PandoraPartyProject

PandoraPartyProject

日出より届けて

「さて、協力に感謝する。コンテュール殿」
 遠洋に存在する神咒曙光より航海の船舶を利用して大陸へと渡った一行は直ぐさまに援軍として砂嵐へと向かった。
 軍備の調達及び戦力として多大に協力をする航海は『バグエネミーの攻撃を受けなかった』国家である。
 嘗て砂蠍による史実に基づいたかのような伝承への攻撃、次いでアップデートによって歪んだネクストは神光、鋼鉄に手を伸し……翡翠、正義をも毒牙に掛けた。
 現在は砂嵐を舞台にベヒーモスと呼ばれた終焉の獣が進軍し、伝承が迎え撃つために兵を派遣している現状にある。
「我が国だけ『破滅』に相手にされなかったのも不服ではありますが……。
 まあ、良いでしょう! その分、援軍に軍備調達、伝令でお役に立って見せましょう!」
 胸を張ったソルベ・ジェラート・コンテュールと共に砂嵐に拠点を気付いた霞帝は頭を下げた。コンテュール商会は彼の妹であるカヌレ・ジェラート・コンテュールと霞帝にとっても友人である遮那が管理を任され、各地へと軍備や食材の配送を行っているらしい。
 彼が斯うして前線にやってきたのは海洋軍人達の派遣を各地に行うためだろう。主に伝承や砂嵐に派遣を行うと聞いたが――ひょっとすれば終焉(ラスト・ラスト)にも……。
 手広く商売を行う事は知っていたが、戦争とも呼べる段階になればその手腕には舌を巻く。

「主上、御前を失礼致しますれば……伝令に御座います。章殿は何方へ」
「ここよ。鬼灯君。前線への合流は行っても良いのかしら?」
 霞帝とソルベの前へと馳せ参じたお庭番衆『暦』頭領の黒影 鬼灯は首を振った。曰く、戦場で彼は『ネコロマンシア』と名付けられた猫の霊魂を借り受けたらしい。
 ネコロマンシアはNPCに対してだけ治癒の能力を持ったP.P.(p3x004937)の非戦スキルだ。
「章殿はこの猫霊魂と共に看護に当たっては呉れまいか。神無月隊でもカバーできなかった者達を補佐して欲しい」
「……! 分ったのだわ。ならば、私とこの子、それからソルベ殿で拠点を守り抜きます。父上、それから無幻と廻姫は鬼灯君と共に……」
 章姫はベヒーモスと呼ばれた怪物の歩みを止めるためには更なる援軍が必要であろうと判断したのだろう。
 それは『イレギュラーズが幾ら死に戻れたとて』その命を無碍にはしたくはないという理由に基づいているのだろう。
「成程。ああ、俺も丁度大人しくしているのは我慢ならなくてな。
 鬼灯、我らを戦場へと誘いながら現状を教えて呉れ。かの終焉の獣は今だ歩みを止めぬのだろう?」
「……御意」
 ベヒーモスの脚への攻撃はまずは露払いから始まっている。ラグナヴァイスを撃ち落とすグレイ(p3x000395)蒲公英(p3x005307)らはベヒーモスへの道を開かんとしているらしい。
 と、言えども其れ等は倒しても直ぐに増える。あちらも増援には欠かさぬと言うことか。
 現場では現実世界とは又違った大所帯の暦に心を躍らせる陽炎(p3x007949)が各位に指示を飛ばしているようである。
 戦場の維持を心掛けるシフォリィ(p3x000174)やジェーン・ドゥとの対話を行うルージュ(p3x009532)。そして、自身のパラディーゾと対峙する面々も戦況の維持に心を配っている。
 とは言え、何も進んでいないわけではない。ベヒーモスの脚に叩きつけた『傷跡』がそれの動きを僅かに鈍くさせたのだ。
「頭領! 鋼鉄の三帝より増援要請が御座いました。此方、水無月隊が一人にて伝令を行わせて頂きたく」
「良かろう。行くが良い」
 代わりに答えた霞帝に忍は「御意」と頷いた。航海側にも救援要請が走っていたが金魚掬い中の彼友人に慌てて声を掛けたようだ。
 現在はまだ『声かけ』の段階だが鋼鉄戦で手を貸しているという多次元侯爵ZEROにもアイ(p3x000277)は連絡を行っていた。少し黒歴史を見た気がするのは仕方が無いのだ。
 そうして増援が集まれば『攻略』の機も広がって行く。――ならば、膝を突かせるまで何度も挑むのみ。

「流石は神逐(かんやらい)を為した神使達だな。
 ――さて、貴殿はどうする? 共に援軍として戦場へと馳せるか否か」

 霞帝が振り向いたのはアレクシア・レッドモンドと彼女の護衛を行うシャルティエ・F・クラリウス。
 石花の呪いを振りまく終焉の獣たちへと対抗手段を作成した彼女はシャルティエを一瞥してから小さく頷いた。
「皆が時間を稼いでくれているから。行きます……!」


 ――更なる『神光』『翡翠』の援軍が到着したようです。
 ――近隣オアシスに『航海』による拠点が設置されました。

これまでの再現性東京 / R.O.O

トピックス

PAGETOPPAGEBOTTOM