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シナリオ詳細

<伝承の旅路>ニルの砦防衛戦

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●魔王城への道
 四天王。その名前は中々に忘れ難いものだろう。
 あの独立島アーカーシュの……エピトゥシ城でのことを忘れた者は居ないだろうから。
 『獣王』ル=アディン。
 『闇の申し子』ヴェルギュラ。
 『骸騎将』ダルギーズ。
 『魂の監視者』セァハ。
 彼等四天王のコピーを倒した戦いは、中々に強烈なものだった。魔王の残した爪痕とて、忘れられるものではない。
 この異世界においても、それは存在する。
 しかしながら四天王を始めとした存在は『終焉獣』が寄生している。
 それぞれの名は混沌でも耳にした事があるが、大きく違っている存在でもあったのだ。
 つまり、登場人物は混沌と同等ではあるが、その出自や存在そのものは大きく異なっているのである。
 例えば――『魔王』は旅人ではなく、四天王達それぞれも寄生型終焉獣であるという。
 彼等の目的は混沌へと渡ること。そして、終焉獣である以上はこの世界を踏み台に混沌へと至り更なる滅びを齎すことであるという。
 混沌側からの『何らかのアプローチ』によって極めて深刻な事態へと至った可能性が高いのだろう。そうでなければ、彼等が『無辜なる混沌』を把握していることやローレットを認知している訳がないのだ。
 ならば――だれが。その答えに至ることは先ずは必須だ。
 相手がこの世界が滅ぼすことによって混沌世界に更なる危機を齎そうとしている可能性がある。
この地の滅びを退ける事こそが混沌を守る手立てともなろう。
 プーレルジールに生きるゼロ・クール達にも歪な気配が満ち始めた。『寄生終焉獣』がその肢体に張り付き始め、コアへの侵蝕を行わんとし始めたのだ。
 その侵蝕よりゼロ・クールを救う手立てとして『奇跡を起こす手助け』を行なうと名乗った謎の少女・ステラ。
 彼女の力を借りれば僅かな奇跡を持って、ゼロ・クールの命を救うことの出来る可能性は高まった。
 しかし、防戦一方では進歩はなく、耐え忍ぶだけでは時間が過ぎていく。
「勇者っていうのは冒険に出るらしいよ」とある青年が言った。彼の名前はアイオン。混沌世界では幻想王国の建国王にして『勇者王』と呼ばれた人物だ。
 プーレルジールでは彼は勇者とは呼ばれない只の冒険者だが、イレギュラーズの介入によって彼は確かに勇者となる道を辿っていたのだろう。
「冒険の先は決まって魔王の場所だという。そういうものなんだって。イレギュラーズは、滅びを退けたい。それから、俺は君達と冒険の旅をしたい。なら答えは決まっているだろう?」
 この地に満ちた滅びの気配を退け、魔王城サハイェルへと至らなければならない。
 それが、為すべきことであるというのならば……!

