シナリオ詳細
<天牢雪獄>活きる命に加護を
オープニング
●<天牢雪獄>活きる命に加護を
鉄帝国東部に位置する『不凍港ベデクト』。
<大乱のヴィルベルヴィント>作戦において新皇帝派から解放されたこの港町。
独立島アーカーシュの者達により市民達の生活は少しだけ良くなり、大寒波においてもどうにか生きていられる……そんな具合にまで、街は復興しつつある。
更にはアーカーシュの者達が救い出した、新皇帝派に虐げられた者達もベデクトに避難してきているのもあり……。
「という訳で、避難してきた人達の住処を作ってあげたいと思うんだが……どうだろう?」
「うん。それはいいわね! 避難してきた人達の住処が無いだなんて可哀想だもの!」
『陰陽鍛冶師』天目 錬(p3p008364)と、『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)の二人は、街を歩いて……避難民達の状況に声を上げる。
思わぬ形で住処を変えた者達……鉄帝国各地から訪れる彼等の生活は、慣れぬ形で大きな変化を迎えている事だろう。
だが……新皇帝派の勢力は未だに諦める事は無く、隙あらば支配された街を取り返そうと武力を嗾ける。
勿論それは、ここ、不凍港ベデクトでも同じ事が起きる訳で……。
『ちっくしょうが……かならずや、ベデクトは奪還する……! 皆の者、この戦い、負ける訳には行かぬぞ!』
雪降る中……ベデクト西部の方角より、雪と同じ色のフードを被り擬態しながら進軍するのは、新皇帝より命令を受けた軍人達。
その左や右の方では、ガルゥ、グルゥ……と唸り声を上げる者も。
彼等の目的は、まずはベデクトに攻め込む切っ掛けを作ること。
勝手知ったる陸軍施設を足駆けに、彼等はベデクトを再び新皇帝派の足場にしようと蠢いていた。
●
「……という訳なの。また、新皇帝派が近づいて来ているって」
「そうか……分かった」
オデットの言葉に目を閉じ、息を吐くのは九頭竜 友哉。
彼に集められた君達。
「……又この不凍港ベデクトに、どうやら新皇帝軍がちょっかいを出そうとしているという訳か。全く……何度痛い目を見れば判るんだろうな」
溜息を吐く友哉……その言葉に一から百を理解する君達。
今回の依頼……新皇帝軍が不凍港ベデクトに攻め入るのを止めてきてほしい、という事。
元々彼等が支配していた街故、それを取り戻したくなるのは当然の理。
勿論今は彼等、アーカーシュが治めており、彼等が攻め入るのは当然侵略行為。
……更に今は、このベデクトに避難民達も来ており、彼等にそのトラウマを再び呼び起こさせる訳には行かないだろう。
そんな友哉の言葉にオデットと錬が。
「本当に許せないわね! この街は新皇帝派の持ち物じゃないんだから!」
「そうだな。彼等が安心して住める住宅も建てているところ……それを壊される訳には行かないな」
「そうね! 街に居る精霊さん達にもお話を聞いて、彼等が街に侵略する前に追い返しましょう!」
二人の決意の言葉にフッ、と笑いながら友哉が。
「話が早くて助かるぜ……という訳でまぁ、よろしく頼む。勿論終わった後は、避難民達への配慮も宜しく頼むぜ?」
と、皆の肩に手を当てるのであった。
- <天牢雪獄>活きる命に加護を完了
- GM名緋月燕
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年02月18日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●弄するに
鉄帝国東部に位置する、不凍港ベデクト。
独立島アーカーシュと、ポラリス・ユニオンによる奪還作戦から日も経ち、街に棲まう人々の生活も段々と改善しつつある時。
勿論大寒波もあり、その生活は平穏無事……とは言えないものの、寒さで死に至る者の数は明らかに減ってきている。
そして街の人達の信頼も勝ち取りつつあり、人々はイレギュラーズ達に感謝をしつつある……だが、それを妨害しようとする『新皇帝派』の軍人達。
「全く懲りないわねぇ、あっちから来てこっちからも来て……こっちはやることいろいろあって忙しいって言うのに」
と、深い溜息を吐くのは『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)。
その言葉に『陰陽鍛冶師』天目 錬(p3p008364)と『奪うは人心までも』結月 沙耶(p3p009126)も。
「ああ、全く懲りない連中だぜ……」
