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シナリオ詳細

<0と1の裏側>守れ、沖縄の風<再現性沖縄20XX>

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性沖縄とは
 そこはまるで……《沖縄》であった。
 練達の一区画に存在する再現性沖縄。さらにその一区画には翔波と呼ばれる地域が存在する。
 それは異世界『地球』よりこの世界に召喚された人々の言う《沖縄》を何か凄い勘違いして、「大体こんな感じだろう」というイメージで出来上がった魔境である。
 沖縄にはあらゆる夢がある。沖縄は食べ物が美味しい。
 そんなイメージを植え付けられた料理人たちは「沖縄こそは料理人に約束されし聖地である」と思い込み、事実翔波ではあらゆる食材が手に入る。
 そして全ての物事は料理でのみ解決され、あらゆる暴力は此処では排除される。
 料理こそ全て。料理が世界を救う。
 火と油、水と調味料に囲まれた世界こそ我が人生……それに気付かないなど料理人として愚かだし何なら皿洗いからやり直せばいい出直してこいやド素人が……その境地に至らなければ料理人としては未熟に過ぎ、究極の一皿になど永遠に届きはしない。だからこそ、街ではいつでも料理バトルの音が鳴り響いている。
 そして沖縄に今、帳が降りていた。
 ようやく立ち直った沖縄に一体何が起ころうとしているのか?
 けれど……守らねばならない。沖縄の、平和な日々を。

●沖縄に持ち込まれたもの
「沖縄に人間の強盗団が⁉」
「正確には人間風の強盗団、ですね」
 佐藤・非正規雇用(p3p009377)に『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)はそう答える。
「なんだか普通じゃないな。神の国……ってことか?」
「冴えてるですね。その通りです」
 神の国。リンバス・シティの前準備の空間と呼ばれる場所。
 リンバス・シティと比べると『神の国』は地への定着率が低く、現時点では存在しているが、梯(道)がなければ至る事の出来ない領域で、聖遺物などを梯にしてようやく移動できる地であるのだという。
 言ってみれば、今のうちにどうにかしておかなければならない場所……ということだ。
 しかしその神の国だが、テセラ・ニバスの帳(異言都市(リンバス・シティ))の内部に存在していた『アリスティーデ大聖堂』より『神の国』の各地へと移動できるようになったのだ。
 簡便に言えば空中神殿でのワープのような役割を果たしているようだが……まあ、要は便利になったということだ。
「そう、練達にもついに『神の国』が顕現したということです。練達のあちこちで同様の現象が起こってるですが、沖縄も例外ではなかったということです」
 そう、沖縄は今すっかり様変わりして暗黒料理界なる連中の支配する地獄の領域と化している。
「こうなったのも、沖縄に核となった聖遺物『聖アジコの包丁』が原因と思われるです」
 沖縄に帳が落ちた日、そういう名前の包丁が持ち込まれたという話があった。
 しかし、この聖遺物こそが罠だったのだろう。これを破壊せねばならないが……何分沖縄だ。誰かが使っている可能性もある……場合によっては罠を仕掛けておびき寄せる必要もあるだろう。
「佐藤さんは何度か沖縄経験もあるです。バッチリきめてくるですよ」

GMコメント

はい、というわけで沖縄が神の国に浸食され暗黒料理界の支配する地獄の料理バトルの町となってしまいました。
世(沖縄)はまさに世紀末。今こそ正しき料理で聖遺物を破壊し沖縄を救うのです!

●出てくる敵
・強盗料理人(マジパン)×不明
レア食材を奪いに来る強盗。人間……いや違うコイツ、マジパンだ! やっぱりクッキングモンスターじゃねえか!
レア食材を持っていない雑魚には興味ありません。料理バトルを仕掛けてきます。

・暗黒料理人×8
なんか皆さんに似ているような……性格は違うっぽいです。
激レア食材を罠に仕掛けるとやってきます。ていうかお前らのうちの誰かだろ聖遺物持ってんの。
料理バトルでやっつけましょう。

●再現性沖縄(暗黒):翔波
 スラムのような様相です。
 何かあれば料理で解決する料理馬鹿の地獄。
 ローレットのイレギュラーズの皆さんは料理人として参入することができます。
 此処では全てのステータスは無意味です。武器は振ってもハリセン程にも通じず、ギフトもスキルも無効化されてしまいます。
 ただし、相手より美味い料理を作れば大ダメージを与えて海老ぞりで大空に吹っ飛ばすことができます。
 相手の料理の方が美味ければ自分がそうなるってことですよ。
 なお、必要な食材や調味料は「基本的」にはその辺に生えています。
 豚肉の木とか砂糖の実とかあります。超怖ぇ。
 幻の食材と言われる類のものは特殊な場所、あるいは状況でしか存在しなかったりします。
(逆転が必要なシーンで偶然見つかったりするかもしれません)

