シナリオ詳細
再現性沖縄20XX:夏の肉フェス、始まる
オープニング
●再現性沖縄とは
そこはまるで……《沖縄》であった。
練達の一区画に存在する再現性沖縄。さらにその一区画には翔波と呼ばれる地域が存在する。
それは異世界『地球』よりこの世界に召喚された人々の言う《沖縄》を何か凄い勘違いして、「大体こんな感じだろう」というイメージで出来上がった魔境である。
沖縄にはあらゆる夢がある。沖縄は食べ物が美味しい。
そんなイメージを植え付けられた料理人たちは「沖縄こそは料理人に約束されし聖地である」と思い込み、事実翔波ではあらゆる食材が手に入る。
そして全ての物事は料理でのみ解決され、あらゆる暴力は此処では排除される。
料理こそ全て。料理が世界を救う。
火と油、水と調味料に囲まれた世界こそ我が人生……それに気付かないなど料理人として愚かだし何なら皿洗いからやり直せばいい出直してこいやド素人が……その境地に至らなければ料理人としては未熟に過ぎ、究極の一皿になど永遠に届きはしない。だからこそ、街は今日も料理バトルの音が鳴り響いているのであった。
●肉フェスの季節
「大会ないのか! 料理大会!」
「毎日が料理大会さ!」
「誰だ!」
「通りすがりの料理人だ! さあ、私と料理勝負だ! 私と君……ついに決着をつける日がきたということだ!」
「初対面!」
まあ、勝とうと負けようと明日にはまた同じことが起こるのだろうが、それが再現性沖縄である。
そんなわけで無難に勝利した『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)だったが、気付けばあちこちで屋台が出たり肉を焼いていたりする。
「ああ、なるほど肉フェスか」
夏の肉フェス。そう書かれたのぼりが出ているのを見て、サイズは全てを察する。
夏は暑いし、沖縄の夏も当然のように暑い。
そんな時に冷たいものを食べるのもいいが、がっつり肉を食べてスタミナをつけるのもいい。
体力勝負な料理人しかいない沖縄でも当然のようにその傾向があるのだが。
「そう、夏こそ肉!」
「というわけでやってきました我等半魚人8人衆!」
「今年の肉フェスを制するのは我等だ!」
当然のように現れたのはクッキングモンスターたちだ。
沖縄特有のモンスターであり再現性東京でいう夜妖のような……こんなこと言うと夜妖がドロップキックしに来そうだがともかく沖縄特有のモンスターなのだ。
クッキングモンスターの名の通り、料理で戦う彼等は同じく料理で迎え撃たねばならない!
しかし肉フェスに参加するだけならば問題ないようにも見えるが……。
「くくく! 美味い肉で肉フェスの売り上げを独占してやる!」
「そして全ての屋台を我等が傘下に!」
あ、やはり言ってることが悪っぽい。そんなことが出来るかはさておいて、迷惑なので倒さなければならないだろう。
しかし相手は8人。サイズだけで相手をするのは少しばかり手間だ。
「あと7人必要だな」
言いながらサイズは周囲を探す。何処かにいるはずだ。この肉フェスを守るための、7人の戦士たちが……!
- 再現性沖縄20XX:夏の肉フェス、始まる完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年07月27日 22時35分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●半魚人をやっつけろ(前編)
今日の料理バトルのテーマは肉。肉である。
元気にスタミナもつくそのテーマに、『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)も元気いっぱいだ。
「夏と言えば肉! 肉と言えば夏!」
\Meat Summer Festival!!/
「行くぞ、皆の者! ヒアウィゴッ!!」
背後で爆発が起こりそうなハイテンションである。パーフェクトテンションだ。
「ふ……勝手知ったる再現性沖縄。ここでの食材調達にも慣れてきたというもの! という事で食材調達ズバッとな!」
迅速な食材調達に走った汰磨羈だが、探せば出会えるのが沖縄が沖縄たる所以。
汰磨羈が探してきたものは一体何なのだろうか?
