PandoraPartyProject

ギルドスレッド

潮騒の従者斡旋所

面談記録(3)

やはりまたある日、いつもの部屋での記録。

窓に近いテーブルと、陽に焼けた椅子。

晩秋。
互いの視線に、熱が伝わりそうな距離。

向き合うように、二人。

(お手紙を頂いた方と)

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嗚呼、すっかりお話に夢中で失念しておりました。
私の名前は……発音を意識するとレモラ、です。
全く、完璧な響きです。
Remoraでも良いのですが……初対面の方のアクセントが気になって、
話に集中できないこともありますので。

ええ、主従関係に重要なのは信頼です。
この人にこそ仕えたい、というような。
ですから返すように、
望まれるなら私は貴方を唱えましょう。

さあ、聞かせてくださいますか?
「候補者」様の御名前を。
ではレモラ嬢と呼ばせて頂こう。

信頼、良い言葉だ。
あぁ、全く君の言うとおりだとも。
何が出来ようとも、信頼出来ない相手には何も期待出来ない。
してはいけない、の方が正しいかも知れないね。

君の期待に沿うように努力しようじゃないか。
そして、君も私の期待通りである事を祈っているよ。

では改めて名乗っておこう。
私はジョー・バーンズ。
この幻想でちょっとした商会を営んでいるものだ。

よろしく頼むよ。
ええ、是非宜しくお願い致します。
期待の重さは評価の証ですから、応えるべく微笑みましょう。

商会を営むとあらば、ちょっとしたも何も立派なご身分にあらせられるのでは。
おおよそ、周囲からも縁を結ぶべく引く手数多でしょうに。

そんな中、わざわざこのような辺鄙なところまで……光栄でございます。
そんな大したものではないよ。
運良く特異点となったのでその立場を有効に利用させて貰って築き上げた私が初代の商会だ。
…それなりの才覚があったとは自負しているがね。
平民上がりの成り上がりだ。古くから商人貴族のお歴々には嫌われたものさ。

(パンと胸の前で手を叩いてから芝居がかった動きで両手を広げ)
さて、では何の話からしようか。
私の求めるものの話をするかい?
それとも、君が求める主人象というものを聞かせてくれるかな?

今回は商品は私であり、君だ。
自分を売り込むセールストークをするのも面白い。
既得権にしがみつく御老体方はどうにも頭の固い方が多いですもの。
何処も似たようなものです、全く。

(首肯しつつ、卓上で自らの指同士を絡ませて)
ええ、仰ってる通りですバーンズ様。
今の我々は互いに互いを主張すべき状況にあります。

従者としては基本主人に順番を譲るべきでしょうから、
まずは先にバーンズ様の「求める」お話を伺ってもよろしいですか?

と、申しますのも。
私の求めることは単純明快なものですから。
私を正当に評価くださり、かつ対価の支払に一切の躊躇いがない方であるならば、と。
その他は割と些細な問題です。

評価されるべく、私は多くを成しましょう。
ええ、やらなくてよいことでさえも。
単にやるべきことをやるだけでは、普通の従者ですもの。
不要の事象を有用に変えてこそ、私が従者である意味があるというものです。
では私から話をさせて頂こう。

私が求めるものは護衛だ。
その先もあるのだが…、それはまだ秘密だ。
秘密を打ち明けても良いと思えれば打ち明けよう。

先にも言ったように私は古くからのお歴々に嫌われていてね。
いや、正確ではないな。
同業者の多くに嫌われている、と言った方が正しい。

理由は割愛するが、そういう訳で荒事に巻き込まれる事も頻繁という程ではないが、ままあるのだ。
故に護衛が欲しい。

それも交渉の場に連れて行っても問題ない者が望ましい。
見た目からして如何にも戦闘要員という者は印象が良くないからね。

私からは以上だ。
何か質問はあるかい?
まあ。

成程、大体の事情はお察し致しました。
バーンズ様は、中々穏やかな状況からは遠いところにいらっしゃるようで。
そして、淑女たる私ならばまず間違いなく戦闘要員の見た目からは大きく外れましょう。
質問は……そうですね。では二つほど。

まず、外見は言葉よりも雄弁に性質を語るものです。
このように小柄で細腕の私をご覧になった上で、それでも護衛を希望されるのですか?
(可笑しそうに笑いながら、その指の組み方を変えて)

そして二つ目ですが……その交渉の場についてのことですね。
規模として、有事の際には何人程度の無力化が必要となりましょうか。
1つ目の質問の答えは現時点では答えられない。

