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シナリオ詳細

<グラオ・クローネ2019>言の葉はチョコより甘く

完了

参加者 : 16 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■来たる日。その意味や。
「――貴方に幸福を。灰色の王冠(グラオ・クローネ)を」

 新緑に、遥か昔から伝わる御伽噺。
 その物語に記された、灰色の王冠(グラオ・クローネ)。それを模したものがチョコレイトと呼ばれているという。
 来たる2/14はその御伽噺にあやかって、大切な人に贈り物をする日とされている。

■幻想。その広場にて。
 その日は朝から賑やかだった。
 贈り物をするというこの日は、誰も彼もが浮足立つ。
 この日の為に開かれた露店も多く見受けられる。あちこちで店主の快活な声が飛び交う。
 露店には色々なものが並んでいた。
 マフラーや手袋などの編み物類、美味しそうな匂いのするチョコレイト、形も色も様々なアクセサリー、綺麗に咲き誇る多くの花。
 寒さには助けとなる温かい飲み物や食べ物も用意されている。
 休憩も出来るようにあちこちで即席のベンチやイス、テーブルが見受けられた。

 『あなた』達は、この広場に来ており、露店に目移りしている。
 隣には誰かいるだろうか。もしくは、一人で? それとも待ち合わせでも?
 贈る物は何にする? 露店で買うのか、それとも手作りを持ってきて渡すのか。
 贈る事で絆を確かめる為のこの一日。『あなた』はどう過ごす?

■甘く、あまーく……?
 大切な人は、何も恋人に限らない。
 ある者は家族に。
 ある者は親しい友へ。
 またある者は、自分自身へ。
 様々な想いを持って、贈り物を差し出す。

 贈り物には何を差し出そう。
 添える言葉は何と紡ごう。

 チョコレイトよりも甘いモノ。
 親しきものへの愛で、心を溶かせ。

GMコメント

 お久しぶりです。
 復活の第一作として、甘いシナリオをお届けに参りました。
 愛の色が強めのシナリオとなります。
 友愛、親愛、恋愛、自己愛、偏執愛。
 人の数だけ想いはあるものとはよく言ったものであります。
 さて、今作は、贈り物をする日との事ですので、露店で購入するかもしくは手作りのものを渡すシナリオとなります。
 舞台は広場の露店。休憩所も所々にあります。

 補足として、以下の点をプレイングに記載してください。
・相手が居る場合、お相手さんとの合意の上でお相手さんの名前を記入。
・グループの場合:グループだと分かるタグ(例:【夢人】)を記入。
・何を贈るのか:贈り物の内容の記入。(例:「イヤリング。形はハートのもの」「腕輪。内側にイニシャルが彫ってある物」など) 「贈り物のジャンルはこれ。仔細はお任せします」とあれば、こちらで描写する事も可能ですが、出来ればご自身で考えたものを贈ると相手に喜ばれるかと思います。
・禁止事項:人によっては「これがダメです」という場合もあるかと思います。その場合は、その旨を記載していただけますと注意が払えますので、ありがたいです。

 上記の点がありますと、リプレイでの描写がしやすくなりますので、ご協力いただけましたらと思います。
 それでは、甘いシナリオを、よろしくお願いいたします。

  • <グラオ・クローネ2019>言の葉はチョコより甘く完了
  • GM名古里兎 握
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2019年03月07日 22時45分
  • 参加人数16/50人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 16 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(16人)

ラノール・メルカノワ(p3p000045)
夜のとなり
ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
竜胆・シオン(p3p000103)
木の上の白烏
エーリカ・メルカノワ(p3p000117)
夜のいろ
セララ(p3p000273)
魔法騎士
ポテト=アークライト(p3p000294)
優心の恩寵
郷田 貴道(p3p000401)
竜拳
リゲル=アークライト(p3p000442)
白獅子剛剣
ハイデマリー・フォン・ヴァイセンブルク(p3p000497)
キミと、手を繋ぐ
ルルリア・ルルフェルルーク(p3p001317)
光の槍
アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)
無限円舞
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
ニル=エルサリス(p3p002400)
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)
剣閃飛鳥
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘

