PandoraPartyProject

シナリオ詳細

清楚は百合、清楚は薔薇、清楚は。

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●なんでこんなアイデアを考えた! 言え!
 マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)はぶっちゃけ後悔していた。
 ラサにある未攻略の遺跡、通称「ヨタD(ダンジョン)」の2層で遭遇した「雰囲気清楚機」の清楚判定機能をなんとか練達で解析し、アップデートさせられはしないか――そう言ったのは彼だった。
 なお一番清楚じゃない疑惑がある褐色女性はダンジョンで何かを持ち帰ろうとしたが、正規の申請のないお持ち帰りだったため没収され大事にはならなかったらしい。
「いや……俺は確かに言ったよ。コレ解析できればなんか役に立たないか、って」
 そして今、彼は練達のとある研究所の中で、解析の続くメイン機構のデータに唖然としていた。曲がりなりにも旅人で邪神である。人の感情とか揺れ動くなんやかやに最低限の理解はあるつもりだ。そのつもり、だった。
 だが、練達の研究者達はそんな彼の感情などお構いなしにネジがぶっ飛んでいるという事実を、彼は甘く見ていた。見すぎていた。
『ピピ……前回の清楚判定情報をアップデート。『清楚』と『不埒』の両立を承認。『2020練達ジェンダー論』インストール……』
「なあ、今なんて言った? ジェンダー論?」
「インストールしましたねそんなの」
 雰囲気清楚機のアップデートはいい。現代的な価値観を覚えるのもAIの進化の過程でOKだろう。だがジェンダー論はまずい。未だに「どの世界でも」結論のでない問題を付け焼き刃で覚えさせるのは、まずい。
「誰がインストールを担当してたんだ?」
「確かあれはうちの女性職員で……そういえば最近あいつ変わった色の装飾品をよくつけるようになったなあ。何かの景品かな?」
 ジェンダー論を知りながら「それ」を軽視した。マカライトはこの時点で、この研究所が、そしてこの実験が――ローレット預かりになる事実を幻視した。
 そして逃げた。
 これは逃走ではない。仲間達を呼ばねばならぬという後ろ向きの前進だ。
『ピ……ピガ……』
 なお、この研究所はマカライトが脱出した560分後に閉鎖されたことを付記する。

●はいそういうわけで同性同士でカップル作って。選択敵夫婦別姓をえらんでいいぞ
「……という話になった」
「全くどういう事か分かんねえゆ。噛み砕いて話せゆ。おまえアレかゆ、『まるまるうまうま』とか『ムキムキデカデカ』でこっちが阿吽の呼吸すると思った系かゆ。ラサ絡みで来たらとんだ地雷ゆ」
 マカライトの言葉に、さしもの『ポテサラハーモニア』パパス・デ・エンサルーダ(p3n000172)もあらんかぎりの罵倒をかますしかなかった。というわけでじゃないんだよ。
「順を追って話すよ……『雰囲気清楚機』のことは?」
「報告書読んだゆ。絶対おまえのせいだゆ。その上でなんでじぇんだー? とかいうものを突っ込むのを止めなかったゆ」
「本当に俺が目を離した隙にだったんだ。俺は立ち会いを希望していたのに、例の女職員のせいで」
 マカライトの必至の弁明もわからなくはない。わからなくはないが、隙を見せた彼に責任が無いとは言い難い。
「それでどうするゆ。同性カップル作ったらどうなるゆ」
「……あれは俺達に扱える代物じゃない。同性カップルとして巧妙に近づいた上で油断させ破壊する。間違っても異性としての甘酸っぱさは見せてはいけない」
 人類はいつだって古代文明を甘く見すぎて現代の価値観でぶち壊しにする。パパスは30余年しか生きていないが、やはりそういうことかと悟った。
「バレたらどうするゆ」
「難易度が跳ね上がる。まともな戦闘を仕掛ければ――体力残10%まで追い込まない限り――恐らく魔種すら勝てるか怪しいレベルだ」
「やっぱ練達連中の人類の価値観おかしいゆ」

