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ギルドスレッド

Migrateur

《第4章》ぜんそう

王都メフ・メフィート、ラドクリフ通り。
市は活気に満ち溢れ、街行く人々のかんばせは華やいで。
束の間の平穏。変わりない日常。その、ひとかけら。

きみの羇旅はいま、はじまりを迎えた。
さあ、――『旅支度』を始めよう!

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おきゃくさま:エドワード
https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3p009403

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(好天。雲ひとつないそら。高く、高く。頂で地を照らす太陽が霜を溶かす。
 春告を思わせる、甘さを含んだ風が頬を撫でて行く。

 そんな華やかな通りから少し外れた所に、其処はある。
 看板には『Panacée』、とある。

 異世界からの来訪者がローレットから依頼を斡旋される迄にあたり、紹介される多くの店の中のひとつだ。
 武具、防具、魔術の媒体、その他諸々。
 天井に吊るされた薬草類。棚に並べられた瓶詰めの素材に、新品の武器防具。
 手頃な価格のものからある程度の経験を積んだ者へ向けた物まで。品揃えは悪くは無い、ようだ。

 隻眼の店主が、節榑立った手をあなたへ向け、入れ、とことばなく招くことだろう。
 『ガキの遊び場じゃねえ、帰んな』とは、言わなかった。この店を訪れるもの、その意味を知っているとばかりの態度だった)
(物々しい店内の中に、一際騒々しい、場違いとも言える囀りが響いていた)

それでね、僕は放ってやったのさ!華麗なる剣戟、滑空からの大立ち回り!
……ねえねえ聞いてる?僕の晴れ舞台のはなしがまだ途中なんですけど!

(店のカウンターに背伸びして、店主にしきりに語り掛けている――と云うより、一方的に喋り続けているむすめのすがたがあった。店主が顎をしゃくって店を訪れた来客の姿を指し示したなら、みどりのむすめは目を輝せ、自らのマントの裾を摘んで腰を折って見せた)

や、ごきげんよう!この辺じゃ見ない顔だね。
探し物がおありかな?このおじさんは無口だからさ、よかったら僕がおてつだいするけど!

(目線の高さは、相手の方が高い。年の頃は、自分よりも下……のように、見える。
 距離は、まだ詰めない。彼が『同業者』であるか、未だはかりかねているからだ)
(元の世界からこっち、ローレットに召喚されてから、エドワードの興味はあっちへ行ったり、こっちへ行ったり。見たことのない種族。見たことのない景色。それから、まだ出会っていないたくさんの仲間たち!ここへ訪れたのもまた、その興味に惹き付けられたのが理由だった。店の様子を眺めているとやがて店主に招かれて、店内に足を運んだ。)
へぇー、ここは冒険に役立つ道具とかたくさん置いてんだなー、みんなここで買い物とかしてんのかなー、

(ひとりごとを口走っていると、すぐに彼…?彼女…?の存在に気が付いた。背は自分より少し低い。自分もどちらかといえば小さいほうなのだけど…もしかして、年が近い?ぐいぐい来る様子に、彼にしては珍しく少し驚く。)
お、おう!
でもわりぃ、別になにかを探してるわけじゃねーんだ。
オレ、最近ここに来たばっかでさ、あちこち見て回ってたとこで…ここも、そんな感じ?
あ、オレはエドワード!よろしくなっ!
お前はなんていうんだ?
(明るく話すエドワード。これから先、ローレットの冒険者としてこれから依頼を請ける機会もあるだろう。彼の装備は手持ちの剣一振りと、小さ目のポーチ。冒険をするのに十分な装備とは言えない。)
(子どもらしい好奇心に満ちた瞳。弾む声音に浮き立つ足取り。腰に提げた一振りは、スラム街の孤児が握るような錆びた短刀には見えない。なれば、そう。彼は飾りでなく、その剣を振るう者なのだろう。そう、思った)

おや。おや、おや!

(少年の身なりはそれなりに整っている。ならば、貧しさから逃れるように移住してきた者と云う訳でもないのだろう。上から下まで眺め見て。ふうむ、と顎に手を遣り首を傾げ)

ということは。きみ、『空中庭園』からのお客さまかな?
それとも。よその都市国家からのお引越し?

