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シナリオ詳細

ガシャイヒ村復興記 ~復興の芋煮会~

完了

参加者 : 20 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●こうして村は守られた
 300匹ものゴブリンの襲撃というガシャイヒ村であったが、集まった多くの義勇兵たちの活躍によって人的被害を出すことなく撃退に成功した。
 しかし、村が被った被害は大きい。
 ゴブリンたちが行なった挑発行動には、青田刈りがあった。これによって、今季の収穫は絶望となっている。
 納屋や風車、家々も焼き払われてしまい、今後の生活にも大きな支障が出るだろう。

「なんとかしなくては……」

 村を守りきったが、今後のことを考えると『女騎士』レディーナ・フォン・ロックシュタイン(p3n000146)の胸は痛んだ。
 このままでは、餓死者も出るかもしれない。
 何より、住むところまで失い、気落ちしている村人、不安げな子供たちを励ましてやりたい。そして、彼女には食料の心当たりがある。だったら、やるしかない。

 これまでさまざまな手段によって集めてきた救荒作物の星、芋である――。

「やはり、こんなときこそ芋の出番だな!」

 そう、こんなこともあろうかと女騎士レディーナは芋の研究と運搬に余念がなかった。
 芋は、民衆を救う素晴らしい作物である。

「蛇牙芋や殺魔芋もいろいろあるが……ここは、やはり里芋を出そう」

 今回用意する里芋は、それほど特別なものではない。
 どこでも育ち、熱帯から亜熱帯に書けで広い範囲で主食となってきた優秀な芋である。

「やはり、里芋を使うなら、“芋煮”という料理が大量に作れて、料理も簡単なようだな」

 女騎士レディーナは、料理の腕前が壊滅的であった。
 しかし、最近はイレギュラーズからいろいろと指導を受けており、包丁の使い方なども覚えてきた。
 さらに、最近はレシピの研究までも行なうようになった。

「騎士様、芋煮のレシピを調べてまいりました!」
「おお、ご苦労! いつもすまないな」

 少年従者が、女騎士でも作れるレシピをいろいろ調べ、まとめてきている。
 甲斐甲斐しく働く従者を、女騎士も好ましく思っている。
 それはさておき――。

「従者よ、芋煮のレシピはどれを使えばよいのだ?」
「調べたところ、醤油仕立てのところと、味噌仕立てのところ、それと牛肉だったり豚肉だったりと、いろいろあるみたいなのです」
「ううむ、牛蒡を使うのもあればこんにゃくを使うものもあるようだな。どれも一緒のように思えるが……」
「ああっ、いけません騎士様! そのような不用意な発言はお控えください!」
「そ、そうなのか? よくわからないな」

 そんなわけで、ガシャイヒ村の復興は芋煮の調理から始まっていた。

●一緒に芋を煮よう!
「村の復興のため、一緒に芋を煮てほしい!」

 女騎士レディーナは、ギルド・ローレットにやってきてゴブリンの襲撃を受けたガシャイヒ村の復興を手伝ってほしいと申し出てきた。

「いや、無論芋を煮るだけではない。村の今後のことも含めて相談したい。しかし、重苦しくならないよう、温かい芋煮を突きながら話し合ったほうが明るい展望も見えると思ってのことだ」

 女騎士は語る。
 ガシャイヒ村が受けたゴブリンの大群から受けた被害は、あまりに理不尽であり大きなものであった。
 そのため、美味しい芋煮で励ましつつ、村の復興を行ないたいのだという。

「……ただ、芋煮の作り方というのがいろいろあるらしいので、どれがいいのかくわしい方々にご教授いただきたい」

 “崩れないバベル”の影響なのか、地方色豊かと言われる芋煮の差異も、だいたいは芋煮として伝わっており、さまざまなレシピがある。
 しかし、さまざまなレシピというのはお料理初心者にとっては戸惑いのもとであった。

「そして、芋煮を作りながら復興の手伝いもしてほしいのだ」

 芋煮を作り、食べながら、ゴブリンに荒らされたガシャイヒ村の復興の相談、実際の復興というのが、今回の依頼である。

GMコメント

■このシナリオについて
 みなさんこんちわ、解谷アキラです。
 ガシャイヒ村は述べ160人以上の有志たちによって守られましたが、大きな被害を受けたのも確かです。
 特に、食料は青田刈りもされて深刻な被害を受けました。
 そこで、芋煮で乗り切ります。

