シナリオ詳細
<虹の架け橋>混沌玄人伝ヘイムダリオン
オープニング
●イレギュラーズの戦闘力が麻雀力に転換される部屋
「――皆さんには、これからちょっと麻雀を打(ぶ)って頂きます」
ある日のローレット。イレギュラーズ達を前に、『真昼のランタン』羽田羅 勘蔵(p3n000126)が何か言い出した。どう言うことかと、イレギュラーズ達がざわめく。
「実は、ヘイムダリオンの次の領域は、麻雀で勝たないと突破出来ないのです」
妖精郷アルヴィオンへの門アーカンシェルが破壊されたことに端を発し、故郷に帰れなくなった妖精郷の妖精達からローレットは大迷宮ヘイムダリオン攻略の依頼を受けていた。
「……とは言っても、俺は麻雀は知らないんだが?」
「あー、大丈夫です。その領域に入ったら、勝手に皆さんの頭の中にルールとかはインストールされてきます」
「インストール」
「それとですね、その領域では皆さんの戦闘力が『雀力』――つまり麻雀の実力に変換されます」
「雀力」
勘蔵の言葉に、不思議そうな顔をするイレギュラーズ達。おかまいなしに、勘蔵は続ける。
「卓は四卓ありますので、二人ずつコンビで打って頂きます。うち、三卓で勝てば『虹の宝珠』が手に入ります」
その他、勘蔵は勝負のルールを次々と告げていく。
・勝負は東南戦、西入あり
・後付けあり食いタンあり、赤無し
・HPの多寡によって初期の所持点棒は変動
・そのため、所持点数の多寡では無く、得た点棒の合計が多いチームが勝つ
・トビが出た場合、問答無用でトビを出したチームの負け
・トンだ場合、パンドラ消費で初期の所持点棒の2割の点棒を得て勝負を続行出来る。
……麻雀にしてはおかしいルールも混ざっている気がするが、そもそも戦闘力が麻雀の実力に変換されると言う時点でおかしいし、何はともあれこのルールで勝利しなければ領域を突破出来ないというのだから致し方なし。
「本当は私が打ってきたいんですが、私の場合はあそこでは雀力が低くなっちゃうんですよねぇ。そんなわけで、上手く勝って『虹の宝珠』をゲットしてきて下さい。よろしくお願いします」
何処か残念そうにしながら、勘蔵はそう告げるのだった。
- <虹の架け橋>混沌玄人伝ヘイムダリオン完了
- GM名緑城雄山
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2020年06月10日 22時35分
- 参加人数8/8人
- 相談4日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●手牌の表記は萬子牌は漢数字、筒子牌は括弧付き算用数字、索子牌は算用数字を使用し、自摸牌や副露がある場合は半角開けて右に表記
「……よく来たな、ローレットのイレギュラーズ達。既に、情報屋から話は聞いているはずだ。
ここを突破するための虹の宝珠が欲しければ、我々に麻雀で勝ってもらおう。
我々の打ち手は、既に卓で待っている。君達も、好きな卓に分かれたまえ」
広めの雀荘を思わせる領域に辿り着いたイレギュラーズ達を、黒いスーツに黒いサングラスの男が出迎えた。部屋の四方には麻雀卓が置かれており、一つの卓には二人ずつ、同じような黒いスーツに黒いサングラスの男が側に立っている。
四つの卓の真ん中には台座が置かれており、その上には虹のように七色に輝くオーブが置かれている。目的の宝珠が確かにそこにあることを確認したイレギュラーズ達は、互いに顔を見合わせると頷き合い、予め決めておいたコンビごとに卓に分かれていった。
●アイの証を集めて
(しっかし、麻雀勝負ね……イレギュラーズの仕事もいろいろあるもんだな)
場決めによって決まった席のシートに座りながら、『銀狐』ギンコ・キュービ(p3p007811)はそんなことを考える。が、すぐに我に返ったように、黒服に飲み物を注文した。
「あ、オレ飲み物コーヒーアイスで! 後サンドイッチでももらうかな。
頭使うなら腹にもの入れといた方がいいだろうし、ナーガもなんか頼んどいたほうがいいんじゃねーか?」
その『『アイ』する決別』ナーガ(p3p000225)は、自身の生命力に応じて配布された点棒を見て、何処か陶然としている。
「テンボー……これがナーちゃんたちのアイなんだね!