GMコメント

 私はいいと思います。そういうのもっとちょうだい。某GMと掛け算理論交わして固い握手してくるから。

●達成条件
 雰囲気清楚機Ver.Jeの破壊

●雰囲気清楚機Ver.Je
 「バージョン・ジェンダー」。性多様性を学んだ結果、真の清楚とは同性を異性のように愛でることなのでは? と理解し始めた古代AIの成れの果て。
 なお、前回(『それゆけ! 風雲ヨタD2層~脱落者1/8確定~』:https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/4278)のように口八丁でのエラー吐くあたりは練達研究者の論理機構アップデートで潰された。
 基本的に同性でのキャッキャウフフで『恍惚』相当になるしその状態で多少殴られても「尊いから許す」ってなる。
 なんで武装が強化されたかと言うと、まあ、その。研究所取り込んだから。
 HP1割まで減らさないでまともに戦闘しようとしたら魔種も真っ青な能力値を誇る。やめろ疑似HARDチャレンジを始めるんじゃない。
・オゾンレーザー練達Edition:とっても強い。神超貫万能・炎獄、体勢不利
・コールドハイドロジェンス:液体酸素放出からの燃焼爆破。物遠扇・スプラッシュ2。炎獄、氷漬
・EX 〇〇色シャワー(詳細不明。残HP比例の強力な攻撃らしい)
 その他、武装多数。本体HP依存型ダメージが多いため、HP削っておかないとマジで危険が危ない。

●戦場:選挙された研究所、戦闘シミュレート区画
 入り口からカメラで監視されてるから「そうじゃない」素振りは入る前にやってください。
 戦場は50m立方。

●同性カップルってなにすればいいの?
 本当に苦手でしたら「同性カプに憧れちゃうなあ!」って妄想ブン撒いてください。
 身体接触に抵抗がなければ腕組み手つなぎ壁ドン、まあできることはやって下さい。
 なおキスはギリギリセウト、それ以上はPPP倫で弾かれます。

●パパス・デ・エンサルーダ
 友軍です。
 「もやそうハーモニアの竹林」初出時のような強力な能力は無くなっていますが、物理アタッカーとしてNORMALで同行できるぐらいは能力があります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 これさえやっとけば大丈夫だからチャレンジはやめろ。マジでやめろ。

  • 清楚は百合、清楚は薔薇、清楚は。完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年12月05日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

咲花・百合子(p3p001385)
白百合清楚殺戮拳
マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)
黒鎖の傭兵
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
流麗花月
Alice・iris・2ndcolor(p3p004337)
宿主になってね
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
青と翠の謡い手
庚(p3p007370)
宙狐
グリム・クロウ・ルインズ(p3p008578)
誰かの為の墓守
結月 沙耶(p3p009126)
表裏一体、怪盗/報道部