「私が用意したモノは……これだ!」
そう、それは練達でアメリカバイソンと呼ばれるものである。
「バッファロー、と言った方が通じるかな? 嘗ての日本では、検疫の問題等で入手困難な代物ではあったが。アメリカなどでは普通に飼育・販売されるようになっている。つまり、幻の食材という訳では無い。そして、ここは異世界の再現性沖縄。検疫など関係ない此処なら、幻の食材という訳では無いバイソンの肉を入手可能だと判断したッ!」
そういうことらしい。安心である。
「そして聞け。バイソンの肉は低脂肪・低カロリー・低コレステロール! 即ち……たくさん食べても大丈夫という事だ!」
言いながらも汰磨羈の腕は忙しく動き、肉を切り分けていく。複数の料理を作るために手を動かしながらアピールをするくらい、再現性沖縄では必須スキルだ。
「脂っこくなく、あっさりとしているから年配の人でも安心だ。多少の硬さや臭みはあるが、それは調理方法でカバーできる範囲!」
たとえば鶏むねやササミなどもパサパサしがちであるように、バイソン肉にも弱点はあるということだろう。だが汰磨羈はスパイス等で臭み抜きを怠らない。弱点は知っていればフォローできるのだ。
「では喰らえッ! 肉厚のバイソンステーキ! チーズたっぷりバイソンバーガー! バイソンのハンバーグ! そして、バイソン肉のシチュー! 用意したソースはステーキソース、ガーリックソース、オーロラソースだ。さぁ、野性味溢れる肉にかぶりつけ!」
そう、そしてそんな汰磨羈とは正反対の肉を使う者もいる。『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)である。
「人魚としては 魚人には なんとなく ライバル心が わきあがりますの! かれらを ぎゃふんと 言わせるためには…… 海そだちのかれらが なぜ 肉料理勝負を いどむのか 想像力をはたらかせてみるのが いいでしょう」
そう、今日のノリアは頭脳戦だ。
「もし わたしが おなじことを するのなら 海の生きものは 滅多に 陸での狩りを しないのに 陸のかたがたばかりが 海で漁をすることへの 反発心が あるでしょう そして…… その気持ちに よりそうためには! 海産物料理の 代表を 陸の素材に おきかえてみせることですの! すなわち…… 『肉寿司』ですの!」
選んだのは肉寿司。有名なれど本物を探すのは難しいと言われる料理にノリアは挑戦しようというのだろうか?
だが、充分すぎるほどに勝算はある。
「それには 新鮮な素材が 不可欠ですの いかに 肉が どこにでも生えている 翔波といえども わたしが求めるものは レアでしょう きっと 空中親和(強)がなければ たどりつくことも むずかしい 未踏の奥地にこそ ありますの サバイバルと 自然知識を フル活用して たどりつき 色彩感覚で わずかな 鮮度のちがいを 見ぬきますの!」
ということで空へと飛んでいったノリアは、肉の塊を持って戻ってくるどうやら空の雲の中にあったようである。こわい。
「そうして わたしが 手にいれたのは 綺麗にさしの入った 霜降り肉ですの それを 脂の乗りかたのちがう 部位別に いくつか それらを 筋繊維を断ち切る 方向に うすく 切ってやることで とろける舌ざわりが できますの」
筋繊維を断ち切ることで肉が固くならないようにする手法は確かに存在するが、ノリアのやっていることはまさにそれである。
「そして 脂肪のとろみに あうように 甘みのつよい 柑橘系の さっぱりとした 酢飯にのせて…… 最後に お席で 表面を かるく あぶって 脂肪を とろけさせて 完成ですの これが…… わたしの 解ですの!!」
そんなノリアを見ながら『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)も負けられないな、と呟く。皆熱意がある。やはり肉という愚材には力があるのかもしれない。
「うお、日差しがやばいな……材料探しや料理に熱中しすぎると体調を崩しかねないな……水分補給、しっかりしないとな、まあ、俺は半分金属だから水分はそんなに不要だけどな、しかし油断しないようにしよう」
言いながらも、サイズは食材を採取してていた。鶏肉と卵、そして米。どれも素晴らしい品質のものだ。
「俺が作るのは鶏そぼろ丼だ、卵と鶏肉、米が物を言う料理だな。まずはしっかりと調理道具を用意してしっかり洗ってから使わないとな、この時期は色々としっかりしないと食中毒になったりするからな」
