＜天使の梯子＞神の国に到りて

オープニング

●顕現する神の国
　『占い師』の女、ベアトリーチェ・ラ・レーテの残した傷痕は未だ癒えず。
　信じていた聖教会内部に不倶戴天の敵である魔種が存在したことによる国政への不信。
　そして天義の掲げ断行してきた正義への不満から生じた国そのものへの不満。
　そんな中で天義に降りた新たな神託は『主が定めし歴史を歪めた悪魔達に天罰を。我らは歴史を修復し、主の意志を遂行する者だ』という国内を揺るがすものでであった。
　箝口令が敷かれていようと、シェアキムや騎士団を偽の預言者や歴史を歪めた悪魔であると糾弾するそれは大きな波紋を呼んでいた。
　少し前に発生していた――鉄帝国との国境沿いである『殉教者の森』に姿を見せた『ベアトリーチェ・ラ・レーテ』の暗黒の海と汚泥の兵達。致命者と呼ばれた人々。
　其れ等は歴史修復のための進軍であったと告げるかのようだった。
　加えてエル・トゥルルにおける聖遺物の汚染。
　天義の巨大都市テセラ・ニバスを侵食した『リンバス・シティ』の顕現。
　様々な暗躍はしかし――イレギュラーズの協力により、深刻な事態は避けられていた。
　そして、今……リンバス・シティの調査は、その果てに一つの新たなる領域を見つけ出した。
　それが『神の国』と呼ばれる、ルスト陣営が広げている空間の事だった。
　この地は天義の国に『帳』として降ろされ定着されているリンバス・シティ……とは異なり、まだ『現実に定着していない領域』であるという。
　聖遺物を核としているこの領域は、言うなればリンバス・シティの前準備の空間。
　時間をかけて定着する事によって――いずれは第二・第三のリンバス・シティも出来上がる事だろう。
　故に。イレギュラーズには新たにこの地の調査・核となり得るモノの破壊依頼が舞い込んだのだ。
　すでに始まったその動きに、遂行者たちもすでに気付いている。
　だからこそ、蒸気機関による煙が空を分厚く覆うこの「神の国」で……２人の人物がその風景を見下ろしていた。
「此処にも連中は来るだろう。残念ながら、俺は別の任務に出向かなければならないが」
「お任せください『遂行者』たるエクス、我等が聖拳よ。この地は私が守護しましょう」
　エクスと呼ばれたソレは、街区の中央の時計塔のような場所の屋根から街区を見下ろしていた。
　全身鎧の騎士にも、あるいは機械や鉄騎種のようにも見えるその姿では、表情はあまりよく分からない。
「しかし、警戒せよ『致命者』たるボーン。歴史修正を阻む者は現れるだろう」
「お任せください。此処は私が、この命に代えても」

●神の国へ
「神の国の件についてはもう聞いていると思うです」
　【旅するグルメ辞典】チーサ・ナコック (p3n000201)は集まった面々にそう切り出した。
　神の国。リンバス・シティの前準備の空間と呼ばれる場所。
　リンバス・シティと比べると『神の国』は地への定着率が低く、現時点では存在しているが、梯（道）がなければ至る事の出来ない領域で、聖遺物などを梯にしてようやく移動できる地であるのだという。
　言ってみれば、今のうちにどうにかしておかなければならない場所……ということだ。
「今回の目標となる『神の国』は、まるで鉄帝か古代文明か……といったような様子であるみたいです」
　無数の蒸気機械と空を分厚く覆う煙。行き交う人々は平和に暮らしているようにも見えるが、やがて全ては『異言を話すもの（ゼノグロシアン）』となる存在でもある。
「恐らくは何処かに聖遺物があるです……『核』となる聖遺物さえ壊すことが出来れば、神の国は定着できずに消え去るです。何処にあるかは分からないですが、見つけ出してぶっ壊してくるです」
　そうすることで遂行者たちの邪魔を確実にすることができる。
　ならば、その聖遺物。見つけ出すしかないだろう……！