リプレイ

●不幸はすべてたった1人の思いつきからだ
(……思えばなぜあんな思考に至ったのか。 アレだ、不埒の定義に考え疲れていたんだろう。女性陣の言い張り方で混乱してたんだ、ウン)
 『黒鎖の傭兵』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)は遺跡を脱出した時、どうしてあんな事を言ったのだろうと己に問いただす。だが正常な思考で狂っていた時の発想に答えが出るはずもなく、彼は悶々と頭を抱えることしかできなかった。
「……練達はよく分からないことだらけだな?」
「大丈夫だ、理解出来たことのほうが少ない」
 『誰かの為の墓守』グリム・クロウ・ルインズ(p3p008578)の怪訝な表情に、マカライトは死んだ魚の眼で応じた。せやな。
「百合! つまりは吾であるな! 白百合清楚殺戮拳! 咲花百合子である!」
 『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)はある意味、この依頼で一番真実に近い存在だった。百合なのだから百合子である。百合の出番なら、『白百合』『清楚』殺戮拳は覿面に効くはずだ。
 だが、目の前の現実はどうだ。
「ぐへへ目の前で男の人がイチャイチャ……! 瞬間記憶があったら再現性ブクロの乙女なロードで出来たお友達の新刊のネタになるのに……」
 既に野郎2人の絡みを想像して脳がイカれかかっている『BLもいいけど最近百合もイケる』フラン・ヴィラネル(p3p006816)。
「なるほど。つまりは堂々とイチャイチャすればいいんだな? いいだろう。私達のキャッキャウフフ、その威力を思い知るがいい!」
「ここにキマシタワーを建てましょう♪」
 『流麗花月』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)と『宿主になってね』Alice・iris・2ndcolor(p3p004337)は完全にノり気であり、いかに渾身のイチャラブを見せるかで今から素振りをしている始末。
「同性へ向ける思慕や独占欲を、真なる愛なのか一時の気の迷いなのか悩む姿は美しゅうございますね。機械すらもその機微を理解できるなんて、流石異邦の文明の坩堝、旅人達の練達ですねえ!」
 『宙狐』庚(p3p007370)は拡大解釈気味ではあれどこれが練達なんだなと納得しかけていた。違うんだ。こんなのは例外中の例外なんだ。他はもっとあたまが悪い。
「……なんか違う気配がぷんぷん香ってくるが美少女に撤退はなし! 全力で殴り抜くのみよ!」
 なお百合子はこの雰囲気に飲まれるどころか雰囲気を殴り倒す勢いだった。ホント強いなこの人。
「全くどんな機械を作ったんだ練達の存在は……いや参加する私も私だが……」
「でも何処か嬉しそうだね? 一緒に頑張ろうね!」
 『表裏一体、怪盗/報道部』結月 沙耶(p3p009126)はかなり動揺の色が濃いが、さりとてその表情にはどこか喜色が混じっている。フランはそれを目敏く見抜き、仲間とばかりに手をとった。
「この扉を越えたらあとはヘテロには戻れねえゆ。覚悟はいいかゆ」
「なんで幻想種なのにヘテロとか専門用語にやたらと詳しいの?!」
「細かいことはいいゆ。わたちの過去にむやみに触るならハムにすゆ」
 マカライトの尤もな突っ込みを暴力性で封殺しつつ、パパスは腹をくくった表情で扉を見た。一歩踏み入れば地獄、2歩進めば悪夢、それ以上は楽園だ。もののたとえである、「喉元過ぎちゃえばあとは天国だよ(はぁと)」ってやつである。
「しかし機械に任せちゃいけないな! 今回完全にヒューマンエラーだけど。あっはっはっはっは!! …………完全に潰す」
「コイツ滅茶苦茶情緒不安定ゆ。大丈夫なんかゆ」
「混乱気味のマカライト先輩をグリムさんが優しく介ほぐへへへへへへ」
「そっちも大概だからアテんなんねえゆ」
 錯乱気味の躁鬱に精神をやられているマカライト、そして再現性ブクロの空気をここまで運んできました的なノリで腐っていくフラン。否、腐乱? 両者ともに危ない立ち位置にいるが、いつものことである。
「恋人が居たらこんな事したいと呟きながら攻めればいいんだよな? ……うん、頑張ってみよう」
「同性の、出来れば年の離れた相手へ向ける愛情こそが真の愛、プラトニックラブ。温故知新もまた知性ある選択です!」
 庚の相手、59歳年下のフランだもんなあ。プラトニックっていうか男女なら犯罪臭くはある。フランの外見的年齢って意味ですごく。
「ところでパパスよ、御主はどうするのだ?」
「決まってゆ、わたちの妄想力ナメんなゆ。“パパス”さんの“妄想(イメージ)”の前にビビり倒して土下座シなかったやつはいねえゆ」
 汰磨羈の問いにふんぞり返って返したパパスの言葉は、どこか嘘くささが混じっていた。妄想族をやっているヒマなんてこいつのどこにあったのだろう。ポテサラに打ち込んでたんじゃないのかよ。
「吾は汰磨羈殿と威茶威茶するぞ! なあ汰磨羈!」
「ふふ、かの美少女が相手とは、ドキドキしてくるではないか(武者震い的な意味で)」
 百合子と汰磨羈、庚とフラン、Aliceと沙耶、そしてマカライトとグリム……はそれぞれ妄想を持ち込んでいた。フランの顔がみるみる皺枯れていくのがわかる。性別不明のマジックがあれど、やはり男同士が1組いるだけで雰囲気のインモラル性と華やかさは1段階上がる。間違いなく。なのに、それなのにこいつらときたら!
 果たしてイレギュラーズは、雰囲気清楚機を満足させうるイチャつきを提供できるのだろうか――?
「ぷりちーできゅーとでせくしーで埋もれたいカノエさん、よろしくね!」
「この門をくぐる者、一切の正気を捨てよ。中に一歩踏み出した時からフラン様はカノエの大切な女の子でございます」
 地獄(ジェンダー)門みたいな文言を持ち出すんじゃねぇですよ。

