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シナリオ詳細

<クロトの災禍>災禍は来たれり。抗うときは今

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ヴァンジャンス岩山にて
 ヘスペリデス。
 冠位魔種ベルゼー・グラトニオスが造り上げた最果ての地。竜種と人間の共存を目指した黄昏の領域だ。
 その花園は少しずつの復旧を見せており、ベルゼーの墓がある場所でもある。
 そして……そのヘスペリデスの北部、ヴァンジャンス岩山。
 ヴァンジャンス岩山は岩肌を曝け出した険しい山々が続き、ラサの砂漠地帯よりも荒廃している場所だ。
 そこに今、何かが訪れていた。
 終焉獣(ラグナヴァイス)。滅びのアークそのもので作られた獣達だ。
 真っ黒な獅子の如き姿をしているそれらは、まっすぐにヘスペリデスに向けて進撃している。
 いるが……そこに何かが、いる。
 竜種? いや、違う。竜種と呼ぶには、あまりにも禍々しい。全身真っ黒のそれが元はワームだったと聞いて信じるものはどれだけいるだろうか?
 そう、これこそは滅気竜。
 覇竜領域の亜竜が滅びのアークに触れて変化した存在だ。
 だが、これは……強い。間違いなく強い。恐らくは竜種には及ばずとも亜竜の域を遥かに超える力を持っているだろう。
 そんなものが、終焉獣たちに同行している。なんということか。なんという戦力か。
 こんなものが攻めてくるとなれば、普通は破滅を思う。しかし、それでも……屈するわけには、いかないのだ。

●終焉獣を食い止めろ
「すでに話は聞いていると思うです」
【旅するグルメ辞典】チーサ・ナコック (p3n000201)は集まった面々を前にそう声をあげた。
 冠位魔種のバランス変化により終焉(ラスト・ラスト)と呼ばれる『影の領域』の動きが活発になったと終焉の監視者『クォ・ヴァディス』より連絡があった。
 それらは隣接するラサ、深緑、覇竜へとその姿を見せ始めたのだそうだ。
 そしてそのうちの一部が今、覇竜のヘスペリデスへ向けて進撃してきているのだ。
 その内訳は終焉獣たちと、それに同行する竜種モドキが1体。
 滅気竜とでも呼ぶべきそれは明らかに滅びのアークの影響を受けている。
 その実力は……その姿に見合うだけの凄まじいものがあるだろう。
「なんと……そんなものが向かっているとは。恐るべき事態でございますねぇ」
 『未来を託す』ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)の言葉にチーサも頷く。
 そう、恐るべき事態なのだ。本来であれば死をも覚悟しなければいけないかもしれない。
 しかし、しかしだ。今回に限っては、希望の芽もある。それは、ヴィルメイズにも関係することだった。
 『轟雷竜』オズバーン。そう呼ばれる竜種が、現場からそう離れていない場所にいるようなのだ。
「交戦のタイミングを測っているのかもしれません。皆さんが向かっていると分かれば、助力してくれる可能性もあります」
 可能性、とは言ったが……その可能性は著しく高いだろう。
 オズバーンは今まさに戦いに入るまでのコンディションを整えるかの如くゆらめく殺気を漂わせている。
 あとは、きっかけだけ。そう、ここに集まった者たちがオズバーン参戦のきっかけとなるだろう。
「……とはいえ、相手は竜種です。敵が増えないように気を付けるですよ」

GMコメント

ヘスペリデスの北部、ヴァンジャンス岩山に向かいましょう。
現場は何も生えていない岩山の中腹付近の開けた場所であり、そこで迎え撃つことになります。
オズバーンは皆さんの戦闘開始前のタイミングで飛来するでしょう。
滅気竜を相手に怪獣大決戦をやらかすので、皆さんは終焉獣の相手を中心にできそうです。
勿論オズバーンの援護をしてもいいですが、オズバーンは大雑把なので皆さんを気にしてはくれません。

