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シナリオ詳細

混沌の名所教えてください!

完了

参加者 : 24 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●もっと多くの情報が欲しいんです
 幻想のローレットには、たくさんのイレギュラーズ達が出入りしているが、『穏やかな心』アクアベル・カルローネ (p3n000045)がそこでこんな依頼を持ちかけている。
「皆さんがオススメしたい混沌の名所を教えてください」
 現在、情報屋として各地を回りつつ、活動しているアクアベル。
 少しずつ混沌の情勢などについての知識も得てきており、情報屋として板についてきてはいる。
 ただ、彼女は元々海洋の一地域で慎ましやかに暮らしていたこともあって、さほど各地について詳しいわけではない。
 そこで、アクアベルはより多くの情報を仕入れる為、比較的手隙なイレギュラーズ達から少しずつ聞き込みしようと考えたのだそうだ。
「……はい、名所といっても様々ですから。皆さんが名所と感じている場所を熱く語ってほしいなと思います」
 例えば、毎日通って思い入れのあるローレットだって、人によっては名所となる。
 依頼の豊富さや設備、ギルドマスターのレオンの魅力などを語ってみるのも、いいかもしれない。
 他にも、オススメの食事どころ。誰もが見とれる美しい景観の場所。たくさんの動物と遊ぶ事のできるスポット。自分の所属しているギルドを売り込むのもいいかもしれない。
「最初は幻想だけでもと思ったのですが、鉄帝の闘技場『ラド・バウ』などを語りたい人もいるのかなと考えまして」
 これまで、鉄帝や天義、海洋などで依頼を受けてきているイレギュラーズ達。
 いや、街道などで誰も知らないような場所を発見した人はいないだろうか。そんな場所にもアクアベルは興味を抱く。
「私が過ごしていた海洋ですら、今なお目から鱗が落ちそうな場所があるんですよ」
 そこで、皆はどんなふうに過ごすのだろうか。
 その楽しみ方は、自分にもできるだろうか。
 誰かと一緒に楽しめそうな場所なら、今度皆と行ってみたい。
 また別の依頼のきっかけにもなるかもしれないと、アクアベルはイレギュラーズ達の持つ情報に期待を寄せている。
「本当にいい情報が得られましたら、少しだけ報酬に色をつけさせていただきますね」
 ローレットにとってもプラスに働くかもしれないということで、レオンからは了承を貰っているとのこと。文字通り、情報を売る依頼となるだろう。
「名所に関する皆さんの情報、お待ちしていますね」
 アクアベルは笑顔で、そう話を締めくくったのだった。

GMコメント

イレギュラーズの皆様、こんにちは。なちゅいです。
ずばり、名所の情報を売ってください!

●依頼概要
皆さんが1人で、もしくは複数人でローレットを訪れた際、
そこに詰めていたアクアベルにどこか名所の情報を提供してください。
基本的にはその情報提供の光景をリプレイに描写しますが、
アクアベル的名所と判断された方にはその情報を
ローレットの壁に張り出して紹介させていただきます。

海洋出身であるアクアベルですが、
活動するに当たり、
幻想をはじめとした各地の名所を知りたいとのことです。
その名所の良さを教えていただければと思います。

食事処や、風景が綺麗な場所。
もふもふな猫がたくさん集まる場所などなど。
ローレットを含め、闘技場、自身のギルドなどでもOKです。
幅広く教えていただくのも
オススメスポットとして票数が増えるのでよいのですが、
1ヶ所に絞り、
より深く掘り下げて紹介するのもよいですね。
複数人でその場所の魅力を語るとより伝わるかもしれません。
そこではどんな楽しみがあるのか、
どう過ごすことができるのか。
通好みな情報など興味を引くことができる内容であれば、
評価が高まり、選出される可能性も高くなります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

それでは、よろしくお願いいたします!

