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シナリオ詳細

<美徳の不幸/悪徳の栄え>ローレット防衛作戦

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●冠位、動く
 <Paradise lost>、<黄金双竜>、<プルートの黄金劇場>。そう呼ばれた3つの事件がある。
 幻想にて暗躍を続けた冠位色欲ルクレツィアだったが、イレギュラーズの活躍によりその計画の悉くは挫かれていた。
 原罪イノリを交えた冠位達の取り決めで幻想を『担当』としたルクレツィアだったが、兄姉達の敗退とCase-Dの接近を受け、本格的に動き出した『終焉』の魔種達の動きは幻想を含む混沌全土を対象にしたものだった。
 冠位たるルクレツィアはこの動きに激怒した……しかし終焉はイノリの麾下でもある……。
 実際の所、冠位とは言え失敗を重ねた状況で気に入らない女(=マリアベル)を直接排除するのは難しい。
 ならば、と彼女は考える。混沌を舞台に今暴れているのは終焉麾下の魔種である。
 彼等が世界中に被害をばら撒いている以上、幻想は必然と手薄になる。また、『色欲』麾下の魔種達はあくまで自分の駒のままなのだ。
 かくて、世界の混乱に乗じてルクレツィアは乾坤一擲の賭けに出る。
 彼女の狙いは幻想――王都メフ・メフィート。
 直接攻撃で中核を破壊し、今度こそ冠位ここにありを見せつけるのだ。愛しいオニーサマのその為に……。
 そしてその魔の手は、ギルド・ローレットにも及んでいたのだ。

●襲撃の日
 その日ギルド・ローレットにおかしな男が現れた。
 真っ青なフードを被り、顔の部分に闇が溜まったかのように見えない男だ。
 しかしながらギルド・ローレットには色々な姿かたちの人間が訪れる。
 その青い男くらいはまだ普通の範囲であり、チラリと見ることはあってもそんなに気にしないものは多い。
 多いが……ふと誰かが気付く。その男が、おかしな挙動をしたことに。そして、男に続くように入ってくる様子のおかしい市民の姿にも。
「おい、ちょっと待て。アンタ……」
 誰かがそう声をかけようとして、男の凄まじいパワーに吹っ飛ばされる。
「ぐあっ……!」
 ローレットの外までゴロゴロと転がっていくそれをそのままに、青い男は「チーサ・ナコック」と声をあげる。
「情報屋。ルクレツィア様の敵の1人。お前1人なのは残念だが……此処で仕留めてやろう」
「魔種……!?」
 『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)の驚きの声に、青い男は嗤う。
「如何にも。俺はスフォン。冷厳なるスフォン。さあ、死ぬがいい」
 スフォンの放った吹雪をチーサは飛び転がりながら避けて、出口を見る……が、スフォンが振り返らずに放った吹雪で出口が凍り付く。これでは外からの応援も期待できない……!
「無駄だ。お前は死ぬ。それは変わらない」
「そう簡単には死なねーですよ……!」
 チーサ1人であればあっさり死ぬかもしれないが、此処には何人ものイレギュラーズがいる。
「力を貸すですよ、皆。こいつを此処から叩きだすです……!」
 そう、如何に魔種といえどもギルド・ローレットで好きにさせるわけにはいかない。
 魔種スフォンを迎撃し、倒すのだ……!

GMコメント

ギルド・ローレットに魔種スフォンが乗り込んできました!
入り口が塞がれ、チーサと皆さんでなんとか撃退しなくてはいけない状況です。
迎撃し、ローレットを守りましょう!

●特殊状況
・冷厳なる檻
ギルド・ローレットの中の気温が低下し続けています。
一定確率で「凍れる傷」状態になりダメージを受けてしまいます。
これは通常のBS同様になんらかの手段で治癒可能です。

●友軍
居合わせた冒険者×5
様々な武器な魔法を使います。果敢にスフォンに向かっていくでしょう。

・チーサ
そんなに強くないです。

●冷厳なるスフォン
青いローブを纏い、黒い闇のようなものによって表情の分からない男魔種。
攻撃方法は吹雪を放つ攻撃、そして凍結系列のBS効果を持つ「冷凍ビーム」です。

●操られた市民×10
スフォンに操られた市民です。武器を手に襲い掛かってきます。スフォンを倒せば元に戻ります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <美徳の不幸/悪徳の栄え>ローレット防衛作戦完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2024年01月17日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

