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シナリオ詳細

奇っ怪! ゲーミング百鬼夜行

完了

参加者 : 25 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●時代はゲーミング!
 祭りが終わると、次の祭りが始まるのだ!
 草木も眠る丑三つ時――。
 妖たちが高天京に集まり、なにやら相談している。

「なんか、愉快な祭りがあったみたいじゃねえか」
「俺たちもやろうぜ」

 唐傘と人魂が声を上げた。
 妖たちだって、祭りがしたい。

「だったら、百鬼夜行だべなぁ」

 大鴉もこれに追従した。
 百鬼夜行とは、何か?
 妖怪たちが集まって深夜に徘徊するという行列である。
 この百鬼夜行に遭遇したという事例は、豊穣でもよく残されており、経文を唱えて難を逃れたといった記録も残っている。
 まあ、彼らも妖怪なので面白半分に人間をからかうのはよくある。
 稀に、害のある悪戯もするが大抵は驚かせるだけに留めている。
 しかし、人界がにぎやかだと妖たちもにぎやかに騒ぎたくなるものだ。この行列に驚いたら、それはそれでめっけものという感覚である。

「最近は、人間たちもすっかり驚かなくなってしまってなあ。張り合いがねえよ」
「我らも、なんかこうぱあっと派手なことやらなきゃあ、飽きられちまうでよ」
「もう妖とか、プレミアム感もなくったもんな」

 妖たちにも、悩みの種があった。
 かつては怪異の類を人間たちも恐れたものだが、最近はいろいろなものが流れ着いてきたせいか、インパクトに欠ける存在となってしまった。

「だったら、ゲーミングにしなよ!」
「おめえは、日社介村の小天狗でねえか」

 まだいたずら盛りと言った小天狗が発言した。
 新参者とか、妖の界隈では大した発言権はない。
 しかし、そうも言っていられない。
 若者のトレンドを取り入れないと、時代に取り残されてしまう。

「その“げぇみんぐ”ちゅうのはなんだべ?」
「知らねえの? アドレサブルRGBで1680万色を発色し、レインボー、ウェーブ、クロス、ドロップとかで発光するんだぜ!」

 日社介村の小天狗、自称“ゲーミング天狗”は胸を張って言った。村の仲間である河童も引き連れている。
 彼は、誰よりも早くゲーミングを取り入れた妖である。

「なるほど、ゲーミングか」
「よおし、一丁やるか!」

 こうして、高天京に集まった妖たちは、ゲーミング百鬼夜行を観光することになったのである。

●ゲーミング百鬼夜行に混ざれ!
 巷では、妖たちが高天京に集まり夜な夜な練り歩くという噂が広まっている。
 これだけなら、そんなに珍しい話でもない。
 百鬼夜行なんて、よく聞く話であった。
 しかし、最近の百鬼夜行は派手に光りまくるのだという。

「というわけで、光りまくる百鬼夜行を調べてほしいのです」

 ギルド・ローレットの『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は、今回の依頼をそのように説明した。
 妖たちがカラフルに光って夜の高天京を練り歩く――。
 それがゲーミング百鬼夜行というものらしい。

「これを調査する方法なんですが、やっぱり皆さんには妖さんたちの扮装してもらって、害があるかないかを確かめるのが一番だと思うのです」

 ユリーカは、そう言って変装セットをいくつか用意した。
 大変準備がいい。

「あくまでも調査が目的ですので、これで混ざってみるのがいいと思うのです」

GMコメント

■解説
 皆さんこんちわ、解谷アキラです。
 というわけで、ゲーミング百鬼夜行です。
 妖たちに変装して、この行列に害があるかないかを調査するものとなっています。
 ……が、ぶっちゃけ妖の中でも無害な連中が集まっているので、目撃者を驚かせて楽しんでいるくらいです。
 建前は調査ですが、目的は妖怪の扮装をして練り歩いて遊ぶことになります。
 この百鬼夜行に参加しながらうまく誘導し、無事終わらせるのを目的とするといいかも知れません。

