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シナリオ詳細

<天使の梯子>救われる者の声

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<天使の梯子>救われる者の声
 一夜による信仰が行われた街、『テセラ・ニバス』。
 怪異の影響はあれど、次第にイレギュラーズ達による解放作戦が功を奏し、次第に街は平穏の時を取り戻しつつある。
 しかしながら、その平穏は仮初めのもの……平穏の裏に隠れ、忍び寄る『影の軍勢』の手。
「……チッ。やっぱりか」
 解放された街を巡回していた『黄泉路の楔』冬越 弾正(p3p007105) の目に入ったのは、地面から突き出た一本のポール。
 そのポールが何を示すのかは、既に彼にも分かって居た。
 ポールを伝い、潜り込んだ先には……同じような『天義』の光景。
 しかしそこには、解放した筈の大量のゼノグロシアン達が蔓延り、呻く。
 そして、それを上手そうに喰らうのは……漆黒の影を纏いし『ライオン』の如き魔獣。
 喰われたゼノグロシアンは絶境を上げて消失し……その越えに恐怖が伝搬するが如く、周りの者達は更に恐怖に逃げ惑う。
 そんな地獄絵図を見た弾正は、舌打ちと共に。
「また、力を貸してもらわねえとな……」
 と、再びポールを昇るのであった。


「そうですか……また、起きたのですね……」
 瞑目する『深緑の声』ルリア=ルミナス(p3n000174)。
 彼女の目の前には、弾正。
 勿論彼が口にするのは、ここ『テセラ・ニバス』で発生している『神の国』に纏わる事件。
 今まで幾度となく事件解決に奔走してはいるものの、未だに収まる気配はない。
 いや、過去よりも陰湿に……静かに躙り寄っているような、そんな気さえする程に、日向影から静かに忍び寄ってきている。
「そうだ。『テセラ・ニバス』の様々な所で起きているが、これもその内の一つだろう……放っておくのは簡単だが、『神の国』の事象が、現実にも影響を及ぼす可能性があるのであれば、黙っている訳にも行かない」
「そうですね……ゼノグロシアンの方々は、現実世界からすれば一般人の方々の映し身と同じ……もしかしたら、また……テセラ・ニバスがリンバス・シティと化してしまうかもしれませんね……」
 そう言うと共に、ルリアはぺこりと君達に頭を下げて。
「……という訳です……皆様、度々申し訳ありませんが……力を貸して頂けないでしょうか……? 特に今回は……ゼノグロシアンの方々を救うことに重点を置いて頂ければと……思います……」
 神の国のゼノグロシアンの悲劇が、表の悲劇を生むやもしれない。
 そしてイレギュラーズ達は、弾正と共にポールの先の『神の国』へと赴くのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回は梯じゃなくて、『ポール』を降りた先にある『神の国』になります。

 ●成功条件
  『神の国』にて死を迎え掛けて居る『ゼノグロシアン』達を救出する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   舞台となるのは『テセラ・ニバス』の街の一角です。
   極々普通の天義の街並みではありますが、ゼノグロシアンが逃げ惑い、それを追いかけ喰らう『ワールドイーター』が暴れ回っているという状況です。
   ワールドイーターはゼノグロシアンを喰らう事を優先として動きますので、身を呈さない限りゼノグロシアン達の死は免れないでしょう。

 ●討伐目標
 ・ライオン状『ワールドイーター』の集団
   四肢を跳躍、移動に利用してとても素早く縦横無尽な動きをするワールドイーターです。
   体躯は普通のライオンの1周り大きい位ですが……ゼノグロシアンをいとも容易く喰らう事が可能です。
   そしてゼノグロシアンを喰らうと、その瘴気を喰らって体力回復と攻撃力が上がるという能力を持っています。
   大量に喰わせてしまえば、最早彼等を止められなくなるので、そうなる前に倒さねばなりません。

 ・影に翼を纏いし人型の『影の天使』3体
   翼を生やした人型生物の影です。
   ただ彼等彼女らは、基本的には姿を表しません。
   ですが彼等がいる限り、ワールドイーターは無尽蔵に召喚されてしまうので、彼等の姿を見つけ次第、撃破しなければなりません。
   戦闘能力は高くないものの、隠密能力及び、戦闘より逃げる事優先なので、彼等を取り逃さないような作戦を立てねばなりません。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <天使の梯子>救われる者の声完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年06月17日 21時55分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
ロゼット=テイ(p3p004150)
砂漠に燈る智恵
ロレイン(p3p006293)
冬越 弾正(p3p007105)
終音
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
レイン・レイン(p3p010586)
玉響

