シナリオ詳細
<Abschied Radio>混沌世界サヨナラToday
オープニング
●調和は敵意を糧にする
『多世界評議会』の席で起きた混乱から数日後。
評議員の1人に呼び出されたローレットの情報屋・『ナーバス・フィルムズ』日高 三弦(p3n000097)は、深刻そうな表情をした相手の様子に、思わず眉根を寄せた。
イレギュラーズは当日の席で概ね――多少強引な手法をとったが――上手くやった、と聞いている。
であるなら、評議員殿の表情が決して明るくないことに深い憂慮を示さねばならない。相手の空気を読まなければ、決定的な情報を聞き漏らしてしまいかねない。
「先日はご苦労だった。その……君達の構成員というのは実に教育が行き届いているのだな」
「いえ、彼らが有益な働きをしたのならば、それは彼らの資質と経験あってこそです。私は簡単な斡旋と情報伝達のみを主要の行いとしておりますので」
評議員の労いに、三弦は首を振る。思えば、旅人を主体としてあれほどの手練を集められたのは非常に僥倖だった。一歩間違えば、発狂した彼らが何らかの被害を出しかねなかった、とも聞く。
一部社会復帰に時間を要す評議員と護衛がいることは痛ましいが、最悪より随分マシな結果に落ち着いたと言える。
「では、日高君。あの日現れた『虫』と『声』について、幾つか気になる話が挙がったという話は聞いているかね?」
「……? 私は、相手が魔種であることは確定、そのうえであの虫がそちらの区画に散っていったという2点の確認はとれておりますが」
「そうだ。狂気を撒き散らす『虫』が我々の区画を侵していること、更に言えば敵意を撒き散らし、周囲に危害を加えんとしている連中は1人ではないということも懸念している」
――1人ではない? それは、魔種がですか?
評議員の言葉に、三弦はおもわずそう問おうとして口をつぐんだ。『虫』の拡散が敵対関係の2者のみならず、悪意ある個人の無差別殺人を引き起こす可能性は示唆されている。対処の一部は既にローレットを通じて要請しているが、輪をかけて厄介な事態が起きると?
「魔種とは確定していない。素性不明の人間種、そして魔種でこそないが……この現状に最も扱いの厄介な個人が我々の区画には住んでいるんだ。彼らの対処を誤れば、大きな被害も考えられるんだ。
是非とも、助力を願いたい」
ぱさり、と手元に投げつけられた2枚の写真を見た三弦の表情は見る間に曇っていく。どこかで見たような。否、恐らく間違いなく、これは。
「……大至急、ローレットへ持ち帰ります」
●扇動する者と善意ある狂人
「練達で今、小規模ながら混乱が起きていることは既にご存知と思います。元凶は『ピエロ姿の鉄騎種の魔種』と見られていますが……今回の討伐対象は別口で混乱を撒き散らしている人物になります」
三弦はそう言って、評議員から預かってきた2枚の写真を取り出す。
「こちらの写真は、人間種。魔種か否かは判然としませんが、魔種と見るのが自然かと。もう一方は当該地区の住民登録がある旅人で、医者です。ですが」
「脛に傷持つ類の奴なんだろ? 顔がそう言ってる」
言いよどんだ三弦の言葉を継いだイレギュラーズの顔を見て、「そうです」と彼女は言葉を吐き出した。
その写真を見て、『チアフルファイター』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)と『矛盾一体』ナーガ(p3p000225)が声を失ったように見えたのは、きっとイレギュラーズの見間違いではあるまい。
「こちらの人間種は『アルフレッド・ベイダー』、という名だと聞いています。此処数日の混乱に乗じて所謂『無敵の人』、つまり社会的後ろ盾がなく攻撃的な旅人をまとめ上げ、争わせているとの目撃情報を頂いています。旅人については、周囲の呼称として【先生】と呼んでおきましょうか。
生体工学についてひとかどの技術者であると聞きますが、……どうにも評価の難しい方で。善人なのは疑う余地もないのですが、手段がいささか以上に極端と言いますか。現状、彼のもとに3名ほどの少年少女が預けられていますが、五体満足生まれたままに戻ってくることはないんじゃないか……なんて、言われています。少なくとも双方承諾の上でそうなるらしいんですけど」
前者はともかく、後者について歯に物が詰まったような言い回しをする三弦。イレギュラーズが問いただすと、どうやら『依頼者の悩み』を大幅に曲解した上で善意ありきで施術を行うのだという。
他の生物のキメラにする、機械の肉体を与える。練達に属する技術と『混沌肯定』の許す限りにそれを行うのが正義かというと、甚だ疑問ではあろう。
