PandoraPartyProject

シナリオ詳細

お酒を好きに飲むために戦う話

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●おいしいハイボール
 ハイボールを知っているだろうか。
 お酒のことである。ちなみにお酒は20歳になってからである。ヨシ!
 さて、そんなハイボールだが簡単なカクテルのようなものでもある。
 具体的には氷をたっぷりと入れて冷やしたグラスにウイスキーと炭酸水を1対4を基本に入れて混ぜるものだ。
 勿論細かい分量や混ぜ方など各自の秘伝はあるが、おおよそこんな感じにして飲む飲み物である。
 ちなみに何故ハイボールと呼ぶようになったかは諸説あるが、練達の住人がそう呼んだから、だとか鉄帝の住人が丈の高いグラスをハイボール、そして丈の低いグラスをローボールと呼んだことに由来しているとか。まあ、色々な説がある。
 さて、そんなハイボールであるが「そんな気軽に1対4とか言われても忙しいときには測ってられないよ」とか……そういう事情もある。
 なにしろ、鉄帝には酒を水か何かのように飲む連中ばっかりいるのだ。目分量で測るのもいいが味がばらけては統一した味を提供する店としてはいけない……という意見も多かったのだ。
 そこで生まれたのが、練達のハイボール用プッシュ定量ディスペンサー……つまり一押しするだけでハイボールに最適な量のウイスキーを出してくれる道具……のゴーレム化だった。
 これさえいればもうハイボールの注文も怖くない!
 まあ、余計なことしてゴーレムにしなきゃ色々大丈夫だったはずなのにと思いつつもゴーレムは暴走したのである。

●暴走ゴーレムの話
「鉄帝の酒場に現れるゴーレムを倒してほしいそうです」
 【旅するグルメ辞典】チーサ・ナコック (p3n000201)は集まった面々にそう切り出した。
 鉄帝には酒好きが多い。もう、ビックリするくらいに酒好きが多い。
 どのくらい多いかというと、飲み過ぎて自分が何を飲んでるかもよく分かってないくらい飲む連中ばっかりだ。
 さて、そんな鉄帝の酒場に最近、暴走したハイボール用プッシュ定量ディスペンサーゴーレムが現れるのだという。
 なんか酒を目茶目茶飲んで凄いことになっている現場に現れると、その場の酒を確保しちゃんとした飲み方をさせるのだという。
 いいこと……にも思えるが、さにあらず。鉄帝で他者に酒の飲み方を強要されたい奴など1人もいない。
 好きなように飲みたいし、好きなように楽しみたいのだ。
 そもそも相手は暴走ゴーレムだし、放っておくのもよくない。
 だからこそ今回の依頼になったわけだが……具体的にどうすればいいのかという話がある。
「えー……今回は依頼主の御厚意で、酒場を1つ貸し切りになってるです。店員は居ないので、好きに飲めるです」
 そう、ハイボール用プッシュ定量ディスペンサーゴーレムは酒で滅茶苦茶なことになっている現場に現れる。
 だからこそ、滅茶苦茶飲んで凄いことにして、その現場に来たハイボール用プッシュ定量ディスペンサーゴーレムを倒せばいい。それが終わったらまた飲めばいい。そういうことである。
「まあ、お酒が好きな人には簡単な依頼だと思うです」
「なるほど、それで私たちは呼ばれた……そういうことですね」
「簡単な話です。提案書を作成するまでもありません」
「ちなみに今日はどっちが本物?」
 『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)と寛治Bに挟まれた『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)が聞くと、寛治Aのほうが眼鏡をキラリと光らせ寛治Bがフッと微笑む。結局どっちが本物か分からない。さておいて。
「まあ、そんな感じでお願いするです」
 よろしくですよ、とチーサは頭を下げるのだった。

GMコメント

酒場が1日フルで貸し切りです。
好きに飲んで好きなことしてください。
そのついでにゴーレム倒してまた飲む話です。
なお、収集つけずに好き放題やりたい人のために店にはなぜか自爆ボタンもあります。
はい、では皆さんの好き放題の全力ってやつを天野にぶつけてくださいませ!

