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ギルドスレッド

【Bande†Fluegel】

【個別スレ】喫茶『arc-en-ciel』

「先日頂いたお茶の、お礼をさせて下さい」

 始まりは、男のそんな一言。
 場所は幻想の大通りに位置する、知る人ぞ知る小さな喫茶店『arc-en-ciel』――ここで出しているパンケーキが本当に美味なのだと、男は穏やかに微笑む。
 清掃はしっかりと行き届いているが、内装は至ってシンプル。店内は他にも複数の客がそれぞれのテーブルを囲み、賑やかに談笑しており、正に大衆店といった風情。およそ、高貴な身分の者を招くには格が足りていない印象もある。
 だが、男は迷う事無く今回の客人――クレマァダを連れて、店の受付を済ませた。

「きっと、後悔はさせませんから♪」

そうして通された席に座り、二人は向かい合った。

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このスレッドは
クレマァダ=コン=モスカ
フェルディン・T・レオンハート
の二名による個別スレです。
上記二名以外の書き込みを禁止します。

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ん、んん……!?
ああ、すみません。ハッキリとは確認できませんでしたが、それはおそらくパフェというモノではないでしょうか?
菓子類、フルーツ、クリームなどが何層かに盛られているスィーツですね。
見た目も豪華な物が多いのですが……ふふ、ご興味が?
パフェ……

興味などとそのような。
……パンケーキもまだじゃというのに。
そうですか……?
では、ボクが食べる事に致しましょう。

すいません店員さん、こちらのチョコレートブラックスパフェを追加で一つ。
あっ。

すま……
いや、ありがとう。
……我はまだ未熟じゃなあ
どういたしまして。
ふふ、このような事に未熟も何もありませんよ。
それに、貴女の喜ぶ顔が見れるのであれば、ボクが嬉しいというだけの話ですからね。
(にっこりと。そうこうしている間に、先に頼んだパンケーキが運ばれてくる。フォトジェニック)
いやしかし公人として顔色一つで人の意見を変えてしまうのだという自覚はぉぁ……

(運ばれてきたパンケーキに目を輝かせる。
彼女が今まで触れてこなかった類の豪華さだ)

……う、む。
すごい、美味しそうじゃな。

お主のはまだ来んのか……?
(アイスが溶けてしまうぞと、はらはらしている
どうか気にせず、先にお召し上がりを。
ボクの分も、すぐに運ばれるでしょうから。

――ほら、アイスが溶けてしまいますよ?
(穏やかに微笑んで、食べるように促す。どことなく嬉しそうだ)
うむ。……

……では。

(フォークとナイフを取る。
背筋を伸ばしてパンケーキを切り分ける姿は、食べ物はさりとて食器の扱いには手慣れた様子だった。
アイスもフォークで抉ってパンケーキに乗せる。クリームも載せる。
乗せきったそれを)
(ずいっとフェルディンの口の前に差し出した)
……――え?
(固まる。
 それまで、食器を巧みに操る彼女を、実ににこやかに眺めていた男だったが、目をばくちりさせながら固まった)

……え、えーと、これは……もしかして?
(流石の彼も、彼女の意図が分からないほど莫迦ではない。
 のだけど。やっぱり万が一間違っているといけないし?確認は、しておこうかなとか。思ったのである)
もしかしてじゃのうて、お主もさっき言っておったじゃろ、しぇあじゃ、しぇあ!!
(はよせいアイスが溶ける、と落ちないようにちょいちょいアイスを動かす。
零れてフェルディンの襟元に落とさないように左手も添えていて、周囲の見様見真似にあー、とかんーみたいなことを言っていた。
口元に差し出すフォークの決意は固い。
ここまで恥ずかしいことをしたからには食わなければ許さぬという気配をまき散らしていた)
え、ええ……!?
(シェアって、こういう風にするんだっけ?
 等と冷静に問う余裕もない。確かに周りもやっていたような気はするけれど……
 こ、これは流石に恥ずかしい、ぞ……!?
 で、でも、折角のご厚意だし!? ここは、ここは……!)

――あ、あーん……!
(結局、そのまま流されるように口を開ける成年男子であった。
 ぱくっ……! お、美味しい……!)
は、はい……とても美味しいです……!