……あっ、そうだね。それじゃ、ギンコちゃんと同じのをもらおうかな」
親であるナーガは注文を終えると、牌山の何処から牌を取るかを決めるサイコロを振る。かくして、闘牌が始まった。
初期点棒
東家 ナーガ 21,205
南家 黒服A 25,000
西家 黒服B 25,000
北家 ギンコ 11,875
東一局。親であるナーガは門前で大物手を狙っていく。一方、ギンコも味方であるナーガの親を蹴ってしまうにしても出来るだけ高い手で和了りたいと、ナーガ同様門前で大物手を狙う。だが、この局は黒服Aが平和タンヤオでナーガから和了を拾った。
(……調子に、乗らせるかよ)
続く東二局は、黒服Aが勢いに乗るのを阻止すべくギンコが速攻。結果、黒服Bから西のみで和了って黒服Aの親を蹴り飛ばす。
東三局、局面が大きく動き出す。ドラは三筒で、ナーガの十巡目の手牌は五六七八(2)(2)(3)(3)(4)3457 五。ここからナーガが七索を切って立直をかけると、四巡後に黒服Aが高目の四筒を切って振り込んだ。
「ローン! えへ、ごちそうさまです!」
「げえっ!?」
立直平和タンヤオ一盃口ドラ1、満貫である。ここから、ナーガのエンジンが掛かり始めた。
東四局は親の維持を目指すギンコが食いタンで黒服Bから和了。
一本場、ドラは南。ナーガの手牌、一一一(2)(2)(8)(8)6777白白 (2)。自身の手牌に目をやってから、ギンコをチラリと見る。味方の親を蹴ることになっても和了に行くか迷ったのだ。
ナーガの視線に気付いたギンコは、(細かい事は考えねぇで好きなように打て)とばかりに頷く。大物狙いのナーガに流れが来ているのなら、その流れを止めるのはナーガの持ち味を殺してしまう。勝つためにはそれはよくない、と言う判断だ。
ギンコの頷きを受けて、ナーガは六索を切って立直。その六巡後に黒服Bが八筒で振り込み、立直対々三暗刻、満貫。
南一局、南二局は黒服A、黒服Bがナーガから南と中、東のみで和了。
南三局、ドラは六萬。ナーガは二三七七八(2)(4)(6)467白中の配牌を、九巡目には三四五六七七(4)(5)(6)4568 7まで整えて、三萬を切って立直。直後、黒服Aから九索がこぼれてロン。立直一発平和三色ドラ1、ハネ満。
「――うぐっ!」
「どうしたの? お相手さん……顔色が悪いよ? ナーちゃんの『ハネ満』をそんなにみつめて――」
あくまでも悪気はなく、ナーガは心配するように黒服Aの顔を覗き込む。ハッとした黒服Aは、ナーガの視線から顔を逸らした。
オーラスはまずギンコが速攻を仕掛けて南と白で黒服Bから和了り、一本場はナーガが黒服Aから立直一通白ドラ1の満貫を和了って、この卓の闘牌はイレギュラーズの勝利で終了した。
闘牌結果
東家 ナーガ 52,805(+31,600)
南家 黒服A 1700(-23,300)
西家 黒服B 11,300(-13,700)
北家 ギンコ 17,275(+5,400)
●黒服の粘りをねじ伏せて
(かはは。依頼で麻雀だぁ? 最高じゃねぇか!)