  • 混沌の名所教えてください!完了
  • GM名なちゅい
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2018年12月03日 21時35分
  • 参加人数24/30人
  • 相談5日
  • 参加費50RC

参加者 : 24 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(24人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
Suvia=Westbury(p3p000114)
子連れ紅茶マイスター
鳶島 津々流(p3p000141)
四季の奏者
セララ(p3p000273)
魔法騎士
零・K・メルヴィル(p3p000277)
つばさ
ポテト=アークライト(p3p000294)
優心の恩寵
リゲル=アークライト(p3p000442)
白獅子剛剣
銀城 黒羽(p3p000505)
アリシア・アンジェ・ネイリヴォーム(p3p000669)
双世ヲ駆ケル紅蓮ノ戦乙女
グドルフ・ボイデル(p3p000694)
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
リリー・シャルラハ(p3p000955)
自在の名手
アト・サイン(p3p001394)
観光客
Q.U.U.A.(p3p001425)
ちょう人きゅーあちゃん
ニーニア・リーカー(p3p002058)
辻ポストガール
ヨルムンガンド(p3p002370)
暴食の守護竜
ルフト=Y=アルゼンタム(p3p004511)
アマリリス(p3p004731)
倖せ者の花束
イージア・フローウェン(p3p006080)
白き鳳焔に護られし紫晶竜
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
甘夢インテンディトーレ
リナリナ(p3p006258)
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
奈落の虹
リプル=サンクトゥス(p3p006772)

リプレイ

●幻想の名所あれこれ
「皆さんが名所と感じている場所を熱く語ってほしいのです」
 そんな情報屋アクアベルの言葉にイレギュラーズ達は足を止め、それぞれ名所を語ってくれる。
 聞き込みを始めてすぐ、ニーニアが手書きの地図を渡してくれた。
「せっかく教えてもらえるなら……」
 ニーニアは趣味の温泉巡りで行った場所とその温泉の情報について、地図のあちらこちらへと記していく。
 特にオススメなのは、山中の秘境温泉なのだとか。
「世界に一つだけの名所マップ作っちゃおうよ!」
「ふふ、そうですね」
 それを皮切りに、数々のイレギュラーズ達が持ち寄る情報がマップに記されていくこととなる。

 イレギュラーズ達が多く挙げたのは、立ち寄る機会が多い幻想だ。
「たのしいばしょが知りたいんだよね!」
 挨拶してくるQ.U.U.A.は、ローレットのあるこの幻想の街をまるごとクローズアップする。
「街ぜんたいが、やまたにありありアスレチックコースになるよ!」
 跳躍、アクロバットといったスキルは必要だが、ローレットをスタートと地点とし、Q.U.U.A.は楽しそうに語る。
「へいをのりこえて! やねの上にのぼって! フェンスをくぐって! かわをとびこえて!」
 途中、犬が追いかけてくるそうだが、それは逃走のスキルで逃げて、と1つスキルが増えているのはさておき。
「そして、ローレットでゴール!」
 すごく楽しそうに語る彼女は、マップにその道順を書いてくれる。
 いつもの街も、味方を変えるだけで遊び場になるという新しい見方をQ.U.U.A.は教えてくれた。
「ボクも参加させてもらうよ♪」
 ミルキィの一押しは、衛兵が働く酒場「ムーンデイズライト」。
 なんでも、彼女もその酒場のプロデュースに絡んでいるとのこと。
「百衣乳業のブランドミルクを使ったデザートとか、殺陣披露会等のイベントをやってるから、観光としても楽しめると思うよ♪」
 ニーニアお勧めの温泉の後にでも立ち寄ってほしいと、ミルキィは仲間のお勧めを後押しすることも忘れない。
 さらに、喫茶店「ノックノック」は美味しいコーヒーを出してくれるとのこと。
 あちらこちらの食べ物屋を書き込むミルキィの横から、Suviaも呼び止められてマップを見回す。
「それなら、幻想大通りの一角にあるデパート『キノコノサトー』はいかがでしょうか」
 そこは虹色のスタンプラリーなど企画もあり、お店の人達もいい人ばかり。
「家族連れで安心してお買い物できるスポットとして、自信を持ってオススメできますの」
 Suviaが依頼で手伝いをしたデパート3階の魚屋『堕天のウオ歴史』は「魚臭くない魚屋さん」がコンセプトだそうで、川魚の香草焼きなどは実にいい香りなのだとか。
 ローレットを訪れていたイレギュラーズの中には、それを耳にしてじゅるりとよだれをすする者もいたようだ。