●情報精度
 このシナリオの情報精度はRです。
 料理には常に想定外が付きまといます。
 常識なんてミキサーにかけて飲んでしまいましょう。
 ハヴァナイスデイ。

  • <0と1の裏側>守れ、沖縄の風<再現性沖縄20XX>完了
  • 甘口。
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年06月27日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ツリー・ロド(p3p000319)
ロストプライド
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
甘夢インテンディトーレ
ロレイン(p3p006293)
ヴェルグリーズ(p3p008566)
約束の瓊剣
佐藤・非正規雇用(p3p009377)
異世界転生非正規雇用
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
ジュート=ラッキーバレット(p3p010359)
ラッキージュート

リプレイ

●暗黒料理バトルだ!(前編)
「わわ?! 再現性沖縄が大変なことになってるよ! 平和な沖縄を取り返すために、皆! 料理バトルがんばろう!」
「うわーめちゃくちゃ変わってる……それでも料理バトルのままなのが凄いな…まあ、そうじゃないとここで買った料理道具泣いてしまうよ」
「しばらく来ねぇ間に随分と様変わりしちゃってまぁ。ともあれ翔波の基本ルールが変わってねぇんだったら俺でも充分やれるってな!」
 『甘夢インテンディトーレ』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)と『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)と『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)がそう声をあげる。
 神の国となった再現性沖縄の世紀末の如き様相は、沖縄を知る者であれば誰もが驚くことだろう。
「相手はレア物スキーなのか……レア物の力に頼って基礎が疎かになってそうだな、そこが攻め時か? 今までしっかり基礎を固めてきて、しっかりとした食材を使う俺には勝てる相手のはずだ、手堅く行こう!」
「相手が俺らにそっくりな暗黒料理人ってなりゃ、俺の場合は米一択だな! 聞いたことあるぜぇ。沖縄には『美しく輝く』という意味を持つ米があるってな。その名を『ちゅらぴかり』、沖縄最高峰の米こそが俺(のそっくりさん)を引き寄せるに違いねぇ! 光り輝くという名に相応しく、レア度が高い米と聞く。つまり黄金色に染まった沖縄の田の中で極めて少量だけ手に入る筈だ」
 ちなみに沖縄の米の収穫は6月~7月なんでちょうど今頃だな、と付け加えていた。
 沖縄ではいつでもどこでも食材が手に入るとはいえ、旬は大事だ。だからこそゴリョウに頷くサイズも広域俯瞰と鑑定眼で材料を探したり、サバイバルスキルで海辺で釣りを試みたりしてレア材料を探してみていた。
「敵がレア物にしか目がないならフグとか上手く調理しないと毒になるレアな食材を手に入れてトラップに使いたいな……」
 そんな物騒なことも言っているが、さておいて。
「自分で使う分の海鮮も用意しておこう。ここなら餌がそこら辺にあるから釣り餌に困ることはないな、俺はレアじゃなくて品質で戦うよ」
 勿論海鮮以外の材料の厳選も鑑定眼でしっかりするつもりだが、サイズはレア度だけで勝負したと思われたくはなかったのだ。
「レア物メインに使うと他で再現出来なくなって困るんだよな、俺の料理は基本嫁か妖精の為の物だからな、ここに来ているのもスキルアップがメインだし……敵はいつだって自分自身だよ、相手を倒すのはついでだぜ」
 さておき、相手をまず捕まえなければいけないし、どんなレア食材を集めていくか?
「どうやら犯人は激レア食材を狙ってるようだから、まずはレア度の高い食材を探していこう! ボクの得意なスイーツで使える超濃厚ミルクや甘味鶏の卵、沖縄産黒光砂糖なんかがねらい目だね!」
 『甘夢インテンディトーレ』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)もすでに、何を探すかは決めているようだ。
「後はこの食材を狙ってくる輩を料理勝負で倒して相手の食材を奪う! そうやって料理勝負を繰り返せばそのうちに本命が見つかるはずだよ☆ 食材自体は沖縄で培ったR-Senceと鑑定眼をもってすれば絶対見つけれるはず! ふふ、ボクの沖縄修行の成果が問われるこのシチュエーション、ドキドキしてきちゃうね♪」