・芋煮について
 芋煮は、地方色豊かでさまざまなレシピがあります。
 そのレシピについても、いろいろ議論がありますが、ガシャイヒ村の人々のためにも美味しく食べられるものを作ってあげてください。
 もちろん、食べるだけ食べるという参加でも構いません。
 材料については、女騎士が調達していますが持参していただいても結構です。
 というか、物資の提供は村の人々も大歓迎です。

・復興について
 ガシャイヒ村では、ゴブリンの青田刈りや焼き討ちによって、風車や納屋の他、家屋、防御施設にも大きな被害が出ています。
 これらの復興などについて、話し合ったり実際に補修していったりしていきます。

 説明は以上となります。
 それでは、皆さんの参加をお待ちします。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • ガシャイヒ村復興記 ~復興の芋煮会~完了
  • GM名解谷アキラ
  • 種別イベントシナリオ
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2020年07月18日 22時05分
  • 参加人数20/∞人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 20 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (20人)

シズカ・ポルミーシャ・スヴェトリャカ(p3p000996)
悪食の魔女
諏訪田 大二(p3p001482)
リッチ・オブ・リッチ
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
セティア・レイス(p3p002263)
妖精騎士
エレンシア=ウォルハリア=レスティーユ(p3p004881)
至剣ならざる至槍天
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)
暁の剣姫
ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)
氷雪の歌姫
レイリ―=シュタイン(p3p007270)
ホワイト☆エクセ
ミンティ・セレーニア(p3p007959)
特異運命座標
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Stella Cadente
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
マルカ(p3p008353)
Sweeper
テルル・ウェイレット(p3p008374)
料理人
三國・誠司(p3p008563)
一般人
ブラッド・バートレット(p3p008661)
0℃の博愛
バスティス・ナイア(p3p008666)
猫神様の気まぐれ
笹木 花丸(p3p008689)
はなまるぱんち
アイシャ(p3p008698)
スノウ・ホワイト
鈴鳴 詩音(p3p008729)
特異運命座標
千之(p3p008769)
砂に臥した鍛冶屋

リプレイ

●復興できない、なんてことない!
「みんな……みんな、よく戦ってくれた!」

 『女騎士』レディーナ・フォン・ロックシュタインはゴブリンと戦ったガシャイヒ村の人々、そしてイレギュラーズの面々に言った。
 被害は、決して小さくはない。
 人的被害がでなかったのは不幸中の幸いと言える。
 しかし、村が復興できるかは今後の成り行き次第といったところだ。

「レディーナ様、ご機嫌麗しゅうございます。先だっての戦い、お疲れ様でした!」
「ありがとう、シズカ!」

 シズカ・ポルミーシャ・スヴェトリャカも、レディーナとともに激しいゴブリンとの戦闘を戦い抜いた。
 ともに芋を掘り、運び、調理してきた同志でもある。

「私たちも色々と持ち寄ったりお手伝いしたり致しますので、一緒に村を活気づけましょうね!」
「ああ、助かる。そういうわけで、里芋をどっさり持ってきた。芋煮という料理は、多人数で野外でもできて温かく、みんなが元気づく料理だと聞いてる。今回は、その芋煮を作ろうと思う」

 どっさりと少年従者とともに運んできた芋煮がある。これを調理しつつ、村の復興を行なうつもりであった。

「うむ、里芋とは良いものじゃ。素朴にして色々な味付けを楽しむことができる。こういう催しに相応しいものじゃな」

 諏訪田 大二も感心しつつ、何かを企んでいるような笑みを浮かべる。

「料理はヤングマンたちに任せ、ワシは酒を用意しよう。旨い芋を肴に、まずは祝勝会も兼ねて飲もうではないか」

 大二が運んできたのは、酒である。
 しかも、樽でふたつもある。全員で飲んでも十分行き渡るだろう。

「さて復興の話じゃが、それには先立つものが必要じゃな」
「そのとおりだが、そちらの当てはないのだ……」
「だったら、この村をゴブリン300体を打ち倒した村として大々的に宣伝、並びに芋煮会をシンボルとして定期的に催し、観光客を誘致するというのはどうかな?」
「なるほど。観光誘致のインバウンドだな!」

 したりと膝を打ち、さっそく頭の中で算盤を弾いて利益を得ようというのが、大二のしたたかなところである。

「何はともあれ今後の実りってこと考えたらお芋の他はトウモロコシお勧め!」
「トウモロコシですか、なるほど」

 ミルヴィ=カーソンが「しばらくここを優先的に世話してくんない? あの時の事は奥さんには黙っててアゲルから♪」と商人に囁いて買い付けた大量のトウモロコシが運ばれてくる。
 トウモロコシは、芋と並んで優れた救荒作物である。種の分と食用の分に分け、ミルヴィも調理に取り掛かる。芋は、大きな者を見繕うようにしている。