 幻想のお勧めは他にも。
「今日は何の仕事で……名所探し?」
 久しぶりに顔を合わせたウィリアムは、幻想内の田舎街について話し始める。
 そこは、王都より南西、なだらかな丘陵にはちみつ色の家々が点在する街。
「都のような華やかさは無いけれど、人も景色も穏やかで優しい」
 毎週広場で開かれる蚤の市は建国より続く歴史があり、珍しい掘り出し物が稀に転がっているそうだ。
 また、アナグマ亭という宿がオススメで、ほろほろと具が崩れるほどに柔らかく煮込まれたビーフシチューが格別とのこと。
「機会があったら、行ってみると良いよ」
 手を振ってウィリアムがこの場を後にすると、入れ替わりで津々流が先日仕事で立ち寄った素敵な場所があると告げて。
「幻想の……この辺の森でねえ」
 彼が依頼で立ち寄ったその場所には、ぴざねこさんという猫が……もふもふがいっぱいなのだとか。
 もふもふ好きなアクアベルも、それには目を輝かせてしまう。
 津々流が手乗りぴざねこを見せ、その子くらい小さいぴざねこから、人が乗れるほどに大きなぴざねこもいるそうだ。
「色々な子と触れ合えるから、お勧めだよ」
 可愛らしい生物に癒されるのは、これ以上なく魅力的な名所だ。
 それまで名所に考えていたアリシアも、「そうね」と口を開いて。
「王都とバルツァーレク領の間にある街道や山は、行ったかしら?」
 問いかけながら、彼女は地図で指し示す。
 山頂まで上る手間と体力こそ必要だが、そこから望む王都の風景は心に残るほど印象的なものらしい。
『特異運命座標としてこの世界に呼ばれ、最初に足を着く街の営みや灯火。人の血を吸い生きた私が人を『護る』事は赦されるのか』
 思い悩むアリシアは、街道から様々な人が行き交う王都を何気なく眺めて。
 ――種族や出自、過去は関係ない。大切なのは『今』なのだ。
 時間や季節、天候で変わる風景。普通かもしれないが、アリシアはそれらを護りたいと告げた。
 逆に、新たな刺激を求めようとする者も。自称観光客のアトが示すは、王都中心にある『果ての迷宮』の入り口だ。
 アトはこの地の衛兵の顔を覚えるほどに、通いつめているらしい。
 ――幻想の建国の勇者が生涯を費やし、そして踏破出来なかった未開の土地。
 混沌をより混沌としたダンジョンに、その探索を生業とする全ての者が憧れる地だとアトは熱く語る。
「まあ、入ったことないんだけどね! 入れろよ!」
 果たして、その地にアトが足を踏み入れる日はやってくるだろうか。