「……まあ、そうはいっても【先生】は名うての技術者で持つ者の側にあります。持たざる者を扇動するアルフレッド氏との衝突は避けられず、そうなると双方の手勢のみならず周囲への被害も大きくなるでしょう。出来れば双方を――片方は討伐必至ですが――収める必要があるのです」
つまりこれは、三つ巴の戦いとなる、と。
恐らく【先生】も呼びかけて矛を収めるような人物ではないということだ。治療対象を巻き込んででも。
「案内は以上となります。早急な対処をお願いします」
- <Abschied Radio>混沌世界サヨナラTodayLv:7以上完了
- GM名ふみの
- 種別EX
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2019年11月25日 22時20分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
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参加者一覧(10人)
リプレイ
●つまらない有様
「よォ、雑魚共。御大層な研究の成果はどうだよ? モノも知らねえガキを弄ぶ気分はどうだ?」
怒れる魔種、アルフレッド・ベイダーは己と同様に『怒れる者達』をひきつれ、その研究所へと現れた。尤も、連れ立った者達の根底にあるのは『傲慢』が生んだ狂気であり、純粋な『憤怒』ではなく思い上がりによる怒りなのだが……道具になるなら、その別は瑣末事だ。何れにせよ、哀れ極まりない研究者と被検体は殺す。欲求に従ったクズの尻拭いは業腹だが、好都合だと思っていた。
「随分と悪意ある言い方をするね、貴方は。だが、敢えて答えるなら『最高だ』、としか言いようがない。この子達は自分で自分の生き方すら選べなかった哀れな子らだ。選択肢を示してあげることに何の罪があるのか、私には理解できないのだが」
他方、『先生』と呼ばれる男は悪びれもせず平然と応じる。世界を渡ってきた旅人として、同じ境遇、そして遥かに不自由な子らを自分の意志で生きられるようにすることのなんと意義深いことか。その善行をさも悪逆のように語られるのは不快でならない。彼はそう考え、その意志を露わにする男だ。
「そうかよ。テメェのさせたい生き方を押し付けて悦に浸ってるんじゃ世話ねえな。哀れなガキ共と一緒に殺してやるぜ、感謝しな」
「君は兎角、怒っている。この子達のように己の在り方を受け容れるつもりがないのなら、これ以上話すこともない――さようなら。怒りに震える若者はこちらで処分するとしよう」
アルフレッドはつまらなげに市民をけしかけ、先生は指示を飛ばし被験者達を前進させる。敵意と悪意の詰まったやり取りは、そのまま交わることもなく激突の時を迎えようとしていた。
「……革命家気取りの迷惑な輩と……マッドサイエンティストとその信奉者……」
「なんとも……馴染みがあるといいますか」
『幻灯グレイ』クローネ・グラウヴォルケ(p3p002573)と『水天』水瀬 冬佳(p3p006383)の2人は、双方の悪意が引き返せぬ所まできているのを見て、些かげんなりとした表情を見せていた。
両者にとって、あの2人のようなタイプは面倒であると同時に幾度となく見てきたタイプなのであろう。元々住んでいた世界の歴史、或いは混沌で過ごしてきた日々のみを指しても少なくないことは明白だ。
「全ク、厄介事が増えてしょうがねぇナ」
『彼岸に根差す』赤羽・大地(p3p004151)は現状、あちこちで起きている今回の騒動、その発端を見届けていた。この件はそれらとは根底からなにか異なる……ということも、気付いていよう。だが、放置すれば事態をより悪くすることは間違いなく、翻って『想定外の騒ぎ』に便乗して例の魔種の尻尾を掴めるのでは……と考えたのだ。
「それでも、やることは変わらないっす」
『他造宝石』ジル・チタニイット(p3p000943)は目の前の命が意味もなく消費されることを望んでいない。練達の何たるかを知らないジルでも、人々がいいように操られ傷つく事実は「違う」と断言できた。やることはひとつ。悪意を討ち果たすことだ。
「なんだかやりたい放題な人達だなぁ……」
「善意による凶行って、悪意あるより面倒だよねぇ」
『リインカーネーション』スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)は周囲に転がった瓦礫や残り火から、アルフレッド陣営や他の人々が少なからず破壊を重ねてきたことを認識し、顔をしかめる。
争いに加担する魔種、他者の肉体に都合よく手を加える者。何れもよからぬ存在であることに違いはない。
