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シナリオ詳細

<地底のゲルギャ>地底寒宵

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<地底のゲルギャ>地底寒宵
 新皇帝就任により、六つの派閥が凌ぎを削る鉄帝国。
 その中の帝政派、ザーバ派、ラド・バウ独立区の三派が奪還したのは、鉄帝国に散らばる鉄道都市。
 交通の要を手中に収めることで、今後の事態打破を画策していた。
 ……だが、それとほぼ同じ時期に発生したのは、未曾有の大寒波。
 人々はそれを、伝承の一つ『フローズヴィトニル』と呼ぶ。
 フローズヴィトニルは、過去勇者王凱旋の時代に存在したと言われる狼……強大な力を持ち、不凍港さえも凍らせ、全てを冬に包み込んだと言われる存在。
 そしてその伝承の終わりは、大地の深くに封じられた……と言われている。
 ……そんな伝承話を思い浮かべながら、鉄道都市を奪還した各派閥は都市の周りを調査していた。
 すると……各鉄道都市の近くに発見されたのは、大きな地下鉄通路。
 他の鉄道都市に繋がっているのだろう……と思いきや、その地下鉄通路は地下深くに向けて下るが如く道が連なる。
『もしかしたら……この地下道を見つけたから、フローズヴィトニルが目覚めてしまったのではないか?』
『……ああ。ここまでの大寒波、今迄一度も無かったからな。十分その可能性はあるだろう』
『だな……良し。それでは調べるとしよう』
 どこの派閥も、その様な事を口にして、その地下鉄通路の調査を開始。
 ……しかし、地下鉄通路の調査を始めたのは三派閥だけではない。
 アラクニンに属する新皇帝派の者達も、この地下道に大寒波に連なる何かがあるとの想定の下、軍を派兵。
 新皇帝派が真理を手に入れれば、イレギュラーズ達にとって脅威になる事は間違いないだろう……。


「全くもう……新皇帝派の奴等は、何処にでも出てくるわねぇ。まるでゴキブリみたいじゃない!」
 と、何処か苛立ち気味な『Sクラスの番人』ビッツ・ビネガー。
 彼女が憤るのも無理はない……折角手に入れた帝都中央駅ブランデン=グラード、その近くにある地下へと連なる地下道に、新皇帝派の姿を発見した、という報告が相次いでいたのだ。
 新皇帝派の狙いは分からないものの、少なくともイレギュラーズ達に悪影響を及ぼす事態がその先に待って居るのは間違い無い。
「こいつらが何考えてるかは分かんないけど、少なくともアタシ達の邪魔をするのは間違い無いわ。それにアタシ達には、この地下道を調査して、『フローズヴィトニル』に繋がる真実を見つけなきゃならないのよ。みんなもそれは分かってるわよね?」
「という訳で、立て続けではあるんだけど、みんなの力を貸して欲しいって訳。地下道に乗り込んで、まだまだ未解明な中の調査と共に、フローズヴィトニルに繋がる手がかりがあれば、それも探してきて欲しいって訳。ねぇ、頼めるわよね?」
 ビッツの言葉は、いつもに比べてちょっとヒートアップしている様にも聞こえる。
 ……今迄に幾度となく新皇帝派に邪魔され続けており、表情には出さないものの、苛立ちは積もりに積もっているのだろう。
 ともあれ……新皇帝派をこのままのさばらせておく訳には行かない、それは間違い無く。
「それじゃ、みんな宜しく頼むわね。完膚なきまでに新皇帝派を倒してきて!」
 と、威勢良く皆の背中を叩きながら送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回の依頼は、鉄帝国に拡がる鉄道都市の近くに発見された地下鉄通路の探索です。

 ●成功条件
   地下鉄通路に侵入し、内部の調査。
   更に新皇帝派の『アラクラン』に属する軍隊及び、その他脅威を取り除く事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   地下鉄通路の中なので、当然ながらまっ暗です。
   まずは灯の用意が必要になるでしょう。
   また通路の中は音が響きやすいので、足音とか剣戟の音はかなり聞こえてくると思います。
   皆様の足音も、敵の足音も響くので、不意打ちを取られる可能性は少ない(勿論敵が忍び足してくる可能性はありますが)でしょうが、
   皆様も不意打ちするのが難しくなります。
   また、この地下道の奥深くの方から冷風が吹きすさんでおり……その冷風によって氷の如き姿の幻狼が時々不意に出現します。
   彼等は前触れもなく現れるので不意撃ちを受ける可能性がありますので、常に警戒を怠らないように御願いします。