●ハイボール用プッシュ定量ディスペンサーゴーレム×1
なんか気がついたら倒されてそうなゴーレム。
樽にハイボール用プッシュ定量ディスペンサーと手足がついたような形をしているらしいです。
攻撃方法はビンタ。いたい!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はA(アルコール)です。
 お酒は20歳になってから楽しみましょう。

  • お酒を好きに飲むために戦う話完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年09月30日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
志屍 志(p3p000416)
天下無双のくノ一
バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
終わらない途
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者

リプレイ

●おさけのもう(前編)
「終わりだ―――」
「こんなんで肝臓が終わってちゃ、酒クズが廃るぞ新田ぁ!」
 『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)が集まったメンバーを見てそう慟哭する。
 野次を飛ばしている『蛇喰らい』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)含め、いずれ劣らぬ(寛治含む)猛者ばかり。揃いも揃った酒の英雄ばかりである。
 ところで今日集まったメンバーは特殊な訓練を受けているので真似してはいけません。ヨシ!
「どこに出しても恥ずかしくない酒クズパーティのパーティですね。頼もしすぎて肝臓が痛くなってきました。まあ男連中は(相対的には)良識派ですし、女性陣も見目は華やかですからね。いやキツイなんて言ってなガボボボボ」
「うるせえ飲みなさい!」
「ガボボボボ」
 寛治に酒を飲ましている『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)だが、ふと酒場の外に見えたシルエットにビクンと震える。そう、それはまぎれもなく『願いの星』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)である。
「悪いわねヴァレーリヤちゃん、この酒場7人までなのよ――ええい誰か! 誰か扉を! バリケードを!」
「扉の前にテーブルを積み上げろ! それで簡易のバリケードになるはず! なんでもいい! 扉の前に――あっ」
「遊園地のアトラクションではないのだから、人数制限なんてあるはずが無いでしょう!? 開けなさい、中に入れなさい! ここにお酒があるって、もう調べはついていますのよ!!」
 『薄明を見る者』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)もドアを塞ごうとするが、ヴァレーリヤが練達のホラーの如き突き破りを見せたことで抵抗は無意味になる。おかしい、これから飲むところのはずだ。
「もうだめよ、この瞬間この酒場は終わった。誰か保護結界を――あ、持ってない、そう……」
「起きてしまったことは仕方あるまい。切り替えていこう。現実から逃げているわけではないぞ。酒に逃げているわけでもない。うるせ~! 酒を持ってこい! ウィスキーをロックでだ!」
「酔っ払いがバリケード程度で止まるものですか……まあ、ほどほどに呑ませて差し上げれば大人しくなるかもしれません。一縷の望みを託しましょう」
 バリケードで止まらない酔っ払いとは何なのか。鉄帝か。なら仕方ないね。大丈夫、神の愛は満ちているよ。
 ともかく『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)は諦観しているが、フラッシュがロイヤルストレートフラッシュになったくらいの違いなので誤差である。
「乾杯かんぱ〜い! 見渡す限りのお酒と食材、いい夜になりそうですわねっ!」
「そうね、飲むわ!! そう!! なぜならそこにお酒があって、飲むのが仕事だカンパーーーーイ!! だってなんかお酒をたっぷり飲んで凄いことになっている現場じゃないと暴走ゴーレムは現れなくて、そのゴーレムを倒すのがお仕事だからぁ、あーりあ頑張って飲まなきゃいけなくてぇ……でもそんな凄いことになるまで飲めるか不安」
「うわキツ」
「新田さん!? 何か言った!?」
 そんなわけでヴァレーリヤとアーリアの乾杯が始まれば、宴の始まりである。始まってたけど。
「いや、これはまたえらいところに来てしまったな。
そもそも何故今回の対象みたいなゴーレムが作成されたんだ? ……いやまあ鉄帝の飲み方を考えると理由はおのずと分かるが……俺らも人の事は言えない気もするがよ」
「だな」
 『侠骨の拳』亘理 義弘(p3p000398)にバクルドも訳知り顔に頷くが、バクルドも人のことを言えない1人である。
「よし、では全員にグラスも行き渡ったでありますし……ここでもう1度かんぱーい!」
 『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)のそんな乾杯の合図が響き……この飲み会は本番へと突入する。そう、まだ前哨戦だったのだ……!
「なんだか釈然としないでありますね。自分たちはただ貞淑にお酒を嗜んでいるだけでありますのに、それを「ひどい」だのなんだのと……今日こそは見せてやるでありますよ。ホンモノの淑女ってやつをなあ……」
 本物の淑女(酒)。たぶんそんな感じだ。醜態をさらす淑女と書くとえっちな雰囲気もあるが、そんなものは一切ないのでご容赦ください。たぶん休日の飲み屋街の雰囲気である。