・ゲーミング百鬼夜行
 ゲーミングとは何か? を語りだすと長くなるので割愛しますが、今回の百鬼夜行に参加する妖たちは、派手に光って主張することだと考えています。ただ、ゲーミング小天狗は、これに高い処理能力やGPUを用意して、高リフレッシュレートでぬるぬる動いたり、eスポーツに本気になることをゲーミングと考えているようです。
 実際、みなさんがどうするかは、お任せします。これぞゲーミングという主張があれば、そうしてもらって構いません。
 ゲーミング百鬼夜行参加に際しては、扮装するもよし、パッと見で扮装しなくても妖として問題ないなら扮装しなくてもよし、です。
 なお、ユリーカの扮装セットは、羽黒べったりお歯黒セットや白うねり古雑巾セットのほか、アドレサブルRGBライトなどがあります。自前で用意するなら、それでも構いません。

 情報は、以上となります。それでは、どーんといらしてください。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 奇っ怪! ゲーミング百鬼夜行完了
  • GM名解谷アキラ
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2020年08月26日 22時10分
  • 参加人数25/∞人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 25 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(25人)

リゲル=アークライト(p3p000442)
白獅子剛剣
夕凪 恭介(p3p000803)
お裁縫マジック
棗 茜(p3p000817)
流浪の鍛冶師
ジル・チタニイット(p3p000943)
薬の魔女の後継者
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
ディバイン・シールド
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
瑠璃の刃
メイメイ・ルー(p3p004460)
祈りと誓いと
美咲・マクスウェル(p3p005192)
玻璃の瞳
ネリ(p3p007055)
妖怪・白うねり
ノエル(p3p007600)
師父の呪縛
黒影 鬼灯(p3p007949)
やさしき愛妻家
マッダラー=マッド=マッダラー(p3p008376)
涙を知る泥人形
只野・黒子(p3p008597)
群鱗
ワタクシ(p3p008602)
夜妖<ヨル>を狩る者
ウロ ウロ(p3p008610)
虚虚実実
天月・神楽耶(p3p008735)
竹頭木屑
天之 雪(p3p008857)
叶わぬ願い
イ型 8號(p3p008874)
珪素生物
フラッフル・コンシール・レイ(p3p008875)
屋根裏の散歩者
レオ・カートライト(p3p008979)
海猫
バーデス・L・ロンディ(p3p008981)
忘却の神獣
如月 追儺(p3p008982)
はんなり山師
ルーナ・パプーシャ・リベルターテ(p3p008996)
月に叫ぶもの
セレステ・グラス・オルテンシア(p3p009008)
蛇霊暴食
クラーク・エアハルト(p3p009010)
元軍人

リプレイ

●集まれ! ゲーミング百鬼夜行
 草木も眠る丑三つ時――。
 豊穣、高天京には妖たちが集まっていた。
 人間たちが寝静まったこの夜、この高天京を行列して練り歩くのである。
 その目的というのは、人間たちに妖の恐ろしさを思い知らせるというものであるが、実のところ大した被害を与えるわけではない。せいぜい、驚かして喜ぶ程度のものだ。

「最近、人間どもはいい気になってんじゃないか? 恐いものなんてなにもないな態度じゃねえか」
「はぇ~! 都会はあやかしさんまでカラフルなんねぇ~」
「おう? なんだおめえ、どこから来た?」
「山から降りてきたら、カラフルなんで楽しそうだったから」
「だったら、混ざれ混ざれ! 光るアホウに見るアホウ、同じアホなら光らにゃソンソン!」

 よくわからない理屈で、真っ白な布を被った棗 茜もゲーミング百鬼夜行の一員に加えられた。

「げーみんぐ? ってなぁに?」
「よくわかんないけど、どこか光ってれば大丈夫でしょ」

 ヒィロ=エヒトと美咲・マクスウェルも、よくわからないままこの行列に加わる。
 大体、妖たちもよく分かってないから、大丈夫であろう。

「なるほどぴかぴか! それならボクはげーみんぐ・狐火だー!」
「うん、いいじゃない……服装は浴衣ベースで和風に……よし、かわいい!」

 ヒィロがアドレサブルRGBっぽくゲーミング狐火を灯すと、美咲は暗黒物質と黒鎧に輝く魔石をちりばめたゲーミング暗黒卿となる。
 やはり、ゲーミングと言ったら黒と光ることだ。
 白も人気らしいが、よくわからない。

