PandoraPartyProject

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正義最終決戦

 スターイーターは、世界を喰らい、再生する。
 その餌の供給は、世界が存在する限り、途絶えることはない。
 つまり――世界が存在する限り、スターイーターを殺すことはできない。
「そんなアホなことがあるかえ!!」
 R.O.O世界、正義国。『偽・星読星域』の映し出す映像を見ながら、アストリアは悲鳴をあげた。あまりにも、不条理に過ぎる。だが、これは現実だった。あまりの恐るべき怪物と相対する、特異運命座標たちと、正義国聖騎士たち。だが、この怪物を撃破できねば、正義国に……世界に、未来はない。
 スターイーターとは、R.O.Oの正義国を脅かしたワールドイーターなる怪物たちを生み出したバグだ。
 その名の通り、世界(データ)を喰らい、己が欲望の世界を生み出すその怪物の親玉は、飢えのままにあらゆるデータを喰らい、まさに星くらいの怪物であった
「……聞こえるか。アストリア。私だ。シェアキムだ」
 魔術通信に、感がある。アストリアは受話器を持ち上げると、がなった。
「シェアキムか! とんでもないことになっておる!
 ああ、まず簡単に状況を説明するぞ!
 特異運命座標たちは、一度はスターイーターの奴めを倒した……じゃが、奴は復活しよった!
 ふざけておるぞ! 奴は食事が……世界(エサ)がある限り、何度でも蘇生する!」
「真か。つくづく、我々の相対するのは怪物ばかりだ」
「笑っておる場合じゃないぞ、シェアキム。ついたのか? 『聖域』へ?」
 うむ、とシェアキムは頷いた。聖域……聖遺物『天の杖』の起動室の事である。
「こちらの準備は万端じゃ。聖遺物もすべて所在がはっきりしておる! まったく、妾の記憶と共にワールドイーターに食われておったのもあったが、ぎりぎりで回収できるとは僥倖じゃった!」
「なら……発動できるな? 天の杖の真の権能。完全聖域「アイン・ソフ・オウル」を」。
 シェアキムの言葉に、アストリアは頷く。じゃが、とアストリアはそう言って、慎重に言葉を紡いだ。
「……完全聖域の発動には、天の杖とは比較にならぬほどの生命力を消費する。何故なら、これは奇跡の具現だからじゃ。そして、おそらく多くの聖遺物は力を使い果たし、ただのガラクタになり下がる。再び聖遺物が力を取り戻すのは、何年、何十年……何百年もの後かもしれん。
 よいか? 妾たちは、多くのモノを失うことになろう。それでも、やるのじゃな?」
「無論だ」
 シェアキムが言った。
「今使わずして、いつ使う。
 我らの命、聖遺物。恐らくこれは、全て……神がこの時のためにもたらしたもの。
 ……ならば」
「恐れることはない、か」
 アストリアは笑う。
 多くの若者たちと出会った。特異運命座標たち。そして、サンディやベークと言った、次世代の力。
「妾たちがいなくなっても、きっとこの国は、大丈夫じゃろう」
「そうだな」
 シェアキムも笑んだ。
「はじめるぞ、アストリア。10の聖遺物(’セフィラ)の各姿勢を持って、アインを呼び覚ます」
「座標設定は任せよ。ピンポイントで特異運命座標たちの下に照射する」
「では、始めよう。
 起動せよ、完全聖域「アイン・ソフ・オウル」――」
 その時。
 正義国の首都、フォン・ルーベルグから、清らかな光が解き放たれた。
 それは飛び、飛び、高く、高く飛び。
 勇者たちの戦場へと、降り注ぎ――奇跡を具現化した。

 正義国において、聖遺物『完全聖域「アイン・ソフ・オウル」』が起動しました。
 これにより、<ダブルフォルト・エンバーミング>ワールド・エンド・ゲームが最終決戦フェイズに入りました!

これまでの再現性東京 / R.O.O

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