●おさけのもう(後編)
「ハイボールってよぉ、炭酸水の分だけアルコール度が減るんだよなぁ。もったいねぇよなぁ……炭酸水の代わりにハイボールで割ればいいのでは?」
「原液で飲めばいいんじゃねえか? まあ、ウイスキーってことだけどよ」
「いや、あくまでこいつはハイボールだ。そうだろ?」
「ああ、そうだな」
 バクルドと義弘がハイボール(原液)で乾杯する。この瞬間、この場にはウイスキーという言葉が消えた。今からお前はハイボール(原液)である。
「今日は寛治の誕生日なんだってな!めでてぇことにゃ酒あるのみ! シャンパンファイトならぬハイボール(ウィスキー原液)ファイトだ! ガッハッハ! 呑めや呑めや!」
「新田さんは今日誕生日だったのか、こりゃあめでたい。まあまあつまみをどうぞ」
「ぼががががが」
 バクルドが酒を、義弘がいい感じのサラダとか揚げ物を寛治の口に放り込んでいく。
「大丈夫だ、口から胃に入ればみんな同じだって、おやじの仲間の親分が言ってたぜ。まあその親分、飯がマズイって言っちまった嫁さんに背中からぶっ刺されて胃が壊されたんだけどな。いやあ、料理の恨みってのは怖いねえ」
 なんてことだ。今日は止める人間が1人もいないのかもしれない……!
「カッーーーー! しっかしあれだこのハイボールは炭酸が入ってないがウンメェなぁ! まるでウィスキーを飲んでる気分だ、全てウィスキーにプッシュした甲斐があるってもんだ。適量? 適量だぁ? 適量ってのはよぉ、人それぞれ持ち合わせてるもんなんよ。人の歩幅が皆違うようにな。ただ、俺等の場合は全部ウィスキーが適量だったってだけなんだがな! ガハハハハハハハハ!」
 いいことを言おうとしても即座に酒名言になってしまう。今日はもう駄目だ。最初から寛治が予言していた気もする。
「酔っぱらうと眠くなる性質でなあ、たぶん完全に酔うと爆発でもしない限り起きなくなってしまうんだよな。突っ伏していびきでもかいているかもしれねえが許せよ」
「フラグを立てた奴がいるわ!」
 義弘がフラグをたてたことに気付きアーリアがスルメでビンタしに行くが、そうして義弘がスルメで往復ビンタされている間に寛治が珍しくツッコミ側に回っていた。
「ところでプッシュディスペンサーの適量ってワンプッシュなのご存知ですか? 皆さん3プッシュ以上が標準みたいな顔で使ってますけど。あとストレートで飲むならプッシュの必要も無いんですけど。そしてグラスを使ったほうがいいと思うんですけど。ゴーレムさんも大変ですね。こんな会に派遣されて。今日は座ってるだけでいいですよ。我々勝手にプッシュして飲みますから」
 なんかいつの間にか現れたゴーレムに寛治が絡んでいるが、ツッコミ枠というのは幻だったことをお詫びします。
「しかし誕生日ですか? いやあ、もう祝われるような歳でも無いのですが……って、なんで羽交い締めにされてるんですか? 酒とケーキを生コンクリートを飲ますようなノリで流し込むのはいかがなものかとガボボボボ」
「ハッピバースデェトゥユ~~」
 エッダとアーリアが寛治に凄い勢いで酒を流し込んでいるが、今日は寛治を倒しに来たのかもしれない。
「ガボボボボ。お祝いはありがたいですが気持ちだけで結構。え、この酒の量が気持ちの大きさ? それを言われると弱いですね……では、お気持ち受け取らせていただきます!」
「その意気や良しね! 温泉もウィスキーも源泉かけ流しが一番よぉ~」