●友軍
・『轟雷竜』オズバーン
最強生物である竜種にして将星種『レグルス』。
竜の中でも天帝種同様に強大な存在達である。
それなりの年齢であると思われ、同じ将星種『レグルス』の中でも比較的強い力を持っていると思われる。
此処で注意すべきは「同じ将星種『レグルス』の中でも」ということであって、人間など歯牙にもかけないほどの強さを持っているということである。
将星種『レグルス』には『人間(亜竜種に似た)』の姿を取る個体も時折存在するが、オズバーンの場合は威厳のある男の姿をとるという。
しかしながら多くの竜種の例に漏れず、オズバーンもまた人間のような下等生物のことなど一切気にせず記憶すらもしない。
今回の攻撃方法は天空から無慈悲な稲妻を落とす天雷と、自分の周囲に荒れ狂う電撃を放つ嵐雷。そして眼前の敵に強大な電撃弾を食わらせる轟雷の3つ。

●敵軍
・ラグナレオ×50
終焉獣(ラグナヴァイス)。
滅びのアークそのもので作られた獣達であり、漆黒の獅子の形をしています。
攻撃方法は噛みつきと爪、そして口から放つ黒いエネルギー波です。

・滅気竜×1
覇竜領域の亜竜(ワイバーンやワーム)が滅びのアークに触れて変化した存在。
凄まじい脅威であり、黒い竜種の形をとっている。
攻撃方法は黒いドラゴンブレスと強力な爪と牙。どれもとんでもない威力を持っている。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <クロトの災禍>災禍は来たれり。抗うときは今完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2023年10月01日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ウェール=ナイトボート(p3p000561)
永炎勇狼
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
赤羽 旭日(p3p008879)
朝日が昇る
ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)
指切りげんまん
フーガ・リリオ(p3p010595)
青薔薇救護隊
佐倉・望乃(p3p010720)
貴方を護る紅薔薇