●混沌の民のオススメ!
 イレギュラーズを呼び止めて名所を尋ねるアクアベルもそうだが、ここにいるのは旅人だけではない。
「名所、ねぇ……」
 煙管を片手に揺らす縁が語ってくれたのは、人がまず通らない海洋内の辺鄙な場所。
「そこに、潮が引いた時にだけ入れる洞窟があるのさ」
 静かな内部で聞こえるのは、打ちつけてくる波の音だけ。
 ただ、透き通った海の青、色とりどりの魚、鮮やかな珊瑚。
 鮮やかに彩られた景色は、言葉にならないほど綺麗だと縁は言う。
「もし見つけられたら、行ってみるといい」
 ただ、正確な場所は他言無用でとのこと。
 名所というのは隠れているくらいが丁度いいと告げ、彼は去っていく。
「あの、もし!」
 故郷の森を出たばかりのリプルは同族のルフトを発見して、声をかける。
 ルフトは穏やかな笑みで返しつつ、リプルを交えて自己紹介と雑談を交えながらも地図の一ヵ所を指す。
 そこは、人里離れた自然溢れる場所。
 四季の草花のカーペットに、小川のせせらぎ。小動物が顔を出し鳥が歌う。
 花の香りと暖かな日に包まれ、時に川で魚の跳ねる音が。
 一眠りして目蓋を開けば、頭上に満点の星空。川面に映る月。
 それらは蹂躙され、賊の拠点が築かれているという話も……。
「まさに、『混沌の名所』だな」
 それを聞いていたリプルも、名所を考えて。
「では、共生の象徴たる村の聖樹様のお話を」
 その木々は寄り添うように育ち、さらに周囲と合わさってますます多くと交じり合って……。
「いつしか森の如き巨樹になった、と」
 ――あらゆる花が咲き、あらゆる実が実り、あらゆる紅葉が散る、一にして全なる樹。
 彼女の村では、こう呼び崇めている。
「全てであり何物でもない――無貌の聖樹様、と」
 それに続いて、アマリリスも自らの誇る天義の名所を語る。
「私が幼い頃過ごしていた元ロストレイン邸の近くには手付かずの森がありまして、父は『月光の森』と呼んでおりました!」
 そこには、古き時代に深緑から来た老いた幻想種と大きな狼が森を護っているとアマリリスは言う。
 森の中は澄んだ気と、木々の葉の間から零れる光が神秘的な雰囲気を出し、湖には旅人の妖精達がふわりふわりと飛んでいる。
 妖精のお陰なのかそこは一年中春の陽気で、常に花畑には花が咲き、木々は青々と木の葉を風に揺らす。
「……あと、満月の夜にだけ湖に牡鹿の神様が姿を現し、それを見た人は幸運を授かると言われております」
 アマリリスは幾度も足を運んでいるが、残念ながら神様に会うことはできていないとのこと。
「是非、満月の夜、訪れてみてくださいね!」
 幻想以上に、幻想的な光景。
 それまで皆の話を聞いてあれこれと感嘆していたヨルムンガンドがそこで、傭兵の首都「ネフェルスト」の食事処「枯れない仙人掌亭」を勧める。
「ネフェルストを赤犬ディルクとレオンに案内されてる時……。おすすめの食事処を聞いたら、二人が口をそろえて即答してくれたんだ……!」
 実際、その店員はノリもよければ、ご飯も美味しく、最高だとヨルムンガンドは思い返しながら話す。
 それを聞いていた面々は夕食時に差し掛かってきたこともあって、お腹を鳴らす者もちらほらと出始めていたようだった。