『闇之雲』武器商人(p3p001107)は双眼鏡越しに双方とその周囲を見回し、仲間達の捜索とあわせ情報を整理する。瓦礫や周囲の混乱でよく隠せてはいるが、見る者が見れば明らかに危険だと分かる程度。
先生に向ける視線は、彼の真意を明らかにせんとしているが……あのテの人間は話の曲解がうまいタイプだろう、と理解できた。
「ようやくアエたね……センセー」
「ああ、ナーガの方の知り合いだったねえ」
『矛盾一体』ナーガ(p3p000225)がどこか嬉しそうな視線を向けたのを見て、武器商人は納得したような表情を見せた。
かつての世界で自らを改造し、『アイ』を教え込んだのが彼なのだとイレギュラーズ達は彼女を通じて知っている。そして、ナーガが先生と再び『アイしあいたい』ことも。それを止める理由もない。
「先生達はナーガさん達に任せるから、アルフレッドの方をなんとかしないと……!」
『さいわいの魔法』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)はアルフレッドの側に注意を向け、改めてその凶悪な気配に身震いする。
もとより守りを固め、敵意を集めることに躊躇しない彼女はその取り巻きとなった市民を相手取ることになるが……アルフレッドの標的にならない、とは言い切れない。
「アル兄さん……アタシを救ってくれたひと」
そして、『はじめてすきになったひと』。『願いの風を継いだ者』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)は口にしかけたその先を飲み込み、複雑な表情で目の前の光景を見ていた。
アルフレッドは怒りを振りまいている。誰かの為、というよりは――明らかに自分自身『に』苛立っている。自分『の為』ではない。その感情が変わっていないようで安堵する反面、二度と轡を並べることがない事実が胸の奥でちくりと痛む。
「ほう、あれがそうか。親として礼を言いたかったが、残念な事よ」
『ゲーム上手』ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)はアルフレッドを見て酷くつまらなそうにそう漏らす。残念そう、とはとても見えない。恐らく感情面では遠からず似通った部分、そして今導き出した結論との乖離があまりに『つまらなかった』からだろう。
「俺は死ななくていい連中を無理に巻き込みたくはない。ダカラ、白梟ハ真っ先に潰しに行ク」
「ああ、協力感謝する。私とミルヴィだけではどうにもならないだろうからね。不愉快なことに」
大地とラルフは軽口混じりに言葉をかわすと、ゆっくりと戦闘態勢に入る。
「……親父、アタシは『アル兄さんもこの人達も全部救う』。約束する」
「そうか」
ミルヴィは父であるラルフに『約束』する。契約にも似たその行為は、幸運を呼び込み失敗の代価を己に返す、或る種『呪い』にも似たものだ。
そんなものを誓うほどに、アルフレッドへの感情は重いということ。そして、ラルフへの信頼、仲間達の実力を理解しているという証左でもある。
「誠心誠意、お仕事するっす。誰も不幸にさせないっすよ」
ジルの声に一同が頷くのと、敵方2陣営が戦闘態勢に入ったのとはほぼ同時。散開したイレギュラーズは、およそ完璧に近いタイミングで戦場へと殴り込みを敢行する。
●理想の日々
「お前達も、染まってしまえ。赤く紅く朱く、血の海に沈め」
大地の呪いじみた詩は空間を揺らし、アルフレッドとその周囲の市民達に響き渡る。身を裂く痛みとともに突き刺さる呪いの波長は、アルフレッドにとってはそよ風にすら感じられぬ代物だ。それでも、市民達の意識に空隙を作ることはできていたらしい。
「君達が遭った目は知らぬ、しかし君達はこの男の言葉に踊らせているのではないか? 何を後生大事にこの男を守る? お前達は自由のはずだ。存分に暴れていい筈だ」
「うる……せえ、手前ェに関係ねえだろうが! 俺達は俺達のやりたいようにブッ殺してやるだけだよォ!」
市民達は狂乱しつつもアルフレッドの周囲を固めるように構え、彼を中心に行動している。怒りの感情を利用されているにすぎない、と語るラルフの声音には明確に彼らを揺さぶる意図が見えた。
ラルフの言葉が先か、大地の呪いが先か。市民の1人が仲間を殴りつけると、もう一方も殴り返す。殴り合いを始めた2人をしかし、アルフレッドも仲間達も止めようとはせず。
「そうか。私は存分に状況をかき回したいのだが、構わんね?」
ラルフは言うなり義手を展開し、破壊のエネルギーを叩き込む。さしもの市民達も必死で避けようとするが叶うワケもなく、深々と貫かれていく。当然、アルフレッドに直撃したのは見えていたが……彼は煤で汚れた裾を払うと、不機嫌そうにラルフに視線を向けた。