リプレイ

■その色は、あなたのそばで
 『濃紺に煌めく星』ラノール・メルカノワ(p3p000045)は、『夜鷹』エーリカ・マルトリッツ(p3p000117)に手を引かれていた。
 彼女が、チョコの他にもう一つ形に残るものも贈りたいと言い、屋台が立ち並ぶこの広場に来たのだ。
 屋台の一つを見つけて、少女は彼へ待つように言うと、行ってしまった。
 ある屋台へと向かったエーリカは、並んだ帯紐達から目を引いた一つの品を即決した。

 戻ってきたエーリカはラノールを少し空いたスペースへと連れていくと、「少し、屈んでほしいの」と頼んだ。
 乞われて屈んだ彼の長い黒髪へ、少女の手が触れ、髪を纏めて帯紐を結び始める。
 銀色をメインにして青色も織り込まれたそれを結び終えると、祈りの言葉を呟く。
「あなたを厄災から守ってくれますように」
 魔除けに用いる色なのだと説明されて納得するラノール。
「ラノール、あのね。わたしのこころは、いつだってあなたのそばにあるから。だから……、安心して、前を向いていてね」
 真剣な瞳で見つめてくる青の瞳に、男は微笑む。
「ありがとう。成程、髪留めか。これならばいつでも持ち歩けそうだ」
 近くの装飾店にあった鏡で自分の姿を見た彼は、彼女に嬉しそうな笑顔を向ける。
「ふふ、これは君の色だな」
 帯紐の中の青を指していると気づいて、少女の頬が朱に染まる。
「お返しが大変になりそうだな」
 楽しそうに笑いながら、彼はお返しについて今から考えるのだった。

■大切な石をあなたへ
 『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)は、広場の一角にて愛する者を待っていた。
 この人混みの中、彼女を見つけられるだろうかと思った彼だが、予想に反してすぐに見つける事となる。
 『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)は、人々の頭上――身長程度の高さだが――を、文字通り泳いでやってきたのだ。
 慌てて駆け寄り、その体を抱きとめる。
「チョコを選ぶのに時間がかかって……申し訳ありません」
「いや、そんなに待ってないから大丈夫……って、ぬぉおおッ!?」
 突如差し出された手に驚いて思わず顔をのけぞらせた。
 彼女の手にあったのは、一粒のチョコ菓子。
 驚いたものの、正体がわかればどうという事は無い。
 「ありがとな!」とお礼を述べて、彼はそのチョコを口の中に入れた。
「うん、美味しい」
 その言葉に、ノリアはホッと胸を撫で下ろす。
 ゆっくりするのもそこそこに、ゴリョウは持ってきた宝石――ピンク・オパールを取り出すと、それを彼女へと差し出す。
 同じように、ノリアからも宝石――ミルク・クォーツを彼に差し出す。
 宝石を互いに交換する。御守りにしよう、と笑いながら話す二人。
 ノリアが、体が冷えたと言って、ゴリョウのお腹に巻き付いた。熱い体の温もりがノリアを温める。
「しょうがねえなぁ」
 呆れた顔をしたのも一瞬。ゴリョウはそのまま彼女の好きにさせることにして、歩き始めるのだった。

■幸福を君に
 『木の上の白い烏』竜胆・シオン(p3p000103)と『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)は、手を繋いで広場にやってきた。
「今日は御伽噺みたいに大切な人に贈り物をするんだって……!」
「好きな人に気持ちを伝える日だなんて、素敵な行事だよね!」
 はしゃぐ二人の間にあるのは、『好き』という感情。
 広場の賑やかさにはしゃぎながら、一角にある休憩所へ座る。
 そして、二人は「せーのっ」と掛け声を発して、互いへ贈り物を差し出した。
 シオンの手にはルビーの指輪。
 焔の手には鳥の羽をお手入れする為のブラシ。
「わっ! こんなに素敵なもの貰っちゃってもいいの?」
「俺はキラキラした物が好きだから、それで思いついたのがこのルビー……!キラキラだし、一目見て焔みたいって思ったから……!」
「とっても嬉しいよ! ありがとう! シオンちゃんへの贈り物はね、羽が綺麗で好きだから大事にしてほしくて選んだんだ」
「俺はあんまりお手入れとか面倒だしやってなかったけど、焔がそう言ってくれて、ブラシもくれたし頑張って毎日お手入れするー……!」
 贈り物を受け取り、笑いあう二人。
 それから、思い出したように、ハッとする。
「焔に幸福を……!」
「シオンちゃんに幸福を!」
 これからも、大切な人に幸福があらん事を。
 そう、祈るから。