リプレイ

●災禍へ挑め
「凄まじいな……」
 先行して飛行していた『朝日が昇る』赤羽 旭日(p3p008879)は、偵察によって得た情報を元に仲間たちの下へ戻っていた。
 戦闘するだけじゃ俺は片手落ちだ。そんなわけで航空兵の作法にのっとり偵察としゃれ込もう。
 そう言って向かっていた旭日が見たものは、漆黒の軍勢……滅気竜と終焉獣たちの群れだった。
 事前準備として終焉獣についてのデータをROOをはじめとしたところから収集し、そこから比較するようにしながら能力、戦術レベルなどを図っていったところ……無数の戦いを経て成長した旭日たちでも油断が出来ない戦力であることは明らかだった。
 ついでに滅気竜とオズバーンに関してはローレットに残ってるデータから竜種について調べて、かなり幅広い範囲で調べたが……滅気竜はともかく、やはりオズバーンは洒落にならない強さを持っていそうだ。
(……これで、これから――いや。今、役に立つ情報が得られたはずだ。それで足りるかは分からないけど)
 そうして旭日が戻り情報を共有し終わると、全員がそれぞれの反応を見せていく。
「やれやれ、次から次へと妙な敵が……ベルゼー様がゆっくり眠れないではありませんか」
「亜竜の域を遥かに超える滅気竜……一人ならさっさと逃げるんだが此処で殲滅しないとヘスペリデスが、ベルゼーの墓が蹂躙される」
 『未来を託す』ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)と『永炎勇狼』ウェール=ナイトボート(p3p000561)の言葉は事実だろう。ヘスペリデスへ向かい進軍する滅気竜と終焉獣(ラグナヴァイス)たち。奴等がヘスペリデスまで辿り着いたときにそうならないと、誰が言えるだろうか?
「ベルゼーとはまともに顔を合わせた事は無いが……お墓は生者がもう此処にいない人と向き合える場所だ。傷跡は場所にも心にもまだ残っているだろうけど、いずれは生前の人徳から笑顔が絶えない場所になる。そんな場所が、覇竜に住む者たちの心が荒らされるのを逃げて傍観するぐらいなら死ぬ気で食い止める方が何倍もマシだ!」
 ファミリアーで鴉を2羽召喚して上空へ向かわせたウェールは一羽は自分の後方の状況把握、もう一羽は戦場全体の状況把握、味方の範囲攻撃の影響範囲把握として運用するつもりだ。
 そう、何故なら『轟雷竜』オズバーンの姿が先程から近づいてきている。
「群れの方は任せろ!」
 咆哮で伝えるウェールだが、聞いているのかどうか?
(オズバーン、元気そうで良かった)
 しかし、『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)は素直にそう思う。
(……まぁ、本人に言うと怒りそうだから言わないけど。他の竜種達も元気してると良いな)
「その為にも……彼等に害成しうる敵達を倒さないとね」
 実際、然程ヨゾラはオズバーンのこと自体はそんなに心配していなかった。
(オズバーンは強いし滅気竜に勝てると思う。彼に万一の事がない限り手出しはしないけれど……)
 それでも、オズバーンか滅気竜に何らかの異変がある場合は皆に知らせるつもりでもあった。
「ここまで派手な戦場は久しぶりだな? いやはや、此度は存分に暴れられそうだ……!」
 『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)たちがいるのはヴァンジャンス岩山の中腹だが、此方に向かってくる威容だけはよく分かる。実際にぶつかるまではあと少しといったところだろうか?
 高まる緊張感は、『紅風』天之空・ミーナ(p3p005003)にも充分に伝わっている。
「相手の情報は少なく、更にこちらは8人に対し50体ときた。普通なら自殺願望でもなきゃあ来たくない場所だわね。……普通なら、さ」
「物騒な展開になってきたもんだ……たとえそれが訪れるべき結末だったとしても、抗うだけ抗うのがきっと俺らのやり方のはずだ」
「そういうことだね」
「さ、できることからコツコツと行こう」
 ミーナと旭日は頷きあい、近づいてくる敵の群れを見据える。
 確かに敵は多い。しかし……それでも引くわけにはいかない。
 『貴方を護る紅薔薇』佐倉・望乃(p3p010720)と『君を護る黄金百合』フーガ・リリオ(p3p010595)も、まさに「その理由」を持つ2人だった。
「死をも覚悟しなければいけないかもしれない、恐るべき事態……それでも。覇竜の地で生まれ育った竜の仔として、この地に眠る人を想う者として、退くわけにはいかないのです」
「望乃の故郷でもあるし、里おじ様……ベルゼー卿の眠る場所でもあるし、おいらの心の故郷でもある……だから、おいらも護る! 呆気なく滅ぼされないように」
 フーガとしては勿論、オズバーンも気がかりではある。
(人間を下等種呼びすれど一時でも共闘してくれる存在が死んじまったら、悲しい。けど、下手な援護はオズバーン殿の威厳にも関わるのは、確か。……その前に望乃や仲間達が終焉獣に押しつぶされてしまったら、面目が立たねえしな)
「おい」
 そんなフーガたちに、オズバーンの声が降ってくる。
「邪魔はするな。あとは貴様等が何をしようと干渉はせん」
「はい、閣下」
 旭日が軍人として武人への敬意をもって、丁寧に応えて。
 味方ではないが、敵でもない。相変わらずのスタンスにヴィルメイズがクスッと微笑む。
 敵の姿が完全に広場に現れたその瞬間。オズバーンが滅気竜へと襲い掛かっていく。
 さあ、戦いのときだ……!