参加者 : 8 人

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参加者一覧（8人）

リプレイ

●蒸気都市へ
　曇天。いや、あれは分厚い煙の雲だ。蒸気機関が発展したこの「蒸気都市」は、それ故に空を失った都市であるのだろう。
　あちこちで蒸気機関の稼働する音が響き、蒸気機関の車も数は少ないが道路を走っている。
　何処となくレトロな雰囲気をも思わせるのは、鉄帝や練達という国を知っているからだろうか？
「見た目は鉄帝みたいだけど、平和で信仰深い「天義らしい街」ね。でも、この街には今の天義みたいな、何度でも立ち上がる生命力が感じられない。おかしな街の、おかしな時間を終わらせるわ」
　自分を知らないかのように歩いていった、妹にそっくりの住人を見て思わず舌打ちをしそうになりながらアーリアはポーカーフェイスを保つ。
「随分この街を作った人っていうのは悪趣味で性格が悪いこと！」
　あるいは神の国全てがそうなのか……どちらにせよ悪趣味であるのに間違いはないだろう。
「蒸気文明が蔓延ってる辺り、天義というよりは鉄帝の感覚を覚えますわね。此処に関してはアーリア様と同意見ですわ。聖遺物も……よくおとぎ話で聞いた品ですわね。偽りの街にある品とはいえ、この手で壊す事になるとは」
　『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ（p3p004400）と『『蒼熾の魔導書』後継者』リドニア・アルフェーネ（p3p010574）も周囲を見回しながらそう言い合う。
　実際、此処は「神の国」であり、放置すればリンバス・シティとなってしまう場所だ。つまり、この平和に見える光景もこれからの危機の一部ということなのだ。
　だからこそアーリアたちは３つのチームに分かれており、アーリアとリドニアはA班として動いていた。
「二人ともこの国の女だもの、それらしく振る舞うのは得意ってね」
　そんなことを言っていたアーリアはたちは清廉な服を纏い「いかにも」な天義の人間に変装し溶け込もうとしていた。
　幸いにも「実例」はそこかしこにいる。装うことは然程難しいものでもなかった。
　そしてリドニアもアーリアに合わせていかにもテンプレな天義の女を演じている。
「妹力でアーリア様の妹役にでもなりますか。ねえ？　お姉さま？」
　そんな冗談を言いながらもリドニアは聞き耳で僅かな情報も聞き逃さない。
　一緒に潜入した地元のダチコー、もといアルフェーネ家のスパイを用意して懐中時計の情報を調べさせるのも忘れてはいない。
　そしてアーリアもリドニアも敵意は持たず、ポーカーフェイスで住民に話を聞くのが上手くやる為の流儀。
　リドニアのファミリアーをC班につけ、B班のファミリアーを受け取って連携しているのも作法の１つ。
「失くしてしまって探している金の懐中時計がこの街にあると風の噂で聞いたのですが、見覚えはないでしょうか？」
　とても大事なもので、と信仰蒐集で信仰深く、聖人と思われるよう振る舞うアーリアだが……今のところ上手くできているようだ。
「金の懐中時計か……銀のものならほら、私も持っているがね」
「そうですか……では人が集まる場所や、気晴らしにこの街で見てみるとよい場所などありますか？」
「そうだなあ。時計塔もいいが、駅も中々だよ」
　情報網を頼りに、直感で向かうべき場所を決めていく。
　歩く時は聞き耳を立てながら、些細な情報も零さぬように。
「蒸気の車や、この街独自の文化は調べておいて損は無さそうですわね。衣装もこの街で揃えてしまうとより良い擬態になり得ますわ。一着如何？　お姉さま」
　服屋のドレスなどに目を向けながら、リドニアはそんな冗談をアーリアへと投げかける。
「それにしても、私には白は似合いません事」