「え、なにこの帳。再現性沖縄の風土は帳の中の歴史も狂わせたの? そこかしこに食材が生えてる……異常自体だわ。おまけに核たる聖遺物も包丁って……。再現性沖縄の状態を知らない限りは、ここまで的確にわかりにくい聖遺物を持ち込めるとは思えないわね。誰か……ここに来たことのある人物が神の国に関与しているのかしら?」
 ロレイン(p3p006293)もそんな考察をするが、その辺は分からない。何しろ沖縄だし。
「包丁の聖遺物……しかも使用されている可能性がある……天義の聖遺物管理者が聞いたら卒倒ものよね」
 まあ、その辺はこの神の国騒動が始まってからは面子などないも同然なので大丈夫だろう。
「木を隠すなら森の中、包丁隠すなら料理人の中? 私たちを害する力は低いとはいえ、解決となると骨が折れるわね?」
「その為にもおびき寄せないといけないんだけど……」
 ロレインに『約束の瓊剣』ヴェルグリーズ(p3p008566)も頷きながら、しかし戸惑ったような表情であった。
「例の帳が練達にも! と聞いて駆けつけてみたけれど…あれ? なんか思ってたのと違うね?」
 (´・ω・`)な顔をしているヴェルグリーズだが、たぶん初めての人は皆そんな感じだろう。
「むしろオキナワって本当にこういう場所なのかい? 事前に聞いてた『沖縄』となんか違うよ???」
「……基本的なところなんだが。ここはあくまで「再現性」沖縄なんだよな。……再現できてるか? 練達の他の街を見る限り、絶対「日本」では料理食った人間が飛んだりしないだろ」
「沖縄すげー! 本で見たのと全然違うけど……この殺伐とした感じ超COOLじゃん! 神の国で偽りの世界でも、ケイクちゃんと一緒に勝ちにいくぜ!」
「ええ、勿論」
 ヴェルグリーズと『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)は『女神サマの加護』ジュート=ラッキーバレット(p3p010359)と『希望の軽空母』ケイク=ピースメイカーが楽しそうにしているのを見て理解とかを全部諦める。
「でも、まぁ、うん。料理は幸い心得があるからね、任せてよ。…なんくるないさっていうんだっけこういうの。まず料理をするには食材の準備からだよね。それも出来ればレア食材の方がいいに決まってる、だからそれの準備からだね!」
 そんなことを言うヴェルグリーズだが、探すものは決まっている。
「俺が作りたいのはポークたまごおにぎり!簡単だしバリエーションも豊富らしいからね! その為には至高の卵焼き「うるたまご」と至高の加工肉「SPAAAAAAM」を用意しないと!」
 ちなみにSPAAAAAAMについて説明する必要はないだろう。沖縄系食材におけるソウルフードの位置を確保する代物なのだから。
「そうだな、常識に縛られるのはここまでだ。ここは見渡す限りの海、そして俺の海の大好物といえば……海老だ。そう、この沖縄に眠る超ウルトラ海老、茹でてもいないのに赤く輝く最強の“紅玉海老”に挑まねばなるまい!」
 エーレンもそう言う中で、ジュートは違う方向性を見出していた。
「大食いで胃袋の空き具合バッチリ! 何度勝負を仕掛けられても大丈夫、なんだが。俺に似た料理人なら、野郎より女の子にご飯作って貰った方が嬉しいと思うんだよなぁ。という訳で、変装でメイド服の美女に変身☆ 俺、成人するまで女装してたから、こういうのは得意だぜ!」
 そんな風に闇が見えていたりする気もするが、佐藤・非正規雇用(p3p009377)は1人キリッとしていた。
「何やら天義が大変なことになっているが、沖縄で料理していていいのだろうか……。いや! 今だからこそ、きっちり聖遺物を破壊し、後顧の憂いを断っておかなくては!」
 そう、非正規雇用も目的とする食材には目をつけていた。
「暗黒料理人は俺達にそっくりらしい。ということは「俺達の好物」で誘き出せるだろう! 俺の好物はバナナなので、ついに『ニルヴァナナ』を採る日が来たようだな……ニルヴァナナは名前の通り、この世の物と思えぬ甘さなんだが、その自生場所も天国に近いという……そう、遊園地だね。殺人ジェットコースターを躱しつつ、敷地内に生えたニルヴァナナを……何ッ!? やめろっ! 俺は不審者では……!!」
「俺ならやれる! いくつもの国でいくつもの稲田を見て、関わってきた俺ならばきっと『それ』が分かるはず! うおー!そこをどけマジパンども! ちゅらぴかりを手に入れるのは俺だぁーッ!」
 そうして非正規雇用による語るも涙のドキドキ大冒険やゴリョウによる寿司列伝をしつつも、食材は揃っていくのであった……!
「ケイクちゃん、一緒に頑張ろうぜ! あれ、お料理得意じゃない? それじゃ食材探しを頼めるかな。集め終わる頃には、ケイクちゃんも一緒に作れる物がないか考えて、準備をしておくよ。料理は美味しいのは勿論だけど、誰と作ったか、誰の為に作るかも大切だからさ」
 なんかジュートが1人だけ青春っぽい雰囲気を醸し出していたが、まあ沖縄なので許された。