自らをギャンブラーと自認し、世界中の賭博場を渡り歩いてきた『博徒』ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)にとっても、大迷宮の中で依頼として麻雀を打つ機会は初めてであったろう。
その故か、それともギャンブルの前は何時ものことなのか、燃え盛るような気炎を上げていた。
「さぁてギャンブルの時間だ!! 命を賭して切り結ぶ時だ!!! 敵だろうが味方だろうが関係ねぇ!!! 共にこのさいっっこうの時間をよ!! 愉しもうぜ!!!!」
目に見えてはっきりと闘志を燃やすニコラスに対し、『破滅を滅ぼす者』R.R.(p3p000021) の闘志の燃やし方は静かで密やかなものだった。
(麻雀、それは勝負師達の魂を削り時には破滅にいざなう魔の領域。
あぁ、聞こえてくるぞ、雀卓からの破滅の声色が。俺達の魂を喰おうという気配が。
干戈交える戦いには非ずとも、ここは命懸けの戦場である事がありありと伝わる。
ならば俺は一切の手加減をしない。この魂の全てをぶつけて破滅に抗って見せよう)
この二人の気迫に刺激されてか、黒服達はごくりと唾を飲み込み、自身に気合いを入れる。かくして、四卓の闘牌の中でも最大の激戦の火蓋が、切って落とされた。
初期点棒
東家 R.R. 9,375
南家 黒服C 25,000
西家 黒服D 25,000
北家 ニコラス 12,375
東一局、ニコラスの配牌は一六六(3)(3)(4)2288南白白。そしてニコラスの自摸は一萬。
「行くぜ!! ダブル立直だ!!」
ニコラスは気力を漲らせつつ、四筒を捨てて立直を宣言する。果たして二巡後、オタ風の南を処理しようとした黒服Dが振り込んでしまう。ダブル立直七対子、4翻。
勢いに乗るニコラスは東二局の六巡目、三四六七(2)(3)(4)(7)(7)4568 五から八索を切って立直をかけ、三巡後に黒服Cの二萬で立直平和タンヤオを和了った。
さらに流れに乗りかかったニコラスだったが、黒服も黙ってはいない。大物手を狙っていくニコラスの手牌、一九(7)22234567白白 5からこぼれた七筒をロン。チャンタ三色で点棒を奪い返す。
(――成程、これは面白い。勝負のスリルとはまさにこういうものか)
東四局、ドラ二萬。破滅に抗う気迫と、怜悧な思考の両輪で打牌を進めていたR.R.が、和了を得る。八巡目の手牌、一二三七九(1)(1)(1)(2)(3)7789發發 八から七索を捨てて立直。捨牌からタンヤオを狙っていると思われた黒服Cの發でロン。立直チャンタ發ドラ1、満貫。
そこからは、R.R.と黒服Dの殴り合いならぬ和了り合いとなった。
南一局、親として先の勢いを活かしたいR.R.から、黒服Dが平和タンヤオで和了る。
南二局は、R.R.が立直混一で黒服Dから和了り返す。
南三局。親の黒服DがR.R.から混一東で和了り、一本場はニコラスからタンヤオ一盃口で和了る。だが、黒服Dの攻勢はそこまでだった。
二本場、ドラ四萬。十巡目のR.R.の手牌一二三三四五九九九西西中中、立直宣言牌八筒。ニコラスの手牌六六七七八(2)(3)(4)(8)(8)345、立直宣言牌七索。二人の立直のプレッシャーに対し、黒服Dは振り込みを回避しつつ和了を模索するが、十四巡目に黒服Cが一枚見えの西で振り込んでしまう。立直混一西ドラ1、ハネ満。勝負の流れは、これで決定的となった。
オーラスは黒服DがR.R.から和了るものの、三色だけでは点棒は取り戻しきれない。こうして、この卓もイレギュラーズ達の勝利に終わった。
闘牌結果
東家 R.R. 27,875(+18,500)
南家 黒服C 8,200(-16,800)
西家 黒服D 25,000(-2,400)
北家 ニコラス 13,075(+700)
●初闘牌は大勝利にて
「全く、変なエリアに来てしまったな……だが、妖精郷に行くために必要なら全力でやるだけだ」
困難に直面している妖精は無条件で助けたくなる性から、これまで様々な妖精郷絡みの依頼に参加してきた『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)でも 、流石に大迷宮の中で麻雀を打たされることになるとは思わなかったであろう。
ぼやくようにサイズはつぶやきながらも、それでも他の依頼と同じように、妖精郷に向かうためなら全力を出して取り組むのはこれまでと何ら変わらないところであった。
(麻雀とか初めてなんだよなぁ、ルールは頭の中には入ってきたけども……)
一方の『真実穿つ銀弾』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)は、麻雀が初体験であることに幾ばくかの不安を感じているようだった。
だが、自身のするべきことは戦闘と変わらない――攻めて攻めて、勝利を得る――と思い至ると、不安も多少解消されたらしく、深く深呼吸してから動揺や迷いを表情の下に封印した。
初期点棒
東家 クロバ 25,275
南家 黒服E 25,000
西家 黒服F 25,000
北家 サイズ 20,500
東一局、ドラは八萬。クロバの配牌は二(9)235568東東西白白中。クロバはまず九筒を捨てる。黒服Eは北、黒服Fは中を処理。サイズは一二二四五(2)(4)(4)(8)3448から東をツモり、一萬を捨てた。
五巡目、サイズの手牌は二二四五(2)(3)(4)(4)3447東 六。
(初牌だが――)
サイズは迷いつつ東に手をかける。黒服は字牌の処理を進めているとは言え、どちらかが東を2枚抱え込んでいないとは限らない。とは言え、これを抱え込んでいては手作りが苦しい。数瞬の逡巡の末、切られた東をクロバがポン。クロバの手牌は235568西白白中 東東東となる。結果として、サイズがクロバの手作りをアシストした形となった。
八巡目、黒服Fから白をポンしたクロバは、手牌を12355中中 東東東白白白の形に仕上げる。
「――”死神”。お前らが相手するのはそういう存在だ。意味は、言わずとも理解できるだろう?
