シナリオ詳細
壺の中から佐藤
オープニング
●佐藤は壺を割った
『異世界転生非正規雇用』佐藤・非正規雇用(p3p009377)は壺を割った。
生まれ変わったら自分がくそでけえチンチラになる夢を見た程度には驚いたし死んだと思った。
壺を割っちゃってご弁済! 皆で日没までにお金を稼いで集合だ!!
そんなことを皆に言ったら結構腰の入ったボディブローをくらったのは何故だろうか?
さておき、頑張ったら壺の弁済は出来たしドーナツも買えた。
もぐもぐ食べていたら、なんか壺が道を跳んでいた。まあ、鉄帝ならそういうことはたまにある。
壺に嵌まった人間が何か工事用具みたいなのを使って壁を登っていても「まあ、そんなこともあるようね」ですまされる感じだ。
さておき……壺は非正規雇用から少し離れた場所で止まると、何かがヒョコッと顔を出す。
「お、お前は……!」
「そうだ! 俺は佐藤・正規雇用!」
「くそっ、なんか前に同じネタがあった気がするぞ!」
「それはどうかな!」
「お前は佐藤・期間雇用!」
「俺を忘れて貰っちゃ困るな……」
「佐藤・短期雇用!」
「なんだもうオリジナルに会ったのか。俺も同行しているぜ」
「佐藤・業務委託!」
なお佐藤・公務員と佐藤・独立起業もいる。全員違う壺に入っている。一体何事なのだろうか?
「お前の割った壺は練達から流れて来た『ちょっと可能性が違ったらそうなってたかもしれない自分と出会える壺』だったのだ!」
「ちなみにあのマッドどもが『ここで闇市に流れてた精霊の粉をひとつまみ』とかやったからこうなったぞ!」
「うーん、練達!」
「お前が賠償した金で壺を6つに増やしやがったからこうなった!」
実に鉄帝である。しかしその非正規雇用っぽい連中がどうするつもりなのか?
「くそっ、まさか俺が7人になってしまうなんて! 何をするつもりなんだ!」
「さあ……」
「とりあえず鉄帝マンチョコを大人買いしてみるか」
「要らないチョコはその辺の子供たちにあげようぜ!」
なんたることだ。そんなことをされたら非正規雇用の評判がたぶん下がってしまう……!
●非正規雇用じゃない佐藤をやっつけろ
「というわけで大変なんだ!」
ここ数日で佐藤一族の長兄ということになった非正規雇用がそう叫ぶ。
精霊の壺(仮称)から現れた6人の佐藤ズは、非正規雇用そっくりの姿で鉄帝の町で好き勝手しているようだ。
非正規雇用の名前で突発バイトに励んだり、踊ったり、チョコパイを食べたりとやりたい放題である。
このままでは非正規雇用の家計簿が無茶苦茶になってしまう可能性だってあるのだ。つけているかは知らないが。
何より町の子どもたちが非正規雇用は分裂できると思っているので「おい佐藤! 分裂しろよ!」と蹴りを入れてくるのがたまらない。
あの後調べたところ、偽佐藤たちが言っていたのは結構適当で、あれは元々は壺に触れた人間を人工精霊的なものがコピーするものであったらしい。
そしてコピーを消すためには壺を割ればいいようなのだが……そのためにはまずはコピーを物理的にやっつけないといけないのだ。そうすると不可視になっていた壺が見えるようになるというのだ。
「そういうわけなんだ……皆、俺をやっつけよう!」
自分に蹴りが入りそうなことを言いながら、非正規雇用は集まった面々にそう声をあげた……!