「ユリーカの扮装セットに、捨て置けないモノが混じっているわね」

 ネリは、妖怪白うねりの由緒正しきウォーカーである。
 扮装など必要ない、さっそく片付けるが、アドレサブルRGBは気に入ったようだ。

「おお、白うねりじゃん! 光ってるの、イケてんな!」

 妖たちにも評判がいい。ネリも満更ではないようだ。
 今は、妖も光る時代である。

「歯を黒く……面白いね。まるで自分を汚すようじゃないか!」

 一方で、ユリーカの用意した羽黒べったり扮装セットを気に入っているのは、フラッフル・コンシール・レイである。妖となぜ光っているかも単純に気になり、調査するために参加したらしい。
 光る理由は、どうも深い意味はないが混沌全体でも流行のようだ。

「妖たちにもブームが到来していたとは、ゲーミングこそ21世紀の混沌流行語大賞に名を冠すべきだろう」

 リゲル=アークライトは、豊穣の地にまでゲーミングブームが到来していたことに感動を覚えていた。
 そう、この調子でカッコよく光って付加価値を高めていかねばならない。

「妖の皆様方の心にも、今こそゲーミング魂を灯すのだ!」

 そのために、アルミホイル・ゲーミング・シャイン・レインボー・カカポに紛争する。
 ベカベカ光りながら、謎の首振り求愛ダンスを披露した。

「不気味さとキラキラライトって共存できるのねぇ」

 怪しさと眩しさと心強さを込めて練り歩く行列に、夕凪 恭介も加わった。
 呪いの人形を片手にボロボロの着物、狐面もソリッドにか輝くゲーミング使用である。

「百鬼夜行っていうか、あれね、遊園地のパレード。……なんでもないわ。ふふ、故郷で似たような行列が通る祭りをみたのよ。こっちのが派手だけどね」

 エレクトリカルなパレードも、実は百鬼夜行が起源である。証拠はないがきっとそうだ。
 とりあえずは、妖たちも誘導に従って光っている。
 リズムも揃って圧巻の百鬼夜行だ。

「1680万色……わあ、そんなに、色の種類があるのです、ね」

 からかさおばけに扮するのはメイメイ・ルーである。
 カピブタのピピさんも波紋状に輝くゲーミング仕様に仕立てる。
 青色ダイオードの発明によって色の三原色が揃い、すべての色が表現できるようになったという。

「ま、まぶしい……!」

 傘ののぞき穴から百鬼夜行の様子をうかがい、真面目に依頼をこなそうとするメイメイであるが、この調子なら問題なさそうだ。

「いやー、お散歩楽しいですね。たまには歩いて、風景を楽しむというのも乙なものです」

 ノエルはすっとゲーミング百鬼夜行に混ざった。
 もはや光っていればなんでもよさそうだが、妖たちもいろいろと気になるものがあるらしい。

「名のある妖とお見受けするが、どちらから参られた?」
「雪山から降りてきた雪女です」
「おお、噂通りの雪のような肌じゃ」

 声をかけてきた毛羽毛現も納得したようだ。
 で、アドレサブルRGBライトをぶんぶんと振った。

「妖もヒトも、泥人形からすれば大差ない。生き物の本質は、社会というのはそういうものだ」

 メカ子ロリババアを七色に発光させながら、マッダラー=マッド=マッダラーもやんやかんや歌いながら練り歩く。
 只野・黒子もライトを頭に二本差しして光っている。
 マッダラーがいうように、妖もヒトも、こうやって光ってしまえば大きな差はないのだ。

「ほらほら、ゲーミング金平糖ですよ」

 光り方で争いそうになっている妖の間に割って入って宥める。おとなしく行列が終われば、何事もなくすむのだ。
「みんな、光り方も抜群です。人間たちも度肝を抜かれますよ!」
「だよねー!」「だよねー!」「だよねー!」