●「ジェンダーってJeじゃなくてGeじゃね?」「ゑ?」
「ふふ、可愛いやつだ」
「沙耶お姉様……♪」
 沙耶とAliceは、早々に百合百合しい雰囲気を展開し、相互に手を組んで口を近付け熱い雰囲気を醸し出していた。触れようとした唇は沙耶の方から離れ、ギリギリの距離を追うAliceは途中で口惜しげにそれを引き離す。
 Aliceは実際、確たる性別が開示されていない。されど、その雰囲気は明らかに女性的なものを有しており、匂い立つ女性的な甘さはあたかもカロリーを気にせぬスイーツのよう(本人談)。触れ合いかねぬ距離、それ以上を求めようとすれば絶妙に離れる距離感は少年誌ギリの背徳感を漂わせた。
「声フェチの私にその囁きは効果抜群すぎるふにゃぁ♪」
 耳元でのささやきを繰り返す沙耶のそれはAliceを腰砕けにするが、Aliceはそれでも沙耶をお姫様抱っこする程度の踏ん張りは利く。女(性別不明)の意地はここで発揮される。
「さて、では手を繋ごうか、お姉様?」
「応とも、吾の指の肌触りに溺れるが佳い」
 汰磨羈と百合子は、互いの指をじっくりと絡ませつつ虎威火斗(こいびと)繋ぎを敢行する。『美少女』たる百合子と威茶威茶することは命捨てがまるのと同義――汰磨羈にとってのそれは美少女同士の命がけの戦いであり、百合子にとっては美少女同士が盃(お茶)を酌み交わす契の儀である。互いの認識違いは置いとこう。
 虎威火斗繋ぎで互いの指を絡め合い、主導権を奪い合おうとするそのやり取りはそれ以上の皮膚接触を差し置いて背徳的空気を醸し出していく。真剣勝負は色気の象徴……!
 そんな直接的な接触が続く一方で、フランは情熱的な視線を庚に向けつつ手を出していなかった。
 庚が首を傾げてフランを見れば、彼女はついっと顔を背け、しかしちらりと再び庚に視線を戻す。
「?」
「ううん、何でも……違うの。カノエおねえさま、手を繋いでもいい?」
 自分を偽ろうとしたフランは瞬時にその言葉を否定し、潤んだ瞳で庚を見た。庚は笑顔を向けて前足を差し出すと、フランが矢も楯もたまらずその前足を両手で握り込む。ふわふわ、もふもふとした感触は彼女に演技ではない安らぎを与え、凄まじい甘酸っぱさを提供する。
 触れ合っているのに、心の距離は空いている。互いの視線は相手を見ているのに、視野はその心まで届かない。
 然るに、2人の情念は互いを想い合えばこそのもどかしさであった。
(カノエが恋人だなんてとんでもない。いつかは素敵な方と巡り会い、幸せになるべき子。 でも、それまで、もう少しだけ。カノエが傍でお守りして差しあげてもよろしいでしょう?)
(えへへ……カノエさんの手がふわふわで気持ちいい。コレは演技じゃない、けど……)
 どことなく近づき離れる感情の揺れはまさに百合の醍醐味を知ればこそのものであり、庚はその点、強者の風格を保っていた。性別不明なのにな。
(本来ノーマルである俺が考えた言葉では重みがないだろう……借りるぞ、戦友。その言葉を)