●サンゴからの依頼
 魔王を倒し、『レガド・イルシオン』の建国の祖となった男『アイオン』とその仲間達が『勇者』と呼ばれることのなかった『IFの物語』。
 そして、そんな世界のプリエの回廊(ギャルリ・ド・プリエ)の1つの店……「青の珊瑚礁」で、1人の魔法使いの少女が集まった面々の前に立っていた。
「会うのは4回目だけど。皆慣れてきたって顔してる。心の整理がついたのかな? ならよかった」
 その少女はもう死んだはずの少女……「覇竜侵食」事件で出会った少女、サンゴによく似ていた。
 しかし、あの狂気は感じない……よく似ているだけの別人であるのは確かだろう。
「私はサンゴ。この『青い珊瑚礁』の職人。今日、貴方たちに頼みたい仕事っていうのは他でもない」
「サハイェル砂漠……ですね? 前回、砦を占拠しました!」
「そう。プレ・サハィエルにある遺跡の砦。私は前回そこを『ニルの砦』と名付けた」
「えっ」
 思わぬところに自分の名前がついた『おいしいで満たされて』ニル(p3p009185)が思わず声をあげてしまうが、サンゴは全く気にしていない。
「他に似たような場所があるかもしれないから、区別は大事。そうでしょう?」
「そうかもしれない、ですね……?」
 そう、『プレ・サハイェル』。混沌世界では影の領域と呼ばれる場所だが……そこに到るまでにはサハイェル砂漠、そして沈島地帯を抜ける必要がある。
 それは砂漠地帯から続く影の領域側への道だ。砂漠地帯が西に進む毎に徐々に昏く変化していくという。
 沈島地帯はその名の通り浮遊島であったサハイェルが『落ちた』結果出来た澱みの領域だ。
 古代遺跡や無数の浮遊石が中途半端な高さに浮き上がっているという。
 地の下には『影海』と呼ばれる真っ黒な海が存在しているが……そもそも、これは水ではなく滅びのアークそのものだ。遠巻きにしか見ていないプーレルジールの人々はそう名付けたという、そんな経緯がある。
 崩れ落ちた遺跡や黒き霧の気配、影海が存在した最奥に魔王城が見える、そんな場所……なのだが。
 前回そこで橋頭保として確保した砦の遺跡を、どうやらサンゴが『ニルの砦』と名付けたようなのだ。
「今現在、四天王の配下と戦っていることは知っていると思う」
 四天王の配下がどっさりと存在するこの場所では今この瞬間も激戦が行われている。
 となると……ニルにも話が見えてくる。
「前回確保したニルの砦に四天王の配下が向かってる。また砦を取られたら大変。つまりは、そういうこと」
 折角確保した橋頭保を取り返されるわけにはいかない。
 四天王の配下がやってくるというのであれば、撃破してそんなことは出来ないと思わせるしかない……!

GMコメント

沈島地帯に向かいましょう。
影海の中に浮かぶ古代遺跡『ニルの砦』に『骸騎将』ダルギーズの配下が攻め寄せてきます。
防衛戦です、戦線を押し返すなんてことは絶対にさせてはなりません!
なお、準備時間もあります。そこでどのように布陣するかなど、工夫の余地はありそうです……!

●古代遺跡『ニルの砦』
浮遊する古代遺跡。どうやら要塞だったっぽいです。
広場と2階建ての建物です。ドアや窓のガラスなどはありません。
大きく穴が開いた状態なので、そこから遠距離攻撃を放つことも可能でしょう。
皆さんの初期位置です。

●友軍
・『ゼロ・クール『A-00ア号』』レクラ・エイワース
ゼロ・クールの1体。鎧騎士のような外見で長剣を持っています。
現状、『誰かの護衛を重視し、力任せに叩き切る』ような戦い方をします。
『連携』を覚えました。指定された1人の攻撃に連携しタイミングを合わせることが出来ます。

●敵軍
・『髑髏魔導士』ドガン(飛行)
髑髏の身体に立派なローブと杖の魔法使い風。言動は頭悪そうです。
強力な極太レーザーのような魔法『ハイパーレーザー』や、近距離範囲に炎を発生させる『ファイアサークル』を使用するようです。

・髑髏飛行団×20(飛行)
様々な武器を持ち、空飛ぶ髑髏鳥に乗った髑髏戦士たち。武器は槍や弓を装備しているようです。
統率はそれなり。

・髑髏戦士団×30
様々な武器を持った髑髏戦士たち。剣に斧、弓など。
統率はそれなり。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <伝承の旅路>ニルの砦防衛戦完了
  • 防衛戦、四天王の配下を迎え撃て!
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年10月25日 21時30分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
老練老獪
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
一条 夢心地(p3p008344)
殿
ヴェルグリーズ(p3p008566)
約束の瓊剣
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ

