PandoraPartyProject

ギルドスレッド

即席事務所と喫煙所

【RP】105号室:アリスターの部屋

他と変わらぬ来客宿泊用の小さな個室だったはずだ。
それが今では壁に遮音材が追加で貼られ、窓に格子が嵌まっている。
トドメとばかりに室内の要所の錠には罠まで仕掛けてあった。
他にも何かあるのかもしれないが……。

ベッド・机・電子端末・本棚以外といったもの以外には、
応接用の一人がけソファ二つとコーヒーテーブルがある。

部屋の主の特性上、生き物が住んでいる匂いに酷く欠けていた。
-
(※悪い人向け:
目標値100<1d100+テクニック×10で鍵をこじ開けられます。
貴方がとても器用な場合、判定無しで十分でしょう。
中身は大抵銃器や弾薬の類ですが、たまにガラクタもあります。
失敗した場合、生身であれば指がかなり深く切れる程度のダメージが発生します)

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(部屋の前に立つと、背筋をシャキーンと伸ばし。咳払いしてから軽く扉をノックして)アル、入ってもいいかな?
いいよぉ。丁度コーヒーがはいったとこ。
(室内は過ごしやすく、清潔である。ある意味清潔に過ぎた。生き物が生きる限り必ず発生する抜け毛や皮脂汚れ、体臭なんてものが存在しないのだから。代わりにコーヒーの匂いの向こうに薄い金臭さやオゾン臭が残っていた。)

んまぁ、適当に座ってくれていいよ。そう言えばこうして二人でゆっくり喋ることはなかったねえ。
(コーヒーテーブルにカップを置く。相手のソーサーにだけ焼き菓子の包みを添えた。)
ありがとう。それじゃあ遠慮なく……お邪魔します。
(ゆっくりとドアノブを回して押し開ける。どことなく人の住んでいる気配が「薄い」ような感覚を覚えながらも中へ入り。
コーヒーの匂いに混じる嗅ぎなれない香りに、スナドリネコの獣耳がピクピクと好奇心で揺れる)

街角で会ったり、事務所で会う時も何だかんだで人がいたからね。
……そういえば、事務所での暮らしには慣れたかい?
(テーブル近くにソファを寄せて座れば、美味しそうだとご機嫌さが口元に滲み)
大体慣れたよ。
生身っぽいけど、前居たところに似てないところがないわけじゃないし……

……お砂糖要る?ミルクはないけど。(白や、淡い青、桃色の星型の角砂糖の入った瓶もテーブルに置いて、向かいに座った。
自室だからか、コートは着用していない。人形めいて整った顔と比して肉厚骨太にも見える体のラインがはっきり見えた。本人が言うように愛玩用ではないらしい。)
僕はブラック派なんだ。そしてお砂糖は3つ!
これは絶対、コーヒーにおける絶対比率だと思うんだよね。
(折角の苦味を殺す勢いで、置かれた瓶からざらざらざらーっと角砂糖を流し入れる。追加でひと粒手に取ると、直に口に入れるほど大の甘党)
んっ。珍しい形だと思ったけど、味は普通にお砂糖だ。

……。(二人きりになると、自然といつもより相手の姿をまじまじと観察してしまう。デートの事も加えて思い出したものだから、ごくり……と唾を飲み込んだ)
アルっていつ見ても綺麗だよなぁ。繊細さと逞しさを備えているっていうか。結構モテるんじゃないのかい?
甘党さんなんだ?わたしは一ついれる。
そりゃコーヒーが予想したのと別の味になっても困るじゃない。でも、目を引くだろう?