「……私のギフトでなんとかなるかしら?」

 長月・イナリには、稲荷の加護・五穀豊穣祭のギフトがある。このギフトにかかれば、トウモロコシも元気に発育するはずだ。
 トウモロコシもイネ目イネ科であるから、五穀に含んでもいいだろう。

「芋煮のほうは……得意な方が多いようですので、お任せですわー」
「それにしても……はあ、派手にやられましたね」

 ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナートとミンティ・セレーニアは、復興支援の援助物資の調達、そして落とされた橋の修復を担当している。
 村を守るためとは言え、街道に続く橋を落として物流を閉ざしたままではいけない。
 水中行動が得意なユゥリアリアは、橋の基礎から立て直せるのだ。
 しかし、それでも大変な作業には変わりない。
 ミンティが近隣領主との交渉によって物資と人手の要請を行なっているが、状況が一気に改善するわけではない。
 続いては、家屋を失った村人のために、仮設住宅代わりの遊牧民たちが使うテントを広げていく。これで雨風は防げるはずだ。

「ういうい、瓦礫とかの片付けっスね。戦闘後の後片付けとかアフターサービスなんで気にしなくていいっスよ」

 スナイパーアイを光らせ、マルカはせっせと瓦礫の撤去を行なっている。
 黙々と働くその姿は、とてもメイドらしいものだ。
 瓦礫の集積も、馬車にロバにメカロリババアとさまざまなものがついてきている。
 
「守ってもらったうえにあんな娘さんたちばかり働かせたら、ガシャイヒ村の名折れだ」

 村人の若者たちもたちも多数協力し、一緒に汗を流している。

「俺はあんま頭使うのは向いてねーんだよ。そんかし体力仕事ならまかせな」

 千之もその中に混ざっている。
 瓦礫の撤去から物資の輸送、野良仕事までなんでもござれだ。
 撤去作業と橋の修復が終わったら、荒らされた畑を耕し直し、トウモロコシや里芋を植えることになる。
 鍛冶屋も本業なので、農具の打ち直しまで担当するという。

「体力からっからになるまで働きゃあ、芋煮もさぞ美味えことだろうよ」
「まったくだな!」

 村人たちと、大いに笑いあった。
 その肝心な芋煮はというと――。

●芋を煮よう!
「で、全部混ぜて煮ればいいんだよね、エレンシア殿」
「ん? ああ、まあそうなんだろうな。でも、下準備っていうのか? そう言うのはいるんじゃないか? ほら、皮を剥いたり、適当に切ったり」

 レイリー=シュタインとエレンシア=ウォルハリア=レスティーユは、大量の芋の前にどこから手を付けるかといったところである。
 とにかく、里芋の皮を剥き、野菜を切る。
 モカ・ビアンキーニが下準備をしている羊肉の自家製豆味噌仕立ての芋煮や、ゴリョウ・クートンを中心とした仲間たちが取り掛かっている鶏出汁醤油、鶏肉の芋にもある。
 芋にはさまざまあれど、里芋の皮向き、野菜のざく切りは共通している。
 しかし、どの芋煮スタイルでいくかは、レイリーも悩むところだ。醤油にすべきか味噌にすべきか? それとも豚肉か鶏肉か? エレンシアとも相談し、牛肉と醤油でいくことにした。
 アイシャと三國・誠司、ブラッド・バートレットの三人は、豚肉と味噌仕立ての芋煮のようだ。
 こちらも、復興作業に精を出す村人たちや仲間たちの食欲を満たすべく、したごしらえに余念がない。

「皆さんが1日でも早く笑顔を取り戻せますように……頑張りましょうね、誠司さん」
「ああ、もちろんだ」

 村の子供らも一緒に混ざり、里芋の皮を剥いて野菜を切る。
 大人数のお腹を満たすためにも、やはり大量の食材がいる。

「ふんふふーん、ふんふふーん♪ おいもさーん♪」

 子供たちも一緒に歌い、楽しく調理していく。

「。じゃあ、味噌をベースに豚肉…あとはニンジンや芋とか入れておけば豚汁っぽくなるかな?」

 ――いけない、それ以上いけない。
 子供たちの表情が、ドキッとしたものになる。

「ダメですよ、誠司さんっ。わたしたちが作るのは芋煮ですから」

 慌ててアイシャがフォローする。
 そう、芋煮と豚汁は違う。まったくの別物なのだ。
 誠司が知らぬもの無理はないが、芋煮は人々を飢餓から救い、幸福に導く神聖なソウルフードであり、これを混同することは冒涜にあたる。

