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シナリオ詳細

辺り一面火の海にしつくすだけの簡単なお仕事。

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


『そこにいる』アラギタ メクレオ(p3n000084)は、薬師である。
 ローレットを介して顧客の心配事を解消してストレス解消。そのタイミングで薬を売り、更なるコネクションを構築する。ストレスがなくなってるから効きがいいように感じる。
 薬を売るためにコネクションがいるのか、コネクション構築の手段が薬なのか、定かではないが。
「薬草生やすから、山焼きしてきてくれないかな。群生地を放置してると生えてこないから、お手入れしないとね」
 草原を維持するため、一定の範囲に火を放つのだ。
 こういうことを言い出してくると、そっかー、薬師なんだー。と思えてこなくもない訳じゃない。
「お互い知らない仲じゃないし。こういうの得意な人もいるでしょ。ここ。ちょっと火を放つくらいじゃ燃えないんだ、これが」
 適材適所をそれなりに想定したらしい。
「山焼きって燃やすより消す方が大変だからさ。傭兵がする仕事じゃないんだけどさ。燃やしてほしい若木の根っこモンスター殺す勢いでやらないと燃えないんだよね。たっぷり難燃性の成分を含まれてるから。ん~。魔力尽きるくらい燃やさなきゃって感じ? あ、草とか切り払うとやっぱり幾分効率あがるかな。ちょっと気を抜くとすぐ消えるから、消火の心配はしなくていいよ」
 笑顔が胡散臭い。
「そう。これは延々と燃やし続ける戦い。火が消えたら負けだよ」
 適材適所を考えたらしい。
「コツコツ地道にしなくちゃいけないことも多いけど、そういうの得意な人もいるよね!」
 こいつ、見てやがる!――って、当然か。情報屋だった。
「という訳で、よろしく頼むよ。ちゃんとローレット通してあるから支払いとかは心配しないでね」
 自分が雇用者として胡散臭いことは自覚してるわけだね。

GMコメント

 ご注文ありがとうございます。田奈です。
 合法的にファイアりたいというお気持ち、確かに受け取りました。
 ガンガン燃やしてくださいね、というか、燃やさないと終わりません。

* 場所:山の斜面 50×50メートル。快晴。
 日当たり良好、水はけ良好。理想的な栽培環境過ぎて、駆除対象の若木の根っこが難燃性です。ダメージを出す勢いの炎でないと燃えません。「火炎耐性」相当です。
 今回の山焼きは、特定の種類のダメージを達成度に換算します。
 山焼きですので、「これなら燃えるという説得力ない攻撃」は、山焼き達成度に直接の影響を与えません。
 木などは壊せますが現物が残ればそこから芽吹きますので、焼かない限り、山焼きの達成度は上がらないものとします。
 つまり、「火炎耐性」があるモノを「火炎属性」攻撃で倒せ。ということです。全力でインフェルノして下さいね。
 もちろん、物は細かいほど火が通りやすくなりますので、物理的に木を切っていくなどの手段は補助として有効です。ただし、焼け。必ず。灰にするまでがお仕事です。
 OPのとおり、ビジュアル的には盛大に燃え上がります。根まで火が通しにくいと思って下さい。木は、すっかり黒くなってボロボロ崩れ、地面から水分が沸き上がってきたらウェルダンです。消火に関しては、メクレオがプロの火消しさんを手配していますので一切考えなくて結構です。燃やすことだけ考えてください。
 なお、うっかり味方の炎にまかれて死なないように。
 根っこは焼けませんが、現場の草は普通に焼けます。火の海です。
 放ったスキル「火炎」「業炎」「炎獄」は3ターン攻撃範囲に残り、足を踏み入れるとBS判定の対象になるとします。
 更に炎上地域に3ターンとどまり続けると、酸欠により、「苦鳴」の判定対象になります。

*不幸な虫×たくさん
 冬眠中の虫がはい出してきます。
 「猛毒」攻撃をしてくる「派手なの」
 「麻痺」攻撃をしてくる「ごついの」
 「流血」攻撃してくる「長いの」
 数十匹を1ユニットと換算します。

 達成度が満タンになる前に全員がAP切れなどで有効な手段を失うか、戦闘不能になったら失敗です。ペース配分を心がけてくださいね。
 それでは、自分たちをうっかり焼いてしまわないように、最高の炎上をお願いいたします。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 辺り一面火の海にしつくすだけの簡単なお仕事。完了
  • GM名田奈アガサ
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年04月03日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費---RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