順を追って説明をしようか。
これは君の元に訪れた理由でもあるのだが。
先日のローレットの催しで君がこの斡旋所の宣伝をしているのを見たと言ったね?
それは君が特異点だという事の証明だ。
詳しい理屈はよくわからないが、特異点の者は実力が同レベルであれば往々にして勝利を収めるらしい。

ふむ、前置きが長くなってしまったな。
つまり、こと特異点の能力は見た目では判断出来ない、というのが私の意見だ。
二つ目の質問は…、すまない。私の説明が悪かったね。

私は交渉の場で殺されるような事は、ほぼない。
今のところは、だがね。
私は特異点なので、ギルドの所属でもある。
交渉の場に赴く際にそれを周知していれば、私が取引先より戻らねば真っ先に疑われるのは取引相手だ。
この混沌世界においてローレットに牙を突き立てるというのは中々危険な事だ。
ただ気に入らない、程度の理由でそこまでの危険を犯すものは少なくとも貴族にはいない。

私が用心するのはどちらかと言えば普段の外出だ。
殺すまでは危険すぎるが、少し痛い目を見せようとゴロツキを4,5人雇って乱暴を働く程度の事はままあるのでね。

私の欲する能力の物差しとしてはそのゴロツキから私を無傷…まぁ軽症でも良しとしよう、で逃がせる程度で構わない。
必ずしも無力化でなく、時間を稼いで私を逃がすでも構わないよ。
まあ。人にもそれぞれ得手不得手がありますもの。
確かに、仰る通り私は特異点。
ですが、それ以前に華奢な女性であるということをご理解いただきたいのが女心というものですわ。
(頰に手を当てて目を瞑れば、芝居掛かった口調で、さも傷ついいたかのように)

ただ、二つ目のご回答で安心いたしました。
ギルド間の抗争に巻き込まれるのならば、瞬時に2つ3つ理由を申し上げた上でお断りしようと思っておりましたので。
外出のお供程度で、無法者の足止めぐらいでしたら……ええ、きっと私だけでもできましょう。
何分にも、付き纏うのには慣れてますから。
しかし、成程成程。
護衛とはホントウに新鮮なお仕事で。
いざ取り組むとなるならば、少しは鍛錬でもしないといけませんね。

……ああ、頂いた情報を少々頭の片隅で纏めておりますので、
その間、バーンズ様から私へお尋ねになりたいことはございますか?

ええ、私の知りうる範囲に限らず知らぬことであっても真のように語りましょうが。
私は全てを知りえませんが、私は自身を都合良く全能であると信じております。
故に、出まかせもありましょうが、確率的にはおおよそ正です。

ええ、勿論ご回答は信頼を前提として。
あぁ、たしかにレディに対して不躾な物言いだった。
謝罪するとしよう。
(芝居がかった動きで大仰に謝罪の形を取る)

ははは、随分と道化めいた物言いをするね。
では2,3質問をさせて貰おう。
なに、君なら確実に知っている事さ。

一つ目。レモラ嬢の出身はどちらかな?
見た目からは旅人か海種に見えるが。

二つ目。君の目から見たこの国のイメージを教えてくれるかな?
忌憚なき意見で構わないよ。
この国の人間でも、他国、異世界から来た人間でも人の意見は貴重だ。

三つ目は…、先の2つの答えを聞いてからにしようか。
謎多く自らを演出するのも魅せ方の一つかと思いましたので。
ただ、知りうる範囲の質問であれば、瞬時にお答えせねばなりませんね。

私の出身は、所謂「海洋」です。
ご慧眼の通り、この自慢の耳は海種ならではといったところで。
物心つくまで育った地は、海洋の中で街と言うほど栄えてもおらず。
されど過疎と言うほど命が無い訳でもなく。
今迄の経緯を簡単に纏めるならば、適当な片田舎たる海から陸へと上がってまいりました。

そうですね……私から見てこの国は、勇者の舞台として申し分のない環境が整っているかと。
海の底に比べれば、どこも程よく陽が当たって心地よい次第で。
陽気な海洋の街中も捨てがたくありましたが、この国も気に入っておりますよ。

ええ、何と言っても民の方々が生きていく上で……程良い窮屈さを具えていて。
(一瞬意表を突かれたというようにキョトンとした表情になり、俯いて噛み殺した笑いを漏らし始めた)
く、ふふ…。
成る程、勇者の舞台か。
言われてみれば、あぁ成る程と納得出来る話だ。
そういう考え方をした事はなかった。
(顔を上げた時には先程までと変わらぬ笑顔になり)
いや、貴重な意見を聞けた。感謝するよ。