「面白くねェよ、クソ野郎。あっちもこっちもそんなモンで更地にしたら面白くもなんともねえじゃねえか……よッ!」
「アル兄さんっ!」
振り上げられた頭部への無造作な蹴り上げがラルフを襲い、膝を畳んで二撃目が襲いかかる……刹那、ミルヴィが割って入るようにイシュラークを突き出し、爪先を受け止め弾き、対峙する。
「正気かよ、クソガキ」
蹴りを止められ、忌まわしい『因縁』に斬りつけられた事実にアルフレッドは舌打ちする。更に追い打ちのように、冬佳の魔祓いの水が彼の肩を掠めれば、その苛立ちは更に強くなる。
「ミルヴィさんの知己でいらっしゃるようですが、魔種であるなら容赦致しません」
「クソガキがぞろぞろと引き連れてきても変わらねえ。ゴミはゴミらしく綺麗事ごと燃え尽きてろや」
冬佳の言葉に苛立たしげに返したアルフレッドは、怒りを隠す様子を見せない。それは何に? ……ただ只管に、己に対して怒っていた。その狂気と怒りが伝搬したように市民達が動くが、しかし状況は流動的だ。
「さあ、あなたたちの敵は私だよ! かかってきなさい!」
アレクシアは混乱露わな市民達へと魔力塊を放ち、己への敵愾心を亢進させる。同士討ちの混乱はそのまま彼女への敵意に切り替えられ、一斉に襲いかかる。だが、混乱と扇動の賜物として襲いかかる人々の攻撃は彼女が受けるにはあまりに貧弱。危険性が高まるとすれば、長期戦に於けるささやかな奇跡の繰り返しとアルフレッドの驚異が大きいか。
「……こ、のっ野郎……何をしやがった!?」
「止めてほしいッスよ、私は野郎じゃないんで」
アレクシアに殴りかかり、しかし直前に動きを止めた男は、視線だけクローネに向け、睨みつけた。肩を竦めた彼女は呆れたように首を振るが、その実、彼女の振る舞いそのものが呪いめいた幻覚を生み出したに過ぎない。そして、哀しいかな。彼らは驚異の優先順位を理解しても、怒りに抗うという選択肢が与えられていないのだ。
「みんな、ナーちゃんがアイしてあげるね」
アルフレッド側から現れた第三勢力に、その身を弄り回された被験者達も一瞬だけ躊躇する。その隙を狙ったように肉薄したナーガの乱撃は被験者達を強かに打ち据えるが、彼女とて無傷とはいかない。備えられた爪、機械の腹部から出た針などから注ぎ込まれた毒は彼女を僅かながら蝕み、全くの無力ではないことを主張してくる。
「『アイしてあげる』か。久しいね、ナーガ君」
「おっと、彼女は物入りでね。暫く我(アタシ)たちと遊んでちょうだい」
ナーガの猛然たる戦いに笑みを浮かべた先生は、彼女へ手を伸ばそうと前進する。が、立ちはだかったのは武器商人。さらりと現れ、名乗りすらしない彼の声に、しかし被験者は『存在を許せない』という強迫観念が芽生える。
「ナーガさんの不調を治療するっす! ラルフさんの回復はおまかせするっす!」
「そっちは任せるね、ジルさん」
ジルとスティアは声をかけあい、双方の対象を治療する。ラルフはアルフレッドの打撃をまともに受けたが、不調は然程深刻ではない。ナーガが受けた傷も然程ではないが、毒を残しておくのは悪手だ。より驚異になる可能性を否定できない。
「興味深い。1人でもアイしアイされることを最後まで続けるようなナーガ君が、君達のような面々と足並みを揃えようなどとは終ぞ思いつかなかった。だが、やはり私にとって最高傑作は君だ。責任を持ってアイしてやらねば」
未だ感情を取り戻せぬ被験者達を積極的にどうこう、という意思は先生にはないらしかった。そして、無造作な足取りはそのまま撹乱の動きとなってナーガの間合いへ踏み込み、メスで連続して切り裂いていく。
連続して放たれたそれはナーガのみならず武器商人を、さらには被験者の1人すらも巻き込んで振り回す。舞い上がった血風が、被験者の命そのものとして散って消えたことを雄弁に示していたのはなんという皮肉だろうか。
「ナーガの方、大丈夫かい?!」
「センセーのアイ、ナーちゃんもカンじるよ。ナーちゃんのアイもカンじてほしいな」
想定していたよりも早く、想定していた以上に重く、先生はナーガへ向けて攻撃を繰り出した。味方を巻き込むだろうとは考えていたが、想定以上だ。
焦りを含んだ武器商人の声とともに唐獅子の如き神楽が閃き、先生を襲う。ナーガの粗雑ながら強烈な打撃がそれに続く。先生の肉体は着実に傷を帯び、無傷無反応、とはとても言えない状況だった。
だが、それでも笑みが消えない。『アイしあう』ことに躊躇が無い。
――被験者達でさえもその状況に恐怖した。イレギュラーズとのやりとりに絶句した。だが、それより何より脳裏にこびりついた武器商人への危機感がまるで拭えない――!
