GM名：暁蕾　　種別：通常　　難易度：NORMAL

予約開始日時：近日　　参加人数：8人（少なくても決行します）

相談期間：7日　　参加費：無し

抽選期間を過ぎているので、以降はじゃんけんやサイコロなしで
名乗りを上げた人は自動的に参加が決定します。（上限は8人です）
公式イベントなど、何かと忙しい時期ですが参加していただけると嬉しいです。

参加できるよ～
自分の苦手な物とか申告しておいた方がいいのかな？

僕は、雨とか雪とかの悪天候が嫌いかな。　程度によってはその間、飛べなくなっちゃうからね。
大事なお手紙も濡れちゃうし……天気は大事だよ。

参加表明どうもありがとう。
とりあえず、３人の参加表明があるまで冒険出発予定日は設定しないでおくわね。

苦手なものは直接表明してもいいし、隠しておいてもいいわよ。
どちらの場合も、自分が設定した怪物の外観だけはみんなに知らせて、
そこから能力を予想して対策を立てるのが主な相談内容になるわね。

卓が割れそうだって？じゃ、参加することにしよう。
まあわたしにも苦手なものくらいあるさ。いきてるし。
ただ、まあ、それが他人から同意を得られるかどうかはしらないのだが。

はじめまして。
面白い事をやってると聞いて来てみたんだ。
参加していいかい？
苦手な物はあんまり無いが嫌いなものは沢山あるねえ。

気になりつつも時間が取れるかどうかで悩んでおりましたが、
大丈夫になりましたので、よければ参加させていただきたいですっ！
苦手なものは……真っ暗闇、ですね。何だか、苦手です。

ありがとう。これで4名。全員参加は確定なので、相談を開始してね。
相談期間とプレイング送信は『4月22日（日）24：00』を締め切りとさせてもらうわ。

相談では自分の「苦手・嫌い・トラウマなどのネガティブイメージ」をモチーフにした
モンスターの外見を決めて、他の参加者にも分かるように説明してください。
説明は外見だけで、自分の心の中は明かしても明かさなくても構いません。
外見からモンスターの能力を想像して対策・作戦を練るのが相談のメイン事項です。
（その他の事柄の相談もOKです）

追加参加者はメンバーが8人に達するまで先着順（ここへの宣言で参加は自動確定）で、
『4月15日（日）24：00』まで、募集を継続します。

他、疑問や質問があればここで受け付けます。
【GMへ質問】タグをつけて書き込みがあった場合、回答します。

じゃ、いいのかね?
アタシが嫌いな存在は責任を取らねえ奴だな。
トラウマじゃないが、嫌な思い出はアタシの両親突然が消えちまった事か。
一座を運営してたから１人また１人と去ってね、忌々しいったらない。
アタシの手札は罠設置と小賢しく生きてきた冒険知識程度だ。

4月22日（日）24：00 の締め切りなら、いける。参加します！
苦手なものはあるにはあるけど、仕事モード入ったら関係なくなるんだよね。
もうちょっと考えてみる。

現在の参加者
１【梟の郵便屋さん】 ニーニア・リーカー （p3p002058）
２【迷光仕掛け】 アリスター＝F＝ナーサシス （p3p002118）
３【渡る風】 ミルヴィ＝カーソン （p3p005047）
４【かむりゆき】 ノースポール （p3p004381）
５【Calm Bringer】 ルチアーノ・グレコ （p3p004260）

残り参加枠３（参加受付：4月15日（日）24：00まで）

相談期間とプレイング送信締め切り：4月22日（日）24：00（ロスタイム無し）

わたしも仕事であれば割りきれるんだけどね？

さて、ところで嫌いなものか。あれを何と説明していいものか。
『果てに待つもの』、『妖精の女王』、『もうひとつのマトリックス』、名前はなんだっていいけど、まあわたしにとっては『彼女』だ。
まあ、女の子だよ。ちょっと下半身が透けてて何処までも広がってる、優しげな。
実のとこ何物でもなかったんだろけど、わたしにはそう見えたってだけ。
孤独を埋めきられて自我も肉体も残らないで自分が別のものになる終わりがゆるしがたくてな。
別のものになど死んでもなりたくなかったので残弾全部ツラに叩き込んで黙らせたんだが未だに悪夢に出てくる。ま、前の世界の話だけどな。流石にそこまで再現は出来ないだろうさ。
精々人を取り乱させるとか、その程度だといいね。