　A班がそんな風に完全に溶け込んで探している頃……B班の１人である『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル（p3p000649）は喫茶店で給仕をしていた『白雷の貴人』アッシュ・クラウ・ラースそっくりの人間を見つけ「ええ……？」と声をあげていた。
「ドレス姿で鉄帝なら、アッシュ似のヒトもいるのかなあとは思ったけど……」
　実際見てみるとなんとも不思議な気分になるもので、アクセルは思わず目をそらしてしまう。
「鉄帝タイプだけど、整然としてるならレトロな練達みたいな感じかなあ。見て回るのも面白そうだけど、ここが定着しないうちに解決しないとね」
　アクセルは広域俯瞰で周囲を確認しながら、「周囲のヒトが持つ時計」を上空からの視点で確認していた。
「随分と人の技術に寄せた都市が、『神の国』を名乗るのか。何というか、機械仕掛けの神でも出てきそうだな？」
「……本当に。これ、今ある土地に被せるんじゃなく、新たに世界を創るのだったら、うまく共存できた説あるよなぁ。まあ、現実はそう上手くいかないからこそ、私達が必要な訳だが」
　『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈（p3p002831）と『誰が為に』天之空・ミーナ（p3p005003）もそう言い合うが、実際共存できるのであればそう問題はなかっただろう。ミーナの言うとおり、そうではないからこそ此処に居るのだ。
「さて、目的の聖遺物は金の懐中時計らしいが、ぱっと思いつくのは――『身分の高い者や金持ちが所持、保管している』『展示物として飾られている』の二つだな。ひとまず、時計屋や博物館の類が無いか探ってみるかね」
　噂話なども耳に入れつつ、時計屋や博物館と思しき建物を探そうと汰磨羈は考えていたし、ミーナは超聴力で懐中時計の歯車音を聞き逃さないように建物の中も、透視で確認し、保管されていないか確認していくつもりだった。
「ああ、そうだ。街の案内図やパンフレットのようなものがあったりしないだろうか？」
「案内図？　ないなあ。どこか行きたいところがるなら駅員にでも聞いてみるといいかもな」
　汰磨羈は通りすがりの紳士からそんな情報を聞き出すが、幾つか気を付けているポイントはあった。
　たとえば、他の仲間の行動による影響が噂話のような形で表出していないかもチェックすることだ。
　この場で動くことによって起こる変化は見逃してはいけない。
　そして必要に応じ、ギフトで猫化しての潜入を行使すること。これはミーナと連携しながらやる必要がある。
　鍵か何かが必要な場合、探し出して収奪で確保することも必要になるだろう。
　ミーナであれば物質透過、アポートでなんとかできないか試すこともできる。
「核となるようなものを軽々しく持ち出せるとは思えないが……果てさて」
「そうだな。まずは現物を見つけなくては」
「"聖ドレルク"……聖人の持ち物だとするなら、教会の線もありそうか？」
　色々と探してみる必要はあるだろう。驚くような場所にある可能性だってあるのだから。
　だからこそ感覚特化な２人をサポートするように、アクセルは広く浅くな動きをしていた。
　たとえば今空を飛んでいるファミリアーは汰磨羈のものだが、アクセルのファミリアーはA班に渡しておいて連絡役にしている。
　ターゲットの懐中時計を街の中の誰かが持っていると予想して動き、怪しい感じの人物には汰磨羈やミーナにお願いして音を聞いてもらうつもりでもある。
（あとは一区画に一回、時計を持ってるかわからないヒトに時間を聞いて時計を出させてみるのもいいよね。街角や広場の大時計みたいなところは避けて、ヒトと待ち合わせをしてるんだけど時計を忘れちゃってーみたいな感じで。まずは……あのヒトかな？）
　何処かで何かが引っかかるはず。それまでは、地道な作戦が一番有効なのは……おそらく、間違いなかった。