 ●討伐目標
  ・新皇帝派組織『アラクラン』に属する者達:1小隊6人程で構成
    新皇帝派の勅命を受けて作られた特務部隊です。
    兵士ではなく、しっかりと力を持った軍人達となりますし、武器・防具など、装備はきちんと揃っています。
 
 ・冬狼/冬の精霊の群れ
   この地下鉄通路に吹きすさぶ冷風により生成される幻影生物たちです。
   狼の姿や、氷のアイススプライトの様な姿を形取ります。
   不意に姿を表し、特に感情などを表す事もなく、この地下鉄通路に足を踏み入れた者達を無差別に襲い掛かります。
   つまり新皇帝派も、こいつらに警戒しながら探索を繰り返しています。
   尚狼状の者は近接しての攻撃、アイススプライトは遠距離からの氷魔法攻撃を軸として攻撃してきます。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <地底のゲルギャ>地底寒宵完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年01月09日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

武器商人(p3p001107)
闇之雲
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
マッダラー=マッド=マッダラー(p3p008376)
涙を知る泥人形
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切
刻見 雲雀(p3p010272)
最果てに至る邪眼
レイン・レイン(p3p010586)
玉響

リプレイ

●寒風の中
 新皇帝が就任し、冬を迎えし鉄帝国。
 帝政派、ザーバ派、ラド・バウ独立区の三派が目を付けたのは、鉄帝国各地に散らばる鉄道都市。
 その一つ『ブランデン=グラード』には、ラド・バウ独立区の者達が目を付け、地下鉄通路の探索を続けていた……のだが。
「……『寒い』、ね。やはり地下には『居る』のだろう。この調査で何かいいものが見つけられればいいのだけれど」
 『闇之雲』武器商人(p3p001107)の、肩を竦めての一言。
 昨今鉄帝国で巻き起こっている大寒波『フローズヴィトニル』。
 この名はかつて勇者王凱旋の時に存在したと言われている狼の名であり、強大な力を持ち不凍港でさえも凍らせたという逸話が遺る。
 そしてその伝承を具現化するが如く、昨今の大寒波は不凍港ですら凍らせてしまう。
 その大寒波は何処から来ているのか……というのも各派閥の調査対象になるのは必然。
 同時期に発見されたこの鉄帝国に巡る地下鉄道路……その地下の方から吹き込んでくる大寒波は、何かの関連があるかもしれない……と思うのは必然の事だろう。
「……地下鉄通路、ですか。ということは、ここを整備したら、列車を通して高速で移動が可能になるってことなのでしょうか?」
 『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)が小首をかしげると、武器商人は。
「そういう事になるねぇ。遥か過去には元に使われていたと聞くし。まぁいろいろ有って、鉄帝のゴタゴタもあって使われなくなったとか?」
「そうですか……廃線になって久しいとなると、簡単に復旧などできないでしょうけど、それでモンスターや精霊が居着いてしまっているのでしょうね。今回の調査で少しでも地下鉄の線路図を描ければ少しは楽になりそうなのですが、それも期待出来るのかしら?」
「確かに。それがあると、鉄帝で商いする分にはかなり有用な資料になりそうだねぇ……」
 フルールの言う通り、この地下鉄道路にはモンスターや精霊の類いが存在。
 更にはそれの調査……という訳ではなさそうな、新皇帝軍の軍勢も揃っている訳で。
「しかし最近は、探査任務が多いわね……探査任務、特に地下道とかの探査任務は面白くて興味深いから、私としては満足なんだけどね」
「満足……? ……確かに、フローズヴィトニルの調査……僕等は伝承以外は知らないから……僕も、知りたい……知って……ラド・バウの人達にも伝えられたら、少しは怖さが和らぐかもしれない……」
 くすりと笑う『狐です』長月・イナリ(p3p008096)に対し、ぼんやりとした表情の『玉響』レイン・レイン(p3p010586)。
 二人の言う通り、今回の依頼はこの地下道の調査。
 まだまだ未探索領域が多くあり、何があるかも分からないのだが……少なくとも地下の方から寒風が吹いてきているのは間違い無い。
 更には先程のフローズヴィトニルは、地底深くに封じられたという事も有り、何か関連していると考えるのも自然の事。
「大寒波の原因とされている『フローズヴィトニル』。その伝承には吟遊詩人として興味もあるが、何より調査が進めば鉄帝に住む人々の生活を取り戻す助けになるだろう。ならばやらない理由はない」
 と『不運《ハードラック》超越』マッダラー=マッド=マッダラー(p3p008376)が言うと、それに『灰想繰切』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)も。
「確かにな。普通ならば、地下の空間は地上よりも温度変化が緩やかで、風雨を直接受け難いものだろう。只、流れ込む水には弱く、それを防ごうと開口部を減らせば通気性が犠牲となる。故にどちらかといえば、居住よりも保管に向いている立地なんだが……」
 と言いつつ、周りをぐるりと見渡す。
 彼の言う通り、地下鉄用の施設として作られた地下道。
 かなりの年月が経っているとは言え、原型をしっかりと留めており、腐敗等の具合は見て取れない。
 そんな施設の状況を確認するようにしながら、アーマデルは。
「地上の遺跡は風雨に削られゆくが、地中に埋もれた遺跡や遺物が形をとどめているように……ここもある意味遺跡のようなものなのだろう。さしずめ新皇帝の指示に従い、現れたと報告されている帝国兵達は盗掘する野盗……って感じなのかもしれないな」
「うん。俺達が調査している所に横から割り込んでくるとか……ビッツの言うゴキブリという例は、言い得て妙だね。他の派閥で調査している地下道も同様な様で、調査に難航しているらしいから、早い内に脅威の芽を摘み取りたい所だね」
「うんうん。地下にこんなにいっぱい敵がいたんじゃ、なかなか安心して使えないね。早く皆が使えるようにするためにも、探索と敵の退治はしっかりやっておかないと!!」
 『最果てに至る邪眼』刻見 雲雀(p3p010272)の言葉に『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)がぐぐっ、と拳を振り上げて元気いっぱいに気合いを入れる。
 二人の言葉にマッダラーが。
「そうだな。新皇帝派の企みは、一々キナ臭いものが多い。俺達に悪影響があるものばかりだしな。だから、お引き取り願うとしよう」
 と言うと、雲雀、イナリも。
「吉と出るか凶と出るか……何かしら手がかりを得られれば良いのだが、不測の事態が起きる可能性も十分に高い。油断せずに行く様にしよう」
「そうね。かなり暗いし、足音も響く……不意打ちを受ける可能性は少なさそうだけど、相手が忍び足で仕掛けて来る可能性も十分にある訳だし、死角無い様に動きましょう」
 そんな二人の言葉にうんうんと焔は頷いて。
「それじゃボクは前の方を行くね!」
 先陣に焔は立ち、槍の先に炎を灯し、灯りを確保。
「……分かった。それじゃ、僕は後ろに……」
 対しレインは己を発光させて、後陣につく。
 前後両面に灯りを灯し、そしてイレギュラーズ達は地下鉄通路の奥底へと歩み始めるのであった。