●暗黒料理バトルだ!(後編)
「ハァハァ、何とかニルヴァナナを入手できたな。あとはこれを使って、人質ならぬ『バナナ質』で暗黒料理人を誘き出す! へっへっへ……暗黒とはいえ奴らも料理人……食品ロスは許せない筈……!! おら! このバナナを廃棄されたくなかったら、大人しく出て来い !何ッ!? やめろっ! 俺は不審」
 非正規雇用がバトル前から吹っ飛んでいるが、その間にもゴリョウは手に入れたちゅらぴかりを炊いていた。
「待ってる間に味見もしておこう。ふむ……さっぱりしてるが甘みはしっかりある。甘みがすっと消えて後を引かない感じだな。歯応えも良く合わせるもの次第で色々と変わりそうだな、うむ。この美しい絹のような湯気と香味豊かな香りを嗅いで、俺(ゴリョウ)が興味をひかないわけがねぇだろうが!」
「ぶはははッ! その通りだ!」
 聞こえてくる声にゴリョウは振り向き……ギョッとする。
「そう……俺は暗黒料理人、ダークジュート!」
「暗黒詠蓮だ」
「正規雇用です。フッ、今日は定時で帰るぜ」
「ブラックヴェルグリーズだよ」
「ダークロレインよ。食材の導きに従いなさい」
「コーヒーミルキィだよ! ボクたちを呼んだのは君たちだね!」
「ブラックサイズだ……」
「そして俺はゴリョウロボ!」
「我等、暗黒料理人!」
 ドドーン、と謎の爆発をする暗黒料理人だが、ブラックなのかダークなのかも安定していないし非正規雇用はむしろホワイトになっているし、ゴリョウはロボ枠だ。なんかもう全力で沖縄しているが、やるべきことに変わりはない。そう、料理勝負だ……!
「料理に使えるスキルはないから……私はお皿洗ったり調味料揃えたりするわね? 包丁研いだり、お肉の下ごしらえしたり……」
 ロレインはサポートに回るようだが、そのおかげで仲間の料理の完成度も少し上がるだろう。
「俺が作るのは魚介と野菜スープとシーフードカレーだ。相手がレア物による珍しさで来るならこっちは見栄えや中身で勝負だ、野菜を飾り切りしたり、ファーマシーのスキルで素材の味がもっとも出る割合で食材を煮込んだりするよ。家事全般と料理、エキスパート、技術系非戦特化型の力を見せてやろう」
 サイズが作るのはスープカレー。珍しくも王道な料理だ。
 そしてゴリョウはゴリョウ亭副料理長であるゼンシンと共に調理に挑んでいた。
「ぶはははッ、よくぞ来たな俺のようなナニカ! テメェは俺と、この輝けるちゅらぴかりをもって撃破してくれる! 俺が作るモンは『ジューシー』! こいつぁ沖縄の郷土料理でもある炊き込みご飯だ! 豚の出汁をベースに、豚肉、ひじきや根菜、香味野菜を入れ炊き込んだ一品だ! 硬めに炊いた食いでのある「クファ(硬)ジューシー」、汁気が多い雑炊状の「ヤファラ(柔)ジューシー」を用意してるぜ! 祝膳や法事にも使われる霊験あらかたな一品だ! たらふく食って天まで昇りなぁッ! ゼンシン! 米の在庫は十分かぁ!?」
「おぅ、問題ねぇぜ。ってか何故か食材増えたんだけど翔波怖ぇ!」
 それもまた再現性沖縄であり、翔波である。
「ボクそっくりの料理人! やっときたみたいだね! 三下のマジパン達から食材を巻き上げるのもそろそろ飽きてきた頃だからねー、ちょうどいいタイミングだよ♪」
 そんなことを言っていたミルキィもまさに調理の真っ最中。
「さあ! それじゃあ、お互いのスイーツ哲学をかけた料理勝負、楽しもうじゃないか! ボクが作るのはこれ! プリンだよ☆ ここに至っては素材を活かしたシンプルな料理で腕の差を見せつけるのが一番! ミルクと卵のコクと黒光砂糖を煮詰めたほんのり苦味を出したカラメル、それを最高のプルプル触感に仕上げたこのプリン、そうそう簡単に超えれるとは思わないでね! どっちがスイーツを極めし者を名乗るにふさわしいか……いざ! 勝負!」
 そしてヴェルグリーズも料勝負だ! 暗黒料理人!」と声をあげて調理に挑んでいた。
「ポークたまごおにぎりは文字通りおにぎりの一種だからね ご飯からあふれる具を見るだけでよだれが出るっていうものだよ! というわけで長方形のおにぎりを二つに切って断面を見せつけるよ! 斬りにくいおにぎりでも断面綺麗にすぱっと両断! そう! ヴェルグリーズならね! 喰らえ! 美味しそうな断面インサート!!」