四矢・らむね(p3p000399)
永遠の17歳
コラバポス 夏子(p3p000808)
今日も良い日だ
伏見 行人(p3p000858)
精霊の旅人
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)
黒狼の従者
リンディス=クァドラータ(p3p007979)
妖精譚の記録者
アカツキ・アマギ(p3p008034)
放火犯
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
ドゥネーヴ領主代行

リプレイ


 風もなく、晴れ過ぎもせず、かといって雨の心配は必要なく、ピクニックならばよい日和だ。
「偶には趣味で息抜きしたいと思っておったところじゃし、渡りに船じゃなあ……」
『放火犯』アカツキ・アマギ(p3p008034)が、すでに荷をほどき、さっそくマシュマロやチーズを串にさしていく。
「……楽しそうなのはいいんですけど、あんまりはしゃぎすぎて怪我しないように気をつけましょうね……?」
『レコード・レコーダー』リンディス=クァドラータ(p3p007979)は、延焼範囲外に荷物置き場とちょっとした竈と不燃性のカップを並べている。
「簡単な仕事か……」
『精霊の旅人』伏見 行人(p3p000858)は呟いた。
 広々とした草原――と言いたいところだが、若木があちこちに生え下ばえも結構ある。
「まだまだ焚火にゃ向く外気。状況的にはベストと言っても良い。だってとても素敵な御婦人方がおるんです。素敵な女性と仕事で一緒に働けるって最高スよ、実際。涙出る」
 『一兵卒』コラバポス 夏子(p3p000808)は、幸せをかみしめながら、口に含んだ指を風にさらして、風上を探している。
「簡単な仕事か?」
 行人は、自分の胸に問うてみる。
「このお仕事はちゃんと燃やしてもいいやつなんだね。どんどん燃やしていくよ! ふぁいやー!」
『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)が、両腕にいっぱい乾いた小枝やはっぱを拾い集めている。明らかに着火用。
『アデニウム』リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)が枝がこぼれない様、フォローに入っている。
 リュティスの荷物からケトルの注ぎ口と水を入れたボトルが見えるが、今日の目的はピクニックではない。
 これから、この雑木林にクラスチェンジしようとしている場所を火の海にし、元の原っぱに戻すのだ。
「簡単な仕事なんだろう」
 行人は自分を納得させるように口にした。再三、火にまかれるな、死んじゃうぞ。と、情報屋かつ依頼人が言っていたが。
「いや、解った。これはつまり簡単だと言われていても油断せず、内容を精査して挑めという事だな」
そう言って決意を新たにする『特異運命座標』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)が清々しくて、相槌を打つより他はない。
 ベネディクトの手から飛び立つファミリアーが鳥なのも、物語の騎士のようだ。オリーブの葉を加えて戻ってきそうな風情さえある。ちなみにこの辺りにオリーブは自生していない。
「俺は、火消しの皆さんに一言挨拶してくる」
 ベネディクトは、そういう根回しというか指図ができるように訓練されているようだ。
「行人さん、簡単な仕事かもしれませんが重要な仕事ですよ、コレは!」
『永遠の17歳』四矢・らむね(p3p000399)は、下からぐっと見上げてくる。アイドルの上目遣いはこの世の宝ですよ?
「なんせ100%焼き尽くさないとアカツキさんのインフェルノゲージが限界突破して、この世を火の海に沈める悪鬼羅刹へとクラスチェンジして世界がえらいこっちゃになりますからね!」
 世界崩壊トリガーはどこにでも埋まっているのだ。胡散臭い薬師の畑にも。
「そうだったのか」
 ウォーカーだったら本当にそう言うおやばいゲージ持ちがいないとも限らない。アカツキがこの世界由来の幻想種でよかったと胸をなでおろしています。
 ちょっとやそっとではぎゃあとも言ってくれなさそうな行人の相槌に、らむねは人差し指で頬をかいた。
「いや冗談ですけど……アレ見てると冗談じゃない気がしてくるんですよね」
 指さす先には、満面の笑みで、あの辺まで? あの辺まで! と、「燃やしていい範囲」の確認をしているインフェルノメーカーじゃなかった燃焼係の二人。楽しそうで何よりでございます。
 あの二人のヒャッハーっ! を最大限盛り立てつつ、被害は出さない。そんな、簡単なお仕事。
 結局、自分にできる準備を進めるのが最善だ。
 行人は自分の荷物をまさぐった。マシュマロにリンゴ、終わった後に、全員に行き渡るくらいのハーブ水。
「これも勘定に入れておいてくれ」
 リュティスに渡すと、承りました。と、ほほ笑まれた。
 同行してくれた火の精霊と風の精霊にはそれぞれのやり方での燃焼補助を指示し、皮手袋で手指を保護する。
「簡単に終わると良いなぁ……」
 本当に、ピクニックするにはよい日和で、火傷する気にはなれない天気なのだ。