(砂糖が飽和したコーヒーを飲むような者に比べれば3つという数は一般的な範囲なので気にした様子はない。相手が使い終わってから、白いのを一つ入れた。)

顔は褒められるよね。顔は。(線状の傷痕がある左頬を摘んでみせた。柔く伸びる。黙っていれば文字通り人形だがそういうことをするので生き物めいている。)
でもモテるってわかんないな。わたしくらいの見た目ならザラにいるものだろう?
うん。甘いのは大好きだよ。
この身体の好みなのか、僕自身の好みなのかは分からないけど。
(焼き菓子にも手を伸ばす。優しい甘さが口の中に広がって、ほんわり夢心地な様子で笑み)
ステーキの付け合わせにされたりする『ししとう』ってさ、苦いものだけど……先祖はとうがらしだから、50個ぶんの1くらいの確率で辛いのが混ざってるらしいよ。
確かにイメージした味と違うのはビックリするけど、そういうロシアンルーレットなら楽しめそうだ。

人の印象は七割外見だろ?ぱっと見で綺麗なところを褒めたくなるのは当然さ。でも、顔以外にもいっぱいいい所あるのにねぇ。
(こうして見ると、いよいよ生体と機械の差が曖昧になっていく。感心しながら見つめ)
確かに幻想にはイケメンが多い。……どうせなら僕も、もっと若かったり格好いい身体にとり憑けばよかったよ。

僕のこの身体は僕のじゃない。どういう訳か『ランベール』という人の死体を借りてる状態なんだ。
固形物は基本的には食べられないから、どんな味かはよくわかんないけど‥…
でもいれるだけでフレーバーつきになりそうな角砂糖とか、あったら買っとくよ。
(カップを真っ黒い手で包みこむ。温かくて心地よい。)

顔以外にいいとこ、ねぇ?
『お前はいつも楽しそうでいいよな』って旧い友が言っていたよ。そういうとこかな。
(からからと笑い。恐らく十中八九皮肉として言われているのだ。しかし皮肉を皮肉と分かってすっとぼけているのか、分からないですっとぼけているのかは窺い知れない。)

ランベール君も結構格好いいとは思うよ。君は君なりに素敵なものだ……。
ふーん……(死体を借りている、と聞いて)
腐敗してない。基本敵対的でない。人を食べたり仲間も増やしたりしない。一般的な飲食が可能。意識レベルは安定していて会話も違和感なく成立する。特異運命座標という形で身元を保証され法的な権利を行使することができる。
……なら別にいいんじゃない?
そうか。だから焼き菓子は僕だけなんだね?なんだか申し訳なくなっちゃうな。(ハッとおもいついて顎に手をあて)……ミキサーにかけたら見栄えはともかく食べられる?

うーん。僕が挙げるなら……何気ない小さな事にも気付ける感受性が素晴らしいと思うな。特にそれを好奇心いっぱいに観察してる時とか、まるで無邪気な少年みたいで可愛いなーとか……。
(言った後で恥ずかしくなり、肩を丸めてカップを手に取る)
あっ!ご、ごめんよ。本人を前にしてちょっと失礼だったかな?

……。(視線を彷徨わせていたが、意外な答えが返ってきたので目を見開く。心の底から嬉しげな笑顔になり)ありがとう、アル。そう言って貰えると助かるよ……本当に!
融点の高いものとか繊維質の強いものは飲み物でもちょっとねー……
あと、全部液体は見た目がちょっと。(ふふっと苦笑して)

何だって素晴らしいんだ。そう思ってた方が幸せだよ。
それと別に不快なことはないかな。自分の新たな一面を知るのも素敵なことだもの。
(目を細めて笑い)

うん、現状の君は法的・実質的には人間ないしそれに準じるものとして扱われるわけだ。
それ以上自己証明が必要なら『どうありたいか』『どう振る舞うか』『何を築くか』だろ。
人間性や魂の定義みたいに大海の水をザルで掬う行為も、誰かに在り方の同意を得るのも、必要な行為じゃない。
(同情でも肯定でもない硬質な理詰めを述べた。或いは自分に言い聞かせていたものと同じなのだろう。)

……自分が自分であるためには最低限誇りが要るけど、君はそれがないから落ち着かないんだね。
(カップを置いて席を立ち、子供にするように両手で相手の頬を包もうとする。)
胃袋の中に入ったら全て同じさ!よし。今度なんでも砕けるミキサーを買っておこう。きっとローレットへ要請すれば練達産のを貰えるはずさ。
(まさに天啓とばかりに目をきらっきらと輝かせる。この男、やる気である)

