PandoraPartyProject

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神翼庭園小春晴

神翼庭園小春晴

「おお、これが太陽の翼……! 勇者王と共にあったという……!」
 春うららなレガド・イルシオン王国――通称『幻想』。
 勇者王を建国の父にもつこの国にとって、勇者王伝説は特別な意味を持つ、勇者という称号も、また。
 ハロウィンパーティーのおりにフォルデルマン三世が勇者王のコスプレをしてご満悦だったというのも、もちろん無関係な話ではない。
 そんな『放蕩王』フォルデルマン(p3n000089)が王城の庭を踏み、両腕を広げ歓喜の歌をうたわんばかりの笑顔で……。
「おはようございました。私はハイペリオン。太陽の翼!」
 巨大な白きひな鳥が翼をY字に掲げるさまを見上げていた。
「――思っていたのとだいぶ違うな」
 フォルデルマンが急に真顔になった。
 もっふりとしたまるみのあるボディにシンプル\(╹v╹*)/な顔。全長は3mほどあるが、勇者王のパーティーをのせて大陸中を飛び回ったというには小さすぎるように見えた。
 伝説の土地神翼庭園ウィツィロより神翼獣ハイペリオンが復活したというニュースを受けてからすぐに、王が見たい見たいと子供のようにはしゃいだのは言うまでもない。
 王の反応をある意味誰よりも理解していた『花の騎士』シャルロッテ・ド・レーヌ(p3n000072)がそれを見越してウィツィロ家へ事前連絡をとり、ハイペリオンを王都へ召喚する手紙を出していたのも抜かりないことであった。
「うっ……」
 頭を押さえてよろめくシャルロッテ。
 確かに、実物を目にしてみるとおとぎ話に語られた伝説とはなんだか違う気がしてきた。本の挿絵にはもっと神々しくて巨大な白鳥が描かれていたはず。
 王の機嫌やいかに……と顔色をうかがってみると。
「だがこれもこれで良いな!」
 よかった。ウケてる。
 シャルロッテは見えない所でグッとこぶしを握ると話を『次』へと移した。
「では、陛下……かのウィツィロより生じた古代獣たちを幾百と屠った英雄たちを――」
「おお、そうであった」
 なんと素晴らしい。と、王は小さくつぶやいてきびすを返す。
 ウィツィロの古代獣退治にて特に優れた功績を残した者たちへの表彰式が、これより始まるのだ。

 ――貴君は国家の危機を勇気ある剣にて打ち払い、伝説を呼び覚まし、そして自らも伝説となった。
 ――ここに、特別に表する物とする。

「わ、わしが一番か!? そうか……ふ、ふむ」
 神倉 五十琴姫(p3p009466)は平然と胸を張っている……ようにみせかけて、どこかまんざらでもないといった雰囲気で頬を赤らめている。
 その横には『被吸血鬼』ヲルト・アドバライト(p3p008506)が立ち、腰の血液パックをそっと撫でた。
「これで、リーモライザ家の地位も向上する。オレが、次世代の勇者になれば……」
 メダリオン・ランキングは必ずしも最上の一人のみが称えられるとは限らない。この中で高い成績を収めたイレギュラーズは幻想貴族達にとって注目の的となるだろう。
 今の時点で既に、ヲルトはリーモライザ家の地位を高めているといって過言ではないのだ。
 その一方で、『闇と炎』アクア・フィーリス(p3p006784)はぼんやりと空の青さを見つめている。
 漆黒の炎で覆われた右腕がざわざわと何かを沸き立たせ、表彰式を見に来た貴族達にも彼女が数百の古代獣を屠ったことをありありと想像させた。
「わあ、ハイペリオン様……もふもふだな……」
 イレギュラーズのマイペースさについては幻想貴族達もおおむね理解しているようだ。
 『淡き白糖のシュネーバル』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)がもっふりしたハイペリオンのおなかを撫でてほっこりしている姿も、ほっこり笑顔で受け入れていた。
「……ン。フリック ヤクニ タッタ。縁 ツナガル」
 マイペースといえば、『水月花の墓守』フリークライ(p3p008595)もまた地面にそびえる樹木のように、お日様を浴びてのんびりと立っている。
 肩にさいた花のそばに青い小鳥がとまり、ぴぴぴと鳴いてまるでフリークライを祝福するように跳ねている。
 やがて白い鳥たちが空へと飛び立ち、シャルロッテは彼らを称えるように書面を読み上げた。
「彼ら並びに、ウィツィロにて古代獣と戦った数多くのイレギュラーズたちを称えます。この国の未来に希望があらんことを。今まさに紡がれる新しき勇者の英雄端を、慶ぶものとして――」
 空は晴れ渡り、雲はゆっくりと流れていく。

 ……と、ここで終わるかと思われたが。
 ざわ、と観客達に不思議などよめきが走った。
 どよめきは近くなり、観客達が自ずと道を開け、ある人物を現した。
「間に合った……みたいだね」
「あなたは……『黒の猛禽』ジェック・アーロン(p3p004755)!」

 声を上げるシャルロッテ。そこへ側近の兵士が慌てた様子でスクロールを持ってやってきた。
 それを受け取り、開き、ジェックと周りの面々をきょろきょろと見つめるシャルロッテ。  『何かあったのか?』というフォルデルマンの視線に咳払いをし、シャルロッテはその内容を読み上げた。
「ほ、報告します。昨日には名があがっておりませんでしたが、こちらのジェック・アーロン女史は201の戦果報告をあげ、今の時点で二位に躍り出ました……」
 ざわつきが、やがて拍手と喝采へと変わる。
 表彰式に、新たな名が連なった瞬間であった。


 ――神翼庭園ウィツィロでの古代獣騒ぎは一旦の落ち着きを見せました。
 ――クエスト『ミスティルテインの枝折り』は終了しました。
 ――クエスト『ミスティルテインの枝折り』に参加したPCには参加賞として、上位者には優秀賞としてのメダルが後日贈られます。

 ――『メダリオン・ランキング』の『約束の日(集計日)』が5月1日に決定しました。

これまでのリーグルの唄 / 再現性東京

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