●決意、声、遠く
「この程度の怒りで私を倒せるワケがないでしょ?! まだまだ!」
アレクシアは市民達へと魔力による誘引を通じて挑発を繰り返し、その攻撃を一手に引き受け続けていた。背後ではナーガ達の熾烈な戦闘の余波、前方からは市民達の雑だが諦めを知らぬ猛攻を受ける。彼女の堅固な守りだからこそまだ耐えられているが、並の守りで挑めば瞬く間に地をなめていたことは明らかだ。
「そうか、君は『負けた』のだ、かつての俺と同じく」
「巫山戯たコト吐かしてんじゃねえよドサンピンが。自分も守れねえクズ共に生きる理由をくれてやった、惨めな生き方を重ねて死なねえなら殺して煽って分からせてやるのが道理ってモンだろうがァ!」
ラルフの挑発を受け、彼のはなった死毒を受けてもなお、アルフレッドは血を吐き笑いながら蹴りに術を込め、踏み込んできた彼ら父娘を蹴り飛ばす。
通じていない? そんなバカな話はない。己を攻撃する代わりに壁面を殴り飛ばし、自傷行為を他罰的に行う辺りが憤怒の魔種らしい敵意の発露だ、とも言える。
「怒りのままに他人を扇動するとは、魔種らしいといいますか……彼らが破滅することを望んでいるのでしょう?」
「俺じゃねえクソ野郎に狂わされた連中の末路なんざ知ったことかよ。マトモな奴は無視する、世界を変えてえなら真っ当な手を考える、それが出来ねえ馬鹿共がこうやって暴れまわってるんじゃねえか?」
冬佳の一撃を凌ぎつつ、アルフレッドは憐れむように笑う。自分ではない魔種が生んだ不満の発露など知ったことではない。世界を変える力も知恵も行動力も無い者こそが、『傲慢』に絆されて暴れているのだ。馬鹿馬鹿しいったらない。
「この人達が死のうとどうしようと知ったことでは無いですけど、連れてきたあなたが気取ったナリで好き放題してるのは納得いかないッスね」
クローネは市民へ杭を撃ち込み、命を内側から食い破る。化性殺しのそれがまともな人間を生かしておく道理はなく、度重なるイレギュラーズの猛攻を受けて『一般人離れした』程度の体力が保つ筈もない。立ち上がる力すら殺いだ杭から視線を切ると、彼女は次なる呪いを構築し始める。
「あれだけ受けテ、まだ健在……本当に厄介ダナ」
大地はそう口にすると、言葉と共に血塊を吐き捨てる。封印の術式を幾度か放ったが、アルフレッドはその多くを躱し、受けたとて猛然たる攻め手を駆使してイレギュラーズを攻め立てた。
彼が運命を消費したとて、立っていられるのは偏に前衛が距離を離さず間合いに残り、移動を阻害しているのが大きい。
それ即ち、絶えず狂気に晒されることと変わらぬ行為だが――傷つこうと倒れようと狂気に呑まれようと退く気が無い面々には些末な問題だったのかもしれぬ。
何より、その為のジルとスティアだ。
「気張って下さいっす! まだ頑張れると信じてるっす!」
「大丈夫、私達が癒す、私達なら癒せるから!」
両者は互いに仲間を励ましながら、その実己を鼓舞しているようにも見えた。当たり前といえば、当たり前なのだろう。
目に見えて増える仲間の傷、荒れ狂う死の臭い、悪意を露わに嗤う者達。倒れ伏した市民とて、元は善良ではないにせよ無辜の隣人であったはずだ。被験者達など、善悪の類すら分けられぬほどの子らではないか。
その現状の理不尽さに、おどろおどろしさに、救えぬ現実に。呼び声に晒されずともジルの心が揺れることは咎め立て出来ぬ現実ではないだろうか。
――誰も許しちゃくれねェ、信じちゃくれねェ、助けちゃくれねェ。頼れるのは自分ダケ――
「……余計なお世話っすよ」
ジルは視界の端を横切った何かを振り払う。確かな手応えはしかし、看板に何も残しはしなかった。
しなかったが、声はもう、聞こえない。
ミルヴィは、アルフレッドを止めるために絶えず間合いに踏み込んでいた。鍛え上げた肉体と精神で抗い、異世界の技術を練り上げた技で彼を攻め立て、己の成長をして彼の狂気を上回るべく全力を傾けた。
それが呼び声にふれる頻度を大きく上げる行為だと分かっていて、しかし対策を練ることなく、決意ひとつで突っ込んでいた。
それが悪いか、といえば否だ。ときに人は、決意で現実を上回ることがある。彼女は決意とギフトと父との縁を掛札にして鉄火場に挑んだのだから当然だ。
故に、現実と決意の乖離にまでは思考を割く余裕がなかった。
『戦えば誰かは死ぬ』。誰も殺さぬ選択肢は、多少なり力量差があり、意思疎通を行い、向かう結論をともにしてこそ成果を挙げられるものだ。
……そう、現実とは斯くも悲惨だ。
「おいクソガキ。俺の連れてきた無能共はお陰様で皆お陀仏しそうだ。そこの悦はいってるクズ野郎の囲ったクソガキもそのうち死ぬぜ? 気分はどうだよ」
戦場の興奮が、勝利への渇望が、彼女を現実から遠ざけていた。アルフレッドの言葉が引き戻した現実は、ミルヴィの決意を否応なしに揺るがすものであった。
「……あ? あ、え……?」
「耳を貸すなミルヴィ! 気を確かに持て!」
ラルフの声も、遠くに聞こえる。反転した決意はそのまま彼女の賽の目を狂わせる。
――斯くして悪夢の緞帳は上がり、演じられるは喜劇のような一瞬だ。
●彼女を呼ぶ声
「分かってんだろクソガキ。テメェを育ててやったこと、俺は今日まで後悔してたんだよ。
育ててやった恩に後ろ足で砂ぶっかけやがって。俺はこの通り、怒りで動くクズに成り果てたんだ。
分かるか? 力がねえからテメェもあんな罠(モン)に引っかかった!