 ババーン、と見せつけるヴェルグリーズだが、非正規雇用がヴェルグリーズとゴリョウの間でふらふらしそうになっていた。さておいて。
「他にも具を変えればいろいろな品に対応できるからね。近くにある具材の木から色んなおにぎりを生み出せるのが売りかな」
 そう、ヴェルグリーズのおにぎりは具を変えることで色々対応できる応用力の塊なのだ。
「ぜぇぜぇ……ようやく暗黒料理人のお出ましか。あとは、このニルヴァナナを使って、マジパンともども吹っ飛ばしてやる!! 実は、このバナナはそのまま食べるのが一番美味しい……と見せかけて、既に焼いておいたのがこの『ニルヴァナナ餃子』だ!! ハッハッハ! 料理中も罠を仕掛けてくるとは思うまい!」
「フフ……甘い、甘いぞ!」
「ま、まさかそれは焼き林檎! 同じ焼き物で挑んでくるというのか!」
 非正規雇用と正規雇用のバトルはさておいて。
「はいたい、ご主人様!ラッキー亜竜種・ジュー子ちゃんが、美味しいお料理作ってあげちゃう!」
 そしてメイド服なじぃーとは、シャイニーランプできらきら笑顔を振りまいて、誕声の護石でご挨拶である。
「特別な出会いを演出して料理人さんをキュンキュンさせちゃお☆」
 食材の貴重さは確かに大切だけど、作る過程や食べて貰う相手への気持ちも大事だよな、ということらしい。
 モンスター知識で相手の好みを察し、資料検索で沖縄料理から好きそうな物を探すのも忘れはしない。
「ヒラヤーチーなんてどうかな? 沖縄版お好み焼き! ケイクちゃんは食材切るの手伝って! 他は俺が愛情込めてやるから!」
 ウスターソースで『ご主人様へ♡』って書いて、ラッキースメルで匂い付けしてからお出しするのだ。
「最後にケイクちゃんと一緒に、レア食材『愛情』の隠し味! おいしくな~れ、もえもえキュン♡ イチコロウィンクでお腹も心も満たされちゃう、素敵なヒラヤーチーをどうぞ!」
 ここだけメイド喫茶ぽくなっている。さておこう。ちなみにエーレンはどうだろうか?
「さあ、出たな俺っぽい暗黒料理人。俺と貴様とでお互いの好物を作り、もって貴様だけお星さまにしてくれよう! 南国ガーリックシュリンプを喰らえィ!」
 そこで始まったエーレンの先制攻撃はしかし……暗黒詠蓮には効いていない。
「なに、飛ばない!?」
「甘いな……パイナップルのように甘いぞ! 俺のエビチリをくらえ!」
「ぐわあー!」
 吹っ飛ばされそうになりながら、エーレンは気付く。
「……そうか、俺は勘違いをしていたんだな。ガーリップシュリンプの主役は確かに海老だが、周りを固める素材が適当ではいい料理たりえない……。スパイスやレモン、それになによりニンニクがその辺に生えている適当な品では紅玉海老を活かしきれない……!」
 料理とはそういうものではなかった。これが沖縄の海の教えてくれること……!
 もっと食材の声を聞かなければならない。そんなエーレンに、何か不思議な声が聞こえる気がする。
 それはあるいは伝説のスキル、R-Sence<リョウリ・センス>の片鱗なのかもしれない。
 悔い改めたエーレンの前に現れたのは……伝説の食材たちだ。
「キラキラヒラミレモン、パンチブラックペッパー、それにバイタルガーリック!? みんな、俺に力を貸してくれ。皆の魅力を束ねたガーリックシュリンプで今度こそ俺っぽい暗黒料理人をぶっ飛ばすんだ!」
 エーレンの料理が暗黒料理人を倒すと信じて!
 あ、ちなみに暗黒料理人は倒したけど一緒にロレインと非正規雇用も吹っ飛んだらしい。
 こうして再現性沖縄は無事に救われ、元に戻った沖縄での再度の料理パーティが開かれたのであった。


成否

成功

MVP

ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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