ですよ。死にたくなかったらね」
蛇の瞳を細めてジブリールは嗤う。
砂の彼方に影だけを残し。ジブリール・アドワは消えて行った。
●
紅きルベライトに光る雫。輝き地に瞬き落とし。
夕焼けを閉じ込めたカーネリアンが石の間から脈動する。
一際輝くシトリンの目映さに心奪われた。
絡まった楔は盟約。
彼の者を守り封じる揺り籠の糸。
捧ぐ血は受け継がれたものではなく。
多彩な血脈が入り乱れ。絡まり、変容していく。
「――――」
貴方が――
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
お疲れ様でした。如何だったでしょうか。
苦しい戦いとなりましたが、無事にネフェルストを守る事ができました。
ご参加ありがとうございました。
GMコメント
もみじです。ネフェルスト防衛戦やってやりましょう。
●目的
ネフェルスト東地区の防衛
大鴉盗賊団の撃退
●ロケーション
ラサ傭兵商会連合、首都ネフェルスト東地区。
マーケットが立ち並ぶ広場です。
日中なので足場灯りに問題ありません。
逃げ遅れた人などが露天や建物の影に数人見えます。
●敵
○『蛇瞳』ジブリール・アドワ
悪逆非道な快楽殺人鬼。その鉤爪で相手を八つ裂きにし苦め乍ら甚振り殺します。
鉤爪での攻撃を得意とするトータルファイター。
また、死霊術の心得があるようです。
かなりの強敵です。
○大鴉盗賊団×30
元嗤笑の蛇に所属していた者達。ジブリールと共に大鴉盗賊団に身を寄せています。
そこそこの強さです。剣や弓で攻撃をしかけてきます。
○屍獣×3
ジブリールが操るモンスターです。
腐っています。そこそこの強さです。
毒液を吐き、牙や爪で攻撃してきます。
●味方
○『不退の怪人』ナン・アール
常軌を逸したHP、超絶的な物理攻撃力、高い命中とEXA。
死を恐れない超攻撃的な戦法は、怪物と称される。
頼れる仲間です。
○アール傭兵派遣所団員×10
剣等で武装しています。
戦う事もできますし、逃げ遅れた住民の避難誘導や戦闘不能者の回収などのサポートもします。
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
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