- 壺の中から佐藤完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2024年03月10日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●8人の佐藤(なお1人無職)
「偽佐藤はまあ良いでしょう。7人に増えるのも訳わかりませんが、まあ良いでしょう。ですが、私以外の佐藤全員が職についてるのだけは許さん……! 私以外の佐藤は『全員』私が倒す……!」
「そうだね美咲さん! 来てくれたなんて心強いよ! 余計まぎらわしくなった感じがするが気のせいだよな。え? 「佐藤が1人生き残れば依頼成功と聞いて来た」? 一体何を言っているんだ……」
『無職』佐藤 美咲(p3p009818)と『異世界転生非正規雇用』佐藤・非正規雇用(p3p009377)がそんなことを言い合っているが、つまり佐藤ロイヤルということなのかもしれない。さておいて。
「なんか凄い事になっちゃったな……」
非正規雇用が思わずそう言ってしまうようなこの状況だが……『目的第一』マッチョ ☆ プリン(p3p008503)が(╹∨╹)プリンヤデでバラまいているチラシがひらりと非正規雇用の顔にくっつく。
_______
| WANTED!!! |
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ∧_∧ ||
|| ( ・ω・)=つ||
|| (っ ≡つ. ..||
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|
| SATOU .|
| 1’000’000D’$ |
|________.|
裏
┏━━━━━━━┓
┃目撃情報は○○ ┃
┃まで(お菓子. ┃
┃あります) ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━┛
よかった。デッドオアアライブとかではない。
「ハァハァ……幼女が「分裂しろよ」って煽りながら蹴ってくるの堪らないな。さて、コピーとはいえ、皆が俺を攻撃するのは気が引けるだろう……。だが、心を鬼にして攻撃してくれ! 手加減なんて絶対しなくていいからな!!」
「あー、佐藤だ!」
「蹴れ蹴れ―!」
「あっ」
さておこう。とにかく『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)がこのどんちゃん騒ぎ……『サトウ祭』の主催者であった。なお『彼岸と此岸の魔術師』赤羽・大地(p3p004151)のプロデュースに合わせてコネクションを活用しており、後光を輝かせた交渉術で町の住民や料理人を招集して彼ら彼女らの協力の下、広場を借りてイベントを開催に到っていた。
「その名も『サトウ祭』! 非正規雇用の『佐藤』と、奴さんが好きな『砂糖』菓子というダブルミーニングな祭りだ! 多種多様な菓子を出す屋台を並べ、様々なイベントも開催する! ラップバトルとかね。偽佐藤達が集まって俺らと殴り合いになっても催し物の一種として受け入れられるだろう。ここ鉄帝だし」
「サトウが砂糖でさあ来るぜ。菓子で作る貸し佐藤払い!」
「おー、やってんねえ」
ラップの内容はさておき……さておいてばっかりだ……ともかくゴリョウの用意した仕掛けはこれだけではない。
「無論、イベントの趣旨として『さとう』の名の者はちょっとしたサービスがある! 砂糖割増とか自分の店のサービス券が付くとか各屋台の匙加減だけどな! 『さとう』なら何でも構わん! サトゥーでも「俺の心の中の佐藤」とかもありだ! まぁ『佐藤』限定でも良かったんだが、佐東さん(絵師)とか居るかもしれんし大らかさは必要だ。ここ鉄帝だし」
無限のサトウの可能性がある……そう、さながらスイーツの可能性の如く……。
そしてゴリョウ自身もステージ技術を活用した屋台を展開していた。
「この職人魂をもって積み上げたレジェンドオブチョコパイタワーが目印だ! 非正規雇用が好きなチョコパイと、折角だから嫌いなムーンパイも我が料理技術をもって提供するぜ! サービスは一個おまけだ。香りに釣られて来るがいい偽佐藤達よ!」
「ムーンパイだと!?」
「オラア! あ、非正規雇用!」
ムーンパイの悪しき気配を感じてやってきた非正規雇用がゴリョウの腰の入った一撃でぶっ飛ばされたが、ひとまず問題はない。
「ちなみに美咲の方の佐藤は個人的に倍盛だ」
「非正規雇用は?」
「普通盛だ」
「そんなー」
なおオークとしての心からの親切心で美咲にはもっと肥えてほしいとゴリョウは思っている。
「そうそう。赤羽にはぜんざい。アルムにはチョコクッキーも用意してるぞ!」
なお偽佐藤たちを逃がさないように円形の決戦のバトルステージを形成してもいる。準備は万端だ。
そしてマッチョがまいている手配書のほうも、どうやら鉄帝らしさが出ていて好評のようだ。
「ピンと来たらイベント広場まで。報酬にデスワードル札束と……ゴリョウが用意しているお菓子の事も書いてある。鉄帝の住人ならばそこらにイレギュラーズ級をも討伐できる一般市民がいるやもしれんし、まさかとは思うが偽物本人が偽物を突き出すか自分の首を出してくるやも可能性もなくは……本当にありそうだな……」
非正規雇用をベースにした偽佐藤たちへのマッチョの信頼が凄い。
ちなみにマッチョ自身は赤羽やゴリョウのイベント場で、各種バフを維持しながら待機していた。いわゆるウォーミングアップだ。
それらしき者を見かけたら問答無用で攻撃するつもりだが……偽物であってもわが身可愛さに本物だと嘘をついたり、逃げ出す可能性もあると考えてもいた。
(であれば確実に確認する方法は倒したら壺が出現するかどうか。まずは倒す。逃げるなら人助けセンサーで助けを求める声を追って仕留める……!)