セララ(p3p000273)
魔法騎士
オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛
武器商人(p3p001107)
闇之雲
シラス(p3p004421)
超える者
ソア(p3p007025)
無尽虎爪
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)
天下無双の貴族騎士
火野・彩陽(p3p010663)
晶竜封殺

サポートNPC一覧(1人)

チーサ・ナコック(p3n000201)
旅するグルメ辞典

リプレイ

●ローレット防衛作戦(前編)
 ギルド・ローレット。イレギュラーズの拠点でもあるこの場所は、人が少ないときを狙い魔種に攻め込まれた。
 窓も、ドアも……魔種の放った氷によりガチガチに固められ、恐らくはこれをやった者を倒すまで溶けることはない。
 そして何より……明らかに気温が下がっている。それもまた魔種の能力なのだろう。外部からの助けを期待できない状況であるのは確かだが、まさに青天の霹靂とも言える状況だ。
 ギルド・ローレットに乗り込んできた魔種、シフォン。それは王都メフ・メフィートを狙うルクレツィアの手によるものだ。
 今まで散々邪魔してきたギルド・ローレット。そして情報屋を狙うのもまた敵の立場に考えれば理解できる部分はある。
 しかし、それをさせるわけにはいかないのだ……!
「まさか正々堂々乗り込んでくるとは思わなかったわ。にしても寒さとは、困ったわね」
 『優しき水竜を想う』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)は言いながらオディールに声をかける。
「オディール、出たい? ふふ、氷狼が味方だなんてどれだけの魔種が思うのかしら」
 この子は寒いところが大好きなのよ、とオデットは囁く。
「動きやすい状況を作ってくれるだなんて優しいのね」
 寒い環境下では動きや五感が鋭くなるオディールは五感を共有するときにオデットの役に立ってくれるだろう。
 そして……この状況を生み出した敵は、今目の前にいるのだ。
「良い度胸だ、歓迎してやるよ」
 まず最初に動いたのは『竜剣』シラス(p3p004421)だ。敵は魔種「冷厳なるスフォン」、そして操られた市民たち。まずは市民たちをどうにかしなければならないというのは、この場に集まった面々の共通の見解だった。そしてシラスにはスターライトエンブレムがあった。これがあれば間違って殺すような事態にはならない。
 だからこそシラスはグラビティ・ゲートを付与し、エビルストリングで操られた市民をなるべく漏らさぬように巻き込んでいく。
 これは殺さないという意味もあるが、狙いはグラビティ・ゲートの効果により戦場の隅の方に寄せようというものであった。
 意図としてはスフォンの攻撃範囲外で安全に失神していて欲しい、と。そんなところだ。
 所詮一般人だ……一撃で気絶していくが、ひとまずはこれで問題はない。オデットが戦場後方に集めて見守れるようにするのと同時にギフトである「太陽の友達」で翼を輝かせてできるだけぬくもりを与えていた。
「多少でも寒さが和らげばいいのだけど……」
 何処までこの寒さに通じるかは分からないが、何も無いよりは何倍も状況がマシであるのは間違いない。
 そう……唯一の懸念は、ギルド・ローレット内の気温が先程から僅かではあるが低下し続けていることだ。
「なんという役立たずだ……まあ、いい。元より俺1人で充分ではあった」
 スフォンの吹雪が荒れ狂い、しかしその程度で倒れはしない。『晶竜封殺』火野・彩陽(p3p010663)も剔地夕星に穿天明星を番える。
「おいこら、お前。何処に乗り込んで来とるんじゃい。ローレットに乗り込んでくるたあ、不逞の輩やのう。覚悟せえよ?」