確かに幸せかもしれないけど、有言実行するのは難しい事だよね。それを出来るのもアルの凄いところだ。

……『どうありたいか』って言われると、確かに分からない。それを自分自身で決められないからこの死体ーー…ランベールという人物の面影を追っているのかもね。
ずっとそれが自分の好奇心によるものだと思っていたけど、本当は白紙のように何もない自分をどうにかしたいからなのかもしれない。

ーー…っ!(頰に触れられると一瞬ビクッと震えて、それからすぐに心地よさそうに目を閉じた。相手の手に自分の手を重ね)
心地いい……。なんだか男同士なのに、心臓がドキドキしてきたよ。
(火照る頬のすぐ下。首筋の白い鱗がキラリと光を反射する)
身の処し方を決めるにも何かと情報は要るからね……
それでも様々な情報に触れるうちに「今どう思うか」と「過去どう思っていたか」が食い違ったら、今を優先するといいよ。心なんて容易く移ろいゆくものだから。
(人工筋肉で稼働する黒い手が繊細に動いて、柔くその頬をくすぐる。)

知り合って日が浅い男同士でもおっけーさんなんだ?
生憎体は無性別だけどね。自己認識だけがわたしの性別を定義しているんだ……ところで具合悪い?
(指に触れている生き物の皮膚の感触に熱感を覚えて、朴念仁極まることを曰う)

それと、折角だから呼び出した本題にも入ろっか。(首筋の鱗を見て)
洗ってない情報だから使えるかどうかは知らない。

その鱗と同じようなのつけてる人をひとり見た。
うん。確かにそうだね。
どんな過去があろうと、僕はこの事務所の仲間が大切で……皆と楽しい時間を過ごしていきたいと思ってる。
アルクは僕がランベールの記憶を追う事で、何か変わってしまうんじゃないかって心配していたけど、根元まではきっと変わらないさ。

(擽ったそうにクスクスと笑い、甘い空気を楽しんでいたが、突きつけられた現実に衝撃を受けて夢から覚める)
だっ……き、君がデートだなんて言って誘うから!
うあぁ、でも事実かもしれない。相手がいくら美人さんだからって、僕はそんな尻軽な男だったのか……。
(耳まで赤くなり、両手で顔を覆って悶絶しはじめ。更に次ぐ言葉に思わず)
完全にハニートラップだよねこれ!?
(と本題まで違った事に涙目になりながら手を顔から離した)

鱗?なに言って……あ。確かになんかツルッとしてる。
(視線の先に触れてようやく気づいた。軽く爪で引っ掻くが、取れる様子がまるでない)
その同じ鱗の人は誰だい?
とりあえずデートっていっとけば横槍抜きで二人で話せるとおもったから。
……かわいいよ?
(身悶えする相手を見てそう評した。色気のない笑顔で犬猫相手みたいに言うので色気がない)

朝長晴明。年齢は恐らく三十代。背が高めで割りと筋肉質。長い赤毛のディープシー。
商人見習い。商人ギルド・サヨナキドリに所属。ギャンブル好き。同性の恋人がいる。
……なんかいい匂いがするからすぐわかるとおもう。
(簡単にどういった人物か述べ、ポケットから手帳を出して、相手の膝の上に広げた。相手に書かせた店の住所がそこに残っている。)

彼はその鱗のこと、流行遅れのおしゃれだなんて言ってたけど実際はどうだかしらないよ。
深入りするには人が多すぎたし、そこまで時間をかけて調べた相手でもない。
ノンケのアリスちゃんに勘違いされても知らないぞ。うぅ……。
(ささやかにもならない反撃の言葉を投げたが、ダメージが後を引いてこめかみを押さえた)

会った事のない人だけど、ギャンブル好きって次点であまり健全じゃあなさそうだね。
その商会ってやっぱり、ヤが付く人なんじゃないかなぁ。その匂いだって、ヤバげな白い粉っぽい可能性も……。
(書かれた住所がプリマヴェーラ通りではなかったのでホッとしつつも、書かれたメモを指で軽くなぞり眉を寄せる)
待てよ?この筆跡、どこかで見た事がある。