■魔法少女はペアルックを望む
 『魔法騎士』セララ(p3p000273)と『光の使者マリーホワイト』ハイデマリー・フォン・ヴァイセンブルク(p3p000497)は魔法少女でああり、相棒にして親友でもある。
 お揃いのアクセサリーをと望んだセララに賛同し、二人は共に装飾店へ顔を覗かせていた。
 色々なアクセサリーが並んでいる中、二人がそれぞれ相手にと選んだのは、色違いのペンダント。
 宝石ではなく、装飾された石がはめ込まれたペンダントであったが、お揃いの形をしているのが気に入った。
 ハイデマリーは自分の緑の目をしているものを。
 セララは自分の赤の目をしているものを。
 購入した後、二人はお互いに自分が購入した物を見せ合う。
「ボクからマリーにプレゼントだよ。いつも仲良くしてくれてありがとう!」
「こちらこそ、ありがとうございます」
 「お揃いだね」と笑うセララを見て、ハイデマリーの胸中は少しだけざわつく。
 隣に居る事で、温かくなって、なのに何故かチクチクモヤモヤするのはなぜなのだろうか。
 親友というカテゴリが信用できないからなのか。だが、相棒というカテゴリは認める事は出来る。
「プレゼントも嬉しいですけど、今、私の眼の前に、隣に貴女がいる事が幸せなのかもしれません」
 思わず口走ったハイデマリーの言葉に、セララが振り返る。
 視線を受けて、自分が何を口走ったのかに気付き、慌てて口をつぐんだハイデマリーは写真を撮る事で誤魔化したのだった。

■チョコよりも甘いキスを
 今日の『優心の恩寵』ポテト チップ(p3p000294)は、ドレス姿だ。といっても、この広場の中で動きやすくする為、裾部分の広がりを抑えてある。
 彼女をエスコートするのは、『死力の聖剣』リゲル=アークライト(p3p000442)。
 休めそうな場所に移動すると、リゲルは先にポテトを座らせて自分はその前に立つ。
「ポテト」
 用意していた贈り物を懐から取り出す。
 彼の手にあったのは、チョコレートの薔薇を模した髪飾り。
 そして、リゲルはポテトの髪にそれを挿した。
「作ってみたんだけど、どうかな?」
「とても嬉しいよ、ありがとう!」
 笑う彼女に、リゲルは満足気に頷く。
 更に、彼はポテトの片手をとって跪く。
「甘くて華やかな、可愛らしいポテト。俺だけの樹の精霊……いや、今日はチョコレートに身を包んだお姫様だ」
 甘い台詞と共に手の甲にキスをされて、嬉しいやら恥ずかしいやら。
 浸るのも良いが、自分からも贈り物を渡さないと。
 気を取り直して、ポテトは贈り物を彼に差し出した。
「これは、私から。リゲルみたいに上手に作れなかったけど……私の王子様へ」
 それは、猫を模した銀の栞。
 丸みを帯びた猫のシルエットが上部にあり、本に挟むと、本の上に猫が乗っているように見えるだろう。
「猫と言うよりこころとした子猫みたいになったけど」
「ありがとう。大事に使うよ」
 とても嬉しそうに笑い、栞にキスする。
 その様子に、ポテトがまた顔を赤くした事は、言うまでもなく。