リプレイ

●命の欠片
 一夜にして闇に侵攻された天義の巨大都市『テセラ・二バス』。
 イレギュラーズ達のおかげもありて、街は次第に平穏なる影を取り戻しつつあるのだが……未だにまだ侵略を完全に諦めてはいない。
 呼びかけにより集まったイレギュラーズ達は、地中から伸びた『ポール』の前に集結。
「改めて、今回は集まってくれて感謝する」
 と、『黄泉路の楔』冬越 弾正(p3p007105)が頭を下げる。
 それにロレイン(p3p006293)が。
「いえ……天義の事だもの。私にとっても他人事じゃないわ」
 と小さく微笑むロレイン、更に『灰想繰切』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)も。
「ああ……しかし弾正が救いを請うなんて、珍しいな……今迄だったら、一人で行きそうな所だったのに」
「確かに……な。ひと昔前の俺であれば、あの様な惨状を見れば力量も考えず、無謀なままに突っ込んでいただろうさ。でも、こうやってローレットで戦友に恵まれ、共に生きたいと思う大切な人と会い、静かに錨の炎を燃やす事を覚えたのさ」
 笑う弾正に対し、アーマデルはほんの僅かな笑みを零す。
 何はともあれ、このポールを降りし先に『影の軍勢』達の願う『神の国』が拡がっている訳で……そしてイレギュラーズ達は、ポールを次々と下る。
 降りし先に拡がったのは、表の世界とほぼ同様の街並みの風景。
 ただ大きく違うのは表の世界の様な静寂ではなく、悲鳴と咆哮が響きわたるという状況。
 自分達の降り立った所から、ギリギリ見えるくらいのところで躓き……その後方から追いかけてきていた『ライオン』の様な姿をした影状の『ワールドイーター』に頭から喰われる、一般市民の様な『ゼノグロシアン』の姿。
『ウァアアアア!!』
 その断末魔の悲鳴は、イレギュラーズ達の所にまで響きわたり……ゼノグロシアンを喰らいしワールドイーターは、次の叫び声の聞こえた方向へと身を転じていく。
 そしてイレギュラーズ達がその下に辿り着くが……跡形も無く消失したゼノグロシアン。
「酷い……異界に住む者とはいえ、この様な蛮行、惨すぎます……」
 と『白銀の戦乙女』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)が拳をぎゅっと握りしめると、それに頷く『玉響』レイン・レイン(p3p010586)。
「ゼノグロシアンは……僕達とも何度か戦った事があるけど……食べられる姿を見たい訳じゃない……海でも……陸でも……食べられるのは……嫌な気持ち……でも……彼らからしたら……僕達はワールドイーターと大差無いのかもしれない……」
 確かに過去、『テセラ・二バス』が異言都市となりし時においてゼノグロシアンを倒さざるを得ない時があった。
 彼らを喰らうか、討伐するかの違いこそあれ……結論として彼らを消滅させているのは間違い無い。
 ただ、疑問を覚える所もある訳で……。
「それにしてもゼノグロシアンを食べるワールドイーターって……普段はワールドイーターが、ゼノグロシアンを従えているような気がしていましたが、ここではゼノグロシアンが捕食対象なのですね?」
「そうね。だからこそ私達のするべき事もいつもと違う。ゼノグロシアンを守りながら、影の天使を倒す……と。敵の被造物同士のはずなのに、不思議なものね。それとも……案外ゼノグロシアンは別で、影の天使に侵略されているのかしら……? 常軌を逸する七罪の力だもの。何があってもおかしくはないわ」
 『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)に頷くロレイン。
 それに『あたたかな声』ニル(p3p009185)は。
「……ニルは、かなしいのは嫌だから。ゼノグロシアンのひとたちだって、助けられるなら助けたいのです」
 小さい声の中に秘めたるは、救いたい思いはとても強い。
 そんな彼女の言葉を聞いて、『砂漠に燈る智恵』ロゼット=テイ(p3p004150)は。
「そうだねぇ……ほっとくと面倒になるタイプかぁ。やだなぁ責任重大とか。まぁ、やるけどさぁ。おゆはんは豪華にしないとやってられないよね。とりあえずはおいしいお肉が食べたいし。とりあえずはおいしいお肉が食べたいよ」
 どこかお気楽そうな彼女の言葉だが、それは目の前でゼノグロシアンを食べられるという光景を見てしまった仲間達の心を和らげようとしたもの……かもしれない。
 でもその言葉で背中を押された様な感じがする……そして。
「ま、先ずはライオンもどき達を何とかしなきゃね。この者が美味しいお肉にならないようにしなきゃだし、人が喰われてる、みたいな食欲失せる光景はもっと視たくないしね」
「ええ……異言に侵食されたとは言え、追いかけられているのは人間です。助けないと」
「そうですね。この世界に居来ている人オーエム、救ってみせましょう!!」
 フルール、シフォリィも強く気持ちを奮い立たせ、そして弾正が。
「俺は俺らしい戦い方で、皆と共に悲劇にうち勝ってみせる! 皆、行くぞ!」
 そう皆を奮い立たせ、イレギュラーズ達はゼノグロシアンの悲鳴渦巻く『神の国』へと駆けていった。