さて、3つ目の質問。報酬の話だ。
適正な能力と労働には適正なる対価を。
手放したくない人材であれば更に色を。
というところで、私からの報酬は今のところこのぐらいを考えているが、どうかな?
(提示された金額は依頼内容の適正価格より少々上。だが極端に高給ではない。中々割のいい仕事、といった価格)
(頰に指をあてると、やや視線を逸らして)
少々、見当外れのことを申し上げたかもしれませんね。
いえ、私の願望なのかもしれません。
かのような大規模召喚が起こった以上、呼ばれて終わりではなく、何かを起こして欲しいと。

(提示された金額に、やや考える素振りをして)
私を評価頂けたようで何よりでございます。
ええ、ええ。まだ働きをお見せできぬ身なれば、私から異論はございません。
しかしながら、私も生活の為に他に主を抱える身故、急なお話ですと時には駆けつけられぬことがあるやもしれません。
今後お呼び出しの頻度を上げていただく場合は、特にお気をつけくださいませ。
(微笑みを浮かべ、再び胸の前で腕を組むようにして)
いや、それは私の願望でもある。
願わくば、それが余人でなく私自身である事を望むがね。
(そう言うと今までの笑顔とは違う、少し悪い笑顔を一瞬見せる)

なるほど、急な呼び出しには応じられない場合がある、と。
それに関しては元々スケジュールを立てて行動するので問題はない。
場合によっては急な同行も願うかも知れないが、そこのところは都合が悪くても咎め立てはしないさ。
あとはそうだな…スケジュールを了解した仕事を急にキャンセルするのは、まぁ事情次第ではあるが余り多くなると考え直さざるを得ないのでそれだけ気をつけてくれれば構わない。
(ほぅ、と一瞬見せた表情に安堵するよう)
ええ、勿論私も、主人が勇者たるならばそれに越したことございません。
尤も、民にとって勇者は一人でも多い方が良いのでしょうが……
勇者たる者にとって、その解が自らに等しいかどうかは別のお話で。

(視線を手元に落とし指折何かを数えると、それからゆっくり視線を戻し)

ああ、無論です。
余程のことが無い限り、私から事前のお約束を反故にすることはございません。
されど、皆素晴らしき主人なれば、もし、もし万が一同時にお約束を寄せられた場合に判断に迷うものでして。
その際は、より強く私の心を繋ぎ止める証……其方を多くご提示頂いた方を優先させて頂くと。
それだけの話にございます。
(悪びれもなく、ただ笑って)
(鷹揚に頷き)
さもあらん。
君にとってそれがその「余程の事」なれば私がなんと言おうとそうするだろう。
私はそれを咎めるつもりはないよ。

尤も、それほどの相手と出会えたとなれば、君が私の下を去る方が早いかも知れんがね。
(はっはっはと楽しそうに笑った後に胸の前で両手を叩き)
さて、それでは一旦契約は成立したと見て良いのかな?

まだ何かあれば応じるが、如何かな?
まぁ、ご冗談を。
その実、少しもご心配されているようには思えませんけれど。

ええ、この場で口頭での合意がございます以上、仰る通りに。
詳細については書面をとり交わすが上策と思いますけれど、そちらについては後日ご訪問致します時にお持ち致しましょう。

さて、他に質問とあらば……そうですね。

先程、勇者となるものが現れることをバーンズ様も望まれていると伺いました。
そして、願わくばご自身が勇者となればと。
(ゆっくりと、微笑みに閉じていた目を見開きながら)

その願いとは、夢ですか?
それとも「目標」でありますか?
(すっと目を閉じて押し黙る。ややあって口を開き)
若干のニュアンスの違いはある、がどちらが近しいかと言えば目標だ。
そして、そのニュアンスの違いをもう少し埋めるのであれば…。

(熱情を押し込めるようにゆっくりと語る)
それは前提であり、通過点。
私の目標というのはその地点より些か先にある。

(目を開き平素の穏やかな笑顔に戻り)
これで解答になるだろうか?
(言葉を噛み締めるよう、しばらく息を止めたまま、視線は真っ直ぐと)

通過点。
貴族達が求める名声……勇者たる地位も名誉さえも、貴方にとっては通過点に過ぎないと。

(やがて眼差しを和らげると、ゆっくりと頭を下げて)
ええ、充分すぎるほどに。
バーンズ様という方が、私がお仕えするに値すると判断するにはお釣りがくる程のお答えです。

野望も夢も、測れぬぐらいでなければ面白くありませんもの。
期待を裏切らぬように努めるとしよう。

ではこれからよろしく頼むよレモラ嬢。
いや、これからは主人となる身だ。
レモラと呼ばせて貰って良いかな?
ええ、もちろんです。
どうぞ、バーンズ様のお好きなようにお呼びくださいませ。

鮫の従者、此処に新たな主人を唱えましょう。
どうか長きご縁を、と。

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