(自分の持ち物に文字が書かれているものはあっただろうか?顎に手をあて考える素振りをしつつ)
とにかく、会ってみる価値はありそうだな。ありがとうアル君!
少し武装をして行こうかな。丸腰で行くのはちょっと心細すぎるから。
武器を商ってるといっていたよ。
現状はおおよそカタギなんじゃないかな、周囲の人間はギャンブル好きを諌めてたし。
……当座の家賃分の仕事になってるといいんだけどね?
(手帳のページを抜いて相手の膝の上に残し)
あの銃は止めといたほうがいいよ。練習するまではちょっとあぶないしさ。

……で、本題は終わったし、なんならわたしに何かしてもいいけど。
気を持たせたことは分かってるんだけどわたしは何をどうしたらいいかもさっぱりわからないし、生きる上で多少の経験くらいはしておいたほうがいいかなとも思うし。
(朴念仁なりに思うところもあったのか、話を蒸し返した。冗談なのか本気なのかはともかく貞操の観念とか常識はない。)
観察眼の鋭いアル君がそう言うならカタギなんだろうね。ちなみに彼のお仲間にもあったのかい?例の鱗。
……なんだ、そんな事を気にしてたのか。アルにはこれから色々頼むだろうし、そんなに気にしなくても大丈夫なのに。
(メモを丁寧に四つ折りにして懐に入れる。こういう時は無駄に神経を使って丁寧に。)
うぅん、買ったけど仕方ない。それに治癒魔法を使ってみた時、いい案を思いついたんだ。
(と遠くを狙って何かを突くようなジェスチャーをする。得物は長もののようだ。)

そこ蒸し返すの!?え、そんな「ちょっとトースト焼いてくる」みたいなサックリ感覚で言われても……あ゛〜。
(くしゃくしゃ前髪を掻いて考えた後)
そういう事は、アルに好きな人が出来たら教えて貰いなよ。少なくとも今の僕は違うだろ?
他に似たような歩法(ふんいき)や鱗つけてる人はみてない。あと貸しつくるのは好きだけど借りは早めに返したいんだ。
(なまじ返しきれない借りなんて作ると最悪のタイミングで取り立てられるからねと付け足して)

……君のことはわりとすきだよ?
まあそれに別段好きじゃなくてもできるものなんでしょう?よく知らないけど。
(likeの方なのがまるわかりなお子様返答と、空疎極まる人間関係を傍から見続けた経験を一緒に並べた。善悪の判断を下す材料がないので、極めてニュートラルな物言いで。)
(コンコンとノックの音。次いでアルクの声が)
銀影、客らしいぞ。あと、一人俺が技術教えるってことでこの事務所に招いたやつも居る。

…それと、ラサ(傭兵)に居た時に俺を誘いまくっていた男が居たらしき店を見つけたんで報告しておく。多分、『ランベール』の身体を見た時期に会ってるから手掛かりになるかと…

(とりあえず用件だけ伝えて事務所へと戻る。アリスターが居るのは知っているがギルドメンバーなのでまあいいか、という感じらしい)
(ノックに続く要件を聞き)
お客さんか。じゃあしょうがないね。
(すんなりと身を引いた)

何かやらせておきたいことがあるならそれをするし、なにもないなら散歩に出るけど。
(いってらっしゃいの構えである。自分では客の前に出る気はないらしい。)
事務所のメンバーは僕にとっては家族みたいなもんだよ。
あまりにサボったりお客さんに迷惑をかけるなら話は別だけど……基本的に追い出したりしないし。重い貸しだなんて思わなくていいよ?
(先の先まで考えているんだなぁと感心しつつも、蒸し返された話題でいまいち集中できない。
珈琲カップを手に取り、誤魔化すように啜って)

好きじゃなくてもできるけど、好きな人ができた時に後悔するから普通はやらないんだよ。
……、……君の好きは方向性が――(話の途中でノックの後に降ってくるアルクの声。次がれた報告に目をぱちくりさせて)
ありがとうアルク、お弟子さんに宿泊先が必要なら、部屋を渡しておいてくれ。鍵は大家さんにお願いしたら、たぶん天井からいきなり降ってきたりすると思う。

