PandoraPartyProject

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あなたに見せた少女の本音

マール
「あ、イレギュラーズさんだ! おーい、やっほー! えへへ、ぎゅー、っと。こんにちは! 元気してる?」
――
マールはあなたの腕を胸に抱くように掴み、ぴったりと身体を押し当てた。
――
マールはいつもの様子のように感じられた。
でも、少しだけその身体が震えているのに、あなたは気づいた。
マール
震えてる、って?
そんなこと……えへへ、あるかも。
マール
ねぇ、変なこと、聞くね。
……あたし、イレギュラーズさんと会ったの、何回目、だっけ。
マール
ごめんね。変なこと、きいて。
……でも、あたし、なんか、わかんなくなってきちゃった。
日記に、日記、書いてるんだけど。そのこと、全然思い出せなくて。
マール
今この瞬間も、イレギュラーズさんのこと、忘れちゃいそうで。
あたし、が、あたしじゃ、なくなるみたいで。
マール
ねぇ、あ、たし、どうなっちゃうの、かな。
みんなのこと、ぜんぶわすれちゃっても、あたし、で、いられる、のかな……。
マール
怖い、こわいよぉ……。
やだ、忘れたくない……イレギュラーズさんのこと、みんなのこと、忘れたく、ないよぉ……。
――
あなたに身体をぴったり押し付けて、マールは静かに泣いていた。
彼女も等身大の少女なのだ。責務とか、そういうものに押しつぶされそうなだけの。
あなたにも、それがよくわかっていた。
マール
えへへ。なんちゃって。うそ
――
そう言って身体を離した彼女の眼は、ウサギのように赤かった。深海の、ウサギ。
マール
大丈夫だよ。うん。あたしより、メーアやイレギュラーズさんの方が辛いもん。
ね、これから決戦だよね。……おねがい。メーアを、助けるのに力を貸して。
それと――。
マール
イレギュラーズさんも、絶対死んだりしないでね。
また、会おうね!
――
そういうマールへ、あなたは力強く頷いた。
決戦の時が、始まろうとしていた。


 ※シレンツィオにて、決戦が始まりました――!

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