そう、全力だね。
●サトウ祭開催中
美咲は複雑であった。体型ネタ弄りは絶コロだが、ゴリョウのが100%善意だからである。オークの基準をとやかく言うのはちょっと時勢的に色々問題もあった。多様性は大事だ。
「とりあえず出オチなのはわかりきってるからもう美咲帰らせていいんじゃないか? ていうかこいつ……正規雇用の間は仕事のことクソって言ったのに、自分が無職になって世間の風当たりと貯金口座が冷たくなった瞬間にこれだよ……! 君がクビになったのはどう考えてもメンヘラこじらせてローレット(と00機関)を裏切ったのが悪いんじゃないのかい?」
「正論は嫌いでスよ!」
マキナ・マーデリックの正論パンチで美咲がグレているが、今は機会を伺っている最中である。
そんな美咲を『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)もファミリアーで見ていたが……偽佐藤の発見のために視点を戻していく。
偽佐藤を見つけたら、知り合い的に話しかけゴリョウや赤羽のイベントへ誘い同行・誘導していくつもりだ。
「あ、見つけたよ佐藤さん!面白いイベントあるんだって、一緒に行こう! ところで、佐藤さんって甘いものとラップバトルとどっちが好き? とっておきの秘密のイベントがあるんだけど……どうかな?」
ヨゾラの隣にいるのがどの佐藤なのか……美咲ではないが……いまいち判別できないが、ヨゾラはそうやって誘導していく。
なお本物なら星の破撃(威力7742)を喰らわせても倒れないと思っている。信頼が厚い。ヒュー!
ちなみに大事なことだが、ヨゾラは佐藤に恨みはない。これはあらかじめ言っておく必要な大事なことだ。
その頃、大地もサトウ祭の会場で非正規雇用に想いを馳せていた。
「事情は正直よくわからないが、偽佐藤がこんなに居たら、佐藤さんが己を見失ってしまうかもしれない。そうなれば佐藤・非正規雇用のアイデンティティー・クライシスだ……それはきっと由々しき問題だ……だからさ。とりあえず小さな事でも、俺も手伝うんだ」
『……そうダ、佐藤。お前がチンチラになってる事モ、俺がふわふわのうさちゃん(r2p000389)になってるなんて事モ、きっとあり得ねェ……! ンな事ガ、起こるはずがねぇんダ……!』
おしりの方のタグに『MIMI』と刺繍がされているうさちゃんの幻影がチラッと見えた気もするが、まあさておこう。またさておいた。とにかく偽佐藤(仮)とのラップバトルの時間が来たのだ。
「待って居たぞ、偽佐藤 さっと終わらそ、この仕事 これ以上、お前の好きにはさせなイ 逮捕状、お前にツキは与えなイ 死霊術師(ネクロマンサー)たる俺が導ク! 根暗マンたるオメーは慄ク! GO AHEAD&GO TO HELL!」
「偽者 本物 誰が決めんだ チョコパイ チョコ愛 味覚が資格 愛ある砂糖 アイアム佐藤!」
「いいぞー!」
「やれやれー!」
偽物だと判断した瞬間、ヴァイス&ヴァーチュでぶっ飛ばすつもりの大地の正義のラップが会場に響き渡っていく……!
