PandoraPartyProject
フィクトゥスの聖餐
わたしが、命を喰らうとき。それは肉なるあらたな生き物として息をすることだろう。
わたしが、命を作るとき。地のすべての獣、空のすべての鳥、地に這うすべてのもの、海のすべての魚はわたしのものとなる。
地を滅ぼす濁流は、わたしが零した血潮の一筋よりつくられる。
しかして、わたしを愛する者は救われるであろう。
わたしはわたしを愛する者にわたしの血肉を分け与え、導くことが赦された。
それこそが、終焉へと向かう方舟の主であるわたしのすべてだ。
わたしは形作られたその時から宿命付けられた。
わたしは終焉の獣である。即ち、この世界を破滅に誘う定めであった。
わたしは終焉より生み出され、終焉と共に在るべく破滅を塗り固めた紛い物である。
尊き全てよ。
わたしは全にあらず、神にあらず。
だが、破滅はこの世界に満ちている。
破滅と言う『確定未来』の為にわたしたちは生きて、そうして最後は朽ちてゆく。
尊き子らよ。
わたしは全にあらず、神にあらず。
だが、生れ落ちたからには為さねばならぬ。
破滅と言う『確定未来』に必要の無い命を間引き、方舟を動かすのだ。
破滅と言う『確定未来』の為に。
破滅と言う『確定未来』の為に。
破滅と言う避けることの出来ぬ唯一無二の為に。
破滅と言うわたしという存在が顕す啓示の為に。
方舟は進め。
方舟は進む。
方舟は澱み。
方舟は沈む。
この世界に残るのは何もない――
渓底より声がした。底に住まうのは真白き異形。吹き荒ぶ雪の中にそれは存在した。
それは人を喰らうためだけにその場所に存在した。
鐘の音と共に子どもらが住まう楽園、ヘブンズホールより毀れ堕ちた悪しき魂。
破滅の方舟にさえ耐えられぬ命は淘汰され、新たな命を生み出す糧となる。
だからこそ、それはそこにいた。
「わたしたちは、破滅と共にある」
美しい女の声音だ。何重にも重なった、それは一人の声音ではない。
「わたしたちは、破滅より産み出された」
麗しき男の声音だ。それは積み重なって、徐々に潰れていく。
「わたしたちは、終焉獣(ラグナヴァイス)だ」
そして、その声音は叫声となりフローズヴィトニルの吹雪の中に消え失せた。
※アドラステイア最終攻略作戦が敢行されました……!
※各派閥にてアイアンドクトリンの結果が反映されました
※ゼシュテルの空には太陽が二つ浮いている……ようです?
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