(内心助かったと思いながらも、問いかけには人差し指を自分の顎に当てて考えた後)
君に頼んでみたい依頼がある。メモするから、さっきの手帳借りていいかい?
追い出す追い出さないとは限らない。君だけとも限らない。或いは何らかの情とか、打算や過失、或いは天災や善意かもしれない。そんな時に必要なんだよ。
(裏切られる前提で人を信用する、笑ってできる程度の簡単な話だ。)

……前のページはあけないでね。大したことは書いてないけど。
(手帳を引っ張り出して、白紙のページにペンを挟んで差し出す。)
僕がーー(“アルを裏切る訳ないじゃないか。”とても簡単な一言を、何故か口に出すのを躊躇った。
自分自身でも分からない謎の感覚。戸惑いつつも咳払いで誤魔化し)

分かったよ。ちょっと待っててね。
(テーブルの上で書けばいいのにわざわざ手に持って書き始めたのは、勿論好奇心に負けたからだ。書きつつもちらとページの端を曲げて覗こうとしつつ)

今回の依頼をしてきた人物は、この街に住む一般人の青年で、魔法学校の学生なんだそうだ。話してる限りだと、確かに頭のよさそうな感じだったが、どうしても苦手な事がひとつあってね。

それは『恋愛』。彼は通学路でいつも見かける女性に、淡い恋心を抱いてしまったんだ。
別に裏切ってもいいよ。わたしの面子を潰したり、仕事の邪魔をしたらどうにかして報いは受けてもらいたいと思うけど。
きみだってそうするだろう?わたしだってそうする。
(当たり前に剣呑なことを言う。)

魔法学校の学生さんねぇ……
ところで『恋愛』ってさ、それわたしに頼む?自分でもミスキャストだって、わかるよ。
(冷めきったコーヒーに口をつけ、概要を聞いている。)
(もし手帳を覗いたのなら、ひときわごわつく1ページが容易にめくれるのだろう。汚れた紙面上に印字したように整った書き文字で一日の弾薬消費量を書き記したあと、こう走り書きしてあるページに行き当たるだろう。『あまり残っていない』『これ以上はただの意地の問題だ』『泣きながら生まれたんだ、笑って死ね』)
報復の前に、理由があるなら理解しようと歩み寄る。理想論かもしれないけど……仲間が裏切るなら、のっぴきならない事情があるはずだ。

(書き込みの手が、覗いたページの内容に一瞬止まる)
……。
(一呼吸置いて、また筆を走らせ)
女性の名はペチュニア・フランダール。
病弱さ故に部屋から出られないそうだが、とても美しい娘さんだそうだ。
依頼主は彼女へ愛の告白をすると決めた。そしてその気持ちを伝えるために、花束を用意したいと思ったそうだ。
アルにはその花束を用意して欲しい。どうしてその花を選んだのか、理由を添えて。

(話した内容の要点をメモに書き込み終わると、メモ帳を閉じて相手へ向ける)
ミスキャスト?そうかな。やってみなければ分からないよ。
君は人を惹きつける魅力がある。危ういくらい透き通った探究心も。

アドバイスを求めれば、いろんな人に助けて貰えるはずさ。
『恋』が何なのか分からないなら、まず触れてみるのが一番いい。
理由はあるだろうけどそれはそれとして報いは要る。
こんな商売なんだ、ナメられたら終わり……でもないか、状況が少し違う。
(途中まで言って思い直した。)

求めれば、というけど流石にMr.ジョンソン(いらいにん)のプライバシーくらいは気にするからね。
図書館と植物園から当たって、それから口の硬そうな女の子と女の子に節操なさそうな男の人に聞くことにしよう。
水仙(ナーシサス)をもじった製品名なのに調べないとわからないんだから無知って不便だよね。