●命の刻
 深い闇に包まれる、地下鉄道路。
 イレギュラーズ達が歩くと、カツン、カツンという足音が響きわたり、静寂を劈く。
「うーん……本当に暗いんだね」
 先陣を切り炎を灯す焔は、しっかりと暗闇の中に目を凝らす。
 時折炎が揺らめき、地下鉄道路なのに風が吹いていることを感じたりしながら……更に奧へ、奥へ。
 暫し歩いていると……その寒風の流れが僅かに違う所へと到達。
「……ちょっと止まって貰っていいかい?」
 と武器商人が呼び止めて、その場にて踏みとどまる。
 目を閉じ、風の凪がれを感じる……風は自分達の数十メートル先の辺りで、まるで渦のように渦巻いている。
 そして……そこに暗視の視界をしっかりと凝らして視ると……。
『……ウゥゥウ……』
 風の唸りが、獣の唸り声のような響きに変わり始める。
 そして、その唸り声と共に現れたのは蒼き煌めきを備えた氷結の狼。
「早速、現れた様ね?」
「ああ…どうだ? ……そうか、精霊の類いの様だな」
 イナリの言葉にアーマデルは、周囲の霊から引き出した情報を口にする。
 明らかに生物体ではない反応……強い氷属性の力をその氷狼からは感じ取れる。
 更に、次の瞬間。
『……ガルゥゥウ……!!』
 咆哮と共に、その氷狼は地を蹴る。
 地を蹴る音は響く事無く、まるで地を滑るが如く動き……そんな獣的存在の半獣半精。
「っ……させるか!」
 咄嗟にマッダラーが焔の前に進み出て、蒼狼の牙を腕で受ける。
 氷柱の如き牙が肉を喰らい、穿つ……かなりの深手に至る。
 だが、その傷に眉を軽く潜める程度で、マッダラーの防衛は揺るがない。
 一端蒼狼は牙を抜き、間合いを取る……そこに焔が。
「氷の狼さん! お邪魔してごめんね! でも、ボク達は先に行かなきゃならないんだ! だから、倒させて貰うね!」
 強い口調で、蒼狼に向けて戦線布告しつつ、彼の怒りを引き出す。
 すると、蒼狼はかの一体だけでなく、その後方の暗闇の影から二体、三体……と、次々と姿を表す。
 いや、狼だけではない……その場に強い冷気が吹き込み、氷の結晶が巨大化したようなアイススプライト達も、イレギュラーズ達の前方と、更には後方に生まれていく。
「一気に現れたな……取りあえずバラバラに来られると厄介だ。出来る限り敵を纏めよう」
 と雲雀が仲間達に声を掛けると、フルールは頷きつつも、一端はアイススプライト達に向けて呼びかける。
 ……だが、それらからは反応が返ってくる事は無い。
 いや……怒気が強く、話しかけても怒りの感情しか感じられなかった。
「……」
 それに眉を顰めるフルール、アーマデルが。
「どうした?」
「いえ……何だかここに居る彼ら、皆怒っているみたい。何でなのかは分からないけれど……」
「……俺達を侵入者と判断してるのか、それとも……呼び出されたことに対する怒り、とかかもな。まぁ、話が出来ないなら倒す他に無いだろう」
 アーマデルの言う通り、聞く耳を持たぬ精霊の類いは、人々に禍をもたらすほかにない。
 彼等が不意に、避難民達が居る所とかに出てきてしまえば、待って居るのは死屍累々な光景であろう。
「さぁ、さっさと始めるとしよう。交渉の余地は無い様だしな」
 とアーマデルは吐き捨てながら、未練の音色を奏で精霊達にの抵抗力を削る。
 更に武器商人とレインも破滅の声と呪いの声の両声で前後の精霊達をそれぞれ怒りや魅了の効果に絆し、動きを制限する。
