PandoraPartyProject

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Reincarnation

Reincarnation

 ――人の蘇生は可能か、不可能か?
 もしかしたら外の世界には死者蘇生の概念があるかもしれない。
 もしかしたらこの混沌の世にも死者蘇生の方法はあるかもしれない。
 しかし確実な事だけを述べるのならば、未だかつて死者の蘇生は確認されていない。
 この混沌の世においては。

 かつて強欲の冠位たる者が起こした事件があった。
 月光人形という過去の思い出を有した――しかし人ではない者が闊歩した事件。
 あれは強欲冠位の者の力により顕現した存在にすぎない。
 死者が蘇った訳ではない。
 其れに近しい様な存在ではあったが、同時に冠位に操られし人形だった。

 かつてファルベライズ遺跡において狂った者がいた。
 いや彼は正気のままにあのような行為を行っていたのかもしれないが――
 彼は善意からホルスの子供達という死者を模すゴーレムを作り出した。
 されど、それも死者が蘇った訳ではない。
 むしろあれは似たような動きをするというだけの人形だ。

「そう、不可能だ。死者を生き返らせる事など……しかしもしかしたら……」

 ある男は考えた。
 死者を蘇らせる事は不可能――それを『許容』した上での『次善』を。
 そうだ。『記憶』だ。
 記憶が完璧であるのならば、それは本人ではないか?
 本人と同じ思考。本人と同じ記憶。本人と同じ行動……
 それを成す者はほぼ本人と言って差し支えあるまい。
 ホルスの子供達とも月光人形とも異なり、明確なる記憶と明確なる意志を持つならば。
「記憶……そう、記憶だ。誰もが覚えているほどの……強烈な……
 本人の軌跡をなぞって……記憶を器に転写すれば……」
 ある男は考えた。もしもそれが出来るなら、と。
 もしも、もしも過去の偉大なる者達をもう一度出来たなら、と。
 もしかしたら――成せるのではないか『理想』がと。

 ――それがレアンカルナシオンという組織の始まりだった。

 *ローレットでレアンカルナシオンという組織の調査依頼が出ています。

これまでのリーグルの唄 / 再現性東京

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