●オススメギルドに旅人だからこそ勧める名所
 多種多様の人が集まるギルドもまた、名所たりうる場所。
 それぞれが自分の立ち上げた、あるいは自身の所属するギルドを誇らしげに勧めて来る。
「名所だあ? おれさまにとっての名所っつったら、やっぱり『燃える石』……」
 グドルフはとあるギルドを紹介しようと考えていたが、さすがに未成年のアクアベルに治安の悪い場所を勧めるのは躊躇ったようだ。
「んじゃ、やっぱりここだろ」
 正式名称は誰も知らないそのギルド「山賊峠」と呼ばれる峠道は、集まる山賊を狩るのにもってこいのスポットらしい。
「足を踏み入れたが最後、無事に通り抜けられるか、身包み剥されるかの二択だろうな」
 明らかに周囲が引くのを感じ、にやりとグドルフは続ける。
「そうビビんなって。悪い場所でもねえんだぜ」
 澄んだ空気に、心地良い風。中腹からの眺めは絶景なのだとか。
「ダチ公連れてピクニックでも来るなら、おれさまを呼びな!」
 道案内兼用心棒をカネ次第で請け負うと、グドルフは豪快に笑う。
 いきなり、山賊狩りの名所を教えられてたじろいでしまう海種の少女へ、今度はマルベートが話に参加してきて。
「中々楽しげだし、協力させてもらおうかな」
 彼女が紹介するのは、安く売りに出ていた立派な洋館を使って活動しているギルド「黒睡蓮の館」だ。
「庭木に結ばれた輪状のロープは肉を干すのに便利だし、首が取れてたりもするけどアンティーク風の人形なんかも置いてあってね」
 赤黒い染みのついた絨毯も風情があっていいでしょと問いかけてくるマルベートだが、周囲の人々はやや引き気味である。
「そうそう。野菜を植えようと庭土を弄った事もあったんだけど、動物の骨があちこち埋まっていてね。肥料豊富な良い土壌だよ」
 さらに、場の空気がどんよりしたのにも、マルベートは気にする様子もなく。
「えっ、事故物件? そこは沢山の想いの残った素敵な場所と言って欲しいね」
 爽やかに笑い、マルベートはギルドの紹介を締めくくる。
「折角だから、俺がやってるギルドを紹介するぜ」
 零もまた、フランスパンを売っている自身のギルド「羽印のフランスパン」について話してくれた。
 彼のギフトがあれば、いつでも客が望む時に望む量だけフランスパンを売ることができるのだ。
「ちなみに、そこはブルーシートを敷いて、後看板には羽のマークがあるし、大体いる場所は同じだから見つけやすくはあると思う」
 販売しているのは、フランスパンと棒菓子のようなフラッカリーのみ。種類こそないが、零は大きさも硬さも自由に作ることができる。
「まぁ、もし気が向いたんなら、来てくれると嬉しいかな」
 食べ物を扱うギルドの流れで、初めましてと挨拶するポテトとリゲルが一緒に自分達のギルド「ポテチ」を紹介する。
「……と言っても、畑と休憩と野菜を保管する小屋しかないが、気に入って貰えたら幸いだ」
 ポテトのギフトもあって、ギルドの畑は生き生きと成長する。
「そろそろ収穫時の大根あるが、抜いてみるか?」
 そう勧めるポテトに続き、旬の野菜をすぐに食べることができると、リゲルも話す。
「そして、料理教室も開催されているんだ」
 旬の料理を一緒に作り、リゲルともう1人友達が参加し、どんどん腕を上げているとポテトは言う。
「出来上がった料理は何よりも美味しい!」
 リゲルは自信ありげに、パウンドケーキを差し出す。
「サツマイモと林檎のパウンドケーキの他に、冬野菜たっぷりの筑前煮とほうれん草の胡麻和えを用意したぞ」
 さらに、ポテトは新米を合わせてこの場の人々へと振る舞ってくれる。お腹を空かせたローレット内の人々は早速、それを頂くことにする。
 中まで味が染み込んだその料理は、ごはんと非常に合う。
「あ、大根はお土産にどうぞ」
「良い一日になったと思ってもらえるといいな」
 差し入れしたポテトはリゲルと共に、にこやかな表情でその場を去っていった。