●蒸気都市の決戦
「エクスの野郎……随分と仕事熱心じゃねぇか。飛び込んでくる依頼のほとんどがこいつ絡みってどういうことだよ。いつか必ずぶっ倒してやる」
　ギフト「MAD TIME」で人間の姿に変化した『Stargazer』ファニー（p3p010255）がそう声をあげる。
　遂行者の１人である『聖拳』エクス。先日ファニーはそのエクスと相対する機会があったが……その高い実力は驚愕に値するものだった。だが、いつか倒すというその言葉に偽りはない。
「『蒸気都市』……聖遺物を破壊しないと、天義の都市を乗っ取っちゃうんだね。聖遺物を探し出して壊して、この都市を消し去らないと……」
「俺は不正義の冤罪で咎を負った罪人だ。天義の白壁を見ると罰せられた時の痛みを思い出す。……が、あの日々も全部ひっくるめて、天義が好きだ。塗り替えられちゃたまらねぇ」
　『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探（p3p009413）と『鳥籠の画家』ベルナルド＝ヴァレンティーノ（p3p002941）もそう言い合うが、２人の言う通りこの都市の存在は許されるものではない。
　だからこそ「金の懐中時計」を見つけ出さねばならず……ファニーは住人たちへの聞き込みや調査はベルナルドと祝音に任せて、ファミリアーで白い鳩を召喚し広域俯瞰や超視力、透視を駆使しながら屋内屋外問わず、金の懐中時計を探すつもりだ。
「物が物なだけに難航しそうではあるが、超聴力も合わせて時計の秒針の音を聞き漏らさないようにあちこちを飛び回るとするか」
　ファニーはそう言いながら周囲をしっかりと確認していく。祝音も普通の服で普通の子供に変装し預かったファミリアーを大切に抱っこしていた。
　そして透視も使って建物の中等も見ていくことも忘れない。
（駅や汽車、車や建物……透視で見れる所は多いと思う。暗視（弱）があるからちょっと暗い所も確認しよう）
　賭場の窓から見える駅からは濃霧のため出発できないという放送が流れているが、遠目にも蒸気機関車がホームに停まっているのが見える。
（金の懐中時計……どこにあるかな、誰が持ってるかな……）
　何処にあるかはまだ分からないが、こうして探していけば必ず見つかるだろう。
「蒸気機関の機関車や車が走る世界……少しわくわくする、けど。これは冠位傲慢達の仕業、天義の街を侵す場所。だから、なくさないといけない」
　そう、この世界は放置できない。それが祝音にはよく分かっている。
　そして今……祝音たちは賭場にいたのだ。
　今回の聖遺物は金の懐中時計。高価な見た目なら金が絡む場所……賭場で探るか。ここにいる奴は聖遺物を持ってなくても、金目の物への嗅覚の鋭い奴が多くいる、というのがベルナルドの言葉だが、ちょっと上品な賭場がベルナルドの狙い通りに存在していた。
　ポーカーフェイスで賭博に参加し。参加費は袋に詰めた石ころを幻影で金塊に変えるという初手から大胆にハッタリをかましていく。
　ベルナルド曰くギャンブルの心得は万全であり、ケミストリーで用意した香料をカードに染み込ませマーキングすることで大胆にイカサマを繰り出していく。とんでもないアイアンハートである。
　しかも最初の２～３回はわざと負けてカモを装い、極彩嗅覚と色彩感覚で香りを視認し最後に勝ち札をイカサマで揃えて大勝ちするという手段……なのだが。
「金時計ねえ。またけったいなものを探してる。そんな趣味の品、持ってる奴はそう多くないだろうな。たとえば汽車でやってくるような連中とかな」
「汽車……それに上流階級か」
　真っ当に強い連中がいる中で、ベルナルドはそんな情報を手に入れていく。そんな中でファニーも祝音もそれぞれの情報収集を進めていく。