●戦え、守るために
「いくぞ、皆!」
 ウェールの連鎖行動が仲間たちを導き、憤怒伝染を発動させる。
 タンクとしてラグナレオ……黒い獅子の終焉獣を可能な限り引き付けようというのだ。
「さあ。かかってこい! 俺は此処に居るぞおおおお!」
 全力の殺意を乗せた咆哮で最大限注意を引くウェールだが、何を言っているか理解しているかどうかはさておいても……ウェールがそこで目立っていることだけは分かる。
 言葉が通じない獣も音や敵意は通じるだろ、と。事前にウェールが言っていた通りになったというわけだ。
 必要なときのための切り札「エルメリアの妄執」も持ってきている。
 鴉の視界も使って
周囲からの攻撃を武器や盾で受け流し、できるだけ直撃を避けて耐えようとする今日のウェールは完璧にその役目を果たせるという自負がある。
 そして旭日は遠距離からの敵を多く巻き込めるように“ゴースト・トリック”を放ち、そこからのラフィング・ピリオドを発動させていく。
 味方の攻撃優先順位に従いつつ、機動力と必要があれば飛行で射線を確保すること。
 遠程度の距離を保ち主行動で敵を多く巻き込めるように。副行動で火力が集中するであろう敵に。
 この二つを基本として回避ペナルティを蓄積して味方を意識して動く旭日は、しっかりとした連携を意識している。
 味方からのハイテレパスによる指示を聞き逃さないように、味方の指示やピンチがあればそちらを優先する。
 そう、言ってみれば遊撃ともいえるが……旭日にできる最大限の貢献だ。
 それだけではない。連携の起点となるウェールを援護するようにフーガも動いている。
 フーガはまず、ウェール殿に光輝を付与する事を優先に幻想福音を発動させる。
(ウェール殿のHPを少しでも長く保ちつつ、戦線維持に努める……これがおいらの最適解だ……!)
 望乃も英雄叙事詩を歌い上げることでウェールのサポートをしていく。
 フーガがウェールを優先するならば、望乃のやるべきことは他の仲間の優先。
 直感、オラクル、そしてエレメント・マスターによる精霊の補助等を活用して、周囲の状況や味方の行動を確認し連携を取り合い、過不足無く全体をカバーできるよう努めようというのだ。
(勿論、オズバーン殿も気がかりではある。人間を下等種呼びすれど一時でも共闘してくれる存在が死んじまったら、悲しい。けど、下手な援護はオズバーン殿の威厳にも関わるのは、確か。……その前に望乃や仲間達が終焉獣に押しつぶされてしまったら、面目が立たねえしな)
 そんなフーガの心を知るかのように、望乃はフーガへと呼びかける。
「フーガ、頑張って支えましょう……!」
「ああ、望乃!」
 そんな2人を見て、ヴィルメイズとヨゾラもフッと微笑む。
「おやおや、私たちも負けていられませんねぇヨゾラ様」
「うん、そうだね……やろう、ヴィルメイズさん!」
 ヴィルメイズとヨゾラの役目は皆の盾となるウェールの負担を減らすべく手分けして敵を妨害していくことだ。
「まずは……そこです!」
 初手はウェール様に近いラグナレオの群に対して放つヴィルメイズのケイオスタイド。
「呑み込め、泥よ……漆黒の獅子を全部飲み干せ!」」
 そしてヨゾラの星空の泥が放たれていく。そんなヨゾラたちの視線の向こうでは、オズバーンが大暴れの一言に尽きる戦いを繰り広げている。
「ハハハハハハハハハ! どうしたどうした! そんな程度か!」
「ギアアアアアアア!?」
 オズバーンの自分の周囲に荒れ狂う電撃を放つ嵐雷が滅気竜どころか、たまたま範囲内にいたラグナレオをも攻撃し砕く。
 そういうつもりがあるかないかはさておき、頼りになる威力だ。勿論、あの範囲内に行ったら区別なく攻撃を受けることになるのだろうが……。
「本当にお構いなしでぶっ放すものだな。意図的に狙われないだけマシではあるが……!」
 汰磨羈もその威力を目の当たりにしながら、そう叫ぶ。
「しかしなるほど、まさに怪獣決戦だな……! とはいえ折角だ。利用させて貰わねば損だろう?」
 チャンスがあればあそこに巻き込もうなどと考えながら汰磨羈は殲光砲魔神を発射していく。