 旅人という存在はやはり、様々な世界を見ているものだ。
「メイショって何だ? 旨いのか?」
 そもそも、『メイショ』がわからないリナリナはさておき。
 名所が思いつかなかったリトルが紹介したのは、以前の依頼で調教した虎を放した山のこと。
「とらさーん、とらさーんっ」
 調教したなら平気だと語る彼女は、身振り手振りで虎のもふもふっぷりについて話す。
「ああもう、そんなにぺろぺろしないでよー」
 ただ、危なくなったら逃げるようにと彼女は釘を刺し、念の為に調教や騎乗も持っていこうと促す。
「でも、とらって、いいですよねえ」
 とはいえ、全てのイレギュラーズがそれに共感したかといえば……、危険と隣り合わせな場所には賛否があったようだ。
「名所と言って良いのか微妙ですけど」
 イージアは以前、皆で特訓という名目で行ったバカンスで向かった無人島について話す。
「海洋王国の偉い人に頼んで鉄帝のトレーニング施設が出来たから皆でトレーニングに行こう」
 そんな鉄帝のパルスの誘いで参加したイージアは魔法修練と戦術・陣形学の勉強に励み、時折、基礎体力作りを行っていたとのこと。
 運動は苦手と語るイージアだが、それを疑われるほどの動きをしていた……らしい。
「その施設って解体されてないと思いますし」
 機会があれば、また皆で特訓に行きたいと、彼女は話を締めくくる。
「メイショ買う! いくらだ?」
 話を聞き終えてもなお、メイショが食べ物と疑わないリナリナは来る者来る者へとそう尋ねていたようだった。

 最後に、こんな場所を紹介した者も。
「名所を教えろか。そんなの教えきれねぇよなぁ」
 問いかけられ、黒羽は1つだけと絞るのにしばらく唸っていた。
 自身のギルドや、食事処に休憩所。教えたいところはたくさんあるのだが……。
「……あ、あそこがあったな」
 ――特異運命座標なら誰でも一度は訪れたことのある場所で、この混沌を一望できる場所。
 黒羽が語る空中神殿は、アクアベルも気になっていたようだ。
 こればかりはイレギュラーズの特権とばかりに彼は胸を張り、写真を差し出す。
 幻想を一望できる光景を、絶景と言わずして何と言うのか。
「イレギュラーズが召喚されたはじまりの地だから、バッチリ記録しておかないとね」
 セララはそうして地図に印をつけると、さらにこの神殿にいるザンゲの話をする。
「1年間でイレギュラーズをハンマーで殴った回数は2000回以上!
記憶とかスキルとかぶっ飛ばしちゃう、すごい武闘派なのだ!」
 あることないこと吹聴するセララ。それだけ、謎深き女性とも言えるが……。
「ふふ、皆さん、ありがとうございました」
 ある程度、情報を集めたアクアベルが微笑む。
 いい名所紹介が出来そうだと、彼女はイレギュラーズ達の情報が満載になった地図をしばし見つめていたのだった。

●一押しの名所は……!
 混沌各地の名所を紹介するマップ。
 幻想を中心に、旅人達のオススメスポットがあちらこちらに書かれてある。
 そんな中、注目と目立つように記されていたのは、海洋の深海。
 マアナゴのレプトケファルス幼生の人魚である、ノリアが紹介した場所だ。
 マリンスノーが降る、青く、冷たく、そして深い場所。
『空を、見あげたならはるか遠く、太陽が小さく輝いていましたの』
 外の世界すら知らなかったノリアの脳裏には、彼方で啼く鯨たちの声が交わる海で、とても美しくて、安らぐ処だったことだけが残っている。
『あの海の近くに戻れば、わたしは、匂いを頼りに皆様をあの場所へとお誘いできますの』
 陸に住まう者に、あの光景をお見せできないのが残念と締めくくったノリアだったが。
 『泡渦カタラータ』の1件で、海中戦闘用スーツなるものを使ってイレギュラーズ達は海底の探索を行っていた。
 皆さんも是非、ノリアさんの紹介した絵にも描けぬ海底の素晴らしい光景をご覧いただけたならと、同じ海種のアクアベルは締めくくっていたのだった。

成否

成功

MVP

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚

状態異常

なし

あとがき

リプレイ、公開です。たくさんの名所を教えていただき、感謝です。
MVPは悩んだのですが、敢えて海洋を選び、しかもアクアベルが見知ってそうな場所を勧めた貴方へ。
共感できたからこそ、皆に勧めたいスポットだと彼女も感じたようです。
報酬も用意いたしましたが、人数分配もあってささやかなのは容赦願います。
今回は参加していただき、本当にありがとうございました!

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