(相手が面食らっている様子を気にする風もない。が、少年が後退さるようならばむすめもそれ以上は距離を詰めない。不躾な視線を送ってしまったことに詫びを入れつつに)

ごめんね、僕。この店であんまり他の人に会ったことなくってさ。はは、珍しくって。つい!

(少年が先に名乗りを上げたなら。胸に手を当て、気取った所作で。ボウ・アンド・スクレイプ!)

僕の名前はサンティール。サティって呼んでもらうのがすき。
語り部みならいで――特異運命座標のひとりさ!
……まあ、まだまだ半人前なんだけどね!

どうぞよろしく、エドワード。
もしも旅支度を考えているなら、僕は喜んで手を貸そう!
サンティール……サティが良いならそう呼ぶことにするぜ!
空中庭園……あーっ、確かそんな感じのとこに呼ばれたと思う。いきなり連れてこられた時はびっくりしたぜ……


えーっと、たぶんオレも、その不得意運命座標って奴かな。
サティが半人前なら、オレは半半人前ってところだな〜、
(へへ、と笑う。)
でもよ、サティってオレとそんなに変わらなさそうに見えんのに、もう依頼とかこなしてんだなあ。

すげぇよ。
(お世辞でなく、素直に感心しているのは彼の目を見ればわかるだろうか。)
うんうん!是非ともそう呼んでくれたまえ!

(満足げに頷いて、次だことのはに目を丸く)

ふふ、あはは!そう、特異運命座標。イレギュラーズとも。

じゃあ、そうか。きみとぼくは、同胞というわけだ!
僕は……ええと、そうだね。『ここ流』に言えばウォーカーと呼ばれる異世界人さ。
エドワード、きみは?

(この混沌。或いはよその世界から訪れた旅人であるか、と添えて)

右も左もわからないところに放り出されて、お告げなんか聞かされちゃったらそりゃあ驚くさ!
神託の少女にも会ったろう?僕も最初は訳がわからなかった!

でも、それより。
自分が英雄になり得るかもしれないんだって云う興奮の方が大きかったかもだ。

(現実はそう甘くもなく。挫折と恐怖に何度も躓いてきたのだが。
 目前の少年にそれを語るのは無粋だ。
 ゆえ、むすめ――『雲雀』は笑って、当時の心境を語るのみに留めた)

ふふふ!ありがとう。命を賭すこともあったし、子守を託されたこともある。
ローレットには沢山の『やっかいごと』が集まってくるから。
ひとつひとつこなしていけば、きみもすぐに強くなれるよ。
(と。ここで一区切り)
(少年のひとことに、ちっちと指を振ってみせ)

のんのん!たぶん、僕のほうが『おねえさん』だ。
長命の妖精族はごぞんじ?この世界の幻想種に近い種なのだけれど。
僕はかれらの祝福を受けているんだ。

(だから。ひとよりすこしばかり成長が遅いのだと告げて)

僕は今年で17さい。順調にオトナに近付いているのである!

(えへんと胸張り得意げに!)
……えっ、サティのがオレより年上!?
………。ほんとにー…?(じぃーっと、信じられなさげに見つめ)
まあでも、嘘を言ってる風には見えねぇし…そういうことなら信じるぜ!
妖精族?そんな奴らもいんのかー、一度会ってみたいかもだ。
(こくこく、と頷き)
それからえっと…。
サティは英雄になりたいのか?
そっかぁ…。(少しだけ考え。)

オレはさ、この世界で色んな奴らと出会って、色んな景色を見て…んで、色んな奴らと仲間になりてぇんだ。
仲間がいるとさ、勇気が湧いて、無理だって思ってたことも、少しだけ頑張れるんだよな。
…だからさ、世界中に仲間がいれば、みんな今よりもっと元気になるだろ?そう思わね?