「夏子さん、風上こっちですか。風はこう吹いて、こう。ですね!」
 そうそう。と、夏子は頷いた。かわいい女の子に頼られるのは嬉しいね。
 らむねがきびきびしている。地下アイドルたるもの、フォーメーションをきちんと把握していないとメンバーとぶつかって大惨事を引き起こすのだ。ワザとだなんだと大炎上するかもしれない。よくない。焼きは計画的かつ最小限に。
「木を切ったりする人を前列。回復したりする人を中列。燃やす人を後列にして端から絨毯爆撃していきましょう!」
 建設的だ。地下アイドルたるもの、センターとサイド、バックの役割分隊を把握できなければ、センターにかぶりすぎとか、前列の間から見切れて心霊写真とか大惨事以下同文。
 借りてきた斧やら鉈を問題の木に打ち込むと、みるみる切り口に水のような樹液がにじんでくる。というか、吹き出してくる。試しに表皮に火をつけてみる。つかない。
「まあ~水気多すぎて」
 マッチ、火打石、ガスバーナー、簡易魔道具。
「ドレもコレも火点けるの一苦労だし、煙が凄――」
 煙も防ぐ防塵マスク越しでも、空気に煙がひそんでいる。イレギュラーズに依頼するのも致し方なし。
「妾たちの出番じゃな?」
 中衛・サポート隊のリンディスとリュティスが、下生えを刈り、集めた枯葉や小枝を積み、頷いた。
「皆、準備は大丈夫か?」
 ベネディクトが叫んだ。燃焼予定地の角から対角線に向けて燃やしていくのが一番効率がよさそうだし、逃げ道も確保できそう。
 距離よし。伐採よし。木は――とりあえず試してみるしかない。
「じゃ、まずはアカツキちゃん、どーぞ。ボクはそれ見て別のとこから焼くかさらに上から焼くか決めるから」
 焔が、さあ、どんどん焼いていこうと目をキラキラさせている。
「そうか? では、遠慮なくやらせてもらうぞ? くっくっく。この日のためにクラスを火付け人に変えてきたのじゃ」
 クラス補正バンザイ! と、アカツキはご満悦だが、この場合の火付け人は流行発信源『インフルエンサー』的ななにかである。「今日から毎日雑木林焼こうぜ!」キャンペーンならいけるかもしれない。啓蒙活動の成功をお祈り申し上げます。
「まずは、基本に忠実に行こう」
 ぼぽんっ! と、炎が大輪の花を咲かせる。
 生木に着火。燃えはした。したが。
「――消えた」
「周りは燃えてるんですけどね」
 風上から遠巻きに見ている。煙がとんでもない。あれに巻かれたら呼吸がやばいうえに、方向を見失いかねない。
「じゃあ、重ねていこうかなっ!」
 焔が満を持して登場。あらゆるものを焼き尽くす神の炎――だったもの。かつての力を失い、今向かい合う難燃性の木。
「まずは――」
 父神からの賜り物。炎のイデアより生まれし槍に己から沸きだす炎をまとわせ、手足を伸ばし、優雅に翻った。炎が地面をなめる。火柱が焔の背を超えて熱と煙が押し寄せてくる。
 父神に捧げる舞の優雅さと辺りの燃え上がり具合が、神への信仰の表し方は世界によって違うものだとイレギュラーズに知らしめた。