刈り取るのは魂だけじゃなくてね。さぁ、お前らの点数を悉く奪いつくさせてもらう――!」
ギラリ、と鋭い眼光をクロバは黒服達に向けた。黒服達の牌を捨てる手が、萎縮したように縮こまる。
しかし、クロバはこれまで不要な萬子と筒子を捨てており、索子に染めているのは誰からも明白だった。故に和了るのは厳しいかと思われたが、十一巡目に2枚目の中を自摸った黒服Fが、迷った末にそれを捨てて高目を振ってしまう。混一ダブ東白中、親ッパネだ。
(乗っているな、クロバ。任せていれば、さっさとこの勝負は終わる……か?)
サイズは深緑の依頼でクロバと顔を合わせることが多い。そのためか、今のクロバは調子がいいと何となく感じられた。そして実際に、サイズのこの感覚は当たっていたことが次局で証明される。
一本場、ドラは七索。クロバの配牌は四九九(2)337北白白發發中中。クロバは黒服達が処理する發と中を次々と鳴き、四九九33白白 發發發中中中の一向聴まで手を進める。この後、三索を自引きして聴牌したクロバは、黒服Fからの九萬で和了る。対々小三元發中。またしても親ッパネで、黒服Fがトんだ。
「当然だ。麻雀と言えど死神が打つならば勝てるだろうさ?」
勝負を決めたクロバは不敵に言い放つ。だが、その内心はと言えば。
(つ、ツいてたあああ!? か、勝ててよかった……)
かなり戦々恐々であったようだった。
(――俺が和了る前に勝負が付いたか。
まぁ、だらだら勝負をするよりはいい結果だった、と言うことにしておくか。
目的は、とっととこの勝負に勝って虹の宝珠を回収することだからな)
一方のサイズは、クロバの親番だけで勝負が終わったことを何処か残念に思いつつも、ほぼ瞬殺に近い形で速やかに勝負が終わったので良しとすることにした。
闘牌結果
東家 クロバ 61,575(+36,300)
南家 黒服E 25,000(±0)
西家 黒服F -11,300(-36,300)
北家 サイズ 20,500(±0)
●全ての牌を見透かす視線
(ふむふむ。
わたくしが大婆さまから教わったものと若干ルールは違いますが……
まぁ、手管は通じるものだと思いますわー)
航海中の娯楽としてカードゲームやテーブルゲームは定番であり、『氷雪の歌姫』ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)もそれなりに嗜んでいる。その経験故か、場決めを終えて卓に着くユゥリアリアには何処となく余裕さえ感じられた。
そのユゥリアリアの上家には、黒いサングラスをかけた『不屈の』銀城 黒羽(p3p000505)が座る。腕を組み、顔にシワを寄せふんぞり返って不機嫌そうに。
(ほぉ……これは、好都合じゃねぇか)
だが、その内心で黒羽はほくそ笑んでいた。今回、ユゥリアリアは鳴きを交えた速攻を目指し、黒羽はそのサポートに回る。サポート役の黒羽が上家であれば、ユゥリアリアは黒羽の捨牌をポンだけでなくチーでも鳴いて手を進められるのだ。
もっとも、黒羽が上家であることは、この対局で黒羽がもたらすサポートの余禄に過ぎない。
『あれれー?』のエスプリで透視のスキルを強化している黒羽は、卓の全ての牌を見通すことが出来るのだ。つまり、誰がどの牌を自摸るか、ユゥリアリアや黒服達の手牌はどうか、王牌に眠る牌は何か、全てわかってしまうのだ。