サティの夢。英雄になるってことは、きっと色んな人を助けるんだよな。
…それなら、オレも応援する。応援したいって思う。
困ることがあったらさ、声、かけてくれよな。(もう仲間なんだから、とでも言いたげに、まっすぐ見つめる。)
そ!17さい。ちょっとばかしからだの成長は遅いけれどね。
街を歩けば出会えると思うよ、それはもう、ほんとうにたくさんの種に!

ここでの生き方を示してもらうために……特異運命座標たちはね、みんなローレットの門戸を叩くのさ。
エドワードが求める仲間にも。何なら友人にだってなれちゃうかもだね!
んふふ。みんな、気のいいひとたちだからさ。

(きみが心を開いたなら。彼らもまた自らのことを語り、手を取ってくれるだろうと微笑んで)
んー……そうだなあ、『なりたかった』かな?

(真っ直ぐな陽色の双眸を見つめ返したなら、悪戯に。にんまりと三日月に瞳を撓め)

僕はね、物語を紡ぐことが好きなんだ。
人々を勇気づけられるような、希望に満ちた英雄譚。
誰もが焦がれる、誰もが胸を踊らせる、ハッピーエンドを。ひとりでも多くの人に伝えて行きたいって思うんだ。

それには、英雄のそばにいて。彼らの生き方を、在り方を、この目で見て、覚えておかなくちゃあならない。
だからね。僕は、そんな人たちの手助けがしたいのさ。
もちろん!きみみたいな、『英雄のたまご』のこともね!

(舞台役者のように。演説をするように。胸に手をあて、まだ見ぬ未来を指し示すような。大仰な所作で以って)

エドワード。きみはこのせかいで、たくさんのひとに会える。
つまづくことだってあるだろう。挫けそうになることだって、きっと一度や二度ではないだろう。
そんなときは、振り返ってごらん。
きみが築き上げた絆が、仲間が。きっと、きみに力を貸してくれるはずだから。
いまは見知らぬ世界にひとりきりかもしれない。でも、きみはいま。『友人』を得たのだから!

……んふふ。きみが言いたいことって、きっと。こういうことだろう?

(ぱちりと片目を瞑って見せて。もう、ともだちだよ。と、言外に)
…「なりたかった?」(サティの言った一言を聞いては、僅かに眉を寄せる。…諦めてしまったのだろうか。その疑問だけがエドワードの胸中にそっと残った。)

んーと、つまりサティは、色んな人に、色んな明るい話を伝えるのが好き!……そういうことでいいか?(エドワードなりの解釈だが、大体そんな感じだろうか。)
…あ。(ぱちりと片目を瞑って見せるサティは、中性的な印象から偏って、少女的な印象を強く受けた。)
…へへ。(言外に伝えられたメッセージを感じ取ったのだろう。エドワードも照れくさそうに鼻をかいたあと、サティに笑顔を返す。)
ありがとな、サティ。そう言ってもらえるの、すっげー嬉しい。
そんでもって、オレにとっては初の”ゆーじん”って奴かな。…よろしくな。(なんだか感慨深そうなエドワードから、”ゆーじん”としてのご挨拶も。)
あ!(そこまで話してから、つい声を上げ)
サティがオレを手伝ってくれんのはすっげー嬉しいし頼もしいんだけどさ。
(サティに向けて一歩、さらに一歩と踏み込んでは間近まで近づき。)
せっかく「友人」になったなら。
オレのことも、ちゃんと頼ってくれよな。助けられるばっかじゃねぇ。サティが困ってる時は、オレがサティを助けるからさ!
(実力はまさに駆け出し。世界のことも全然しらない。それでもエドワードの陽色の瞳は、「ただ友達を守る」と、迷いのない意思を伝えてくるだろう。)
あはは!うん、あってるあってる。
みんなにわらっていてほしいから。僕は、喜劇や夢物語を愛しているのさ。

(後ろ向きな理由で英雄になることをやめたわけではない。諦めたのではなく、自身のあり方を確立させたと言った方が正しいのだ。語り継ぐものがいなければ、どんな偉業も風化してしまうのだから。僕はそれが我慢ならないのだ、なんて。全部熱っぽく語るのは気恥ずかしいから、口にはしないけれど)

こちらこそ、どうぞよろしくね。
多くのものを見て、知っていくといい!このせかいは、きみが思っているよりも。
うんと、うんとひろいから……まいにちが眩くて、きっと。立ち止まってなんかいられないさ!
ん?わ、わ!