 マカライトはイチャつく女性(?)達の空気に動きを止めた雰囲気清楚機へと苛烈な攻撃を加えていた。彼の技術は果てしない破壊力を誇り、前回のダンジョンの一件からこっち溜まりに溜まった鬱憤を消化する勢いだ。だが、彼の攻撃や思想に百合薔薇要素がなければ即座に相手は再起動するだろう。それは、まずい。
「ボルトとナットは互いに噛み合うことで一つになろうとし、ゴミ箱はゴミを飲み込みひとつになろうとする。根底にあるのは『形は違えど1つになりたい』という想いだ。消しゴムと紙に至っては消しカスという産物まで生み出す……これこそ同性愛の表現の極致なのでは?」
『Error....ボルトとナット、ゴミ箱とゴミは異性と認識されました。総括CPUより「ナットにも穴はあるからな」とコメントが届いた為処します』
「馬鹿な?!」
「馬鹿はおめえだゆ。さすがに無機萌えは混沌にはあと200年はええと思うゆ」
「じゃあ俺の戦友達は?!」
 多分生まれるのが早すぎたんじゃないかなあ。マカライトは処されたがパンドラで起き上がった、わけもなく地面にビタンする。
「恋人か。父様のような優しい人に一緒に過ごせたらいいな。それで一緒にご飯を食べて、一緒に遊んで、 一緒に眠って、同じ墓に入る……眠る時はぎゅっと抱きしめてお互い笑いあう。そういう事を幸せと思える関係が理想だ」
 グリムは真剣に、男同士の恋愛について言葉を重ねる。彼の背後にはどことなく微笑ましい男同士のプラトニックなやり取りが映り(想像図)、互いを想い合いながら肉体的にではなく精神的に深い関係へ至ろうとする男男(だんだん)のやり取りが垣間見える。フランが目を輝かせた。
「まあ、一緒に居てくれるだけできっと幸せなのだから本当に出来たらいいな位だがな」
『Motto実技をお願いします』
「そうか、実技……マカライトさん、借りるぞ」
「借りるって何を?!」
「体を?」
「疑問形ェ!」
 グリムは躊躇というものを知らない。動けぬマカライトを抱えあげると、ぐいと腰で支えて担ぎ上げ、雰囲気清楚機から一気に距離を置く。その上で、柔らかい笑みを作ってみせた。
「……同性カップルは子供できない? 昔、母様に聞いたら愛し合っている恋人にはコウノトリ? と言う鳥が子供を授けてくれると聞いた。だからちゃんと愛し合えば子供は出来るはずだろう?」
「ちょ、待っ、何を言って」
「ああ、でもコウノトリはあわてんぼうだから一夜愛しただけでも授けてしまうらしい」
 だから愛し合えば作れるはずだ。グリムの続く言葉に、女性陣(主に腐ってる側)の視線がぎらつき突き刺さる。個人的には強気受けのマカライトに夢勢攻めのグリムだと思うんですよ。リバもいいんだけどマカライトに攻めを任せると途端にヘタれるから駄目。それがいいってリバ可勢(ふらん)には大変申し訳無いんだけどこの報告書内ではグリマカ固定CPでお願いします。
「ぐへへへへへへへへ」
「なんと濃密な威茶威茶……あれが美男子同士のそれか」
「いやあ眼福だゆ。わたち出番ねえゆ」
 働けよパパスは。