そうなれば、ユゥリアリアに鳴かせることも、黒服達が聴牌した際に『通し』でその待ちを教えることも可能であり、二人が負ける要素は皆無となる。
黒羽の黒サングラスは、牌を透視する際の視線を黒服達に気取らせないようにするためのものであったのだが、黒服達も同様に黒サングラスをかけている以上、黒羽のそれがイカサマのためのものと思い至ることは無い。そして、黒羽が牌を透視していることについては――そもそも、そんなことに気が付くほどであれば、十把一絡げのモブ扱いなどされるはずが無かった。
初期点棒
東家 ユゥリアリア 17,800
南家 黒服G 25,000
西家 黒服H 25,000
北家 黒羽 27,975
ともあれ、対局が始まった。東一局、ドラは二萬。ユゥリアリアの配牌は一二四五七(3)(4)(8)468南西北。そこに黒羽が三万、五索を鳴かせて、五巡目のユゥリアリアの手牌は五六七(3)(4)(7)(8) 二三四456となる。さらに五六七(3)(4)(7)(7) 二三四456の形まで手牌を整えたユゥリアリアに、黒服Gが二筒で振り込み、タンヤオドラ1。
東二局は、同様に黒羽のサポートを受けたユゥリアリアが黒服Hからチャンタ白發で和了る。
東三局、ドラは北。四巡目、黒服Gの手牌は五五六七八(2)(3)(5)(6)456西 (4)で、黒服Gは西を捨てて聴牌。 すかさず、黒羽は右手の親指と薬指、左手の人差し指を組んだ腕にトン、トンと二回当てて、ユゥリアリアに黒服Gの待ちを教える。
(そう。一-四-七筒の三面張なのですわねー)
五巡目、ユゥリアリアの手牌は二二二八八(3)(3)(7)4北北中中 2。普通なら七筒に手をかけたくなるところだが、黒服Gの待ちを知っているユゥリアリアはそのまま自摸切りする。
七巡目、ユゥリアリアは二二二(7)(7)北北 八八八中中中の形で聴牌。同巡、黒服Gは北を引いてしまい、長考した末に北を捨てる。だが、北はユゥリアリアの当たり牌だった。
「それですわー。対々中ドラ3、親ッパネは一万八千六百ですわねー」
東四局も、ユゥリアリアが追い打ちをかけるように黒服Gから和了り、黒服Gがトんで勝負は終了した。
「黒羽さま、いえーい」
「おう、イエーイ」
鮮やかな勝利に、ユゥリアリアと黒羽はパシンとハイタッチを決める。
(うふふ、このわたくし歌だけではないのですのよー。
まぁまぁ、確かにこれで『虹の宝珠』が手に入ると言うのも気が抜けますが。
古代遺跡の謎掛けをクリアしたと思えばー……。駄目かしらー……?)
首をこてん、と傾げて、何処へとも無く上目遣いするユゥリアリアだった。
闘牌結果
東家 ユゥリアリア 57,900(+40,100)
南家 黒服G -9,000(-34,000)
西家 黒服H 18,900(-6,100)
北家 黒羽 27,975(±0)
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
褐色美女の上目遣い、ありがとうございます! もちろん、OKですー!
――こほん。さて、シナリオへのご参加、どうもありがとうございました。一風変わったリプレイとなりましたが、如何でしたでしょうか?