……自分で説明してて結構わけのわかんない説明な気がしてきた。

嫌な思い出はアタシの両親が突然消えたこと。だ。
悪ィ、誤字だ。恥ずかしいね。
そうだねぇ、こうして自分を分析すっとアタシは”孤独”が嫌いなのかも知れねぇな。
(頭をわしゃわしゃと掻いて)…ったく忌々しいったらないネェ、情けねぇ。
で、アタシを置いて消えた両親を恨んでるから責任感のネェ奴が嫌いなんだろーな。
と、すると形はアタシの両親を模したり孤独を連想させる闇になんのか？
あんまりイメージつかねぇなぁ…

という訳で、飛び入りのルチアーノと言います。よろしくね！
苦手なものって、見るだけでも辛い事ってあるよね。
なんとか立ち向かっていけるよう、頑張っていこうね！

「苦手・嫌い・トラウマ」といったら、
故郷で裏切られた、元相棒がそのまま当てはまるね。
あ、故郷というのは、地球という場所なんだけど。
この世界で言う、カオスシードのような人間という種族が牛耳ってるね。

「敵」の外見特徴としては、17才程度のカオスシードタイプ。
大口径のショットガンを得物にしていたよ。
扇状に散弾銃を打ちこむタイプ。得意距離は、中距離。
中距離からそのまま銃弾を受けると、大ダメージってところかな。

他、能力を想像・対策する点としては
純戦以外にも、トリッキーな行動を取ってくるかもね。
勝つためには手段を選ばないって感じで。……端的に言って、卑怯なんだけど。
極力悪だくみを防ぐべく、カウンターを取っていけるといいかもしれない。

モンスターの外見が設定し辛い場合は、GMがお手伝いしますよ。
ミルヴィさんの場合なら、『闇の息を吐く双頭の有翼人』とかどうでしょう？
モンスターの外見は、必ずしもそのモデル・モチーフを完全に再現する物ではないので、
様々なノイズが入って、グロテスクだったりアンバランスだったりと変な事になっています。

＞GM
ありがてぇ。
アンタのイメージでいい。
何かやるとしたらうちの両親も芸人だったからな。
闇の息以外にも呪歌やナイフ投げを繰り出して来そうだ。
歌は本人中心の至近域でさっぱり威力はねぇけど呪殺や乱れやらか。
ナイフは遠距離の出血攻撃だな。
想像や対策としては早くて身軽だろうな、つまり回避、EXA、反応が高いが
所詮戦いは専門じゃない、他は大したこたねーだろ。
囲んで一斉に叩けばすぐ落とせる筈さ。

ほとんどの方がご存知だとは思いつつ。
ノースポールと申します。改めて、よろしくお願いしますねっ！
ルークも参加できたんだ！よろしくねー！

わたしの苦手なものは、先にも挙げましたが「真っ暗闇」です。
敵として相対するのなら……
人ひとりをすっぽりと包み込める程に大きな、暗闇のような獣、でしょうか。
闇に溶け込みながら音もなく近寄り、奇襲を仕掛けてくる感じだと思います。
包み込まれれば、きっと「暗闇」を受けるでしょう。
体が大きいのでパワーもあると思います。
強力な攻撃を受けたら、吹っ飛んでしまうかもしれません。

実体がなさそうな感じですが、所詮は獣なので物理的な攻撃も効くはずです。
現れたところを攻撃すれば大丈夫かと！

っと済まネェ、気が急いちまったね
アタシとしたことが挨拶を欠くとはいけねぇや
アタシはミルヴィってモンだ、ミリーでいいよ
ヨロシク頼むぜ

ルチアーノの敵は放っておくと厄介そうだね
カウンターももちろんだけど好きにさせないように誰かつけておきたいかな

アリスターの敵はアタシには想像が難しいね…
何処までも広がるってんだからフィールドを支配するタイプっぺぇな
精神撹乱も面倒クセェ相手だ、本体が出てそうな内に叩くのが吉か

ノースポールのは単純に強そうだ、暗闇も厄介だぜ

ニーニアのはまだわかんねぇけど天候って言うくらいだから攻撃は広そうだ

どう攻略するか考えていく所かね？

現在の参加者と現れたモンスター
１ ニーニアさん：悪天候（雨・雪）　
２アリスターさん：下半身が透けて広がってる優しげな女の子（人を取り乱させる）
３ミルヴィさん：双頭の有翼人（闇の息、呪歌、ナイフ投げ）
４ノースポールさん：暗闇の獣（奇襲、吹き飛ばし）
５ルチアーノさん：裏切りの相棒（散弾銃・卑怯）