 雰囲気清楚機は目の前で展開される百合と薔薇の乱れ咲きにAI(こころ)奪われ、攻撃の手がどうにも動かない。僅かに動いたとて狙いは乱れ、マトモな状況を作れない……マカライトの猛攻があっても80%アタック、周囲に空いた穴などから推察される威力は駆け出しや体力に乏しいものを一瞬で戦闘不能に追い込むそれだ。
 だが恐れるなイレギュラーズ、君達のイチャラブは確かに――効いている!

●こまけぇ戦闘描写はいいんだよもっと百合ん百合んしたやり取りが書きてえんだわ俺はよ
「おねえさま、あたしの力を受け取って!」
「フラン様のふわっていう想い、カノエは謹んでお受けいたします……足元に気をつけてくださいましね、子鹿のような足をくじいてしまわぬよう」
 フランは「ンヌッ!」ではなく「ふわっ」って感じで花すら咲きそうな繊細さで庚に術式を施す。魔力の消費が大きく減った庚は、次から次へと疑似生命と怨霊とを繰り返し生み出してはけしかけていく。圧倒的な質量そして破壊力。普段の庚なら瞬く間に尽きかねぬ勢いはしかし、フランの情念を受け取ることで大いに進展し、勢いを増す。
「ええいエメスドライブよ、シャロウグレイヴよ、カノエの可愛い坊や達。あのおかしな機械を代わりに苛んでおやりなさい!」
『反撃プログラム機d――』
「おねえさま……カノエおねえさま! 許さない、お姉様の仇!」
 雰囲気清楚機が反撃を仕掛ける『より前』に、フランはその未来図から怒りの一撃を放つ。どんだけ入れ込んでるんだろう。全盛期の姿を垣間見せた(しかし体のサイズ等は察して欲しい)彼女が放った光は劇的な威力をもたらした。
「「百合の間に挟まる男は絶許、当たり前の道理だよね」」
 Aliceと沙耶はお姫様抱っこの姿勢から左右に分かれて相手を挟み込み、左右から攻撃を仕掛けていく。Aliceのそれは相手に新しい性癖の扉を植え付けんとし、沙耶はジャムルードオートマグナムの引き金を繰り返し引くことでその機体をずたずたに貫いていく。
 百合を以てロリへと、ないし女装ショタへと作り変えようとするAliceの魔術は周囲から見てもドン引き案件なのだが、しかし疑似とはいえ恋愛の要素を強く見せつつある2人の前では些細な問題へと変わり果てる。この2人の間に挟まったことこそが欠陥であった。
「しかし汰磨羈殿、吾と少し目の色が似ているのであるなぁ。否、汰磨羈殿の方が少し薄いか? ……このような状況でなければまじまじと見る事も無かった」
「百合子こそ、タイ(体)が曲がっていてよ」
 百合子と汰磨羈は依然として威茶つきを止めず、相手のAIを釘付けにしていた。だがプロの美少女ファン分かるだろう、威茶威茶の中で両者が互いに己が上だとマウントを取り合い、美少女としての上を行かんとするやり取りをしていることに。それは強者同士の差し合い。即ち。
「ところで知っておるか? 百合の間に挟まれたものは死ぬらしいぞ」
「嗚呼。百合の間に挟まる者、死あるのみ」
 百合子は汰磨羈と虎威火斗繋ぎを維持しつつ蹴りの連打をかまし、両側から雰囲気清楚機を挟み込むことで己の鍛え上げた絶壁で押し潰さんと突っ込んでいく。
 汰磨羈は刋楼剣の多重展開によって次々と打撃を与えていき、それからその身を押し付ける。汰磨羈の胸は豊満であった。
『ピガッ……データに不足……』
「その前にモラルと常識叩き込めやぁ!!!!」
「全く困った奴ゆ。わたちは同性と愛を育むなら先ず胃袋を鷲掴みゆ。それからじっくり味の趣味をわたち色に染め上げゆ。そう――体から発散される汗の匂い味その他までもわたち色ゆ」
「…………濃いな妄想」
 グリムの助力でギリ立ち上がったマカライトは、死力を尽くした一撃を放つ。パパスは今更のように妄想を口にするが、果たしてそれを妄想つっていいのか疑問だ。濃いわ。
『ピガッ……ピー』
 果たして、雰囲気清楚機は機能を停止した。マカライトはAliceが何事かしようとする前にすかさず猛攻をしかけて叩き潰した。
「はあ、なんかどっと疲れた気がするぞ……」
「沙耶お姉様っ♪」
「ちょっ、演技は終わっ」
 Aliceはここぞとばかりに沙耶に抱きつく。唇は死守されたがイチャつきぶりはその比じゃなかったんだけどその、それは演技だよね?
「えへへ楽しかったー、カメラの映像もらえないかな?」
「楽しんで頂けて何よりでございます」
 フランと庚はもふもふとしたスキンシップをしつつ緩みきった顔で勝利を喜び合う。もふもふは健全。
「美少女の百合に敵は無い。その事が証明されたようだな?」
「うむ、これこそ白百合清楚殺戮拳の真髄であるな!」
 汰磨羈と百合子はがっしりと手を握り合う。そこには戦友としての誇りを感じ――。

 マカライトの心にはまた大きな傷が残ったのであった。

成否

成功

MVP

咲花・百合子(p3p001385)
白百合清楚殺戮拳

状態異常

マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007) [重傷]
黒鎖の傭兵

あとがき

 これに勝る勝ち筋があるならぜひ教えて欲しい。
 なおビデオ撮影は禁止となっております。焼き付けろその魂に。

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