「そうだな。ベデクトがそんなに大事なのだろうか? 不凍港の一つ、戦力出して取り返したところで消耗を考えればトントンになってしまう気がするのだが……な」
「そこらへんまで頭が回っていないのか、それとも不凍港を奪われた事に対して、私怨にも似た感情を抱いているのか……?」
「そうか……確かにテンションとか士気の問題もあるのだろうな……まぁ、とはいえ頑張って奪還した不凍港だからな、決して再び奪還はさせない」
空を見上げる沙耶と錬。
二人が言う通り、不凍港ベデクト……港という要所ではあるが、そこまで価値があるのだろうかと言われると……首を傾げざるを得ない所もある。
ただ、人というものは力尽くで奪われた物には未練を抱くもので……奪われたからこそ取り返したいという感情が突き動かしているというのは、一番強いのかもしれない。
「そうだね。こっちは避難民のタメに動こうとしてるって言うのにテロ行為とはね! これはゼッタイに好きにさせてやるワケにはいかないよ!」
と、仲間達の言葉にうんうんと強く頷きながら、『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)は拳を振り上げると、『高速機動の戦乙女』ウルリカ(p3p007777)も。
「ええ、ニルはかなしいのはいやだから、避難してきたひとが、これ以上つらい想いをしなくていいように、ニルはがんばりますね!」
イグナートと同様に、ぐぐっと拳を握りしめる。
ただでさえ苦しんでいたベデクト市民達には非は無い。
敵の軍勢の中に、天衝種がいるとなれば……イレギュラーズ達が居なければ虐殺されるがのみ。
……そしてそれを守るのが、イレギュラーズの仕事。
「本当……ベデクトに新皇帝派の人達がまた攻め込んでくるなんて! 重要拠点ではあるんでしょうが……本当にしつこいですね!!」
「ええ、さしずめ新皇帝派の攻勢と言えるでしょう。それに夜闇に紛れて襲撃との事……確かに効率的です。所詮隠形は見つからないことが強みですから……ですが、我々相手にどこまでやれるのでしょうね?」
「ああ。鉄帝の政治はよくわからんが、相手は魔種の手先だ。それにオデットさんがいるのならば、俺は妖精道具として頑張って働くだけ……魔種の手先は、絶対にぶちのめす!」
「そうですね……避難民の皆さんが傷つかないように、絶対に撃退してみせます! そして、良い所を見せて友哉さんに褒めて貰いますよ! フフーン!!」
並々ならぬ気合いを口にする『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)と『立派な姫騎士』雑賀 千代(p3p010694)。
純粋な思いや願望……イレギュラーズ達だって願望はある。
何にしても、市民達の安全を守る為に……己が力を振るう時は今。
「まぁ仕方ないわね。パッパと片付けちゃいましょ」
「そうだな……熱いお灸を据えてやらないとな? まだまだ仕事の途中だ。職人の仕事の邪魔はさせないぜ」
錬とオデットの言葉に皆も頷き、そしてイレギュラーズ達は街の西部、雪の降り積もる街の外の接舷へと赴くのであった。
●雪降る中
そしてイレギュラーズ達が辿り着くのは、街の西部に拡がる雪原地帯。
雪の降り積もるだだっ広い平原地帯……一面の白に包まれており、それ以外の不純物は混じっていない。
「さて、と……それじゃ先ずは彼等が来る前に、罠やら何やらを仕掛けておかないとね?」
「そうだな。先ずは俺に任せてくれ!」
「解った……俺も手伝わせて貰おう」
オデットの言葉に自信満々なサイズと、それをサポートしようと動く錬。
持ち込んだ鉄インゴットをカンカンと打ち鳴らして、土台となるプレートと、細長いプレートに分けて加工。
その二つを細めの縄で結び、輪っかを作ってそれを白く染めた縄に更に通す。
「これで……良いかな」
汗を一旦拭いつつ、それを木と木の低めの所に括り付る。
「ん、これは何?」
とイグナートが問い掛けると、サイズは。
「特製の鳴子さ。後はこれに雪を上からかけて……と。罠を仕掛けられているとか思って無ければ、足下を注意深く見る事は無いだろうし、脚を引っかければ……ほら」
軽く足を引っかけただけで、大きな音が鳴り響く……これだけ大きな音が聞こえれば、遠くに居ても判るだろう。
ただ、鳴子自体はそんなに長い距離を這わせられる訳は無いし、このままだと解りやすいだろう……だから、更にもう一、二工夫……。