●拾われるは喰らう時
『グルゥゥ……!!』
『来るな、来るなぁぁ……う、ウワァァァ……!!』
 獰猛な鳴き声と、恐怖の悲鳴から断末魔の叫びが様々な方角から響き渡る。
 正しくここが、地獄の一丁目かの様な酷い光景……だが、死臭の様なものは感じない。
 でも、その声は明らかにイレギュラーズ達の心を蝕んでいて。
「……一刻も早く、ワールドイーターを倒したい所ですね。それにワールドイーターを呼び出しているのが、影の天使だとしたら……影の天使も早急に倒さなければ……」
 と、シフォリィが唇を噛みしめる横で弾正が。
「そうだな……先ずはワールドイーターの下へと向かおう。そしてワールドイーターを、このオレが惹きつけよう。影の天使が現れたら、シフォリィ殿、フルール殿、宜しく頼む」
 ニッ、と笑みを浮かべる弾正に、シフォリィとフルールは頷く。
 そして……その悲鳴の響きわたる下へと急行……ともすれば、こちらの方に悲鳴を上げて逃げ込んでくる一般人の様なゼノグロシアン達の集団。
 その背後から、地を蹴り素早く近づいてくるライオンの姿のワールドイーター。
『ガルゥゥ!!』
 獰猛に目を鈍く光らせる彼らとゼノグロシアンの狭間に華麗に降り立つと。
「さぁ、お前達の相手はこの俺だ! 魅せてやろう!」
 パチンと指を鳴らし、何処からともなく射し込むキラキラとした灯りにその身を投じ、スポットライトを浴びる。
 暗闇の中の射し込む灯りは当然ながら目立つ訳で、ワールドイーター達は弾正にターゲットをロックオン。
 そして……何処から持ち込んだか分からない『ポール』を地面に突き刺しながら。
「利用させて貰うぞ、この『ポール!』」
 一団と張り切って、歌とどことなく色香のある踊りを披露する弾正。
 更に甘い香りをも纏い、それを周囲へと拡散。
「そう……俺こそセクシーキング。神の国に舞い降りた完全で究極の偶像☆」
 更にウィンクし、ワールドイーター達に流し目を向けて魅了しようと試みる。
 ……ただ、ワールドイーター達にそれを感じられる感情があるのだろうか……それは分からない。
 更にアーマデルgあ。
「弾正……そこまでして……弾正の熱い気持ちはキャッチした。いや、受け取るべきは俺ではないのか……だが、だいたい分かった。俺も弾正を引き立てよう」
 と言いながら、己の背の光を輝かせて、アーマデルを照らす光を重ねていく。
 勿論、照らされ目立つ弾正に自然と攻撃が集中……その一方でニルが。
「ニルはみなさまを助けに来ました! どうか、こちらへきてください!!」
 精一杯の声を張り上げ、大きく手を振る。
 そしてその言葉にゼノグロシアン達がウウウ、と苦悶の声を上げながら、ニルを追いかけていく……すると、その先にはレイン。
 更にそこには、彼の呼びかけに応えて妖精達が作り出した魔法で動く木馬。
「……こっちに、逃げて……大人しく、してて……」
 レインの言葉に、疑う事無く従うゼノグロシアン達。
 大多数のワールドイーター達が弾正とアーマデルに惹きつけられている所に他の仲間達が一斉に攻め入っていく。
 当然ワールドイーターらは、そんなイレギュラーズ達の動きに攻撃を喰らうものの、一切怯むような事は無い。
 寧ろ攻撃を受けて更に興奮し、獰猛かつ凶暴に牙を剥き始めている様にも見える。
 だが……そんなワールドイーター達の周りには『影の天使』は今の所見受けられない。
 勿論ワールドイーターをこのまま放置していても、何ら良い事は無いだろうから……取りあえずは目の前に居るワールドイーターを全力で攻撃。
 惹きつけて居る弾正とアーマデルの前に、不意を突いて割り込むロゼット。
『ガルァアア!!』
 と獰猛に牙を剥き、爪で削ぐ。
 だがロゼットは不敵に笑みを浮かべて。
「ほーら、こっちの方が美味しそうに見えて来ただろう?」
 その挑発に、一部のワールドイーター達はターゲットを切り替える。
 上手い具合に敵を分散させる事にして、ロゼットは敢えて攻撃を躱す事無く、全力で防御しつつ敵を惹きつけ続ける。
 身を裂く爪の一撃や、牙で噛みつかれれば痛い……でも、決して弱音を吐く事は無い、むしろ。