そうした手順を踏むのも料理人としては大切だ。
「鶏肉は沖縄で借りた機械でひき肉にー後は調味料と混ぜて炒り煮ー、卵も炒り卵にしてご飯に乗っけて完成だ。しかし物足りないな……あ、フルーツの木だ。これでフルーツジュースを作ろう、暑いからなしっかりと水分を取れる一品も忘れないようにしないとな! これでバランスのいい、一品になったかな、くらえ、そして吹き飛んで涼しい海におちるがいい!」
そんな中、『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)もまた今日はどういうものを作るか路線を決定していた。
「俺が探した食材は赤牛! 沖縄のモデルとなった日本においても国内で食べられている和牛のうち、赤牛はわずかに約0.3%と極めて貴重な食材だ。何度か来たこの翔波における知り合いの料理人たちから情報収集。目指すは秘境パナリ島! その広大な草原には様々な牛が存在すると言われている。定期便なんぞないそこに向け、駆動大青鎧『牡丹・海戦』を着込んで海を往き……手に入れたのがこれだ! ところで再現性沖縄広すぎねえか⁉」
今更である。さておいて。
「赤牛は脂身が少なく赤身とのサシの加減が絶妙なバランスだ。細やかなサシの融点は低く、黒毛和牛は33℃なのに対し、なんと26℃。これは口の中でスッと溶けるレベルだ。キレがよく喉ごしの良い、独特の風味を生むといわれてるぜ。更に旨味成分アミノ酸の総量は黒毛和牛の2倍以上! これを乳酸菌熟成で4倍! 通常、乳酸菌熟成は乳酸臭が強くなるんで好まれねぇが翔波には変わったモンがあってな。それが伝統発酵食品ミキだ! 薩摩芋と米、水から作られる芋粥と甘酒の中間みてぇなクセのない発酵飲料だ。これに肉を漬け込むことで穀物の旨味も足し込みつつ熟成も出来る」
そう、もう仕込みもバッチリだ。そんな肉で作るゴリョウのメニューとは……。
「俺ぁこの赤牛肉と俺の領で作られた新米で肉料理の王道……牛丼を作るぜ! 煮込み過ぎれば食味が落ちるその絶妙なラインを今までの料理経験から見極める。舌の上でとろける肉とふっくらとした米を一緒に食めば、原初の旨さを感じ取れること請け合いだ。ひたすら極めた正拳突きが奥義となるように、良き素材を良き工夫で良き味を発揮させる……これこそが料理の神髄よぉ!」
そう、牛丼はまさに王道。それ故にゴリョウの腕が試される、そんな素晴らしい仕上がりだ……!
●半魚人をやっつけろ(後編)
「冒険者と言えば……そう。肉、喰わずにはいられないよね! 山で骨付き肉に喰らいつくも良し、保存食の干し肉を楽しむも良し、酒場でがっつり肉料理を貪るも良し――兎角肉は冒険者を魅了する物。冒険者として臆す訳には行かないね!」
そんな『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)は、まずは森林へと出向いていた。
「そんな僕が作るのは皆大好き唐揚げ串だ 屋台も多くやってるみたいだしね! まずは食材集め。食の聖地である食物連鎖激しい森林へ赴き、肉や調味料を採取して行くよ。レアな食材が僕らを呼んでいるんだっ」
どうやらカインも沖縄の秘境へと向かったようである。ツッコミは無用だ。スパイスの採取もだが、メインとなる肉も必要だ。
「獰猛な動物達も魔弾改の非殺傷攻撃で撃ち落とし気絶させ、素早く血抜きして確保しよう。あそこに見えるロック鳥、あれを撃ち落とせば皆大満足間違いなしの筈――!!」
そうしてカインは大冒険の末、望みの食材を手に入れてこの場に立っていた。
「さて、万人が好む唐揚げだけど、当然それを食す人の好みは正に千差万別。それでも皆に最大限美味しく食べて貰う為にはどうするか……つまり、様々なフレーバーを用意して好きな様に食べて貰えば良いのさ! スタンダードな塩胡椒にレモンやマヨネーズ、タルタルソースにネギ塩やネギポン酢、甘ダレに照り焼きソースにガーリックソースにチーズ等々フレーバーは沢山用意しておくよ。下味にもカレー粉やハーブ、ニンニクを強めに利かせた物等も準備して。そんな万端整えた肉をジューシーに二度揚げし、中から外までジューシーに揚げて……好きな味を、色々な味を幾らでも楽しめる唐揚げの完成だよ!」