(後退さるまではいかぬものの、距離を詰められたことに目を丸くして。言い募るまっすぐなことのはに、ぱちぱちとみどりのひとみを瞬かせた)

……ふふ、そう?
ありがとう、エドワード。頼りにしているね、ちいさな勇者さま。

(誰かを頼ること。それは、雲雀の不得手とすることのひとつだけれど。友人のまっすぐな行為を無碍にするほど無粋ではないつもり。ちいさな嘘ひとつ。けれど、そのかんばせは嬉しげな笑みに彩られていた)

さて。さて。兎にも角にも、まずは先立つものが必要じゃあない?
このせかいで生きていくにあたって、護身術が使えるに越したことはない。
きみの手に馴染む一振りを、きみが自分の手で選ぶんだ。

(守ること。それは、傷付けることと紙一重。……多分、そんな小難しい話を抜きにしても。男の子って生き物は。自分だけの武器と云うものに、憧れるものだと思うから。店内をぐるりと仰いで見せて、立て掛けられた幾つもの武具をてのひらで指し示し)
立ち止まってなんて居られないって…へへ、そりゃ良いや。
オレ、今もずーっとわくわくしてんだ!

(目を丸くしたサティの様子は特に気にしていない風で、そのまま話を続けた。)
小さな勇者さま?
なんだよ~~、そんな風に言われるとちょっぴり照れるだろ~。(とはいえ、満更でもないようである。)
先立つ…もの…。
オレの武器を選べってことだよな。(自分自身の手に馴染むものを、自分自身の手で。)
(並べられている多数の武器を眺めながら、じっと考える。自分がこれから出会う人。景色、動物。きっと色んなものに出会う。こうしてサティに出会えたように。では出会えた者達に対して、自分がどう向き合うのか。…手に取る武器は、その答えの一つを示してくれるような気がした。)

…それならオレ、これがいい。
(そう口に出して手に取るのは、一つの丈夫そうな盾だった。武器としてはぱっとしない選択かもしれない。それでも自信たっぷりでそれをサティに見せる。)
オレは出会った人を傷つけるよりも、そいつを守って、時には相手と向き合って…そういう風にやっていきたい。
だからこれにする。(これもまた、まっすぐな瞳と共に意思を伝える。)

…あ、お代どれくらいだ?
足りるといいんだけど…。(ごそごそと懐を捜して、小さ目な財布を取り出した。)
(召喚された当時は。自分も彼のように目を輝かせていたように思う。あの頃から自分の目標はすこしだけ変わってしまったけれど、夢に駆け出すちいさな英雄の背を押すことはできる。そう在ろうと、決めているのだから!)

うんうん。胸を叩く鼓動のままに、歩み続けるといい!
きみは自由だ。このせかいのこと。このせかいに住まうひとびとのこと。
愛するも厭うも望むままだけれど……ふふふ!きみはきっと、前者を選ぶような気がするな。

(僕もそっちのほうがすきさ、なんて囀って)
(少年の選択を、雲雀はただじっと見ていた。茶化すでもなく、急かすでもなく。刃を持たない。けれど、それが臆病な理由ではないのだと語る少年へ、にんまりとねこのように目を細め)

なるほど。なるほど。守るための武器であり、盾であるってわけだ。
そのためには、ちからもつけなくちゃあならない!……実のところ、僕はそれで結構手を焼いたんだよね。

(守るためのそれはひどく重く。いのちを奪うものには、相応の対価が必要だと云うことを学んだのだと肩をすくめて)

このせかいのおかね、まだ持っていないだろう?
ローレットに行けば軍資金を支給してもらえるとおもうけれど。

(銀貨を数枚、店主が肘を付くカウンターへ置いて、少年へと向き直り)

――きみの目標とゆめ。お代はそれで十分さ!

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