「いや、盾であっても普通に怖いわこれ。食肉目の歯って、獲物から見るとこんあんい迫力あるんだなあ」
 と、どことなく余裕な感じさえ見て取れる。
 ともあれ、ロゼットと弾正の二人が中心となりてワールドイーターを惹きつけている所へ、アーマデルの英霊の未練の音色がその耳を覆う。
 彼に続けてニル、ロレインも。
「ひろりでも多く、まもりたいのです! だから……皆さんの……足止めをします……!」
「ええ……神よ……これより成すことを赦し給え」
 それぞれの言葉と共に、ニルはゼノグロシアンが逃げた方向を守る様に混沌の汚泥を放つ。
 対しロレインは神への祈りと共に、きりっと見据えて。
「……纏めて倒す」
 と、連なる雷撃で一網打尽に打ち砕いていく。
 そして一番最後に行動するのはシフォリィとフルールの二人。
 影の天使が姿を表すのを待ってはいたが、彼らが行動を取らないならば、ワールドイーターを攻撃為て、彼らを刺激する他には無い。
 ワールドイーター達の行く先に常に回り込みつつ、的確に攻撃を行い、ワールドイーターの数を一匹ずつ確実に減らす。
 そして数分が経過し、取りあえずこの一群を構成していたワールドイーターの半数ほどを倒した頃。
『……ッ』
 戦いの剣撃の音中に、ワールドイーターでも、ゼノグロシアンでもない別の声が、ほんの僅か聞こえる。
「……?」
 その声に、鋭くも気付いたシフォリィが。
「声がしました……気をつけてください」
 と隣のフルールに告げて、周囲に一層の注意を張り巡らせる。
 ワールドイーターの暴れ回る影の中で、他の影と動きが違うものがあるのを鋭く見極めると……二人頷き合うと。
「ここかしら? さぁ……見つけたわよ、覚悟しなさい!」
 とフルールがその影の範囲を含めた形で鋭い棘を生やした紅の棘を貫き通す。
 その攻撃は影の落ちた地面を突き刺……したかとおもったのだが。
『っ……ゥ……!』
 苦悶に苦しむ声が響きわたると、その影はぐももも、と盛り上がり具体化。
 その背中には、羽のような物。
「影の天使……間違いありません!」
 とシフォリィは声を上げながら、影の天使の下へ隙も与えずに接近。
 勿論姿が見つかってしまった影の天使は、取りあえずは姿を隠そうと後ずさり。
 それを赦さぬ様に更にフルールが真なる焔を漆黒に添えて燃やしていく。
 その間に追いついたシフォリィは、漆黒の片刃剣を構え、すれ違うかの如く一閃を振り抜く。
『ぐぁぁっ……ふざ……けるな……!』
 その傷痕を抑えながら、恨みの籠もった言霊を紡ぐ影の天使。
 しかしシフォリィは、影の中に佇むワールドイーターから視線を外す事は無く。
「……貴方達の事は、決して赦しません。必ず、この場で仕留めて見せます……!」
 その視線は揺らぎの無い決意を秘めた真摯なる瞳。
 周りからワールドイーターが絶命する咆哮が響きわたり、後ろで糸を引く影の天使をこうして逃がさずに退治する……そんな強い決意を込めて、その剣を振るう。
 そして。
「神鳴りよ、我が敵を穿ち給え」
 とロレインの雷鳴が敵を纏めて打ち砕く。
 ワールドイーターは退く事は無く、一方影の天使は逃げようとする……でも、そんな影の天使を決して逃さず……ワールドイーター及び影の天使を、十数分の時を駆けて、近くに居た者達を、ひとまずは退治し尽くす。
 そして……。
「……取りあえず、周囲には……もう居なさそうですね……」
 と息を吐くロレイン。
 そしてゼノグロシアン達を避難させていたレインも、仲間達の下に合流。
「大丈夫……だった……?」
「ええ……ゼノグロシアンの方達は?」
「……木馬の中に逃げ込んだ……今の所、不審な所もない……大丈夫……そう……かな……?」
「それなら良かった……でも、まだワールドイーターらが居る様です。油断しない様に進みましょう」
 ロレインの言う通り、まだゼノグロシアンとワールドイーターの叫び声は収まっては居ない。
 そんな叫び声の響く下へと、次々と転戦し、ゼノグロシアンの叫びを救い続けるのであった。