残り参加枠３（参加受付：4月15日（日）24：00まで）

相談期間とプレイング送信締め切り：4月22日（日）24：00（ロスタイム無し）

モンスターの外見を決めるのが難しい等の場合はGMがお手伝いします。

ミリーさん、ですね！よろしくお願いしますっ（ぺこりと頭を下げ）

皆さんの敵、どれもボスかなってくらいに強そうです……。
フリーにさせると厄介な敵はマークやブロックを行い、
他の敵を全員で集中攻撃して撃破していく、という流れがいいのでしょうか？
ニーニアさんが回復スキルをお持ちなので、ちょっとは無茶できるかな……なんて。

広範囲に攻撃してきそうな「悪天候」と「女の子」を早めに撃破し、
残りは厄介な順に倒していく……とか、でしょうか。
どの敵も厄介なので、何とも決め難いのですけどね……！

ちなみに「暗闇の獣」は大きいので、反応は低めかと思われますっ。

そりゃあ「こわい」ってんだから強敵だろさぁ。
既に過去の存在であるにもかかわらず人生にべっとりと残るどす黒いシミのようなものだったり、今だ勝てないものであったりと色々だろけど。

そだねぇ、射程ありそげな「悪天候」と『彼女』からがいいな。

急に忙しくなって顔出し遅くなちゃったよ……ごめんね。

改めて皆よろしくね～。
あ、ノースポールちゃんはお久しぶりだね！　舞踏会のお手伝い以来かな？

戦闘になると僕は回復メインになると思うよ。
エスプリの再構築で再生４０、充填２０が付いてるから、実質SP消費０でSPD使って毎ターン１００回復とかできると思う。

「悪天候」の姿は……
黒い雲になるんじゃないかな？　モヤモヤした不定形で低空飛行してる感じ。
【凍結】とかのBS使ってきそう。

期限を過ぎましたので、追加参加を締め切ります。
追加参加の希望は無かったので、参加者は5人で確定とします。

相談期間とプレイング送信締め切り：4月22日（日）24：00（ロスタイム無し）

纏め色々、有難う！
個性的な敵が揃っちゃったねー、見ていて楽しくなってくるんだけど、
油断するとあっさり負けちゃいそうなのが恐いね。
まさしくすべてがボスクラスだよ。

相棒は、責任取ってじゃないけれど、僕がブロックorマークで対応しようか。
危なすぎるから皆から隔離できるといいんだけど。

倒す順番も異論ないよ！
一体ずつ確実に、倒していきたいね。できるだけ早く、数減らししていきたい。

現在、ルチアーノさんのプレイングを受け取っています。
締め切りまでは修正（再送信）可能です。
※リプレイ公開時にプレイング内容は公開しません。

相談期間とプレイング送信締め切り：4月22日（日）24：00（ロスタイム無し）

人生にべっとりと残るシミ、かぁ……。
今回の戦いで、少しでも克服したいところ……ですねっ。

はいっ！ニーニアさん、お久しぶりです。
舞踏会の時は、情報収集お疲れ様でした！助かりました♪
そして毎ターン100回復は凄いのです……！

ルークは相棒さんの担当、ありがと！
なるべく早く、そっちに向かえるように頑張るねっ。

どの敵も厄介なので決めかねますが、
一先ず以下の順に撃破でどうでしょうか？
悪天候→彼女→双頭の有翼人→暗闇の獣→相棒

「暗闇の獣」が暴れまくるようなら、
マークを行いつつ攻撃に参加しようかと思っておりますっ。

プレイング受理有難うございます！
これで僕の白紙は回避できそうだね。
ニーニアさんの充填回復すごいね。頼もしいよ！

ポーも有難うね！
こうなったら一人で相棒を倒し切るつもりで頑張ろうと思ってるんだ。
他の相手は、よろしくね！

倒す順番も、ポーがいってくれている形で決めておけると、
齟齬が出なくてよいと思うよ。
もし相棒を早期に倒せたら、暗闇の獣に付こうとは思ってる。
そう簡単ではないだろうけどね。