ちなみにどうなったら偽物なのかは大地にも分からない。だってそっくりなんだもん。
「佐藤君が困ってるって聞いたけど……まさか増えたなんて……??? ちょっとよくわからないけど、とりあえず見つけたら無力化すればいいんだよね」
『昴星』アルム・カンフローレル(p3p007874)も偽佐藤を探すため、ローレットで資料検索して非正規雇用の過去依頼での傾向とか好きなものをざっくり把握していく。
なお最新の依頼報告書は「開催! 冬の水着ショー!」だ。Oh……。
「ついでに鉄帝の地図やガイドなんかも見て、佐藤君が好きそうな場所に当たりをつけておこう。もちろん本人にも聞くけど、なんか誤魔化されそうだし……ええと、女好きで甘いもの好き……なのかな?」
事情を知らない人が聞くと風評被害と勘違いしそうである。
「それなら、俺も甘いもの好きだし……お菓子を色々買い歩いて、偽佐藤君を探そう! スイーツ店の売り子を手伝うのも良いかも……? とにかくお菓子で釣る作戦!」
そんなわけでマッチョたちが待機してる場所にどうにかこうにか案内してボコってみると……どうやら公務員であったようだ。よかった、偽物だ!
「流れがガチすぎないかって? そりゃあ唯一の佐藤を決める聖戦でスから。オラッ、不採用通知と書き慣れてきた履歴書にかけて貴様の位階を私によこせッ!」
「ぐわー! 無職張り手重い! 働いてないことによる社会的責任を放棄した重みがある!」
「貴様ー!」
なお美咲が閉所戦闘で張り手を放っているが、かなり念入りに攻撃している。
「あんたにわかりまスか……? 佐藤・正規雇用(当時)、非正規雇用ネタをやっていたら、仕事をクビになって佐藤・無職にまで落ちた私の気持ちが……! 私の枠を返せとは言いませんが、それはそれとして気に食わないから許せねぇスよ……!」
「草」
「うおー!」
これは私怨ではない。ヨシ!
ちなみに『今回の『佐藤タイキック~』担当』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)もタイキックをするための準備は万端だ。
「ええっ!? 非正規雇用さん(のようなサムシング)を合法的にタイキックできる仕事があるんですかぁ!? そしておねーさんの方の佐藤さんもいるぞぉ!? この状況、何も起きないはずがない……?」
なおおねーさんのほうは佐藤・無職である。今丁度何か(職への渇望)が起きている。
そんなモカは気配遮断と忍び足で隠密行動しながら偽佐藤(仮)をしばらく観察していた。
女の子をナンパしてお菓子を食べている……どうだろう、本物だろうか。
分からない……が、いや。ムーンパイを食べた……!
「佐藤、タイキックー!」
「なんだって!?」
スピーカーボムを使ったモカがムエタイ女性選手コスチュームを着て登場すると、偽佐藤が明らかに動揺する。どういう意味での動揺かは、ここでは言及しないものとする。
今大事なのは、その非正規雇用のような人物の尻に、強烈な(不殺)キックを戦闘不能になるまで喰らわすということだ……!
(佐藤さんとの付き合いが長い(自称)私には分かるのだ。本物の佐藤さんが佐藤さんらしくない事をしてもタイキック対象です。仕方ないね。なお佐藤さんでも美咲さんは(本人の希望がない限り)対象外とする。かわいい女の子だからね)
希望があれば対象内かもしれないらしいですよ美咲さん。
そんなこんなでついに最後の佐藤、佐藤・正規雇用を必殺の美咲の張り手が撃破して。
「……え、これは本物の佐藤君? ホント?」
「皆さん今日は本当にありがとうございました」
楽しいすれ違いで顔と尻がボコボコになった非正規雇用もいるが、まあ問題はない。
「これでもう偽物はいない……といいな」
ヨゾラもそう呟いて。
「……あ、今回は弁償はしなくても良いからね。1壺分で6倍に増えた事を考えると弁償したら6壺×6倍で36体とかになるからね……!」
「ぶはははッ、そいつは中々大変なことになりそうだ!」
ゴリョウも笑いながら、未だ続くサトウ祭の会場を見回す。
「ちなみに祭りにしたのは消えた偽佐藤達という存在に対する鎮魂の意もある。この祭りある限り彼らが忘れられることもなかろう。フォーエバー佐藤!」
フォーエバー佐藤。ありがとう、本当にありがとう。そしてこれからもよろしく、佐藤・非正規雇用。そして佐藤……美咲。
本物の佐藤たちがこれからの佐藤道を行くのだ……知らんけども。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
どうしてこんなことになったんですか?(最大限の賛辞)
GMコメント
偽物の佐藤さんをやっつけて6つの壺を壊しましょう。
偽佐藤さんたちは働いたり踊ったり遊んでたりするので、上手く見つけてやっつけるのです!
はい、そんな感じのネタシナリオです。
思いっきり好きなように遊んでください。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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