●力を穿つ
 そして……多くのワールドイーターを倒し続けたイレギュラーズ。
 三体目の影の天使を倒したと、ほぼ同時に……ずっと闇に包まれていた空の闇が、まるで雲が晴れるかの如く、光が射す。
 そして影を纏いしワールドイーター達は、その光に焼かれて次々と消失……それはゼノグロシアン達も同じ。
 更に時を同じくするかの如く……地震が起きたかの様に、足元が揺れ始める。
「……この世界を維持させていたのは、影の天使自身……とかかもしれませんね」
「そうですね……ここに居たら……危険。急いで……脱出しないと……」
「ええ。ニルが先導します。こっち……です」
 ロレイン、レイン、ニルの言葉に従い、イレギュラーズ達は急ぎポールの下へと向かい、神の国から脱出。
 全員が脱出したとほぼ同じくして……ポールが吸い込まれるようになり、開いていた穴が閉じ、神の国への道は閉ざされる。
「……ふぅ……ギリギリ、だったね……」
 息を落ちつかせようとするレインに、ロゼットは。
「いやぁ……何とか終わったねぇ。指も……どうやらちゃんとある様だ。まぁ身体は傷だらけだけど」
 やれやれといった感じにしながら、うーん、と身体を伸ばす。
「まぁ、ご苦労様。やっぱり盾役は大変よね?」
「まぁ、そうだねぇ。でもまぁ、盾役ってそんなもんだし、ま、しょうがないさ」
 フルールに苦笑しながらも、肩を竦めるロゼット。
 そして……完全に閉じたその『場所』に跪き、ロレインは……冥福の祈りをささげる。
「……こんな世界が混沌に上書きされていいはずがない。それはわかっているけど……仮にこの世界が本当にあると仮定して、ここで彼らを滅ぼした罪を……神はお許しになるのかしら……?」
 敬虔な彼女の言葉は、天義であるからこそ……重みもある。
 それにシフォリィが。
「……そうですね。勿論、私達がしている事が、完全に正義……という訳ではないでしょう。ですが……彼らを救いたい、その気持ちは間違いありません」
「ええ……」
 シフォリィの言葉に頷くロレイン……そして。
「……お待たせしました。行きましょう……」
 そこに花を手向け……そしてイレギュラーズ達は、その場を後にするのであった。

成否

成功

MVP

ロレイン(p3p006293)

状態異常

なし

あとがき

ご参加頂きまして、ありがとうございました……。
ゼノグロシアンをワールドイーターから守リ、彼らも浮かばれたでしょう。
とは言え影の天使達の暗躍は未だに不気味な所ですね……。

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