戦闘がこのながれなら、ルチアーノ君の負担少しでも軽減するためにも最初に『再生付与』かけた方がいいかな？

その後は状況に合わせてスキル使い分けていくのが良さそうだね。

ニーニアさん、支援助かるよ、ありがとう！
実質サシでの勝負かあ、ワクワクするよ！

特に倒す順に問題がなければ、わたしの方で書いておきますので
皆さんはそれに従う、ってしておけば
プレイングも楽になりますかね？

ルークも無理しないでね？
相棒さん、強そうだし……。

いろいろとバタバタしてきましたけど、
そろそろプレイングも提出しないとですね！

ああッ ゴメンよ！
ここ通知設定にしてたつもりだったからすっかり顔を出さなくなっちゃってた！
本当にゴメン！

倒す順番はそれでイイヨ
アタシは反応だけはソコソコあるから集中攻撃していく奴に最初に乱れ付与を狙っていくつもり

【ＧＭよりお知らせ】
大型連動依頼などもあり、急に忙しくなってきた感があるので、負担軽減のためにも
相談やプレイングの期間を1週間延長します。

新しい相談期間とプレイング送信締め切りは、4月29日（日）24：00 とします。

明日までダネ、返事遅くなったけど了解だよ！
GM さんもありがとネ！

特に相談は大丈夫そうかな？

ポーもありがとうね。
様々な考えはさておいて、想いだけでいうならば
ここは無理をしてでも、倒し切りたいと思っちゃうんだよね。
相手が相手なだけに。

締め切りは、サーカス関連の依頼の出発一日後、だね。
皆お疲れ様！うん、相談も大丈夫そうかな？
今回は、各自の苦手の克服、想いがより大事になりそうだし。
頑張っていこうね！

＞ルーク
そっか……うん、わかった（こくりと頷き）
気をつけて、頑張ってね！

わたしも気になる点もないので、相談はもう大丈夫かなと思います。
プレイングのお手紙も送信済みです。少しでも、克服したいですねっ。

現在、ルチアーノさんとノースポールさんのプレイングを受け取っています。

相談期間とプレイング送信締め切りは、4月29日（日）24：00 です。（明日の深夜）
お忘れのないようにご注意ください。
締切後はここの雑談利用も可能とします。

【GMよりお知らせ】
プレイング投稿締め切りは本日24時です。
もし、何らかの都合で送れない場合等は、延長も考えますので
過ぎてしまった後でも、締切前でもとりあえず一報ください。
よろしくお願いします。

プレイング送信終わったよ～
ということで、皆あらためてよろしく、頑張ろうね！

現在全員のプレイングを受け取っています。
今夜24時まで再投稿を受け付けています。
24時を過ぎましたら、締切として、リプレイの執筆に入ります。

皆、お疲れ様！ＧＭさんも、無理はなさらずですよ！
偽シナって初めての経験なんだ。リプレイ楽しみにしています！

リプレイ公開は今月中にはしたいと思っています。
しばらくお待ちください。

お疲れ様だよGMサン
忙しい時期だからゆっくりネ？

ありがとうございます！

大変お待たせしていて申し訳ありませんが、作業が難航しています。
公開をさらに延期せざるをえません。
全て書きあげるまでに分割ででも公開していければと考えています。
どうかご容赦ください。

はーい　お互いプレイヤーなんだし、ゆっくりどぞ！
無理しないでネ？　お疲れ様♪

うんうん。ゆっくりで大丈夫だよ。
無理なく楽しんでいこー！お疲れ様です！

了解です！ＧＭさん、本当にお疲れ様です。
のんびりと楽しみにしておりますので、どうかご無理なさらず！

大変長い間お待たせしました。
諸事情ありまして、リプレイの公開が遅くなってしまいました。
色々考えた結果、分割方式で少しずつ公開していくスタイルでリプレイをお届けしようと思います。
楽しんでいただければ幸いです。

●死の翼、舞い降りる時
「さっきまで室内にいたはずなのに……それに、あれは……っ！！」
　【ゆきのはて】ノースポール（p3p004381）は、いち早く状況を理解すると同時に、そのあまりの異常さに身を竦ませた。
　目の前に現れた異形のひとつ、暗闇に慣れた目でも見通せない黒い霧のような塊――
　それは、まるで獲物を狙う巨大な肉食獣の様な輪郭をとり、剥き出しの殺意を突き刺すように浴びせて来る。
「初めて見るのに……わたしはあの『暗闇の獣』を知っている……？」
　彼女は初めて見るはずのそれに、どこかで会っている様な感覚にとらわれ、ぎゅう、と手にはめたガントレットを握り締める。
　不安に胸を押し潰されそうになるが、周りには頼れる仲間も、親友のルークもいる。
「……大丈夫。今度は倒せる」
　彼女は誰にとはなくそう呟くと、目の前の敵を倒すためにその一歩を踏み出した。