「鳴子のちょっと手前にバリケードを作っておくか。来る方角から見えないし、乗り越えたところで引っかかってくれればラッキーだしな」
と錬が隠蔽するための柵を鳴子のちょっと前の方に突き立てて、すぐに罠が見えないように細工。
鍬手千代が持ち込んだ精霊爆弾を鳴子の近くに仕掛ける事で、敵が乗り込んできたら爆発するような細工を更に企てる。
更に、その平原の周囲には。
「……はい、サイズ様。バリケードの方はこんな感じで宜しいでしょうか?」
「ええ、ニルもがんばって作りました!」
ウルリカとニルの二人が創り上げたバリケードは、その鳴子の方に向けて道を狭めるように建ててある……勿論不自然に想われないように、所々間を開けたりしてみたり。
「ん……ああ、有り難う」
「良かったのです! そしたら最後の仕上げですよ!」
とニルは更にその場に結界を張って、破壊されない様に細工。
と、敵の進軍路を敢えて削減する様にする事で、監視するべき場所を数カ所程度に集中出来るように陣地を構築していく。
そう、敵の動きをみこした上でのルート制限をする罠を仕掛けた一方、オデットは。
「……精霊さん。ちょっと、話を聞いて貰ってもいいかしら?」
眼を閉じ、その場に漂う精霊達に声を掛ける。
少ししてから、彼女の下に集まり始める精霊達。
氷、風、闇……様々な種類の精霊達……彼等へオデットは。
「ありがとう……私達は、ベデクトを護りたいんです。ここに向けて、新皇帝の派閥に属する人達が仕掛けてきている……という話を聞いてます。皆さんにお願いしたいのは一つだけ……こちらに向かってくる、身なりのしっかりした人達を見つけたら教えて欲しい野。後は……その周りに居るだろう、狼の様な姿を下のもいたら、合わせて教えてほしいの」
オデットの言葉……素振りは無いものの、ふわりふわりと散らばっていく精霊達。
「……大丈夫そうか?」
「ええ……きっと。多分大丈夫」
微笑むオデットに対し首を傾げながら沙耶が。
「……? まぁ、解った。取りあえず罠やらバリケードの設置も終わったようだ。後は奴等が来る迄監視だな」
と言うと、イグナートも。
「うん! それじゃぁあそこで待ち構えようか! 街の監視哨だからきっと見晴らしも良いだろうし!」
後方を指さすイグナート……ベデクトを守る拠点の一つであるその場。
そしてイレギュラーズ達は罠やバリケードを一通り設置し終えた雪原を見渡せる場所へと移動し……静かに待つ。
……そして陽も落ち、街の外が暗闇に包まれる。
雪原の暗闇に対し、街の明るさが漏れる……陰陽のコントラストが何処か神秘的。
そんな暗闇にじっと目と耳を凝らすのは沙耶と錬。
迫り来る物をいち早く察知出来るよう、最大限の監視態勢を張り続ける。
そして……街の人々が大体寝静まり始める、日付の変わる頃……。
「……ん、うん、ありがとう」
オデットが言葉を紡ぐ……そしてすぐに仲間達に。
「西の方でから、何だか怖い人達が来てるって……あっちの方ね」
彼女が指を差す方向……暗闇に包まれているが、そんな中にうっすらと……雪上を動く影。
身を全て覆い隠すように白い布を被り、周りの白雪に紛れては居るものの……彼等の動きを監視哨から注意深く監視している故に、ギリギリ見える。
更には、その少し前には。
『グルゥゥゥ……』
と、獰猛な狼達が雪原を歩いている……彼等は姿を隠しては居ないが、まぁ傍から見れば野良の狼が歩いているだけ……と言えばそう見えなくも無いだろう。
「やっぱり、先に来たのは狼でしたね?」
「ええ……彼等があそこを超えたら、一気に仕掛けましょう」
ニルとウルリカの言葉に皆も頷き、そして。
『あぁ、何だあこれ? 奴等、街に入れさせるかってか?』
『巫山戯た真似しやがって! 全部ぶっ壊してやらぁ!!』
小賢しい真似をしている奴等が居る、と思い上がりながら前線を上げる。
先陣を進む獣共は大跳躍でひょいっと飛び越え、続けて軍人達も乗り越える……が、雪の上に降り立つと。
『ドーン!!』
突然足下で爆発が起き、脚を負傷。
更に爆風に回避態勢を取った者もいるが、それらは鳴子に足下を掬われて転倒。
『な、何だこれは……一旦止まれ!』
目を見開き、進軍停止を命じるのは、恐らくこの小隊の隊長だろう。
その命令に従い、バリケードを乗り越えるのを一旦立ち止まり、状況確認する小隊員達……彼等が足止めしたその瞬間に。
「今です!」
千代の号令一下、一気に攻め込むイレギュラーズ。
遠距離の位置からオデットが熱砂の精を使役し、更に千代も鋼の驟雨を降り注がせて、敵の居る一帯を絨毯爆撃。