「え、まだお気持ちあるんですか? お気持ち表明ですか? 源泉かけ流し? アレって溢れるからガボボボボ」
 酒を流し込まれながら寛治は思う。
(このままでは酒ではなく酒クズに飲まれてしまう。もはや私も酒クズになるしかありません)
「両手にジョッキを持って200万パワー、ディスペンサーを倍プッシュして400万パワー、そしていつもの3倍の速さで飲み干して1200万酒クズパワーだ! アーリアさんの誕生日も、もうすぐじゃないですか! さあさあ座って座って。逃さん、お前だけは」
「巻き込んだわね!?」
「死なば諸共。特別な訓練を専門家の指導の下に行っているので死にませんが!」
「安心ね!」
 安心である。
「アーリアの姐さんももうすぐ誕生日だったのか? これはめでたい。めでたいからヴァレーリヤが作っていた名状しがたい何かを勧めるとしよう。さあさあ、どうだい。ひとつぐっと」
「いい考えですわね! アーリア、貴女ももうすぐお誕生日なんですもの。お祝い、して欲しいでしょう? して欲しいですわよね? 早く「うん」と言いなさい!!」
「自分の被害は断固拒否したい。したいけどこの状況。どう考えても無理では?」
 じりじり近寄るヴァレーリヤからアーリアがにじにじと逃げ、エッダに捕まる。なお珍しい義弘も加わったコンボである。素敵な誕生日プレゼントだ。
「ちょっと離しなさい! うんなんて言わないわよ! ちょっと!」
「捕まってしまうだなんて、可哀想なアーリア……でも貴女が悪いんですのよ。せっかく祝ってあげようとしているのに、逃げるんですもの。私達が頑張って用意したケーキ(闇鍋状態)とお酒(原液)、当然、飲んでくれますわよね? 一気一気一気!」
「ちょっとおおおごぼぼぼぼ」
 アーリアが凄いことにあったあたりで、ヴァレーリヤはアーリアを解放して。
「ねえねえ聞いて下さいまし。すっごいことが分かりましたの! このウイスキーとウォッカを混ぜると……ちょっと、私の話聞いていまして? ちゃんと私の目を見て聞きなさい!」
 酒場の隅の「サケクズの銅像」に文句を言いながら、ヴァレーリヤが思い切りチョップして悶絶するとドッと笑い声が起こるが、誰が笑ったかは不明だ。
 しかしそこはイレギュラーズ、比較的すぐに復活したヴァレーリヤの視線は寛治へと向く。なお寛治はサッと目を逸らした。しかし回り込まれてしまった!
「そういえば寛治。今日がお誕生日って聞きましたわよ。おめでとう! お祝いに翼を授けてあげましょう。欲しいですわよね?羽ばたきたいですわよね。遠慮なく飲みなさいな、ん???」
 金魚鉢にどっぽどっぽお酒を注ぐヴァレーリヤに寛治が覚悟を決めた男の顔をするが、そこにエッダが現れる。
「金魚鉢カクテルとは粋な飲み方を知っていますね。やはりお前がナンバーワンだヴィーシャ。ここにトンガラシ入れるとリアル金魚鉢っぽくてよくない?」
 どっさり唐辛子を入れるエッダと金魚鉢を見て、寛治がヒューと口笛を吹く。これを飲むのだろうか?
「ところで爆発でオチが付くと思ってるんでありますか? 学べよ。 爆裂しても自分は飲むぞ? 焦げ跡に1滴でも酒精が残っている限り、第二第三のフロールリジが……」
「瑠璃、瑠璃、お誕生日ケーキ持ってきて下さいまし! 私達からのサプライズプレゼントでございますわ〜〜!」