まあ、受けるよ。この件はわたしがなんとかする。

……で、面白いこと書いてあった?
(返してもらった手帳を口元に当てながら平然とカマをかけた)
所長の僕がこれだけナメられ三昧でもなんとかなってるから大丈夫さ。
(自覚はあるけどゆるーい笑みで笑うだけで、だらしなさを直すつもりはない様子。)

(調査プランを聞いて、声をかけられた男の人はこれを知ったら複雑だろうな、とまろやかな笑顔へ変わる。意外なところで名の由来を知る事ができれば、目をぱちくりさせ)
へぇ、アル君の名前の由来は花から来ていたのか。とってもいい名前じゃないか。

受けてくれてありがとう。それじゃあよろしく頼むよ。クライアントの事で知りたい情報があれば、いつでも僕に聞いてくれれば――
(部屋から立ち去ろうと出口の方に向かうも、カマをかけられたら露骨につまづいてコケそうになる)
は、ははは……何を言ってるか分からないナー。
(影の中から覗く目も、本体すらも視線を逸らして合わせようとしない)
いい名前かな。人に曰く『質の悪い皮肉』らしいよ。
(水仙、それはろくな花言葉のない美しき毒草である。)

困ったら尋ねることにするよー。
そして君は何も見ていないから何も喋れない。今はそういうことにしよう。
(わかるね?と。今深く突っ込むと時間がかかりすぎる。)
じゃあね、いってらっしゃい。
花の名前は知らないけど……どこかで、いろんな花を見て来た気がする。
特に水仙は水辺でよく見た気がして、冬の訪れを知らせてくれた。
……すごく、好きだったな。
(そこまでの好印象を持っていたのに、話題にあがらなければ思い出しもしなかった。自分の記憶の危うさにゾッとする)

う、んん。行ってきます!珈琲と美味しいお菓子、ごちそうさま。
(冷や汗をだくだくと流しながら、事務所の方へ慌てて戻っていった)
正直なことだなあ……
(釘を刺された頼りない背を見送って、カップやドリッパーを片付けた。この世界は韜晦こそが共通言語の複雑怪奇な都市の力学からすれば拍子抜けするほどシンプルだ。好ましくはあった。)
(せっかくだから事務所にも季節の花を飾ろう。きっと華やかだ。)
(そんなようなことを考え、片付けを済ませるとコートを羽織って街へ向かった)
(コートを脱ぎ捨て、そのままばったりとベッドに横になる。)
(打ち捨てられたマネキンみたいに寝た。)
(買い物が、というか、やっていることを他人の不始末で止められるのは気分が宜しくない。同時に状況を読み違えた自分と武器商人の責もほんのちょっとわずかにはあるだろうことは自覚しているが、そんなものは瑣末な問題だろ?)

(ブーツとレザージャケットを乱雑に脱ぎ捨てる。カーボン素材の艶消しの下半身と両腕、脊柱。まるでまだ着ているようにも見えるが、何も脱げやしない。人間的な上体に走った亀裂をダクトテープで乱雑に止めた。)
(官憲の手が入ると面倒だし適当な落とし所になっていればよいが。あっちも痛い思いをするし、こっちの腹は探られるし、身内の過去を当局に調べられても面白くないことになる。誰もそんなこと望んじゃいない。だから問題なんてなかったのだ。そういうことにしたほうが誰にとっても都合がいい。)

(風呂場のシャワーで、染み付いたあの場の血の匂いを落とすために頭から熱湯を浴びている)
……これだから感情的(ウェット)なのは苦手なんだ。
(感情的なのは都市の仕事屋の流儀ではないのだ。誰も彼もが己の心の儚さと無価値さを知り、その上でその無価値をロジックと鋼で武装する。必要ならばその心さえも変える。それこそが、それこそが最後の答え。)