「そうだった。アイシャはこういう場面ではめっぽう頼りになる」
「そんな、頼りになるだなんて……。あっ、誠司さん、大丈夫ですか? 包丁はこう持つと刺さりにくいですよ」
「そ、そうか?」

 誠司とアイシャの手と手が触れ合い、ちょっと親密度が近いんじゃないかと見守る子供たちもドキドキである。

 そんな中でも、ブラッドは黙々とおにぎりを握り続けている。
 争いを生まぬよう、量も具も計ったように均一である。

「おにいちゃんおにぎりばかり握ってて大丈夫なの?」
「問題ありません、こういった細かく淡々とした作業は得意です」

 心配する子らをよそに、機械のように握り続けている。

「じゃ、私も。ヤマガタケンという世界で作られている芋煮を作るわ。なんでも、巨大ロボで数万人分の芋煮を作るそうよ」
「ヤマガタケンすげえ!」

 イナリの話に、子供たちも目を輝かせている。
 聞くところによると、ヤマガタケンは芋煮三大聖地のひとつと言われ、年に一度、荘厳な音楽とともに芋煮を讃える大規模な祭りが行なわれ、芋煮を求める聖地巡礼の信者たちで賑わうという。
 しかし、信仰を巡って争いを繰り広げた悲しみの歴史があるという。
 今では、人々はその悲劇を繰り返さぬよう協定を結び、これによって人々に信仰の自由が認められたのである。

「このとんじる里芋入ってるの、ちょっとかわってるっておもう」
「――……っ!!」

 セティア・レイスが放った何気ない一言。
 その一言が、一瞬なごみかけたガシャイヒ村の空気を凍りつかせた。
 これは、豚汁と書いてぶたじると読む一派を敵に回しかねない発言でもある。

「に、にくじゃが?」

 醤油色の出汁に、芋と肉が浮かんでいる。
 確かに似ているが、芋煮と肉じゃがはまったく違う料理だ。断じて違う。
 ピリピリとした空気の中には、殺気も混じっているのかもしれない。

「うぐ、ごめんなさい……」

 思わず、謝ってしまうセティアであった。

「いいんや、謝らなくてもいいんや。豚汁も肉じゃがも、芋にもおいしいんやから」

 どこからか、そんな声が聞こえる。
 そして気を取り直して、料理に取り掛かる。
 まだスーパービビりながらであるが、慣れた手つきであった。

「これ地元じゃさいきょーだから、たぶん」

 そう言って、茹でた里芋をつるんと剥き、コンソメ、ベーコン、オリーブオイルとさらし玉ねぎと会え、仕上げに黒胡椒と刻みパセリを散らす。アクセントのトマトも鮮やかだ。
 セティアのおばあちゃんが作った、自慢の芋煮である。
 さて、一方のゴリョウは鶏肉出汁を取るため、慎重に火加減を調整していた。
 強火で煮立たせてしまうと、鶏出汁が濁ってしまう。シャープな鶏の旨みで仕上げる芋煮を目指すために、ここは手を抜けない。

「火加減は大切ですね。たくさんの人がいる以上、しっかりと仕込みの方からもやらないとですね」

 ゴリョウが出汁を取っている間に、テルル・ウェイレットは野菜の皮剥きを進めていた。
 分業は作業を効率化させる。芋煮でも重要なことだ。
 そして、様座な芋煮ができあがっていく。

●芋煮を食べよう
「できたよー!」

 ミルヴィができあがりを宣言すると、人々も鍋の周りに集まってきた。

「ほう、こりゃ変わった芋煮じゃ」

 村人たちも、ミルヴィの用意した芋煮に興味津々であった。
 大きめの里芋を半分にして中身をくり抜き、野鳥の肉とトウモロコシを詰めて蒸した爆弾芋ポタージュである。
 里芋が器の役目も果たしていて、豪快に食せる一品だ。

「えへへっ、約束通りご飯を頂きに来させてもらったよっ! ご飯を作るのは苦手だけども食べる事は得意な花丸ちゃんとは自分の事さっ!」

 さっそく笹木 花丸がゴリョウの鶏肉出汁の醤油仕立ての鍋に並んだ。
 濃い琥珀色の醤油出汁に、染み出た鶏の黄色みのある油が浮いたビジュアルが食欲をそそる。
 素朴な具材にこの旨味が乗るところを想像すると、まさに垂涎の一杯だ。