 文字通りの怪物じみたオズバーンほどでなくとも、充分な威力を秘めた一撃だ。
 グラビティ・ゲートによる『飛』効果で、敵を味方の火力圏内(キルゾーン)に叩き込み、集中砲火し易くするのも忘れてはいないが……汰磨羈は『ラグナレオを纏めて葬る状況を作る』事に専念していた。
 ラグナレオの数は多い。1対1などということは言わず、少しでも多くのラグナレオを攻撃できる状況を作ることが大切だからだ。
「確かに凄まじい威力だ……とはいえ私達も伊達や酔狂で戦ってる訳じゃないんだ。上手くこの状況を利用していかないとな……!」
 ミーナもそう言いながらジャミル・タクティールを叩き込んでいく。
 モンスター知識、戦略眼、エネミースキャンをエキスパートで強化したミーナは攻撃対象の強さ、特徴、攻撃時の反応などを観察し、統率をもって仲間皆と共有してもいた。
 少しでも情報が多いほうが強い。それはどんな状況でも同じなはずであり、なるべくオズバーンの周囲には近寄らないようにしつつも、うまくオズバーンと挟撃できるような立ち位置を狙っているのもその一環だ。
「滅気竜はきっとオズバーン様が倒して下さるでしょう。こんなよく分からない謎の竜もどきに、真の竜たるオズバーン様が負けるはずないですもんねぇ〜? 私は信じておりますよ!」
 ヴィルメイズが戦いの最中にそんなエールをオズバーンへと飛ばすが……実際、オズバーンと滅気竜の戦いはオズバーン優位で進み、ほぼ怪我もないままに滅気竜は倒されていく。
「……流石竜種だな。偽物が敵うはずもない、か」
 ほぼ同じタイミングでラグナレオも全滅し、ウェールがようやくといった風に息を吐く。厳しい戦いではあったが、なんとか倒したのだ。
「やっぱりオズバーンは滅びのアークなんかには負けなかったね」
 ヨゾラもそう頷き、旭日が挨拶をしようとして「要らん。覚える気はない」と断られていた。その辺は流石に竜種である。
「おかげで脅威も……退けられました」
「虫ケラ扱いしながらも、なんだかんだでお力添えして下さる……さてはオズバーン様は私のことが好きなのでは? 私は美しいので、竜の心さえ奪ってしまうのですね……ああ、罪深い……」
 望乃が言う横でヴィルメイズが戯言を言っているが、通常運行である。
「そういえば以前、ヘスペリデスで出会った女性……彼女は今どうしているのでしょうかねぇ。私に少し似た雰囲気で、そして死の香りのする人。オズバーン様、何かご存じだったりします?」
「知らん。ウザいな貴様」
「あっ虫如きとは会話したくない? あ〜そうですかぁ〜そんな意地悪なこと仰るんですねこの私に〜? 虫は虫でも私は蝶でございますのでね! あ、確か「閻家について調べろ」と言っていたような……。フリアノンでは聞いた覚えのない名でございますが」
「蝶も虫だろうが」
「美しさが違いますぅー! ほら私、こんなに美しい」
 踊るヴィルメイズに溜息をつきながら、オズバーンはバサリと舞い上がる。
「ヘスペリデスに居たというのであれば、まだ居るかもしれんな。どの道興味はないが……此度の貴様らの働きだけは覚えておこう」
 そう言い残して、オズバーンは飛び去って行く。そんなオズバーンに旭日が敬礼し、全員でその姿を見送っていく。
 危機はひとまず脱した。しかし……此処から先、何が起こるのか。それは、誰にも予測できない未来であった。
 それでも、守ったこの平和だけは確かなもので。その実感を、全員が感じていたのだった。

 




成否

成功

MVP

ウェール=ナイトボート(p3p000561)
永炎勇狼

状態異常

ウェール=ナイトボート(p3p000561)[重傷]
永炎勇狼
赤羽 旭日(p3p008879)[重傷]
朝日が昇る
フーガ・リリオ(p3p010595)[重傷]
青薔薇救護隊

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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