 燃焼作業の様子を、十分距離をとった辺りで只今絶賛伐採中の前衛が見ていた。
 空気が物理的に煙たい。が、しかし、お嬢さん方も準備はしてきたようで、夏子の防塵マスクは余っている。野郎は自力でどうにかしようね。
「煙の元は――やっぱあの木かあ」
 燃えない。樹皮は黒くなっているが、内部まで浸透していかない。これを燃やし尽くすとなるとどれだけ時間がかかるんだ?
「上の方は切っちゃって――」
 夏子は、しょうがないよねー。と言った。
「も、根っこから吹っ飛ばそ? エアフローってのかな?風の通り道大事よね」
 火は風と仲良し。
 「それな」
 行人が指示した。風の精霊の仕事がはかどる。そのままだから燃えないわけで、ばらばらにしてから焼けばいい。割れば樹液も零れるし。ばっかんぼっかんの吹っ飛ばしは夏子の得意とするところだ。
 切り株に向けて槍を薙げば、ぼっこおんと切り株が宙を舞い、結構遠くに落ちる。落とす方向を考えないと加工しづらいので気を遣う。
「いけそうですね。では、引き続き伐採を続けましょう」
 リュティスが頷いた。
 日頃、お屋敷の暖炉にくべる薪を鉈で割ったりするのでメイドさんの手に大きめの刃物はよく馴染んでいる。
 水けを含んでいるので切るのは易い。割った木を更に割き、行人が投擲の要領でもう上がる火の中にくべた。
「あ、燃える、燃える!」
「よし! このままどんどん行くぞ!」
 作業の道筋が見えればあとは早い。くべちゃえくべちゃえ炎にくべちゃえ。
 燃えない~。と思っていた木が加工されて、順調に炭になるのを確認すれば、燃やしてる方のテンションも上がる。燃えるっていいよね!
「それにしても凄い焼きっぷりですね……前世は炎の、あ神だったりしません?」
 とある漢字を、らむねは辛うじて発音しないでおいた。ゲフンゲフン。
「炎神の子、炎の巫女、炎堂焔、ここに推参! だよ」
 きゅぴーん! 目の横ピース! ガチだ。神かつ巫女、偶像と書いてアイドルと読む。
 なんの。職業・地下アイドルは別カテゴリなので、フィールドが違う。競合しない。何の問題もない。信仰と萌えはとっても似ているけれどイコールじゃない。
「なんか、あっち、ワタついてますけど。あれ、なんか手を振ってる?」
 むむっと、らむねが目をすがめた。煙で細かい動作は見えません。
「火柱を絶やす気は――状況次第では調整するのはわかるけど」
「今この段階では全然しなくていいのではないか?」
 アカツキは言った。いや、まだ、爆発炎上ドッカンドッカンはしてないし。頭の中には脳筋ドクトリンが駆け巡る。
「そうだよね。まだ全然地面も緑だし。根っことか焼けてないかもだし、火力上げた方がいいんじゃないかなって」
 まだ遠くから斬撃で焼く方はやってない。ああ、それなら少し距離を乗らなくては。
「阻止、心配しないでいいって伝ええよう!」
「そうじゃな! おーい。だいじょうぶじゃぞ。気力とかそういうのはらむねがつきっきりでケアしてくれててな、火傷の火ぶくれは治してくれる、気力も充填してくれるで」
 アカツキは熱く激しく自分は大丈夫アピを続ける。
「それにな。ちゃんと通常攻撃で火が出る装備も用意してきたしな。ベネディクトも外套をくれたしな」
 はあはあはあはあ。おめめぐるぐる。
 呼吸が荒いのは酸欠だからではないです。対策済みです。ちゃんと酸素の通る道作ってもらったもんね。大丈夫大丈夫!
「ボク達、大丈夫だから、ぜんっぜん気にしなくていいから!」


 満面の笑顔で手を振ってるぞ。アイツら。
「――だめだ。全然通じてない。わかるのは、焼くのをやめる気は全然ないってことだけだ!」 
 前衛達は二種類の汗をかいている。片方は冷や汗だ。
 地熱の上昇に伴い、イレギュラーズの額にも汗が浮いてくる。
 純粋な害意が足元から湧き上がってくるのが分かってるのだ。メクレオが言っていたのだ。やばい虫が出るから。地面から。気をつけろ、下からくるぞ! と教えたかったんだが。
「う~ん。生存競争にモロ関わってるの実感中……」
 夏子が軽口を叩いた。
 地面から虫が螺旋をかきながら噴き出してくる。その虫が何という生物なのは二の次だ。虫が集団で襲ってくる。
 次の瞬間、槍の余暇薙ぎ吹き飛ばされた虫が炎に向かって飛んでいく。切り株とは逆パターンだ。
 とある次元では災いはイナゴの群れであると書かれた。さもありなん。群れは個性を飲み込んで、害意を帯びてやってくる。
「私、伝令も兼ねて向こうに行ってきます」
 リュティスが極彩色の渦を追った。あれには猛毒があるはずだ。
 写し身を持たぬ黒い蝶が、群れをコントロールしている個体を呪い、制御を失った群れを炎が舐めた。近寄れない。あちらとこちらには炎の壁がある。
「――です」
 炎の壁の向こうから声がする。リンディスだ。
「大丈夫です。こちらの虫は私が対処します。毒などは私が処理できますので――」
 焔とアカツキが無事なら虫の方は勝手に焼け死んでくれる。
「木を切って細かくしておいてください。多分それが一番です。お手伝いはお任せください!」
「お茶を、準備しておりますので」
 リュティスは言った。今は手を動かそう。
「はい。それでは後程」