(感情のない目が鏡に向くと、目が合った自分に向けて自動で曖昧に微笑む。それを深くした。さあ笑え。何もかもを。面白がるのだ。)
(ほどほどにシャワーを浴びて、そのまま捨てられたマネキンみたいに寝た。)
(寝すぎたなあ、と中天に昇る太陽を見て思った。ダクトテープを胸元から剥がし、レザースーツを身に着けてブーツを履き、ぼさぼさした髪を整えた。)
(湯を沸かして、自分ひとりのためにドリップコーヒーを入れる。たまにはこんな贅沢もいいだろ?前の世界じゃ、何を使ってるかも分からないがそれなりに真に迫ってはいたのだなと余計なことを考える。物憂いドール顔が湯気をみている。)
(まだ暖かいカップを手にぶらぶらと家の中を歩き回ることにした。)
(ソファに座って、目を閉じている。うたた寝のような格好だ。)
(偶に機械の身でも人のような夢を見ることがある。それは過去の焼き直しだったり、全く覚えのないことだったり、何の脈絡もないことだったりする。それが何であるかは見ている最中に判断が出来ないものなのだ。)
(暗い室内だ。目の前に見ず知らずの少女の顔が映っている。アメジストみたいな目の、幻想的な不穏。)
(視界を移す。猫耳で、双眸が赤くぼんやり光ってる男。体のあちこちに青く発光する文様が見える。もう死んでて操られてる。あるいは暴走しているのか。)

(全部見覚えがない。夢特有の理不尽によって「ここ」が事務所で、「あれら」が「いまの上司だ」だなどと誤認し、心が幾らかの親しみと情愛を覚えた上で「撃たなきゃ」と懐に手をやった)
(銃把でなく服の金具が指に触れて目が覚めた)

(暫く頭を整理するように唸り、首筋を掻く)
夢かー……。嫌な夢だなー。
(撃ちたいわけではなかった。しかしそれは置いといて必要さえあれば笑いながら撃てると請け負っても良い。)
(それにしても何度か思い出しても「ランベールとは別段似ていない」。過去の上司や今までの敵対者と混線したのだろうが、それも何故かわからない。まあ取るに足らない夢さと見切りをつければ、意識の覚醒とともに夢の内容が急速に褪せていく。)
(どうせ昼には全て忘れているんだろう。)
(こんなクソ真夜中に、本を読みながらコーヒーを啜っていた。どのみちカフェインで眠気が覚めるような高尚な代謝系など持っちゃいないのだが。目を覚ますなら情報か魔法が要る。)
(内心、どうにも落ち着かない。先日の問題が幾らか尾を引いているような気がしなくもない。)
(或いは夢見の悪さもそうかもしれないし、この天気の悪さもそうだし、こちらの世界に不適合な自分の肉体も、そうだといえばそうだろう。悪い原因など探せば山のようにあるが、どれも大したことなどないと笑って過ごす他はないのだ。笑っていればなんとかなるとこの顔を据えた彼女が言っていた。実際そうだなと思っている。)
(頬の傷に触れながら、薄く笑う。)
(眠くなったので読みかけの本を握った手をだらりと下げて、そのまま殺人現場の死体めいて寝た。)
(殺風景ではないし視覚的には人の住んでいる気配こそあるが、相変わらず「生き物の寝起きする匂い」というものに欠いた部屋である。先に扉をくぐった。)
ミルク使わないから置いてないんだよねえ。
もうちょっと頻繁に人の出入りがあれば、置くんだけどな……。
(しみじみと言いながらお湯を沸かし始める。アルクが来たならクッキー缶を押し付けて「座ってて」ってソファを示すんだろう。)
……邪魔する(この部屋に入るのは初。無菌室とまでは行かないが生物的な匂いが全くしないが珈琲の香りなどは嗅ぎとる事ができるので生活はしてる事はわかった)
悪いな、気を遣わせて(室内へと入ると先程の事務室での事に礼を述べる)
……(クッキー缶を半ば強制的に渡されると示したソファーへと浅く座る。相手を警戒してるわけではなくただ単に癖だ。)
…飲み物は特に要らん
もうちょっとスマートにやりたいんだけど、あんまり得意でもなくってね?
掃除機よりは気が利くとは、自負してるんだけど。
(冗談めかしてふふふ、と笑って)
コーヒーしかないけど飲む?飲めないならお湯とジュースくらいはあるよ。

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