「おや、新田さんとアーリアさんはお誕生日でしたか。これは腕によりをかけないと。確か冷蔵庫の奥にケーキがあったので、青くしたクリームで花のように飾り付けましょう。板チョコでネームプレートも作ってみました。さすがに専用の蝋燭はなかったので」
 ヴァレーリヤがロウソクが見当たらなかったからと、代わりにスルメやジャーキーをケーキに突き刺して新しい地獄を作っていく。
「……まあ、食べる時に取り除くのでしたらスルメも蝋燭も一緒ですか」
 それだけではない。はっぴーばーすでーの歌を歌いつつ、寛治をお神輿に乗せてわっしょいしていく。
「わっしょい! 主役は、大事に扱わないとですものね!」
「その通りでありますな! あ、ほらこっちこっち!」
「離しなさいコラ! アーッ」
「でもそれはそれとしてゴーレムは倒さないといけないので、出てきたら、お神輿をぶつけてダイレクトアタック! ケンカ神輿でございますわ〜〜!」
「この私に神輿を担げと! いえ私は別に良いのですが、アルコール入ってる人を神輿に乗せて揺さぶっても大丈夫ですか? 良いならいいんですが、私は後ろ側に回りますので……」
 アルカイックスマイルの寛治と抵抗したアーリアを乗せてゴーレムにぶつけていくヴァレーリヤやエッダ、瑠璃たちによって破砕音が響いて。
「ほれ主役の新田ぁ! お前さんも飲んでるかぁ! 主役が一番飲まなきゃ損ってもんだろ」
 バクルドが寛治に酒を勧めていく。
「お前さんも年寄りに一歩近づいたな! だが肝臓はまだまだ元気(酷使できる)だろう!? ほら金魚鉢の次はブーツジョッキ(ウィスキーのハイボール割ウォッカを添えて)だ!」
「さあさあ。皆さんこういうのお好きでしょう? 私も大好きです。……と。
 そんな中、瑠璃の若鶏やタコの唐揚げ、ケーキのおかわりなどが届いて。
 瑠璃も混ざってピッチャーを傾けている。
「お?誕生日ケーキか。カットは任せろー。切り分けたケーキはもちろん皆に配るさ。なんか等分できてない気がするけど誤差誤差。主役の新田殿は大きめにしておいたぞ!」
「(手が震えて)ケーキの切れない酒乱大人たちってか! ハハハハハハハハハ! こりゃ傑作だな! だが! ここの酒の最後の一滴がこの中の誰かの喉を通るまで宴は終わらねぇ!」
 ブレンダがダメな切り方をしている中でのバクルドの堂々とした飲みつくし宣言だが、さておいて。
「おお、そういやアーリアももうすぐ誕生日だって? 男は年取りゃただのおっさんになるだけだが女は美が磨かれるとはよく言ったもんだ。で、齢は………………美が磨かれるとはよく言ったもんだ」
「あ、そういやアーリアもバースデーでありますね? 1日で? 30歳? ほぉ……ようこそ……こちら側へ……。まあ言うて30になったからって何が変わるわけでもないであります。そう、自分は何も変わっていないのに……次の日から、周りは突然三十路としてふさわしい振る舞いを求めてくるんでありますよ……!! 逃げても無駄であります! お前も背負うのであります、この聖痕(スティグマ)をよぉ……! 何、不満ですかアーリア? わかってないですね。 キツい年齢のキツい言動からしか摂取できない栄養があるんですよ需要と供給ァ!」
「すでに出来上がっているヴァレーリヤ殿とうわキ……つくないかわいらしいアーリア殿はもうだめだ」
 バクルドとエッダはともかく、本日のNGワードに素早くアーリアが反応する。