 木霊たちも声を響かせて光っている。

「全部光ってる……おかしいわ、本当におかしい……ふふふ」

 ルーナ・パプーシャ・リベルターテは、妖への扮装もさることながら、光り輝く。
 ゲーミングの魅力に気分が高揚したのかくるくると踊りだしている。

「ゲーミングって何アルカ? とりあえず光らせればいいネ? どうせならリズミカルに!」
「1680万色……ちょっと色見本をずらりと並べて頂きたいですね……!」
「」

 ゲーミングというのが何かを問うと、実はその定義は難しい。
 ワタクシとセレステ・グラス・オルテンシア、そして大量に笹をまとった天月・神楽耶は光ることでないかと結論を出し、光った。

「あちらの暗がりの方がこの輝きをより顕著に魅せることができるのでは?」
「へい! 兄ちゃん。楽しくゲーミングしているアルカ?」
「おう、ゲーミングしておるぞ!」
「近づくより遠くから見る方が正体も分からず、恐ろしいと感じられるかと思います」
「そうかそうか! 案外光るのも難しんやな」

 回転しながら光ったせいで、列からはみ出しそうになる輪入道を誘導する。妖たちは、思い思いに光り、思い思いに練り歩こうとする。

「こんな依頼もあるとは……イレギュラーズとは奥が深いのですね」

 笹の葉を揺らしながら、神楽耶はしみじみと思う。

「1680万色の……多様過ぎる魂の輝き……なるほどなるほど……それほど色とりどりに輝いている方は、相当、人生をエンジョイしていらっしゃるのですね」

 その思い思いっぷりにセレステも感銘を受けたようだ。

「なるほど、わかりました。1680万の次の1色めを探してみるとしましょうか」

 しかし、感銘を受けたがゲーミングが何なのかは、多くの妖たち同様、わかっていないらしい。

「とりあえず、光ればよいのかな?」

 吸血鬼風の衣装に身を包んだクラーク・エアハルトも、電飾をマントの縁に仕込んでピカピカ光る。
 翻すたびに光るのは、正直かっこいい。
 そのかっこよさで妖たちを誘導していく。

「レインボーな体で練り歩くなんて不思議な気分です。周りの方も凄い気合ですね……気迫に負けませんよ!」

 天之 雪は、額に第三の目を持つゼノポルタであった。
 自らの力で発光しつつ、きらめくタント様ぬいぐるみなど、発光量を増すアイテムを揃えて万全である。
 ゲーミング的な要素で負けないよう気合を入れつつも、百鬼夜行は初めてである。

「はいはい、はみ出ないように」
「す、すみませんっ!」
「おまえさん、初めてやね。いいんやで、初参加は調子はわからんもんな」

 慌てて雪は列に戻る。はみでた雪にも妖たちは優しかった。
 ゲーミング百鬼夜行は娯楽であり、競技ではない。
 楽しんだものがちなので、初心者には優しいのだ。

「はてはて“げぇみんぐ百鬼夜行”ねぇ。またけったいなもんがやって来はりますなぁ。……ま、“鬼”とくればお話は別やねんけど」

 如月 追儺は、この百鬼夜行に現われた猛者を求めていた。なにやら向こうにいるゲーミング小天狗は、。キルレートが高く、多くの敵を屠ってきたという。
 自分を退治してくれる者を求める追儺にとって、彼こそがその相手かもしれない。