リプレイ

●防衛準備!
「……ニルの砦。ニルとおんなじ名前の砦。なんだかむずむず、変な感じがします」
 『おいしいで満たされて』ニル(p3p009185)がそう呟くが、ニルの言う通り此処は「ニルの砦」。
 ニルの名前を付けられた、『影海』に浮かぶ浮遊遺跡である。
 前回の戦いで獲った此処を守るのが今回の仕事であり、そのためにニルたちはこの場所にやってきていた。
「だいじな拠点、だから。奪われるわけには、いかないのですよ! レクラ様も、一緒に頑張りましょうね」
「はい、勿論です」
 『ゼロ・クール『A-00ア号』』レクラ・エイワースもそう頷き、各員のサポートをしている。
 そしてニルもファミリアーと一緒に砦の中を確認していく。まだ敵の予想到達時間までは少しある。
 それまでにやっておくべきことをしようというのだ。
「見晴らしや、あとあとの攻撃の導線とかも確認しておくのです」
 罠設置や陣地構築をテスタメントで手伝いできるだろうし、今日のニルは味わいおにぎりセットも持ち込んでいる。
「戦う前におにぎりのさしいれ、も! しっかりたべて、がんばるのです。攻撃に巻き込まれて壊れたりなんかしないように保護結界とオルド・クロニクルで周りはまもるのですよ!」
「そうだね。イレギュラーズの名がつけられた砦……古代遺跡も興味あるし砦を奪われるなんてこと…絶対させない!
 『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)もそう声をあげ、今の準備時間にできることをやっていく。
 まずは鳥のファミリアーと五感共有・ハイセンス・広域俯瞰を用い砦内部と周囲の状況を把握することから始めていく。
 前回攻め落とした砦であるとはいえ、そうした情報の把握は重要だ。
 そして可能であれば外部に罠を設置、味方が設置した罠等の位置を把握しておこうとも考えていた。
「迎撃用の砲台かバリスタがあればよかったんだけど……それっぽいのはこれ、かな?」
 古びたバリスタのようなものが幾つかあるが、修理するには多少の時間がいるだろうか?
 まあ、間に合うだろう。ヨゾラは早速修理に入っていく。此処に『骸騎将』ダルギーズの配下たちが来るまでにやらねばならないのだ。
「浮遊する古代遺跡……広場と2階建ての建物……混沌世界でも浮遊島アーカーシュがあるけど、こういう所で猫と一緒にのんびりできたら幸せだよね……あとは場所がなあ……っといけない、敵が来るまでに迎撃準備だ!」
 ヨゾラはそんなことを言いながらとりあえず動くようにしていく。
「また、骸骨か。いや骸骨将の軍なら当然なんだがどうにも代わり映えがしないというか……とはいえ、段々と装備も練度も良くなってるのはあんまいい傾向じゃねえな。攻守変わって防衛戦だ、準備を整えんとな」
 『蛇喰らい』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)は陣地構築、罠設置、改造で馬防柵や落とし穴を設置しつつ
空中戦対策に網を括り付けたバリスタを用意していた。
「元は要塞だった遺跡だ、古くなっていても防衛兵器の一つや二つあるもんだろ……とは思ったが。同じ考えの奴がいて助かるぜ」
 1人では時間がかかっても、2人であれば短縮できる。そこはまさにバクルドとヨゾラの頑張り次第ではある。
「こういう準備が後々響いてくる……ってな」
 そして防衛の基本に忠実にしているのは『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)だ。