力がねぇから俺もテメェもあの時のあの有様だ! 許せねえよなあ、馬鹿馬鹿しい話だよなあ? 俺は結局、テメェに何も教えてねぇのと変わりねえ終わりだったんだよ!
だが俺様は気分がいい。テメェが野垂れ死んでりゃ復讐もできなかった。その点ではテメェの親父にもテメェにも感謝しといてやる――だから、選ばせてやる。
俺様に父娘揃って無様にスッ転がされてそこの馬鹿共の玩具になるか、俺と一緒に本能撒き散らすクズになるか!
分かってんだろ、道がねえことぐらいは!
付いてこい、クソガキ!」
アルフレッドの声が脳髄に突き刺さる。間断なく放たれる猛攻に差し挟むように投げかけられた悪意は、足を踏み外したミルヴィをあざ笑うように巻き込んでいく。
冬佳や大地らの妨害を振り払い、返す刀で彼らに地を舐めさせたアルフレッドは空に向かって哄笑する。勝った、と。もはや抗えまいと。
だが、飛来した鳥が自殺するかのようにミルヴィにぶつかってきた事実に、周囲の面々は訝しんだ。
「美しい悲劇なんて、二度とゴメンだ。私はそんなものを信じない」
クローネが放った使い魔だ。如何な使い魔とて、命を捧げるような暗示を受けはすまい。普通の感覚であれば。
だが、彼女の意思の前では「普通」でいられるわけもない。
「今の貴方を愛している方達を思い出してっす!」
「その人を倒すまで、私達が手伝うから! 大事な人なら、助けてあげて!」
ジルの、アレクシアの声が強く響く。
愛している、人。絆。
「……貴方を殺したこの剣で、今度こそ貴方を救う!」
倒れかけた身をイシュラークで支え、ミルヴィは水際で抗ってみせた。仲間達の緊張が僅かに緩む。
「やはりな。君は自らの無力さ、今までやってきた事が徒労であると認めてしまった。君は誰でもない自分に負けたんだ」
娘の勇気を見届けたラルフは、我が子とのように笑ってみせた。妻と自分の自慢の娘が、ただ撒き散らされただけの悪意に、過去に、打ち克った瞬間を見た。立つ力は残されて居まいが、彼にとってそれは何より重大な勝利条件でもある。
「薬売り、手が空いたらナーガの方を治療してくれないかい? 我(アタシ)が手を貸してやってるうちにね」
「は、はいっす!」
武器商人の声にあわせ、ジルはナーガへと治療を施す。同時に冬佳の癒しも彼女へと届くが、その傷の深さはかなりのものだった。
武器商人が先生の猛攻を凌ぎ、ナーガが攻め立てる。少なくとも、先生の攻勢には限度があり、彼の持ちうる攻撃では武器商人を倒せない……正確には『倒せるが撃破はできない』。彼にとってアルフレッドは愛称面で最悪だったが、此方はやりやすい相手だった、ということだ。
「我(アタシ)がアイされてナーガの方がアイしてやるのが非常に楽だからね」
「センセー、ナーちゃんともっとアイしあおう? ナンドでも、あのコーフンを」
武器商人の守りを塗って振り抜かれるナーガのボーくんは一切の遠慮がない。殺戮を齎す突風に彼がメスで対抗するのは、見ていてあまりに滑稽な光景だ。傷は増えていく。治療に手を割く間に、倍ほどの猛攻が襲いくるのなら治療に回す手などない。明らかにジリ貧。彼から勝利の道は途絶えたも同然……胴を薙ぐようにふるわれたボーちゃんに跳ね飛ばされた先生は、確かに殺戮の手応えをナーガの手に与えた。
「ああ、ああ。ナーガ、君というやつは――」
だが、地面に叩きつけられる直前に非人間的な動きで跳ね上がったその男は、ペストマスクの欠けた部位から恍惚たる笑みをのぞかせ。
……武器商人の鼻先三寸でメスを止め、狂気の笑みのまま動きを止めた。絶命したのだ。
「タノしかったよ、センセー」
傷つき、倒れ、死と生のあわいを感じ取りながら、ギリギリのところで大地は立ち上がっていた。立ち上がる力なんて無いとばかり思っていた。運命は消費していた。それでも立ち上がったのは、目の前で仲間が抗った姿を見たからだ。なけなしの勇気(エクストラファイト)をが彼を立ち上がらせた。仲間の勇姿に多くの仲間が、そしてアルフレッドもが引き寄せられたその一瞬は、彼にとって最後にして最大の好機であったことは間違いない。