皆様のおかげで無事に『虹の宝珠』は回収され、次の領域への道が開かれました。どうも、お疲れ様でした。
卓全体の牌を透視してのけるという壮大なイカサマを仕掛けた黒羽さんに、MVPはお送りします。多少のイカサマは想定してましたが、まさかそこまでやるのは想定外でした……。
GMコメント
こんにちは、点数計算が出来ない緑城です。そう言えばしばらく麻雀打ってないですねぇ。
なお、タイトルの「玄人」は、「ばいにん」と読んで頂けますようよろしくお願いします。
●成功条件
3卓以上で麻雀勝負に勝利する
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●ロケーション
広めの雀荘と言った風情の部屋。健康志向らしく室内禁煙。
麻雀卓が4卓置かれている。
ドリンクや料理の注文も可能。
●書式
1行目に同じ卓に参加する相手のフルネームを記入(IDは不要)
プレイングは2行目からお願いします。
●雀力
OPでも述べたとおり、この領域では戦闘力が麻雀の実力に変換されます。
・和了(アガリ)力=命中+反応(最大200)
・振込回避力=回避+防御(最大200)
・初期所持点棒=HP✕5点
・飜数補正=物理攻撃と神秘攻撃が1000を越えると+1、以降500を越えるごとに+1
●闘牌ルール(判定)
・1局ごとに、全員の和了力+1D100(和了値)、振込回避力+1D100(振込回避値)を出します。クリティカル値、ファンブル値は適用されます。
・和了値が最も高かった者が、敵のうち振込回避値が最も低かった者から和了ます。
・クリティカルが発生した場合は以上の数値の多寡に関わらず、クリティカルを発生させた者が和了ります。
・ファンブルが発生した場合は以上の数値の多寡に関わらず、ファンブルを発生させた者が和了られます。
・クリティカル、ファンブルが同時に発生した場合は、それぞれ和了値、振込回避値を比較して結果を決定します。
・和了値-振込回避値+1D100で、飜数を決めます。飜数補正があれば加算します。
符は一律30符とします(鳴きで符が下がる場合の計算が面倒なので……)。
50以下:1翻1000点
51~100:2翻2000点
101~130:3翻3900点
131~160:4翻7700点
161~180:5翻(満貫)8000点
181~200:6翻(ハネ満)12000点
以降20増加ごとに+1翻
・和了った者は和了られた者から翻数に応じた点棒を得ます。親が和了った場合は点数が概ね1.5倍となり、親番が続きます
・これを8回(原則。増える場合あり)繰り返します。
●卓ごとの勝敗条件
得た点棒の合計が多いチームが勝利します。
ただし、トビ(点数を全て失うこと)が出た場合、点数の多寡にかかわらずトビを出したチムの敗北となります。トンだ場合、戦闘不能分のパンドラ減少が入ります。
なお、パンドラ消費で、トビによる敗北を回避し、初期所持点棒の2割を得て勝負を続行可能です(パンドラ消費で得た点棒は勝負で得た点棒としてはカウントされません)。
●モブ玄人(量産型) ✕8
黒グラサン黒スーツの玄人達です。
和了力、回避力はともに50程度。初期所持点棒25000点。
打ち筋には特記するものはありません。
●打ち筋
どのように手を作っていくかをプレイングに記入することで、判定に補正を入れることが出来ます。また、状況によって打ち筋を変えることも出来ます(リードしているときは早和了、危なくなってきたらオリ打ちなど)
早和了:速攻タイプの打ち筋です。和了値+20、飜数補正-1の補正を得ます。
大物手狙い:じっくりと大きな手を狙う打ち筋です。和了値-20、飜数補正+1の補正を得ます。
オリ打ち:ひたすら振り込まないようにする打ち筋です。振込回避値+100、ただし和了れません。他の全ての打ち筋と併用出来ません。
鳴き:機会があれば鳴きを入れる打ち筋です。和了値+20、飜数補正-1の補正を得ます。早和了と併用出来ます。
リーチ:機会があればリーチを入れる打ち筋です。和了値-20、飜数補正+1の補正を得ます。大物手狙いと併用出来ます。
イカサマ:イカサマを仕掛けます。内容によって和了値とファンブル値に同じだけプラス補正が入ります。通しぐらいでしたら10程度ですが、牌のすり替えとなると30程度になります。
他、例には無いけどこんな打ち筋でやっていくというのをプレイングに記入して頂ければ、内容に応じて補正をかけていきます。
なお、リプレイは卓ごとに、流れや山場を主に抜き出して記述する形式になろうかと思います。また、厳密な闘牌描写にはならないかと思いますので、予めご了承下さい。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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