「今回は助っ人としてヨウエンを呼んでるぜ。こういう防衛時の遠距離火力役として割と優秀だ。基本的には空中の敵を中心にゲロビし続けてもらうんで、射線に入らねぇように気を付けてくれな!」
「はーい! ご期待に応えられるようにどんどん撃ちますよぅ!」
 そんなヨウエンも配置につくべく走っていくが……そんなゴリョウの初手の仕事は塹壕堀りだ。
 陣地構築+農業+闘志全開の併せ技に加え、ゴリョウ補助腕・十根触手鋼を活用することで効率的かつ爆速的に砦の周囲に塹壕を掘り進めていこうというのだ。
「ちなみに正門前はわざと掘らずに『虎口』とすることで敵の進行方向を集中させるぜ。これは敵飛行部隊は地上と連携して一緒に突っ込んでくるという想定から、飛行部隊の進行方向も固定化させる狙いも兼ねてるわけだな。進む方向が予測できれば攻撃も当てやすいしな」
「うむ。此度は大規模な防衛戦か。久々に大暴れする事が出来そうだな?」
 『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)も言いながら広域俯瞰と超視力を用いて、周辺の地形を確認していく。
 戦略眼を活用し、敵の予想侵入ルート・多数の戦士団に対する上で有用な障害物の位置などを把握していくのが目標だが……恐らく真正面から来るものと思われた。
 この情報は陣地構築や罠設置を行う面子に伝達することで更なる防御策となるだろう。
「……こんなものか?」
「ああ、助かる。やはり防衛線は良い。敵の罠などを気にせず戦えるからな。まあ代わりに事前準備が物を言うから入念におもてなしの用意をする必要があるんだが」
 『狂言回し』回言 世界(p3p007315)も汰磨羈からの情報を受け取るとしっかりと準備を進めていく。
「さて、こちらがやることは主に陣地構築と罠設置、あとはそれらに改造を施すと言ったところか。エキスパートもあるぞ!」
 簡易式召喚陣で可能な限り精霊を呼んで手助けをさせることも忘れてはいない。
「俺が手掛けるからには半端じゃすまないぜ。魔王軍の悪夢として名を馳せる不落の城砦にしてみせよう」
 実際どんなものを仕掛けるのか。世界の頭にはすでに完成図が出来ている。
「まずここは浮遊してる遺跡だからな。ならば地上部隊の攻めてくる場所は予測が容易だろう。そこの守りを柵やバリケードで固めてしまおう。それだけで地上部隊の進軍の遅延は可能だ」
 ゴリョウやバクルドのものと組み合わせていけば、更に効果が高くなるだろう。
 さらに今回、罠に関しては持ち込んだ自家製の精霊爆弾を地雷に改造して設置するつもりだった。
「これをバリケード等の手前に設置しておけば被害を与えると同時に罠警戒による進軍速度の低下も見込める。あとは敵を誘い込むためにあえてバリケードなどに隙を作り、そこに爆弾を仕掛けるというのもありだ」
「うむ、準備も順調じゃの。この調子でニルの砦を守るのじゃ」
 『殿』一条 夢心地(p3p008344)もリトルワイバーンを駆り、空中での偵察から始めていた。
 超視力を活かし、ホネホネ軍団(夢心地命名)がどの辺りまで迫っているかを確認するのだ。
 接敵までの距離、大凡の時間を手旗によって、陣地構築中の味方に伝えるつもりだ。
「そろそろ来る……かな?」
「そのようじゃの」
 『約束の瓊剣』ヴェルグリーズ(p3p008566)はウォーワイバーンに乗り、夢心地と共に敵の部隊の接近を警戒していた。
「砦を奪われたら即時奪還か、妥当な動きだね。とはいえ易々と取り戻されるわけにはいかない、さぁ蹴散らしていこうか」
 そう、これから始まる戦いは防衛戦。すでに十分な準備は出来ている……!