カインもゴリョウも、皆素晴らしい肉の使い方だ。しかし、今日は『星月を掬うひと』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)も参加していた。肉の扱いに関しては、他の面々に勝るとも劣らない知識を有している。
「お肉と聞いてお肉屋さんが来たよ! ワタシが作るのはインドのタンドリーチキンや……、バッファローウィング、アメリカンスタイルのじっくりグリルしたステーキだよ……!」
どれも練達に伝わる素晴らしい料理ばかりだ。フラーゴラも構想はバッチリというわけだ。
「『料理』の準備もバッチリ。どれもグリルでじーっくり焼いたお肉だよ。えっと皆より早くから準備しましたあ……」
それもまた戦術だ。秘境に行くよりは地味とすら言えてしまう。
「タンドリーチキンは自家製スパイスに漬け込んだもの。水気を切ったヨーグルトとスパイスを調合したものに漬け込んであるよ! バッファローウィングは自家製ドライラブ(スパイスのことだよ!)をたっぷりまぶして料理するよ」
そうしたスパイスが決め手の料理は肉のことをよく知らなければ出来はしない。まさにゴラの肉屋としての面目躍如というわけだ。
「本日のワタシのメイン、ステーキでーす! 700gのビッグサイズ! 厚さも3cmあるんだあ」
まさにポンド級のお肉だ。こんなに立派なものはガッツリ食べたい人でもなければ中々見ることは無いだろう。
「お肉は常温にしておいたよ。スジや脂身を切ってオリーブオイルを塗って、塩胡椒。チャコールブリスケット(炭)に火を付けたチャコールグリルで焼くよお」
炭火焼というものは分かる人には分かる素晴らしいものだ。そうした道具のこだわりも味に直結する。
「初めは強火で焼き目をつけて側面もちゃんと焼き目をつけるよ。そして弱火でフタをして……10時間焼いて待ちます! いい香りでしょー……ワタシもお腹すいてきちゃった……(くぅ、きゅるるる)」
お腹の音を鳴らしながら、フラーゴラは肉を焼いていた。この辺りでゴリョウが秘境から帰ってきていたが、さておいて。
「……で、まだ完成じゃないんだ。取り出してジュース(肉汁)を行き渡らせるためにアルミホイルで包んでちょっと待つよ。これで完成! 肉汁たーっぷりのジューシーステーキだよ! タンドリーチキンやバッファローウィングは片手でパクパクいっちゃってステーキはがぶっとかぶりつこう!」
さて、『ひだまり猫』もこねこ みーお(p3p009481)はどんな料理に挑戦しているのか?
再び時間を少し巻き戻そう。
「再現性沖縄……みーお、初めて来ましたにゃ楽しみですにゃ。肉をたっぷり楽しむ料理を頑張って作りますにゃ!」
そんな自信満々なみーおだが、パン屋であるみーおのアプローチは肉屋のフラーゴラとはまた異なる。
「食材はあちこちに生えてますにゃ。お肉や野菜や調味料・パン粉や卵等色々採取しますにゃ。牛串に勝つのは難しいなんてことはないのですにゃ! 絶対勝つのですにゃー! 良い食材を料理するのですにゃー!」
探すのはレア食材だが、探せば見つかるのが沖縄というものだ。
「これがレア食材……すごいですにゃ調理したいですにゃー!」
見つけた小麦粉は、外では中々見つからない類のものだ。まあ、木の実から採れるのはちょっと怖いけども。
「みーおが一番作りたいのは……カツサンドですにゃ。みーおはパン屋ですにゃ、やはりパンを使った料理を作りたいのですにゃ。ハンバーガーもいいですにゃ……2品作れるなら作りたいですにゃ!」
そして勿論、パンも手作りだ。
「小麦粉などを混ぜて、こねこね……こねこね……こねこねにゃー! ……とはいえ、発酵等に時間がかかるので早めにきて準備中ですにゃ」
というわけで、カインが戻ってきたあたりで生地も準備完了である。
「トンカツはしっかり手作りですにゃ! みーおはお箸も使える猫ですにゃ。からっと揚げてしっかり油も切ってソース塗って千切りキャベツと一緒にパンにはさんでザクっと切って、ついでににくきゅうマークなハムをパンにくっつけて、できあがりーですにゃ! みーお特製カツサンドとハンバーガーですにゃ!」
そして……『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)も気合なら誰にも負けはしない。
「楽しかったーバーベキュー!」
そんな叫び声に……誰もが疑問符を浮かべており、ニャンタルは「ありゃ?」と首を傾げる。
「なんぞ子供頃そんな儀式せんかったか?? こう、互いに呼びかけるやつ」
時代によるかもしれない。最近はどうなのだろうか?