で、ですがクレマァダさん。
これは流石に……えっと、こういうのはきっと、その。
女性同士ならともかく、我々のような異性同士だと、いわゆる――恋人だけがやるやつ、だったのでは?
(しどろもどろ)
えっ

だっ

なっ

おまっ

(フェルディンを指差してパンケーキを指差して、周りを指差して周囲の席を指差して

周りを見て

周りから見られてるのを見て

浮いた腰を席に押し込んだ)
(小さくなってきゅいきゅいと自分のパンケーキを切って食べる。
周りからくすくすと笑い声がまばらに聞こえる。
自分を笑われている気がしていた)

……だって、フェルディンが、リディアはよくやっていると……
…――あは、あはははは。
(周囲から関心を向けられているのが分かる。可愛いだとかなんとか聞こえた気もした。
 ともあれ――)

いや、すみません。
咄嗟の事だったので、ボクもついそのまま応じてしまいまして……
ですが、その……本当に美味しかったですよ、ええ。
(気恥ずかしさからか、やや横に逸らした顔から視線を向けて)

妹は、その……ボクと同じで、恋人と言えるような異性はいないはずですから。
きっと、女性同士で先ほどのような事をしていたのではないでしょうか?
……であれば我の失態じゃな。
すまぬ。公衆の面前で。

(自分も食べる。
 バターは独特の芳香をもってレモンの酸味を柔らかく包み込み、単体では酸味が強いであろうアイスを柔らかく受け止めつつふかふかとしたパンケーキの生地が強すぎる刺激を受け止め優しく胃に流し込んでいた)

……うん。
じゃが、やはり食べさせて良かったな。
……美味しいぞ、これ。

(ふっと笑って、固まって、
フェルディンのパンケーキが運ばれてきて、びくっとしていつもの仏頂面に戻った)
……もう。本当に、どうか気を楽にしてください。
確かに少々気恥ずかしかったですが、決して謝られるような事ではなく―

(そんな事を言いながら、彼女がパンケーキを食べる様子を眺めていると、やがて自分の分が運ばれてくる。
 うん、美味しそうだ。店員に任せたトッピングは、苺の果実と――ブルーベリー)
――そうですね、それでは……
(フォークとナイフを手にし、パンケーキを切り分ける。大きく盛られた生クリームを崩して乗せて、トッピングの果実とソースも綺麗に添えて……)

これで、おあいこというのは、如何でしょうか?
(右手に持ったフォークでそれを上手に持ち上げると、落とさないように左手を添え、微笑みと共にクレマァダに差し出した)
………!!!

………やはりその、やらなくては?
だめです。(ウィンク)
……さあ、お口を開けて下さい。零れてしまいますよ。
…――とはいえ、やっぱり恥ずかしいですね、これ。
(言いながら、思わず笑ってしまって)
…………
ぷっ。

ふ、ふ……
うん。恥ずかしいな。
ふふふ……!
すみません、どうか許してください。
(そう告げる男の表情を綻んだまま。なんとも言葉にできない朗らかな気持ちに包まれていた)

お詫びに――ええ、こちらのパフェも、どうぞご賞味下さい。
(折良く運ばれてきたチョコレートパフェを示す)
……ほう。

(ぴっと背筋を伸ばしてパフェに向かい合う。
スプーンですくって、口に入れて、先ず感じたのは奥歯でこりっと砕けるチョコレートの小気味よい感触だった。
クリームが入ってくる。ミントの爽やかさを感じる。
渾然一体となって……これは)

……うん、美味しい。
これは、食べたことのないものじゃ。

(はぐはぐと食べ続けた
――ぶふっ……!
(そんな彼女が耳にするのは、堪えきれず吹き出た笑い声)

ご、ごめんなさ……でも、クレマァダさん……!
なんで所々そうやって畏まるんですか……!
ふ、ふふ……美味しそうで、なによりですけど……!
(テーブルの下になって見えないとは思うが、震える横腹を思いきり抑えている)
……食するものには敬意を働くべきじゃろ。
我はそう思うが……
――い、いえいえっ……!
そのような事は決して……! (鎮まれ、ボクの横腹――!)
こほん――
なるほど。食材に敬意を、というその心意気は大変立派だと思います。
決して咎める訳ではありませんので、貴女らしく召し上がって頂ければ、勿論結構ですよ。