「ゲーミング百鬼夜行とは何なんだ? なぜみんな1680万色に輝きたがるんだ? 流行りなのか?」

 黒影 鬼灯は、ゲーミング百鬼夜行がいかなる催しなのか、まだ意味を見いだせないでいる。
 不審者集団の一人であるが、そのスタンスはさまざまなのだ。

「でもピカピカしてて綺麗ねぇ! 鬼灯くん!」

 しかし、よくわからなくとも章姫は楽しそうにしているので、鬼灯はそれでよかった。

「いちまーい! にまーい! さんまーい!」
「あっは~派手で愉快い~~感じになったね」

 ウロウロと一緒に、追儺の角をフック代わりにLEDケーブルを巻きつけていく。
 ウロウロもまた、派手な蛍光色に身を包んだゲーミングコーデだ。

「ええ、ええ。腕が鳴りますねぇ。……えっ? ちょっとウロはん鬼灯はん何して……うおっ眩しっ!!」

 腕をポキポキ鳴らしていた追儺は、その発光によって目がくらむ。

「あーー、うー」

 そこを通りかかったのは、赤子を背に乗せたバーデス・L・ロンディである。

「細かいのくらいなら食べてもい~かな。あ?? ダメ?? そう……」
「ぐす……おんぎゃあ!! おんぎゃあっ!!」

 ちょっとその背に乗った赤様に興味を持ったウロウロであるが、いきなりギャン泣きした。
 川赤子とか子泣き爺とか、赤ん坊の泣き声の妖は結構いる。ぎゅっとロンディの尻尾を握っているあたり、そういう妖だと思われているようだ。

「ゲーミング百鬼夜行か、ずいぶんと目立つことするなま、細かいことはいいか……!」

 変装スキルを使って妖に扮装したレオ・カートライトであったが、当の妖たちが光り輝いていたのでもうバレるバレないとかどうでもよくなってきている。

「あれみろよ! すげえゲーミングだぜ」

 妖たちがひときわ騒がしくなる。
 1680万色に発光する3人組であった。

「さりげなく百鬼夜行を誘導するのを手伝うっすよ!」

 白い布をすっぽりと被ったおばけスタイルが戦闘だ。
 目と角に穴が空いており、中身はジル・チタニイットである。
 その角が、1680万色にさまざまなパターンで輝く。
 フォトン、ドロップ、チェイス、モザイクなど、発光パターンも変幻自在だ。

「ぶははは! ゲーミングミイラ男のお通りだ!」

 続くミイラ男は、包帯の代わりにミラー状のメタリックの帯を巻いてスタイリッシュの格好だ。
 中身は、ギフトによって細めになったゴリョウ・クートンである。ミラーメタルな包帯も、実はなんてことないアルミホイルだが、Wi-Fiのキャッチ率が上がるという隠れたゲーミング効果がある。
 そして、続くのは顔面を1680万色の発光パターンで光らせまくるイ型 8號であった。

「おい、あの妖はどこぞのお方じゃ?」
「さて? のっぺらぼうかのう?」

 見たこともないイ型 8號の特異な外見に、妖たちも口々に噂し合う。

「私は、影坊主だ」
「影坊主っ!?」

 いそうでいない絶妙な妖としての名乗りである。
 実際には影坊主という妖はいないらしい。
 しかし、妖の種類とか名乗ったもん勝ちなところがある。

「なんにせよ、どえらいゲーミングじゃ。ハイエンドな液晶水冷クーラーのヘッドみたいだわい」

 そういうゲーミングモデルもあるのだ。
 この3人に俄然注目が集まったところで、ゴリョウが合図した。

「それじゃいくぞ!」
「ああ、やってやろう」
「じゃあ、いくっすよー!」

 ゲーミング妖となった3人が列を組み、ぐにょ~んぐにょ~んと妖しく動きまくった。
 この動きこそ、ゲーミングチューチュートレインである。

「す、すげえ……!?」

 遠巻きに見ていたゲーミング小天狗が度肝を抜かれていた。
 彼は、アドレサブルRGBで光り、60fps以上のフレームレートで動き、8コア16スレッド、リフレッシュレート144Hz/1msにも対応しているが、そこまでぬるぬる動けない。
 ゲーミングはスペックだけではない、使用用途なのである。

「……ばあっ!! 僕っすよ天狗さん!」
「うっ、うわあっ!? ……ってお前だったのかよ!」
「元気に楽しくしてて何よりっす! また遊んでくださいっす!」

 おばけスタイルの白布を跳ね上げて出てきたジルの姿に、ゲーミング小天狗も呆気にとられる。
 とどめとばかりに、イ型 8號がオーラキャノンを花火代わりに打ち上げる。

「おおっ、あれぞゲーミングの輝きじゃあ!」

 妖たちもその輝きに満足したのか、別段誰かに危害を加えることなく練り歩き、夜明けとともに去っていったのだった――。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

というわけでゲーミング百鬼夜行、つづがなく終了しました。
それぞれゲーミングを主張して輝くことができたでしょうか?
まだまだ暑い日が続きますが、楽しく発光していきましょう!
それではまた!

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