 彩陽が放つのは冥王公演からの鮮血乙女。一般人が思ったよりもずっと脆かったことで、ある程度の余裕が出来ているが……魔種であるスフォンは一般人などどれほど集めても敵わない強敵だ。それでも彩陽は弱気な部分を見せることはない。
「無事に帰れるとは思わん事やで。尻尾巻いて帰れるともな。……という事でほな、さようなら」
「ああ、その通りだ」
 『未来を見据える瞳』シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)も厄刀『魔応』を構え、スフォンへと向き合う。
「ローレットに入り込んだ魔種か……かなり強力な敵であるのは明らかだが、それでもローレットを守るために仲間や冒険者たちと共にこの貴族騎士も戦うぞ!」
 そう、この場に居合わせたのはシューヴェルトにとってはもはや必然だ。貴族騎士として戦うにあたり、何の不足もない。
「この程度、鉄帝の冬の寒さに比べれば……」
 幸いにもすでに操られた市民は倒れている。だからこそスフォン相手に集中するべく貴族式格闘術『蒼脚』からの貴族騎士流蹴技『蒼脚・堕天』を放つ。
 この場には他にも居合わせた冒険者たちがいるが、戦力差も考え『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)の護衛に回ってもらっている。まあ、当然だろう。チーサ自身戦力としては期待できないからだ。というか、放っておいたらあっさり死にそうだ。
(万が一スフォンに狙われたときにはこの僕が立ちはだかって守ろう)
 そう考えながらも、シューヴェルトは仲間たちと共にスフォンの前に立ち塞がっていく。
「ここまで来たことはいいが……これ以上はこの貴族騎士が通さない」
 その一方で、『狐です』長月・イナリ(p3p008096)はスフォンには興味が無かった。
 むしろローレットの入り口をふさいでいる氷に興味があるようだが……それをじっくりと確かめられる状況ではないことも分かっていた。
「うーん……あの氷の強度はどのくらいなのかしらね? 普通に融かせば水になるのかしら……じっくり観察してみたいわね。でもまあ。とりあえず、じっくり観察したいから邪魔な連中は叩いておきましょうか」
 だからこそイナリは超遠距離からゲイ・ボルグでスフォンの足を狙っていく。そこからは近接戦に移行していくつもりだ。
「貴方自身に興味は無いし、食の探求(食べれそうな部位が無い)も出来そうになから、さっさと沈みなさい!」
「なんとまあ、妙な奴もいたものだ」
 至極真っ当なツッコミがスフォンから入るが、イナリは気にした様子もない。
 戦う理由は人それぞれ。そこを理解できないからこそ、スフォンは魔種であるのかもしれない。
「輝く魔法とみんなの笑顔! 魔法騎士セララ、参上! ローレットはボク達が過ごす大切な場所なんだ。魔種の好きなんてさせないよ。守り抜いてみせる!」
 だからこそ、『魔法騎士』セララ(p3p000273)の輝くような名乗りは……まさに、全員の気持ちを代弁していると言えるだろう。
「ローレットの室内の気温が下がってるなら、なんとかして気温を上げたいよね。窓とか壁に攻撃を当ててぶち破ったら、外の気温のおかげで冷厳なる檻がマシになったりしないかな。というわけでローレットの扉や窓、壁で破壊できそうな所へギガセララブレイク! 出口は氷付けになってるみたいだけど、破壊するつもりで攻撃を当てれば通れるようになるかもしれないからね」
「うわあ……」
 『闇之雲』武器商人(p3p001107)がその躊躇の無さに思わず声をあげるが、魔種の力によるものであるせいか壊れていない。
 えっ? 修理費用? 魔種のせい、魔種のせいだから仕方無いの。コラテラルダメージってヤツ! ねっ?
 セララはそんなことを言っていたが……万が一壊れていたらセララのお財布から修理費が引かれていた、かもしれない。