「んーっ、いい匂いっ! ねっ、ねっ。もう食べていい? 食べていいのかな!?」
「おぅ、たっぷり食って精をつけていきな! おにぎりもあるからな」
「芋煮におにぎり!? そういうのもあるんだね!」

 おにぎりを添えられて出された鶏醤油の芋煮に、花丸も大喜びである。

「アイシャ、配るのは任せた。みんなもかわいい子から手渡せたほうがいいでしょ?」
「か、可愛いだなんて……っ。あの…さ、覚めちゃう前に食べてもらいましょ……!」

 鍋を運んだ誠司が、アイシャに盛りつけを任せている。
 大丈夫、これほど熱々なら覚める心配はしなくてよさそうだ。

「さすがのあたしでも、羊、馬、豚、牛、鶏……この辺りは食べたことはあるけれど、調味料とこのお芋はまだ食べたことないんだよね」

 バスティス・ナイアは芋煮初体験である。
 それぞれのレシピを書き添えながら、各種の芋煮を味わっていく。
 煮えた里芋のほっくりした歯ざわりと、滋味のある出汁の味わいは格別だ。
 復興作業で疲れたガシャイヒ村の人々も我先にと箸を伸ばす。
 うまい、醤油の味わいも味噌の味わいも、鶏も豚も牛もマトンも、オリーブオイルとコンソメも、なんだってうまい。

「この異郷に来てから見聞が増えていくばかり……生きた世界はやっぱり楽しいねえ」
「美味しい! 牛肉や野菜に味しみててあったまるし。けど、確かに、他の野菜や鶏肉とかでも美味しそうよね。エレンシア殿はどう?」
「む。……この味わい…いいな、うん。旨い。これでもいいが……そうだな、確かに他の食材も試したくなるな」
「ゴリョウさんが丹精に作った物です、美味しいですよ」
「あら、色々な種類があるのですねー。楽しみですわー」
「さっ、頑張りっぱなしのレディーナにも」
「そうだな、いただこう」
「ふむ、この鍋もなかなか美味いな」

 おにぎりの他に、紅茶も添えられる。
 そう、大量に作ったから、ここにはさまざまな芋煮がある。

「え、いやウチは芋煮とかいいっスよあのちょっと里芋はあんまりそのニガテで……」
「まあまあ、そう言わず。せっかくの機会ですしおにぎりだけでも」

 そんな様子で村人たちも復興に集まった人々に芋煮を振る舞う。

「はあ、おいしそう……」

 鈴鳴 詩音は、家屋の影で隠れるようにして芋煮を味わおうとしている。ガシャイヒ村の復興の芋煮に食べるだけのつもりで参加した。
 しかし、食べるだけでは申し訳ないし、働かずに食べるだけでは村の人々が不快に思うのではないかと心配し、こっそり味噌仕立ての芋煮をいただくつもりだ。
 大勢で食べる芋煮も、こうしてひとりで味わう芋煮も、どちらもうまい。
 人生いろいろ、芋煮にもいろいろである。

「芋煮っておいしい……」

 そんなつぶやきが、皆の気持ちを表している。

「怪我人とか病人とか居るようだったら看るよ。こう見えても神様に仕えている身だからね」
「いやあ、それはありがたい! なんせ激しい戦いじゃったからのう」
「村の名前、名前かえたほうがぜったいいいっておもう、たぶん」
「うーん、わしらの愛着があるんだけども。ガシャイヒ村って名前が不吉なのかのう?」
「シャカラカ村にしよ」
「じゃあ、試しに1ヶ月だけ」
「グフフ、その後は命名権を売ってスポンサーも募るのじゃ」

 ……などと、今後の復興の相談をしつつ、芋煮の湯気はいつまでも立ち上っていた。

成否

成功

MVP

セティア・レイス(p3p002263)
妖精騎士

状態異常

なし

あとがき

 芋煮、できました!
 プレイングを見て書いているうちに、自分もお腹が減ってきました。
 読む飯テロに仕上げてみようと奮闘したのですが、いかがだったでしょうか?
 途中、緊張の走る瞬間もまた楽しかったです。アドリブでいろいろしたところもありますが、楽しんでいただければさいわいです。
 緊張を煽りつつも、個性的な芋煮によって多様性の共存を示し、村名の提案をしていただいたセティア・レイスさんにMVPを送りたいと思います。
 それではまた、次の機会に!
 ガシャイヒ村あらため、1ヶ月限定のシャカラカ村をよろしく。 

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