そう二人が攻撃しつつ、他いのイレギュラーズ達は監視哨を飛び降り、敵の前に立ちふさがる。
勿論それに隊長は。
『くっ……少し想定外ではあるが、お前達を倒す事に変わりは無い! グルゥイグダロス達よ、行け!』
『ガルゥゥウ!!』
号令一下、狼共は咆哮を上げながら前線を上げてイレギュラーズ達と衝突。
そんな狼達の先陣をイグナートが。
「動物愛護の精神は期待しないで欲しいな! ゼシュテルで人を襲う狼は駆除対象なんでね!!」
と挑発し、敵のターゲットを自分へと集中させる。
左、右、前、前方三方向から次々と飛びかかる狼達の攻撃を、その身一つで防御しながら攻撃を受ける。
そして錬、サイズの二人は、仕掛けてきた狼を迎撃するように。
「中々獰猛な奴等の様だが、ここから先には進ませないぜ!!」
「ああ……そうだな。しっかりと足止めさせて貰う」
彼等が街に抜けないように足止めと共に場を組み立てて攻撃する。
そう狼達に対峙する仲間達の一方で、先を急ぎアラクラン小隊に退治するのはウルリカ、沙耶、ニル。
爆発や鳴子によって転倒している前線の者達の直前に立ち塞がり、怜悧な声で。
「来ましたか……相手の悪さに同情しますよ、新皇帝派」
「そうだな。全く往生際が悪い……いや、理解する知能が無いのか? 新皇帝派は」
「そうなのですか? まぁ、ニルは良く解らないのですが、ここは通しません。街のみなさまを傷付けさせません。ようしゃはしないのです!」
三者三様の言葉が投げかけられる……その言葉に隊長は眉を僅かに顰めつつ。
『ふん……巫山戯た事言いやがる。元はベデクトは我等の支配下にあった物だ! お前達が力尽くで奪ったのだろう、批難される言われはない!!』
新皇帝になり、新皇帝派の支配下にあるというのは……理論的には正しい。
だが、それにより市民達が虐げられていたのは確かで、それを解放したのがイレギュラーズ。
そんな彼等の言葉に眉一つ動かさず、ウルリカは更に。
「一度失敗すれば、要塞化は進みます……貴方達は知らない様ですね? たとえ鉄帝兵が少なくとも、要塞化と我々がいれば、ここはもう堕ちるコトはありません」
ばっさりと言い放ち、そして彼女の手から放たれる残忍なる掃射で転がる前線を一掃。
それでもまた生き残っている輩達には、ニルの混沌たる波と沙耶の三閃で以て、一人ずつ確実に息の根を止めていく。
……そんなイレギュラーズ達の動きに隊長は。
『煩い……お前達を殺す事、それが俺達の使命。さぁ、皆、攻めるのだ!』
一気阿世の号令を上げ、前線含め攻撃を開始。
敵陣の数人、仲間を回復する様に魔法を使い、その他はただ攻撃するがのみ。
ただ、回復役が解ればイレギュラーズ達の作戦も自ずとそれを狙いに変える。
「回復役が一番厄介だ! 狼さん達を倒してくれている間に、私達は敵を削る事に専念するぞ!!」
と沙耶が仲間達を促し、敵陣に切り込み回復役を先行して倒して行く。
それを妨害しようとするのは居るが、イレギュラーズ達の勢いはそれ以上に苛烈で激しい。
そして狼五体が倒れる迄には、回復役達も全て討伐され、後は攻め手のみ。
「戦果上々ですね! さぁ、油断せず行きますよ!!」
と千代は声高らかに宣言し、後方から前方に移動し、ヒットアンドアウェイの攻撃にシフト。
オデットも、小隊長をターゲットに収められる位置まで前に出ると、四象の力による一閃を叩き込み大量のバッドステータスを付与。
更にイグナート、錬、サイズの狼班も敵陣に踏み込み攻撃。
『くっ……! 攻めろ、攻めるのだ!!』
部下達を鼓舞しようと声を荒げ続ける小隊長。
しかし、更に勢い尽くイレギュラーズに対し、深く切り込まれて仲間達との連携もままならない一小隊。
一人一人の力でイレギュラーズ達に強烈な一閃は与えられるものの、的確に回復を飛ばして体力を維持。
そして一人、二人、と確実に死へ至る敵軍……最後には、隊長一人を残すがのみ。
『はぁ、はぁ……っ……』
唇を噛みしめた彼に、ウルリカが。
「皮算用と強行で勝てる程、ゼシュテルは弱くはないのです」
最後に断じた一言……その言葉に重なる死神の一閃。
心を撃ち抜き、心の鼓動を止め、壮絶なる表情と共に……前のめりに崩れ落ちるのであった。
●守護者の誇り
そして……新皇帝派を討ち倒したイレギュラーズ達。
「……ふぅ、終わりましたね」
「うん。ミンナ、お疲れサマ!」
ニルの言葉に笑顔でサムズアップするイグナート。
「でもまだ安心出来た訳じゃない……取りあえず夜が明けるまでは、警戒は続けよう」