（ここの住民は、この国が勝手にコピーしてきた存在……内心ちょっと思う所はあるけど、ぐっと堪えて）
「ここはどんな所？　懐中時計、見なかった……？」
「見ての通りだよ。懐中時計なら僕も、ほら」
　銀の懐中時計を見せられながら祝音は溜息をついて。そんな中、A班からの連絡が届く。それはベルナルドが先程聞きただした汽車……つまり駅からだった。
　そう、その連絡を送ったアーリアとリドニアは駅に現れた少年へと衝撃の青を放つ。
「神の国に感銘を受けるだけなら放っておきましたが……狙いは聖遺物でしたか」
　汽車の座席に忘れられていた金の懐中時計。それに近づく前に進路を塞ぐように現れた少年……『致命者』ボーンはアーリアたちを車両から追い出すように剣を振るいホームへと押し出していた。
　幸いにもホームには一般人は誰もいなかったが、影の天使たちがすでに集まり始めている。
　聖遺物はボーンに回収され、万が一にも触れさせないという気迫に満ちている。
「まさかのまさかだわ。本当にこんなところにあるだなんて」
「けれど、見つけたならもう此方のもの！　最初っから全力でぶちかまして差し上げますわ！　蒼熾の魔導書、起動」
　リドニアが荒れ狂う炎と雷をボーンへとぶちかまし、思いきり感情ののった声で叫ぶ。
「そのお祈りが我らが正義をバカにされてるようで何よりムカつくんですわよ」
「おまたせ！」
　そこにアクセルとB班の面々が辿り着きヴァイス&ヴァーチュをアクセルが、そして汰磨羈が絶照・勦牙無極で影の天使たちを薙ぎ払おうとする。
「さて。コピーだらけの偽造都市には、そろそろ御退場いただくとしようか！」
「ああ、そうしよう！」
　ミーナのナイアガラデッドエンドが放たれ……そこにC班も到着する。
　ファニーはタイトルコールの後、指先の一番星を発動させていく。指先で流星の軌道をなぞるように、相手の死線を切り裂くように。
「ボーン、お前さんが天義を変えたいって想いは理解するが、力で人を害しちまったら、お前が憎む不条理な奴らと同じじゃねぇか
俺達と一緒に内側から天義を変えよう。それとも、お前さんはもう……今まで会った致命者の様に、死んじまってるのか？」
「この平穏を見て尚そのようなものにしがみつきますか。神の国が定着すれば、争いなどは消えて失せるでしょう。これこそが唯一の救いにして正しき道。故に私は我等が聖拳の為にこの剣を命尽きるまで振るいましょう」
　やはり説得は出来ない。ベルナルドはそう内心で悔しく思う。確かに此処には平穏があるのだろう。しかし、それが正しいなどとは思えない。
「そうか。止めるしか、ないか」
　そうして激戦の後……聖遺物『聖ドレルクの時計』は破壊され、全員が神の国から脱出する。
「さよなら、蒸気都市……蒸気が消えるように、君達も消えるんだね……みゃー」
　祝音の言葉通り、蒸気都市はいずれ消えていくだろう。その核は、もう破壊されたのだから。
「じゃあ、この後は酒場にでも参りましょうか？　こういうストレス貯まるような演技にはもってこいな高濃度アルコール！　神の国の『不正義』に万歳と行きましょう。黒や赤がやっぱり、私には一番ですわ」
「喜んで！　清く正しい天義の女を演じるなんて窮屈で息が詰まってしまいそうだったし、ワインでも飲まないとやってられないわ！　私は煙草を横で吸われたって平気だし、ワインと煙草で不正義を味わう打ち上げといきましょうか！」
　リドニアとアーリアのそんな提案に、全員が笑う。１つの幻の終わりに乾杯。そういうのもオツなものだろう。
　歩き去っていくアーリアたちの背に……何処かで、汽車の汽笛が聞こえたような。そんな気が、した。

成否

成功

ＭＶＰ

状態異常

なし

あとがき

蒸気都市、切除完了。
ご参加ありがとうございました！