PandoraPartyProject

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驚天動地

 大砲と大砲が飛び交い、爆発と爆発が交差する。
 巨大移動要塞ギアバジリカの進行は、数百という数のシャドーレギオン&ノーザンキングス連合軍を前に立ち止まらざるを得ない状況にあった。
 ROOネクスト世界、鋼鉄帝国南西部。世界の滅亡を駆けた大決戦の一幕である。

「ヴェルス、なぜ進まん。正面突破は鋼鉄の華だろう?」
 ギアバジリカ中央コントロールデッキ内にて、ガイウス・ガジェルドの言葉にヴェルス・ヴェルク・ヴェンゲルズは額に手を当てた。
「まあ、君ひとりならそれで済むんだけどな……覚えてるか? 首都進撃時、ディアナ軍がギアバジリカにどう対抗してきたか」
「特攻兵器を連打し足を止め、強襲兵器で兵を流し込み、機関部まで攻め入った……だのう」
 ザーバ・ザンザがどこか穏やかに言って、ガイウスは低く唸った。
 己の身を頑強に鍛え上げる鋼鉄軍人やS級ファイターは忘れがちだが、『人は大怪我をすると死ぬことがある』のだ。
 前回の首都決戦が死者零人で済んだのは奇跡も奇跡。非戦闘員だらけのギアバジリカに浸透されれば死者数が跳ね上がってもおかしくはなかった。
「今は首都からかなり離れてる。いま移動要塞が持ってる役割は負傷して戻ってきた兵の収容と回復だ。病院が脚生やして戦場に突っ込んだら……な?」
 わかるだろ? というヴェルスの視線にガイウスは静かに目を瞑り、そして頷いた。
 世界は強者ばかりではない。そして、イレギュラーズたちの多くは『誰も死なせない戦い』を望んでいた。国を救われた彼らとしては、そのオーダーには全力で応えたい。
 世界を救うことは、人を救うことであると同義であると言ってもいいのだから。
 そして最大戦力であるヴェルスたちS級闘士が出撃しない理由は、そんなギアバジリカ自体を守護するためだ。負傷した何百と言う兵を敵軍から守るため、そして敵軍に今だ姿を見せないパラティーゾという強者たちへの警戒のためだ。
「えーっと、じゃあ今は助っ人を送るのがイチバンってことでいいのかな?」
 デッキにひょこっと顔を出したのはパルス・パッションだった。
 振り返るS級の面々にパルスが『ご紹介!』といって手をかざした。
 デッキには四人の人物が現れ、周りを見渡した。
 ――航海王国より、資産家にして『正義の社長』鵜来巣 朝時
 ――正義国より、『秘密結社XXX四天王第三席次』多次元侯爵ZERO
 ――同じく正義国より、介入対策局局長『オートマティスムチャネラー』
 ――そして翡翠国より、ドールマイスターコウ
 その中で代表して、ZEROが胸に手を当てて語り始めた。
「我々はイレギュラーズに命を、世界を、そして運命を救われた者たちだ。彼らの危機には必ず駆けつけると約束した者たちだ」
「友達が困ってたら助けたい……そう考えるのは、自然なことだしね」
 なんだか凄い人達にかこまれちゃったなと苦笑するコウ。朝時はフッとニヒルに笑った。
「この世には金で買えないものが三つある。運命と、信頼と、そして友だ。この戦い、あらゆる手段で支援させて貰うよ。手始めに、大量の医療品と食料物資を不凍港経由で運び込ませて貰った」
「他にも、イレギュラーズを支援したいと考える仲間は山ほど居る。この後続々とやってくるだろ。まずは、敵の鼻っ面をへし折ってやればいいんだろ? 嫌と言っても手伝わせて貰うぞ?」
 チャネラーはぐっと背伸びをして、そしてデッキを出て行った。
 彼らは(非戦闘員の朝時を除いて)早速出撃装置を使って前線へと飛び出していくらしい。
「それじゃ、ボクも行くね。友達が待ってる気がするんだ!」
 パルスも走り出し、デッキにはS級たちが残された。
「鋼鉄の未来も安泰、だのう」
「ああ、全くだ」
 ヴェルスとザーバたちは顔を見合わせ、そしてギアバジリカを死守する決意を新たにしたのだった。

 ――各国から支援者たちが集まり始めています!
 ――シャドーレギオン&ノーザンキングス連合軍を有効に削りつつあります!


 一方で……。
「さぁーって、そろそろアタシも働かねえとな!」
 戦場が割れた。
 ノーザンキングス連合軍に対し、イレギュラーズ率いる数百という規模の大隊がぶつかる最前線が、物理的にばっくりと裂けたのである。
 荒野の大地が裂け突然谷が生まれ、何十人という味方が転落していく。それを助けるべく飛行可能な兵たちが飛び込み救助するその様子を、裏蛮鳥ダークネス・ゲートリに跨がったダークネアンデルタールガールこと『トモコ』が見下ろしていた。
 そう、彼女によるハンマーの一撃によって、大地は裂けたのだ。部隊の誰かが叫ぶ。
「下がれ! 『アレ』を相手に数で攻めるのは自殺行為だ!」
「そーゆーコト」
 トモコ・ザ・バーバリアン(p3x008321)は拳を鳴らしながら前へ出て、引き連れていた部下達に下がるようジェスチャーした。
「アンタらは周りの軍勢を抑えといてくれよ。ヤツには隊長各が……アタシらイレギュラーズがブッコむのが一番だろ」

 ――<ダブルフォルト・エンバーミング>Fullmetal Battleendの戦場にて、『天国篇第一天 月天の徒』トモコが出現しました!

これまでの再現性東京 / R.O.O

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