●防衛戦開始
「わはははは! 見つけたぞ、それ貴様等攻め落とせ!」
「カカカカカッ!」
 『髑髏魔導士』ドガンと髑髏飛行団、そして髑髏戦士団が馬鹿正直に真正面からやってくる。
 幸いにも髑髏戦士団は地上の罠に足止めされているが、飛行するドガンと飛行団には関係がない。
 ないが……それは簡単に通すという意味では、勿論ない。
「さあ、いざバトル開始じゃな。麿はまずドガンおよび飛行ホネホネ軍団を相手取ろう」
 一番最初に飛び出たのは夢心地だ。
「きゃつがハイパーレーザーを放つのであれば、こちらは夢心地ビームで対抗。己の名が入っておらぬ汎用魔法なぞ、その威力も知れたものよ。部下のホネホネ軍団ごと薙ぎ払ってくれるわ。なーーっはっはっは! ババンババンバン撃ちまくり、敵の数を減らすことから始めようかの」
 まるで良い湯にでも入っているかのようなリズムで夢心地は夢心地ビームを放っていく。
「麿を討ちたいのであれば、最低でもダルギーズ本人を連れて来ぬか。ホネホネのスカスカ頭では、その程度すら理解できぬか」
 煽る夢心地の狙いは、その言葉が嘘ではないことを示すだけの剣術を見せるだけの距離への突撃だ。いつでもその準備は出来ている。
「えーい!」
 ニルもウォーワイバーンに乗り特に地上からだと狙いにくいものを狙ってケイオスタイドを放つ。
「数を確実に減らさなきゃ……!」
 地上班が対応できるように敵を狙いやすいところに叩きおとしたり砲撃するひとたちの攻撃しやすいところに敵を誘導することを常に念頭に置いているニルは、レクラのことも心配していた。だからこそ、空中がおちついたら地上に降りて地上部隊に加勢するつもりでもあったし、場合によってはすぐに空中にも戻る……そんな臨機応変な対応が出来るようにしていた。
「レクラ様もがんばっているのです。ニルもがんばります。ぜったいぜったい、まもるのですよ!」
「ああ、そのためにも……戦場の空を駆けるとしようか」
 流星光底を自身に使ったヴェルグリーズもまた、戦場の空を駆けている。
 放つのはジャミル・タクティール。敵の多いところに打ち込んで効率的に数を減らしていくことに注力するつもりなのだ。
(トドメを刺しきれなくても地上へ叩き落していくだけでも意味はあるだろうからね)
 状況に応じた戦闘法はヴェルグリーズの中にある。そして地上班も……こちらも何の問題もない。
「事前準備の結果は上々……ってところか」
 ハイネス・ハーモニクスを発動させながら、世界はそう呟く。
「ぶはははッ! さぁ来な肉無しども! 骨だけじゃ豚は崩せねぇってのを教えてやらぁ!」
 ゴリョウは髑髏戦士団が範囲内に入ったところで招惹誘導を発動させていた。
 ただでさえ侵攻ルートを制限した状態なのだ。食い破られれば話は別だが、集まるほどにボトルネックとなって攻撃でない奴も出てくるだろうとゴリョウは考えていたし、実際その通りになっている。
「喝ァッ!」
 ある程度集まったところで前面の集団に向けゴリョウが放つのはオークライだ。
「こいつぁ精神に作用し錯乱(【魅了】)させる。自分の横に飛んできた味方が突然殴りかかってきてなお俺を攻撃し続けることができるかな!」
「素晴らしい仕事です」
 と、そこにレクラにも連携して一撃を加えていく。
 そう、ゴリョウはレクラにオークライに合わせてゴリョウの側面から攻撃しようとする敵に対して攻撃してもらうよう依頼していたのだ。
「オークライは前面には強いが真横には弱いからなぁ。その調子で連携的に隙を埋めてくれると助かるぜレクラ!」
「お任せください」
「互いの得手を繋げ合い、相乗効果を生む事で戦況を覆す。集団戦の醍醐味だな」
 同じく前衛の汰磨羈も殲光砲魔神を叩き込んでいた。
「徹底的に、且つ効率的に潰していくぞ」
 そう、そのための仕掛けはすでに出来ているし、どれも順調に稼働中だ。
「折角こしらえた歓迎ギミックだ。有難く喰らっていくんだな!」
 そんな汰磨羈たちに感謝しながらも、バクルドはドガンめがけてラフィング・ピリオドを放っていく。
「数が多い分目ぇ瞑ってても当たりそうなもんだ、まあ骨と違って節穴になる気はねえがな」
 地上も空中も、こちらが有利だ。仕掛けも順調に作動し、負ける要因は今のところ何もない。
「50体程度で俺達をどうにかできると思うなんざ100年早ぇよ、いや遅いのか? まぁ良いどうせ全員骨粉なんだしな」
 そう、攻撃は順調だ。
「ドガンって感じで貴様をぶちのめすのは僕等の方だよ!」
 ヴェルグリーズたちが地上に叩き落としたドガンをヨゾラの星の破撃が砕く頃には、他の髑髏たちも全員破壊し終わったところで。
「レクラさんも大丈夫? 今回の戦いが良い経験になるといいなぁ」
「はい、大丈夫です」
 頷くレクラに、ヨゾラはまた少し壊れてしまった砦を見上げながら聞く。
「ところでさ……この後、砦の修復とかってできるかな? 帰ったらサンゴさんにも聞いてみたい所だね」
 元々遺跡ではあるが、折角手に入れた場所だ。活用しないのはあまりにももったいない。
 また同様のことがあっても役に立つだろうが、そこでバクルドは首をかしげてしまう。
「しかしこうも敵が多いがどうやって軍勢を補充してんだろうな?」
「さて、な。この先に侵攻すればそれも分かるのだろうが」
 世界もそう答えるが、実際にそれがつまびらかになるときは近いのかもしれない。
「この攻防戦も勇者が辿り着けば終わるんだろうか? あまり長期戦にはしたくないところだね。いつか四天王との直接対決も視野に入れつつ時を待つしかないかな」
「何にせよ、油断はせぬ。何故ならば麿こそが殿勇者、一条夢心地。この時代の魔王を倒す者じゃからの。なーーーっはっはっは!」
 ヴェルグリーズに夢心地がそう笑いながら宣言する。そう、そんな心意気であればきっと出来るだろう。
 かつて偉業を為した人々は、誰もがそうしてきたのだから。

成否

成功

MVP

一条 夢心地(p3p008344)
殿

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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