とサイズは仲間達を促し、再度監視哨に戻り監視を継続。
ただ……それ以上新皇帝派の者達が来る事は無く、陽は昇る。
……街の人々が起き始め、生活の息吹が聞こえ始めれば……取りあえずは一安心。
「良し……それじゃ、バリケードを撤去するとしようか。沢山作ったら、撤去も大変なんだよなぁ……まぁ、安全には変えられないし」
とサイズのこと場にオデットは。
「んー……全部片付ける必要は無いと思うのだど。街の防衛装置として残すのはありなんじゃないかしら?」
「確かにそうだね。でも地雷の類いは除いておかないと……街の人が掛かる可能性が無いとも言い切れないしね」
「そうね。それじゃ街の周りのバリケードは残して置きましょ!」
オデットの言葉に頷くサイズ。
そして地雷を撤去し、バリケードも街を守る分だけ残して撤去している一方で、錬とオデットの二人は街に戻る。
襲撃の夜を経た人々に錬が。
「みんな、心配させてすまなかったな! 連中は追い払った! もう安心しておいてくれ!」
と元気付けるように声を掛け、オデットも。
「そうね。それじゃぁ早速始めましょうか」
ふわりと彼女が飛んでいった所には、幾つもの建築用に切られた樹。
「まだまだ寒い日が続くし、これでみんなの住む家を作りましょう!」
「ああ。さぁ、思う存分腕を振るわせて貰おう!」
そして、力を合わせて家を作り始める。
……まだまだ寒い思いをしている人達がいる……そんな彼等が温かく過ごせるような家を作る。
みんなが幸せに生きられる……そう願いを籠めて、イレギュラーズ達はせっせと働くのであった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
ご参加ありがとうございました!
不凍港ベデクトを取り巻く状況は改善しつつある様です。
勿論ベデクトだけでなく、鉄帝に散らばる国々の状況改善の為に、皆様の力がマダマダ必要です……これからも宜しくお願い致します!
GMコメント
皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
少し久方ぶりですが、ベデクトに懲りずに攻め入る新皇帝軍の依頼です。
街には避難民も多くなり、喉元過ぎた頃だから守りも少ないだろう……と考えたのかもしれませんね。
●成功条件
不凍港ベデクトに攻め入る新皇帝軍(一派)を全て撃退する事です。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●周りの状況
今回の依頼は、不凍港ベデクト西部『徹底国陸軍施設』の辺りから敵は襲撃してきます。
時刻は深夜、雪が降る夜……更に彼等は白いフードなどを被っており、隠密度の高い状態で接近してきますので、事前に見つけるのは少し難しいでしょう。
しっかりと目を凝らしつつ、近寄る影を見つければ、手前で倒す事は可能です。
ただ敵軍の構成は『アラクラン』派に属する者達と、そいつらが使役する天衝種という構成です。
街に侵入し、爪痕を遺そうとするのを優先する為、隙あらば街に侵入しかねませんので、入り込まれないようにご注意下さい。
●特殊ドロップ『闘争信望』
当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran
●討伐目標
・新皇帝派『アラクラン』一小隊
新皇帝の勅命を受け、手薄であろうと想定した不凍港ベデクトに攻め入る軍隊です。
1人のリーダーと、20人程の部下達の構成となります。
部下達の中には回復魔法、攻撃魔法を使える者達が混じっており、それぞれの装備もかなり上等な物となっています。
かなり手強い相手であるのは間違いありませんし、これに天衝種が居る為不意を突かれたら一気に攻め込まれていく可能性も高いのでご注意下さい。
・天衝種『グルゥイグダロス』5体
巨大なオオカミのような姿形をした怪物です。
普通のオオカミに比べれば知能はあり、アラクラン達の命令に従い連携攻撃等も行います。
その牙で噛みつき、継続敵な出血効果と、解除不可能な毒液を体内に刻み込みます。
体力は低めではありますが、反応が極めて高いので先制攻撃を取り易く、攻撃も躱しやすい様です。
それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。
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