…………(まぁ、それはそれとして。やっぱり思い出すと破顔しそうになるのだが)
…………と。
お主、食べておらんじゃろ。
(はぐはぐと食べ進めて、はたと気付いて、フェルディンに返した)

(……パンケーキを食べようとしながらも、視線はそちらに注がれている)
……おや。
(返されたパフェを見て、きょとんと。
 全部彼女に食べてもらっても構わないと思っていたが、思えば、自分で食べると言って頼んだのであったか――)

それでは、失礼して……(ぱくり)
…――うん!
(やはり、ここのスイーツには外れがない。
 ただ甘味だけを増したような代物ではなく、素材の良さを生かした新鮮な風味と後味のお陰で、胸焼けせずに食べやすい。
 一口、また一口と、食べ進める手が止まらない。表情も、自然と綻んでくるものだ。うん、この味ならきっとクレマァダさんも満足して――)
…――あ。
(思わず。ぼそ、っと……
 そういえば、同じ物を食したのか、我々は。
 先の様に切り分けた物ではなく、同じ器で、同じように――)

(少し恥ずかしくなってしまい――ちら、と彼女の方を見る。
 そうすると、目が合ってしまって。思わず、視線を逸らしてしまった)
(嬉しそうに食べるなあと思って見ていた。
無邪気と言うと殿方に無礼であろうか、と思っていた。
……でも仕様がない。かわいいと思ってしまうのは止められない)
(が、視線を逸らされて何とはなしにやはり恥ずかしくなる。
 ……最近、ぶしつけな者共(イレギュラーズ)とばかり付合っていたせいで感覚が麻痺してはいたが。
 ……今の我、はしたなかったな? と思い、羞恥にこちらも目を逸らした)
ああ、その……すみません。
(沈黙を破ったのは男の方。
 意識的に顔の向きと視線を戻し――それでも、やや戻りきれていないが――彼女に声を掛ける)

つ、ついそのまま頂いてしまいました。
あ、新しいのを用意して頂きましょう、か……?
(などと言いながら、彼女の反応を窺う)
べ、別に良かろう!!
回し食べは、普通なのじゃろうこういう庶民店では!!!
なら何を気兼ねする必要があるものか!!!

……別に、気にしてなんかおらんからな!!!
ク、クレマァダさん……!
声、声が大きいです……!
ま、まぁ……そう、ですか。
そう仰っていただけるのであれば――ふふ、良かったです。
(言いながら、また一口。ぱくりと口に入れながら、照れ笑いを向けて)
んぁ……
(ぱくぱくと口を開け閉めした。
 どう考えても相手の方が正論だったから)
…………

(浮かせていた腰を席に下ろして、またパンケーキを頬張った。
美味しい。特にリモーネのこの酸っぱさは素晴らしい。
敢えてアイス単体だと少しすっぱすぎるくらいに仕上げてあるのがわかる。
リモーネの風味を損なわないまま甘酸っぱさに仕上げてある)

……しかし、思った通りけっこうな量になってしもうた。
普通ならお腹いっぱいでは済まなかろうな。

(ペースは一向に落ちないままはぐはぐを食べる)
えぇ、確かに。
普通ならお腹に納める事はできても、徐々に飽きもこようというものですね……

(微笑みながら、また一口。事実、彼も甘味好きではあるが、普段はここまで進まない。
 きっと、楽しいんだろうなと思う。こうやって、誰かと一緒に食べるという事自体が――彼女も、同じ気持ちでいてくれるのだろうか?)

ですが、今日は――不思議と、普段より更に美味しく感じるのです。
貴女には感謝しなければ……ふふ、お礼をするつもりだったのに、これではいけませんね……
(困ったように笑いかける)
……

礼を言うのは我の方じゃ。

(何度か、照れくさっての悪態やら何やらが頭をよぎった。
人前ならそれでも良いが、周りには誰も知り合いはいない。
ならいいだろ)

我の知らない味じゃ。
それを……
感謝……

……いや、うむ。


ありがと、フェルディン。

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