 後衛側の精霊達にはイナリが短機関銃を構え掃射し、前方のは焔と雲雀がスピードを活かした攻撃と絡み獲る攻撃で敵を確実に一匹ずつ削る。
 そして……そんな戦闘の騒ぎは、地下鉄道路という密閉空間故に、かなりの音が遠くの方まで響きわたっていく。
 勿論精霊達に狙いを付けられている状態故、戦闘回避しようにも出来ない訳だが……。
「かなりの音だな……前後から別のが来る可能性がある。注意は怠らないようにしてくれ」
 と雲雀はそう仲間達に呼びかけつつ、戦いながら闇の中をしっかりと注視と、耳を欹てる。
 ……精霊達を倒しつつ、近づいてくる足音がないかを警戒し、五感をフルに発揮し……新皇帝派達の不意の襲来がない様に警戒。
 すると……数分後。
『あそこに、居たぞ!』
『襲われてやがるな……良し、今がチャンスだ!」
 後方より来襲せし、新皇帝派軍人達。
 その肩口には『アラクラン』の紋章が刻まれており、アラクランはであるのは間違い無い。
 彼等は槍や剣を手にし、精霊達に加勢するが如く攻撃を開始してくる。
「こっちは頼むね」
 と雲雀は言うと、踵を返し後方へ移動。
 アラクラン達に対峙し、彼等に向けて封殺の剣戟で立ち回り動きを止める。
『ちっ、こいつら思ったよりも素早いか?』
『その様だ。だが精霊達と同時に相手だ、数の上ではこっちの方が有利だ!』
 一瞬驚きを覚えたようだが、冷静にアラクラン達は精霊達の動きに合わせて攻撃を重ねる。
「あらあら、強そう。これは手強いですね……ですが」
 と、フルールは精霊天花を発動し、精霊達と融合し、大人びた発言へ。
 更に流れる様に紅蓮の焔を纏いし蹴りを放つ。
 流石にその一蹴に傷を負うアラクラン達……そして、そんなアラクラン達に、一部のアイススプライト達も攻撃を仕掛けてくる。
『なっ……今迄あいつらを攻撃していただろう!?』
 と言えども、精霊達は反応しない。
 近くに居る弱った者を攻撃し、命を奪うことが彼等の摂理なのだろう。
「ほうほう……中々面白い性質だねぇ。まぁ、ならば利用出来る分には利用させて貰うよ」
 と武器商人は一端仲間達を回復するよう動くと、合わせてレインも回復魔力を発動為、精霊達に傷付けられた傷を癒す。
 さすれば自然と精霊達のターゲットは、弱まりつつあるアラクラン達に集中し始める。
 ただ前側はマッダラーと焔が立ち塞がる為、蒼狼達は二人に攻撃を仕掛け続ける。
「すまないが、アラクラン達はそちらに任せた」
「うん、。ボク達が必ず倒す!」
 そう焔とマッダラーは頷き合い、蒼狼とアイススプライトに対峙。
 大きく体力が減れば武器商人とレインからの回復を受けて戦線を維持し、彼等を削り行く。
 一方の後方側は、精霊達と共に共闘する形でアラクラン達を攻撃。
 回復しようとするアラクランには、レインが。
「……回復はさせない……」
 と、インターセプトし氷槍の陣形でそれを止める。
 回復出来なければ、ターゲットはブレル事無くアラクラン達へ。
 ……そんなイレギュラーズ達の動きにより、アラクラン達は一人、また一人確実に仕留められていく。
 そして一小隊を崩落させた後には、再び敵となる冬の精達に対峙。
「さっきまでありがとう……だけど、貴方達をこのままにしておくわけにいかないから、倒させて貰うわね」
 そうイナリが告げると共に、必殺の一閃で以て次々と斬り伏せ……その場に蠢く精霊達を全て打ち砕くのであった。