「これで、どうだ!」
 固い殻をもったヘルメットほどもある虫を垂直に地面に縫い留める。ベネディクトはすぐさま穂先を抜いて次の殻に挑む。地面を槍で耕すような有様だ。
 風がそこを過ぎるだけで長いのがズタズタになって動きを止めた。
 仲間をかばって虫にたかられる人生でした。行人は、リンディスが結界の中にしまい込んだマシュマロやリンゴのことを考えた、虫にたかられていないといいが。魔法を信じよう。
「私、お湯を沸かしてますので――ちょうど終わるくらいに沸騰すればいいのですが」
 もう、リュティスは何度かケトルに水を差している。
「いい加減にしてほしいです。プチっとつぶして差し上げます」
 円滑な作業のため、黒蝶が乱舞いたします。ご了承ください。
「終わったと思った!?まだ始まったばかりだぜー!!」
 夏子は、怒りに我を失い攻撃してくる虫を炎の中にぶっ飛ばし続けている。
炎の向こうから声がする。
「ゲヘナ! マジフラ! 幻想種エクスプロードオオオオ!!」
 火柱が火の海となり、切り株が吹っ飛ばされた穴や虫の出てきた穴の中にまで回って、地面の中から火が吹きあがる。
「ぐええほげほげほげほ!」
 呼吸困難か、矢継ぎ早の詠唱で唾を飲み込みそこなってむせたのか。
「大丈夫ですよ、息できます。はい、落ち着いて下さい」
「まだまだいけるよ、元気注入。らむねちゃんを見ればアンコールも全開で行けますよ!」
 すごくケアされてる。こっちは大分ズタボロだ。
「そうだね! 僕、まだまだ舞えるよ!」
「イケルイケル。強火のウェルダンで行こう」
「なんでこんなに燃えにくいのじゃ、この木」
「アカツキさん、焔さんも水分補給してください」
「飲んでるよ。ボク、あの辺まだ緑だと思うんだけど、どうかな。もっとしっかり焼かないとね?」

 あの二人の気が済むまではずっと焼き続けるのだ。夏子が吹き飛ばした切り株はベネディクトが割った。双槍で。遠征に野営はつきもの。騎士やら旅人は現地調達。薪は作れて当然。でなきゃ、お婿さんに行けない。それももうないはずだ。
「どこに緑があるんだ?」
 手伝いの精霊を慰撫する行人には見渡す限り真っ黒な見事な焼け野原しか見えない。埋み火がちろちろ上がっている。
「どこだろう。きっと俺にはわからない何かが見えているのだろう。精進しなくては」
 ベネディクトも、穂先をぬぐった。
「――よし。マシュマロ焼こう」
 行人は厳かに言う。もういいよね。人々の心は一気に焼きマシュマロに傾いた。
 マシュマロやらリンゴやらの甘い匂いがすれば、インフェルノメーカー達も自分たちが疲れ切っていることに気が付くだろう。
「――チーズも焼くのじゃ!」
 もう来た。幻想種って耳ざとい。
「幻想種こそ炎が似合う……そう思うじゃろ?」
 真っ黒の頬っぺたを興奮でつやっつやにしたアカツキがそう言う。
 そうだね。と相槌を打っているが、あくまで個人の感想だ。
「さあ、いやー! スッキリですね! 煤塗れですけど!!! こんな時にはちょっと一杯いけるといいんですけど!!」
 らむねは永遠の17歳ですけどね!?
「お酒? ……あ、使い切りました。すみません。燃焼補助剤として」
 リンディスがおっとりと詫びる。
「お疲れ!」
 リュティスが満を持して入れたお茶で労を互いの労をねぎらい合おう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

お疲れさまでした。いやあ、いい感じに焼けました。
メクレオはいい薬草を採取できそうです。

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