「なんだお前、まだ生きてたのかよ？　今度こそ俺がきっちりと息の根を止めてやるぜ！」
　【Calm Bringer】ルチアーノ・グレコ（p3p004260）の前に現れた姿は一見すると普通の人間の様に見えた。
　年の頃はルチアーノと同じぐらいの軽薄そうな若い男。武器も持っておらず、それほど危険な相手には見えないが、男を見てその声を聞いたルチアーノの表情はいつになく険しく強張っている。
　かつての相棒。そして自分を殺そうとした男。その姿をした者が目の前にいるのだ。
（回避不能の嘘、ってところかな？　闇こそが敵だなんて、厄介だね。だけど負けてなんかいられない。黒い幻想はここで叩き潰すよ！）
　ルチアーノが銃を抜き放つのと同時に、その『相棒』の腕が裂け、その中から大口径の散弾銃が姿を現わす。
　雷鳴の様な銃声が辺りに轟き、奇しくもそれが戦闘開始の狼煙となった。

（続きます）

「おとう……さん……お……かあ……さん？」
　【寄り添う風】ミルヴィ＝カーソン（p3p005047）は、暗闇から現れたそれに目を見開いて驚いた。
　彼女の前に舞い降りてきたのは双頭の有翼人。その肩に乗った二つの頭部、男と女の顔からは絶えず黒い煙のような物が、意味を成さない呪詛の呟きと共に吐き出されている。
「ああ知ってるよ、これは嘘、幻だとね。大切な人は皆アタシから居なくなる……二人の時も、あの時も、お兄ちゃんも……！」
　自分の両親を思い出させる化け物の焦点の合っていない様な目を睨みつけながら、彼女は闘志を奮い立たせた。
「……でもね、一人になることは怖かったよ。でもあの時、あの人がかけてくれた言葉がずっと支えてくれてる。
　この剣であの人を殺めちゃった時にもう絶対負けないって誓ったのさ！
　アタシは幸せになる、んでみんなを幸せにする！　泣く奴がいない世界にする、それまでは泣かない。
　もうとっくに終わった事なんだ！　灰は灰に……塵は塵へ……消えろ！」
　叫ぶと同時に引き抜かれたミルヴィの剣が、稲妻のように空を切り裂く。

　一方、【迷光仕掛け】アリスター＝F＝ナーサシス（p3p002118）は、いつものように飄々とした居住まいを崩さないで冷静さを保っている様子だったが、その内では人生にべっとりと残るどす黒いシミのようなものを感じ取り、珍しくザラリとした恐怖と言うものを思い出しかけていた。
　もっとも、アリスターの感じるところの恐怖とは、崩れないバベルをもってしても他者とは共有し難い物なのだが。
　目の前に佇むのは『彼女』、いや本当の所の彼女ではないのだろうが、アリスターの記憶の底から掬いあげた澱から生み出された模造品なのか。
　その正体が何であろうとも、闇にその姿を透けさせ、どこまでも広がる少女の亡霊か幻影のような存在は、そこに存在するだけで周囲に不安を撒き散らし、緩やかに死へと誘う者であると確信させるに充分だ。
　ならば、やるべきことは変わらない。以前と同じ。全弾を叩きつけて黙らせるのみだ。
　アリスターは素早く銃を抜いて横っ飛びに飛びながら銃弾を放つ。

（P2 続きます）

（これは、みんなの心の中にあるものが生み出した存在みたい……何ていうのかな……皆はすごい色々抱えてるんだねって思うよ）
　【梟の郵便屋さん】ニーニア・リーカー（p3p002058）は、現れた不気味な存在とそれに立ち向かう仲間たちを見て、そう感じていた。
　そのニーニアの前に現れたのは、浮遊する巨大な眼球。
　それは常に大粒の涙を流し続け、それに呼応するかのように局地的な嵐が周囲を包んでいる。
「こんなひどい嵐じゃ、お手紙が濡れてしまうよ」
　ふと、いつもの仕事を思い出してそんな心配をしてしまった。
　ローレットからの依頼を引き受ける他に郵便配達を仕事にしている彼女ならではの心配だ。
　そして、こんな状況に立っている自分がとても場違いで、別の適任者が居たのではないかと思ってしまう。
　しかし、現に今ここにいるのは自分で、目の前に立ちふさがる敵を倒すのは自分の役目なのだ。
　
　オオオオ――

　巨大眼球の嘆きがひときわ強くなり、激しさを増した風がニーニアの髪と羽を揺らす。
　だが、彼女はそんなことでひるんだりはしない。彼女にはこの先も人々の手紙と荷物を運び、笑顔を届けなくてはならない。
　こんなところで逃げ出すわけにはいかないのだ。強い思いを胸にニーニアは敵へ向かって大きく羽ばたき飛び込んでいく。

(P3 続きます)