●安息求むる
 そして、精霊とアラクランの一団をひとまずは倒したイレギュラーズ達。
 かなりの傷を負った者もまま多数いる中で。
「取りあえず第一陣は討伐完了……と。みんな、大丈夫かい?」
 軽い笑みを浮かべつつ、武器商人が仲間達の体力を回復。
 その回復を受けつつも、レインは持ち込んだ紙とペンで、今迄通過してきたルートを記載。
 ここをまがって、あそこを曲がって……記憶を頼りに記していけば、簡易的ではあるがこの辺りの鉄道路の地図が出来上がっていく。
「……取りあえず、ここまでは記録……完了……どう……かな?」
 とそれを皆に見せるレイン。
「うん……問題無いと思うわ。取りあえずここまで探索完了……と壁に記でもつけておきましょう。廻り廻って同じ場所に来てしまう可能性もあると思うし」
「……そうだね……」
 イナリの提案にこくりと頷くレイン。
 壁に軽く刻印を刻み、それと同じマークを地図に記して対比させれば、手戻りはない事だろう。
 更に回復雄松最中、焔はアラクラン達の所持品を探り、何故彼等がここの調査をする手がかりがないかを調査。
 ……然し調査の助けになりそうなものは持っては居らず。
「うーん……無いみたいだねー」
「そうでしたか……彼等も勅命に基づいて調査をさせられていた、それ以外は何も知らされていない……と考えた方がよさそうですね……」
 フルールの言葉の通り、恐らく勅命に従い調査しているだけで、何があるとか……そういう事は知らされていなかったのだろう。
 ただ、彼等のように命令を受けてこの地下鉄道路を探索しているアラクランに属する者達は多く派兵されているのは間違い無い。
「まぁ何にせよ、まだまだ未調査領域が多い。少しでも調査を進めて行くとしよう」
 と雲雀の提案に皆が頷き、そしてまだまだ漆黒の闇に包まれし地下鉄道路に潜り行く。
 その際に何度も精霊達と、更に数小隊と対峙する事にはなるものの、しっかりと対処方法を踏まえた戦い方で進めていく事により、道を記した地図も確りと拡がっていくのであった。

成否

成功

MVP

炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子

状態異常

なし

あとがき

地下鉄道路探索にご参加頂き、ありがとうございました!
地下なのに冷風が吹きすさぶという、中々奇妙なダンジョンになっていますが……この先何が起きるのでしょう……?

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