機械的なコンソール、空中に浮かぶデジタル的なディスプレイ……未来的な光景がそこには広がっている。

そして、その中央――本来、艦長が座るべき一段高い席の横には、中性的な顔立ちの人物がいた。

「当艦『オリオン級宇宙戦艦弐番艦 ベテルギウス』へようこそ。貴官の来訪を歓迎するのであります。」

当艦は自立型制御AI……だった、ベテルギウスであります。

当艦を作成した技術者達は『ベティ』と呼んでおりました。
長ければ、そちらでお呼び頂いても問題無く。

ｳﾞｫｰｽｹﾞｰ!!　宇宙船だ～～～～～～～！？
名前はよくわかんないけどすごいスケールを感じる……！
よろしくねベティちゃん！！！

天体の内、雄々しく常に見られる星座の『オリオン座』。
その右肩に位置する一等星「ベテルギウス」が当艦の銘の由来であります。

（朋子の眼前に、半透明のグラフィック・ディスプレイが顕れる）
（棍棒を構える雄々しい狩人と、その背景に三日月が描かれたエンブレムが表示された）

こんばんは……見たことないような、鉄で出来た街のような場所だね……？
えっと、迷子にならないかな……地図、というかメモ書き付けておこうかな

新しい下士官でありますか？

当艦へようこそ、当艦の統括AIのベテルギウスであります。ベティとお呼び下さい。
少なくとも歩いて巡るのは少々時間が掛かるでありますから……艦内移動用ポータルを起動しておくであります。
（バーチャル・ディスプレイをぽちぽち）
（一部の床が光り始めた……空中神殿の転送の様なものらしい）

うん……？下士官……？えっと、ローレットのお仲間さんって認識だったけど違うのかな……？

わ、何これすごいね……？
これが戦場でも使えたら便利そう……うん？艦内だけ……？
えっと、ワタシもベティさんって呼んでいいのかな……
よろしくね……

ローレットには登録しているであります。
名簿検索……確認。
フラーゴラ・トラモント、14歳。ブルーブラッド種と情報一致。
照会完了したであります。下士官では無かったでありますな、失礼したのであります。（敬礼）

はい、ベティとお呼び頂ければ。
貴官は……何とお呼びすれば？
上官、下士官以外の者への接し方は、当艦のデータベースには情報が少なく……判断不能であります。指定の呼称を登録して下さい。

お～…何かパーツになりそうな物がありそうな場所が…（きょろきょろ…
…う～ん…建物…にしてもちょっと砂漠にあるものっぽくはないかな？何だろうここ…（こそーと中を見てる）

（ブォン、とバーチャルなディスプレイが現れる）
（そこに主らしい者の顔が映っている）

あ、あー。テステス。
当艦にようこそ、異郷の民。
当艦に危害を加えない方であれば、どうぞお入り下さいであります。
尚、盗賊の類の場合……当艦のセキュリティ・システムの餌食になって頂くであります。

（何かレーザーっぽいのを溜めてる小型の自動砲台やら、回転鋸やら、何故かマジックハンドをわきわきさせてる機械腕やらが天井からウィーンと出てくる）

おー！凄い良さげなパーツ！（おめめきらきら！）
あ、でも大丈夫だよ。既に所有者が居るなら取ったりするつもりは無いよ！
私は強くて良いシスターなので！（ふんす！

っと住人の人が居たんだね。失礼したよ。
私はンクルス・クー。ちょっと面白そうな感じだったので見に来てみたんだよ！よろしくだよ！
危害は加えるつもりは無いしちょっとだけお邪魔してもいいかな？

成る程、盗賊追い剥ぎの類ではないでありましたか。

ローレット特異点名簿に照会……。
ンクルス・クー、13歳。レガシーゼロ種……確認しました。
当艦は貴官を歓迎するであります。

機械系種族、秘宝種……此方の世界の、当艦の同輩でありますね。
部品に相互性がある様でありましたら、艦内整備区画のものであれば使用可であります。
他、ラミネート加工、鏡面加工等も可であります。アンチビーム、レーザー反射に有効であります。
（何かトンチキな事を勧め出す戦艦）

おー？何か似た感じかと思ったら旅人の方だったのかな？
未だに私と同じ種族と鉄騎種と旅人の違いが分からないなぁ…
…あ、そういえば名前何ていうのかな？（聞いてなかった事を思い出し

おー！じゃぁ良さげなパーツあったら接続しちゃおうかな！ありがとうね（えへへ～♪
アンチビーム、レーザー反射…お～？何かそれトラクスに聞いた事ある気がするかな？
あ、トラクスって言うのは私の先代機なんだよ！人で言うお姉ちゃんみたいな感じ！

これは失礼。
当艦は、オリオン級 弐番艦 ベテルギウスであります。
（カツッ、と踵を鳴らし揃えて敬礼）

この異郷では、アンドロイド……機械人間が普通にいるのでありますな。
興味がおありでありますか、でありましたら……試供してみるでありますか？
（化粧品売り場の店員みたいなノリ）
（ポケットから何か小型の銃みたいな機械を取り出す、これを当てて磨くらしい）

ベテルギウスさんだね！よろしくだよ！

おー！じゃぁ試してみようかな！
なら手に使ってビームを投げ返せるように…（銃口を手に当てて使おうとして…）
…これどうやって使うのかな？（首傾げ

愛称はベティであります。
どうぞ、お気軽にお呼び下さい。

これは……こうするであります。
（銃口がある部分に、円形の鑢の様なパーツがある……引き金を引くと、それが高速で回転し始める）

（ヴィイイイイイイイイ！！！）

大丈夫であります――痛いのは一瞬であります、じきに気持ちよくなるであります。
（無表情で、ゆっくりと……回転鑢を掌に近付けていく）

はーい！じゃぁベティさんって呼ぶね！

…それ本当に大丈夫かな？
手が削れない？いや寧ろもし削る方式なら私再生しちゃうから意味が無いかも…
そして痛いのが一瞬ってそれ痛いものなのかな？気持ち良いならオーケーだけど！
（っといいつつ興味が勝ってるのでそのまま掌に近づけられるままに待ってる）

人間で言う所の薄皮一枚であります。
……が、再生機構搭載型でありますか。であれば、この加工法は使えないでありますな。
けど……ふむ。興味がおありなら、試しに少々。
（回転鑢が、掌の一部に触れる）
（薄皮一枚、厚さにしてナノ単位の薄さで削れば……その部分は、鏡面の様にピカピカに磨かれた様になる）

（ぴかぴかになった手を見て）
おー！何か確かに凄そう！綺麗！
（しかしちょっとすると元に戻る）
む…むむむむ…駄目だね…
多分滑りが良くなるのが滑り止め機能が無くなったと判断して再生しちゃうのかな…
素直にビーム反射できる物を接続した方が良さそうかな…（本当に残念そう…

（コンソールをカタカタと叩く浪人）
（ッターン！と最後に押して、バーチャルディスプレイに表示されたのは……）

……成る程な。次はこのロバか。

（競馬……もとい、競ロバの期待値グラフだった）
（手に持つ競ロバ新聞に、赤ペンで印を付けていく）

んにゃ、あたしの勘はこっちの単穴が勝つって言ってるっす　(いつの間にか背後に忍び寄っていたチワワ系成人女が指を指す)

いや、そいつは無いで御座るな。

（気付いてはいたが、知った気配なので放置していた系浪人）

確かそのロバ、木の根が落ちてるとそれをしゃぶるクセがあった筈……あそこ、よくそういうの落ちてる故に、まず飛び付いてしゃぶってると思うで御座る。