「全ク、厄介な奴、ばっかり、ダ」
羽ペンを持ち上げた大地はアルフレッドの死角から封印の術式を叩き込む。相手に先手を取られれば、避けられれば、反撃を受ければ、彼は無事では済むまい。
「癒しきれなかったみたいだね、ごめん。……でも、すぐに治すから」
膝をぐらつかせた大地をスティアは肩で支え、治療する。ひゅうひゅうと空気を漏らす相手の声は聞こえないが、彼の勇気が齎した結果だけは彼女の視線の先にある。
「チイィッ、雑魚の癖にアジな真似しやがって! お前らは一際惨たらしく殺してやらァ!」
「させないよ」
アルフレッドの、技術も伴わぬ一撃を受け止めたのはアレクシアだ。クロランサスから生じた魔力の流れが異形の足による蹴りをいなし、返す刀と放たれた魔力塊が、そのまま彼の怒りを弥増していく。
撒き散らされる狂気は、アレクシアにとっても劇薬だ。長く身を置けば、無事で済むまい。だが、少なくとも自分を傷つける愚は犯さない。背後の仲間に辿り着かせることはさせない。
彼女の守りを貫いて地に臥させるほどの力はアルフレッドにはない。よしんばその力が戻ったとして――。
「貴方は、私が、救う」
血を吐くように、ミルヴィは再び決意を口にした。
手にした黎明(イシュラーク)は、彼女の決意を汲むように眩い光にあふれている。
●すべて、その向こう側に
(貴方が何に怒ったのか何に絶望したかなんて私にはわかんない……けれど貴方は、一度たりとも自分の為に怒った事は無かったね)
アルフレッドは『自分に対して』怒っていた。『傲慢の魔種』に怒っていた。『無力な癖に他者に支えられなきゃ暴れることすらできない者』に怒っていた。自分の為ではなく。
義賊の誇りを捨てていない。ミルヴィは彼の行動にそんな一縷の望みを持った。
「だから……私もここにいる皆と親父と誰より貴方を信じる!」
彼女の決意が真価を発揮するには寸毫の時間を要す。その決意を見て取ったイレギュラーズ一同は、全力を以て時間を稼ぐ。あわよくば、ミルヴィが無茶をする前に倒してしまう為に。
「少しの傷くらい治してみせるっす! 今は全力でアルフレッドを止めるっす!」
「いいねえ、薬売り。キミが気張るなら我(アタシ)も本気を出したくなるってモンさ」
ジルが治癒に全力を尽くす傍らで、武器商人は踊るように刃を振るう。明らかに先より精細の欠いたアルフレッドの動きは、狙いを定めた鎌が追いつくにはあまりに容易だ。動きを止めるには、十分すぎる。
「貴方の声には応えなかったみたいッスよ、残念でしたね」
「アジテーションなど所詮はその程度です。誰かを煽り立てても、芯となる意思が響かなければ意味はない」
クローネと冬佳にとって、この顛末は酷く彼女ら好みで、しかしとてもつまらないものだっただろう。アジテーターの末路など、自滅か内応による破滅と相場は決まっているものだから。今回も、例に漏れずだ。
「ナーちゃんのアイ、ウケとって!」
ナーガは足元から瓦礫を持ち上げ、凄絶な笑みを浮かべてアルフレッドへ投げつける。ただの瓦礫も、彼女の膂力の前には砲弾と変わらない。それを生み出した主は、もうアイの向こう側に旅立ってしまったが。
「テメェ等、本当に、巫山戯やがって――!」
イレギュラーズの猛攻、ではない。『歴戦のイレギュラーズの死力を尽くした抵抗』である。憤怒の魔種アルフレッドは、一同が想定している以上の実力を持っていたことは明らかだ。
数名が立てなくなる消耗、命すら危険に晒した状況下にあって、彼らに撤退の二文字は浮かぶことはなく。
「勝て」
「……イシュラーク!」
ラルフの声を背に受け、ミルヴィは黎明剣に全身を預けてアルフレッドに叩き込む。
殺傷への躊躇を薄れさせる剣の呪いは、アルフレッドが彼女を案じたものである。だが、成長した彼女にとっては『大きなお世話』だったのかもしれない。
二人分の奇跡への祈りをイシュラークは汲むことをしなかった。なぜか?