●ローレット防衛作戦(後編)
 戦いは更に激化していた。魔手であるスフォンの実力は高く、しかし僅かに此方が押していた。
 けれどそれは油断すればひっくり返されるようなものであることは明らかだ。魔種とは、そういう存在だからだ。
 下がっていく気温も含め、刻一刻と状況は悪くなっていく……あまり時間をかけるのは得策と言えなさそうだ。
「おやまァ!よりにもよって幻想の勇者上位が3人いる所に殴り込んでくるとは相当運が無いねえキミ。……いやホント、重ねて言ってしまうくらい運が無いね。相当上位の魔種でも討伐できる面子だよこれ。可哀想になってきちゃった」
「確かにボクたちがいるのに一人で仕掛けるなんてすごい自信だねえ」
「当たり前だ。俺1人で事足りる」
 武器商人と『無尽虎爪』ソア(p3p007025)はスフォンと戦いながら、その自信は口だけではないのだろうと感じ取る。
 魔種ならではのその力は、確かに1人でローレットに攻め込んでくるに足るものだ。無名でありながらかなりの上位にいる……そんな存在なのだろう。正面から攻め込んでくるのは決して伊達でも過信でもない。
 しかし、だからといって負けるわけになどいかない。スフォンに近寄ったソアは最初に纏雷を使い、咆哮でスフォンを引き付けるように動いていた。
 しかし、同時に引き付けるからこそ立ち位置にもしっかりと注意していた。
 ソアの予想通りにスフォンの吹雪も冷凍ビームも範囲攻撃であるからこそ、ソアはスフォンを挟んで仲間たちとは反対側に回り込むように位置するようにしていた。
(ボクがこうすることで攻撃を受ける人数がぐっと減ると思うし、特にパンドラのない冒険者さんにはなるべく攻撃を受けて欲しくないからね……!)
「ボクが引き受けるからみんなは後ろからお願い」
 そう呼びかけるソアは、そんな感じで引きつけ役として粘ることを意識して立ち回っていた。
(みんなの攻撃が集中すればきっと押し切れる!)
 そう信じるからこそだ。武器商人もただ戦うのではなく、様々な手段を講じていた。
 たとえば保護結界で建物の被害を軽減することだ。陣地構築と結界術、人払いを設置し、これ以上一般人が戦闘に巻き込まれない様に対策もしていた。これは不測の事態を防ぐという意味でも正しいし、僅かに戦闘への参加が遅れてでもやるべき価値のある一手であった。更には広域俯瞰と透視で戦場全体の状況を把握し、ハイテレパスで中継することで味方同士で無言の連携を行える様にして、更には負傷者対応まで考えていた武器商人はまさに連携の柱と言えるような状態を維持していた。
 そんな武器商人の放つ頭を垂れよ、緋色の罪杖に合わせるようにオデットは状況を確認しながらコーパス・C・キャロルを展開していく。
 このスフォンの生み出した寒さによる「凍れる傷」は幸いにもオデットの持つ回復手段で対処可能だ。
 だからこそセララも何の憂いもなく前衛タンクとして立ち回っていた。
 仲間のフォローを信じられるからこそ、スフォン相手に徹底的に自己強化をしながら立ち回る。
「いくよ、ギガセララブレイク!」
 全力全壊からのギガセララブレイクを叩き込んでいくセララは、温度視覚を使用することで冷凍ビームや吹雪を撃つ時の温度低下を攻撃の予兆として敵の攻撃を回避していこうともしていた。
 まあ、「室内だから、可能なら手頃な机や椅子を蹴り飛ばして敵の攻撃の盾にしても良いかもだね」などと修理費がかさみそうなことも言っていたが……こういうのは臨機応変だ。たとえセララのお財布が後で重傷判定になったとしてもやる価値はあるものだ……!
 そして、そんなセララと挟み込むような形でシラスは攻撃を仕掛けていく。
「どうしたの。顔色が悪いんじゃない?」
 ソアも間隙を縫うように攻撃を繰り出し、まさに嵐のような攻撃が出来上がっている。
(ローレットの拠点が移動してるのはルクレツィアには内緒なの。この色欲傘下の魔種は絶対に生かして返さない……ここで殺す)
 そんなソアの気合も、自然と仲間たちへと伝播していく。
 そしてシラスが放つ竜剣は仲間たちの攻撃と合わせ確かにダメージを積み重ね……可能な限り威力を跳ね上げた一撃が、ついにスフォンを深々と切り裂いた。
「ぐ、あ……っ……」
 そんな言葉を最後にスフォンは倒れ、その身体が溶け消えていくと同時に気温が一気に戻り氷も消えていく。
「うっ。なんか気温差で暑く感じるな……」
「暖かい食べ物をリクエストしようかなと思ってたけど……うーん」
「ま、出来るまでにはまた寒くなるですよ」
 あまりの気温差で暖かく感じているだけであって、そのうちまた寒くなるだろうとシラスとセララにチーサは肩をすくめる。
「しかしまあ、面倒なことしてくれたわね」
 オデットも正気を取り戻した市民や居合わせた冒険者などを回復して回るが……まあ、実際その通りだろう。
「竜剣の旦那たちが此処に居たのは幸運だったとは言えるけどねえ」
 武器商人もそんなことを言うが、まさにそうであるのは間違いない。万全の体制ではなかったとしても一時的であるとしてもギルド・ローレット陥落などという報告は誰も聞きたくはないだろう。
「うーん、倉庫に放置されていた術式も叩き込んでみたかったけど……そこは残念ね」
 イナリがそんな恐ろしいことを言っているのに彩陽が苦笑しているが……それも勝ったからこそだ。
 ギルド・ローレットへの突然の襲撃はこうして退けられて。全員に暖かいスープが配られ、勝利の味を楽しんだのであった。

成否

成功

MVP

ソア(p3p007025)
無尽虎爪

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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