「ま、ええか! 我、バーベキューしたい!! でっかい肉やりたい! そんでもってでっかいマンガ肉を食いたいし、豚とかイノシシをぐるぐる棒で焼きながら焚き火囲んで皆で夢を語り合いたいぞい!」
なるほど、確かに素敵なイベントだ。そして何より、バーベキューも立派な料理でありどうしようもないくらいに「肉」である。
「肉にはそんな魔力が篭っとるんじゃ! 肉を分かち合えば皆幸福感に満たされ……笑顔になる……フフ……それが我の望みじゃけぇ……」
何やらキャラが変わっているが、茶番なので問題ない。
「……ハイ! てな訳で我の作るものは2つ! バーベキューとぐるぐる肉じゃ! マンガ肉もある意味ぐるぐる肉じゃろ! それにどっちもでっかく出来るしのう♪」
ちなみに練達ではマンガ肉の形を再現したハンバーグ的なものもあるらしい。
「先ずはぐるぐる肉の用意からじゃな。此処にもう豚肉を用意したわけじゃが! 次に組木に着火剤……乾いた木の葉や小枝で充分、火打石の代わりにうちゅうやばい、うちゅうすごいでカチカチッと」
使うと宇宙が見えるようなものを火打石にするニャンタルも中々豪胆だが、沖縄で料理に使う限りは安心でもある。
「いい感じに火が安定したら棒に括りつけた豚をセット。ぐるぐる開始じゃー! ムフフ……中までじっくり火が通る様に……お、油が滴ってきたぞ……うぉぉぉ……美味そうじゃ……」
おいしく焼けてきたようだ。さて、では次は何か?
「次はバーベキュー! 肉をかなりガッツリした厚みでどデカく切る……! こんなもんは適当にやるのが結局一番上手いんじゃ。見た目も個性が出て面白いしの。そんでもって野菜! これは肉の大きさに合わせる。肉がデカ過ぎれば野菜は増し増しじゃな。これで女子のハートもバッチリじゃ♪」
ちなみにニャンタルも女子である。さておいて。
「肉の油がかかった野菜って美味いよなぁ……じゅる……あ、いかんいかん。ぐるぐる肉に余熱入れとる間にこっちも焼かんとな! ん〜〜〜〜!肉焼く音って最高じゃな! 何じゃ、食べる前から人を幸せにしおって…何と罪なヤツか! けしからん! もぐもぐ……ハッ!! つい、1本食べてしもうた! 気を取り直してバーベキューソース!! 我オリジナルのレシピは門外不出じゃ。この滅茶苦茶美味いソースを豪快に「うりゃ〜!」と塗って焼けば……完成じゃ!」
そうして出来上がった肉料理の数々が、たかが普通の串焼きに負けるはずもなく……空高く飛んで爆散する半魚人たちの姿は、まるで夏の花火のようであったという。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
インドカレー屋さんで食べたタンドリーチキンは美味しかったなあ。などと思い出しました。
GMコメント
料理人の皆様、再現性沖縄<アデプト・オキナワ>へようこそ。
え? イレギュラーズ? そんな肩書此処じゃ牛脂1つ分の価値もありゃしないぜ!
そんな感じです。
今回は肉です。肉をたっぷり楽しむ料理を作ってクッキングモンスターを天高く吹っ飛ばしましょう。
今回の相手は「半魚人8人衆」。
シンプルに沖縄牛の牛串で勝負してくるようです。味は塩。がっつりですね!
●翔波
再現性沖縄20XXに存在する料理バトルの街。
何かあれば料理で解決する料理馬鹿の聖域。
ローレットのイレギュラーズの皆さんは料理人として参入することができます。
此処では全てのステータスは無意味です。武器は振ってもハリセン程にも通じず、ギフトもスキルも無効化されてしまいます。
ただし、相手より美味い料理を作れば大ダメージを与えて海老ぞりで大空に吹っ飛ばすことができます。
相手の料理の方が美味ければ自分がそうなるってことですよ。
なお、必要な食材や調味料は「基本的」にはその辺に生えています。
豚肉の木とか砂糖の実とかあります。超怖ぇ。
幻の食材と言われる類のものは特殊な場所、あるいは状況でしか存在しなかったりします。
(逆転が必要なシーンで偶然見つかったりするかもしれません)
●情報精度
このシナリオの情報精度はRです。
料理には常に想定外が付きまといます。
プライドなんてミキサーにかけて飲んでしまいましょう。
ハヴァナイスデイ。
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