「誰よ「うわキツ」とか言ったのそこのエッダ!? ヴァレー……はもうだめね、新婚ブレンダ!?」
「飲め! 特に近頃幸せそうなそこのメカクレ女騎士はよぉ! クソがよ! 結婚したからって偉いと思うんじゃねえぞ!」
「いや違うわね新田!? そうに違いないわ!! オラッ飲みなさい!! 私のお酒が飲めないと?行けるわよね? あっちょっと待ちなさい高いお酒から飲むのは反則よ!! お酒の声を聞きなさい、ほら「アーリアサンニノマレタイナー」って言ってるでしょよこしなさい!!」
「聞こえませんねそれ一気!」
「どりゃー!」
「ぐわー伝説のアックスボンバー!?」
「エッダもだめだ。ってまだ新婚ではないんだが!?!? 婚約者なんだが!?!? いい感じに新田殿に矛先が向いているな。私に向いてこないように私も矛先向けないと!」
 使命感にかられたブレンダは寛治にチェイサーのウォッカを差し入れていく。
「水なんて貴重品はここにはないからな。あるのは酒だけだ。これも透明だから大差ないない。しかしこのハイボールのウィスキー割は結構効くな。蒸留酒はあまり飲んでこなかったが悪くない。HAHAHA流石にディスペンサーから原液を飲むわけ――わたしはなにもみてないよ」
「いい感じに強めのを飲んでギアが温まったらそろそろハイボール!! ジョッキに溶けかけたアイスを入れてぇー、ディスペンサーを1回、2回、うーんもう一回……追加でぷしゅっと! うん、ほぼ炭酸入るスペースはないけどよし! はいどうぞ!」
「うわキツ!(酒が)」
「キツくないわよ!(私が」」
 ブレンダにヘッドロックをかけたアーリアが近寄ってくるヴァレーリヤにパスすると、がっちりヴァレーリヤはブレンダをホールドする。
「さあブレンダ飲みますわよ! ほら一気!」
「ぐわー」
 そんなアルコール空間をそのままに、アーリアはエッダをぺしぺしと叩いていた。
「おかわりも作ってー……うぅん出ないわね。あ、ディスペンサーかと思ったらエッダちゃんだったわ!」
「面白い趣向でありますな! ところで本物は……えーと、これでありますな!?」
「これね!? ――あ、間違えて新田さんが!誰よこんな酷いことしたの!」
「きっとさっき惚気てたブレンダよ!」
「え!?」
「許せんでありますな! 酒の勢いでウザがらみが許されると思ってるあたりが!」
「なんで私だけ許されないんだ!?」
「禊ですわね! 飲みなさい!」
「ガボボボボ」
 リア充は浄化された。ヨシ! そんな状況を見ながら、義弘は頷く。
「よし、とりあえず自爆ボタンを押しておくぞ。うん、とりあえずだ。こういうボタンって押したくなるよな、わかっててもよ。酔っているわけじゃないぜ、本当だぜ。仕方ないよな、お約束ってやつだから。さあ、全てを過去にしよう」
「すぐに新しく始まりますけどね。第2期ってやつです」
 寛治のツッコミを聞き流しつつ、自爆ボタンが押されて。更地になった酒場で2次会が始まったのはまあ……皆様ご想像の通りである。
 ハッピーバースデー、寛治。
 ハッピーバースデー、アーリア。
 そして義弘に、バクルドに、ヴァレーリヤに、瑠璃に、エッダに、ブレンダに。
 全ての酒呑みにありがとう。今日も鉄帝の平和は守られたのだ……!

成否

成功

MVP

アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

PAGETOPPAGEBOTTOM