■切り取る風景、その先に
 『リローテッド・マグナム』郷田 貴道(p3p000401)は『寄り添う風』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)と共に広場へやってきていた。
「なかなか賑わってるじゃないか、こういうのには縁が無いと思ってたが……」
 二人は一度回った後、休憩スペースにて一息をつく。
「ミリー、これは俺からだ」
 貴道がそう言って差し出したのは、写真立て。
「いいね、これ。ありがとう」
「それで色々な物を撮ってくれ」
「うん!」
 微笑むミルヴィの様子を見て胸を撫で下ろす。
 彼女の方も、一つの品を用意しており、「はい」と、差し出す。
 丈夫そうな革帯。拳に巻き付けれそうなその無地に刺繍がなされている。
「Standing and fight!」
 その文字を見つけた貴道は、ミルヴィに刺繍の訳を尋ねた。
「『立って、そして戦え』って言葉は、お母さんの持ってた異世界の言葉の本にあったのを思い出して」
「なるほど」
「拳の保護にも使えるケド、腕にでも巻いてお守りにしといて」
「ああ。ありがとう」
 早速拳に巻くのを見て、ミルヴィは何故か気持ちが落ち着かなくなってきた。
「ホラ一緒にお店見て回ろ」
 王道なチョコレートもあげたいから、という気持ちもあるけれど。
 今は、この赤い顔を見られたくないのだ。

■特別な日にはあなたと
 『暗躍する義賊さん』ルルリア・ルルフェルルーク(p3p001317)は、待ち合わせ時間を過ぎてもまだ来ない、親友の『カースドデストラクション』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)の事を心配していた。
 彼女の手元には、親友に渡す為のプレゼントがある。
 それからどれくらい経っただろうか。
 息を切らしてやってきた彼女は、ひたすらにルルリアに平謝りしていた。
 アンナとしては、朝から散々だという気持ちだ。寝不足、服に悩んでプレゼントを忘れて取りに帰ってきたら大遅刻。
 待たせてしまったお詫びに、自分から渡そうと、プレゼントを取り出した。
 意図を察したルルリアが、小さく笑って自分からもプレゼントを渡しにかかる。
 そうしてお互いに渡して、中身を開ける。
 ルルリアの手元には月長石のネックレス。
 アンナの手元にはムーンライトのネックレスとチョコ。
 ルルリアが言うには、チョコは頑張って作ったのだそうだ。
「ありがとう。あなたに、狐と月は離せないものね。よく似合うわ」
「ありがとうです。アンナちゃんにもよく似合うのです」
 お互いにクスっと笑ってから、どちらともなく手を繋ぐ。
「……埋め合わせで今度何でも言うことを聞くわ」
「何でもですっ? では露店で美味しいものを買ってくれたら許してあげるのです!」
「今日?!」
 賑やかな声が響き、二人の少女は人混みの中に消えていったのだった。

■君と私のひと時の
 『繋ぐ命』フラン・ヴィラネル(p3p006816)は、贈り物の習慣について思い返していた。
 今までだと故郷の村で皆に感謝のチョコを配っていた。だが今年は違う。故郷から召喚されてまだ日にちは浅く、その為か故郷が懐かしくなる。
「よーし、今日はおとーさんとおかーさんにプレゼントを買う事にするよ!」
 握りしめるお金は、仕事で貰ったもの。
 様々な物へ目移りする彼女へ、助言を与えたのはニル=エルサリス(p3p002400)であった。
「何を探しているんだお?」
「おとーさんとおかーさんに似合うもの! 具体的にはスカートとか眼鏡用のチェーンとか」
「なるほど。それなら――」
 ニルが今までに見てきた屋台のいくつかを伝え、一緒に向かう。
 その結果、淡いピンクのスカートと、銀色のチェーンを得る事が出来た。
「ありがとう、ニルさん!」
「どういたしまして。それで、この後どうするの?」
「一度村の皆に会いに行こうかな、って」
「それはいいだお。あ、それなら……」
 ニルは何かを思いついたように、持っていた袋を差し出す。
「手作りのトリュフ。皆で食べてほしいだぬ」
「いいの?! ありがとう、ニルさん! あっ、お礼を……」
「いいのいいの。さ、いってらっしゃい」
 背中を押されるフラン。
 手を振ってお礼を何度も伝えながら、やがてフランの姿は見えなくなる。
 背伸びをして、ニルは来た道を戻っていく。
 少し気はまぎれたな、なんて思いながら。

 この日に、皆に、幸いあれ!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

友愛、親愛、ちょっとした出会い。(駄洒落じゃないです)
色々な形を書かせていただき、ありがとうございました。
相手を思いやるプレイングに、思わず自分もにこにこ笑顔になりました。
やはり、愛は良いものですね。

ご参加ありがとうございました。
少しでも、皆様の思い出に残りますように。

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