理由は簡単。奇跡を成すほど複雑なのぞみではなかったからだ。
「畜生……クソ、が……テメェは本当に――」
善く育ったクソガキだ、と口が動いた気がした。悔しそうな、少しだけ嬉しそうな表情になった気がした。
そんなことがあろうものか、と言う者も居る。魔種に正気を取り戻させた類例は過去に一件のみ。一睡すれば忘れるような微睡みでのみかなった夢。だからこれは、願望でしか無い……イシュラークの光の中で見た夢だ。
「あんな魔種ガ前座扱イ? 最悪ノ冗談じゃないカ」
大地は壁に身を預け、深く息を吐く。誰に語るでもなく吐き出した言葉は。
『いやぁ、前座なんてつまらないことは言わないさ。アレは俺サマと全くちがって凄く良い。でもやり方が稚拙だな。もっと、もっとだ。お高く止まった三塔主義は――イマ、に、崩れル』
――酷く不気味なノイズに混じって返答がなされた。
戦果報告。
イレギュラーズ、『白梟』アルフレッド・ベイダー撃破。
および『先生』の戦死を確認。敵意を以て戦闘を為した末の事故として不問と処す。
……現況。
『ノイズワーム事件』は収束傾向。『Abschied Radio』第一波沈黙。
並びに。
練達北西部の混乱は南下傾向。随時警戒のこと。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
まずは、お疲れ様でした。
被害は相応に重く出ていますが、かなりマイルドな結果だったと思います。
呼び声とか負傷に対する追撃判定とか色々、色々……。
想いが強いんだな、と感じたのは確かです。強い分の代価とかはいただきましたが、PPPは発生ししていません。また、作中に現れた『声』は判定に一切関わらないフレーバーです。
状況は動きます、近い内に。またその日まで。
GMコメント
そんなわけで、本番と参りましょう。
工夫と協調、連携で頑張ればいけます。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●成功条件
・『白梟』アルフレッド・ベイダーの撃破
・狂乱市民の殺害または戦闘不能
・【先生】及び被験者の殺害または戦闘不能
●『白梟』アルフレッド・ベイダー
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)さんの関係者。もと義賊で、彼女を育てた人。
諸々、複雑な事情があって死亡したと思われていたが魔種となった。反応、EXAがかなり強化されている。
・原罪の呼び声(3ターンに1度自動発動。神特特・自身より1レンジ・無、狂気、不運)
・死神の鎌(物近単・必殺・ショック・恍惚・連)
・蹴術・月輪(神中扇・不運・封印)
・蹴術・冥突(神超単・万能・虚無2・Mアタック中・呪殺)
●狂乱市民×5
アルフレッドが連れ歩く、俗語でいうところの『無敵の人』達。
手に手に武器になるような道具を持っており、基本的に至近~近単の攻撃がメインです。時折、反動つきの強力な単体攻撃も仕掛けてきます。
発狂状態(非BS)にあり痛みを感じないため、HPとEXFが一般人とは思えないレベルです。
付随するBSはありませんが、己を顧みないためアルフレッドの壁になったり巻き込まれるの覚悟でブロックに回ったりします。
●【先生】
ナーガ(p3p000225)さんの関係者、ウォーカー。彼女を改造した張本人。
良かれと思って行う行為が大体明後日の方向にブッ飛んでおり、しかし悪意が欠片もない破綻者。
戦闘能力は往時より低下しているが、それでも狂乱市民や後述の被験者複数名を1人で捌く(打倒の可否は別)程度の実力を併せ持つ。原則として自分より被験者に戦闘を任せがち。
アルフレッド側が全滅すれば戦闘を終了するが、そうでない限りイレギュラーズに対しても「興味深い被験者」として攻撃を指揮し、仕掛ける。
特に「12歳以下orUnknownで外見年齢が幼い人物」は要注意のこと。
・所持するメスはすべての攻撃に「出血」を伴う。
・麻痺改造(神遠単・治癒・HP回復・EXF微増)
・軍令針(神特レ・自身より2レンジ・識別・物攻/CT/命中微増、ダメージ微小)
・拒断(物至範・連・流血・高CT)
●被験者×3
【先生】に治療の名目で肉体改造を施された少年少女。改造に関しては内容含め承知の上で施術を受けている為、彼を心酔している。
・全体的に反応高め。戦闘能力と耐久値は一般人に少々毛が生えた程度。
・攻撃に「毒」を伴う。攻撃射程は~中、すべて単体攻撃。
●戦場
【先生】の研究所前の大通り。
周囲は混乱状態ですが、状況を鑑みて人々は近づきません。
ごくごく少数ですがアルフレッドの仕掛けた罠があり、ダメージは受けませんが各種ステータスが低下します。
厄介要素が極めて多いですがよろしくおねがいします。
●Danger!
当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。
●要注意項目
本シナリオは「原罪の呼び声」の判定発生率がやや高めです。
ご理解の上ご参加いただきたく思います。
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