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シナリオ詳細

<アルマスク攻勢>要塞車両攻略作戦

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●要塞車両が進む
 雪の上を、ギャリギャリと踏み潰すように無限軌道が音をたてる。
 それは、巨大な要塞のようにも見える。
 見えるが……戦闘車両の類であることは、その姿からも明らかだ。
 いわゆる戦車と呼ばれる類の……巨大な塔のような戦車だ。
 鉄帝の防衛型要塞戦車タワータンク。無数の砲門を備え付けた、動く要塞である。
 それらは新皇帝派の軍人による外への警戒……そして内への威圧を為すものである。
 どんなに勇気があっても、このタワータンクには逆らえない。
 ただの人では、あの巨大な暴力には敵わない。
 ならば、ただ奪われるばかりなのか?
 いいや、違う。今はただ……誰もが解放の時を待っている。
 救世主を、待っているのだ。

●要塞車両を攻略せよ
「ある程度は聞いているだろうが、まずは状況を整理しよう」
 【ガストロリッター】アヴェル・ノウマン (p3n000244)はそう言うと、集まった面々の前に地図を広げた。
 鉄帝国中部に位置する山間の都市アルマスク。
 かつて帝国東部地域と南部地域とを繋ぐ街道で栄えた小都市である。
 大鉄道網の完成により役割は小さくなったが、ルベンと帝都とを繋ぐ宿場町として栄えていた。
 そんなアルマスクの現在は、新皇帝派の跋扈によって連絡が途絶した都市となっている。
 またアルマスクは物資調達の多くを鉄道に頼っており、物流の途絶は住民の危機を意味している。
「この状況だ……陸路も平時とは比べ物にならない危険がある。緊急性は高いと言えるな」
 だがアルマスクを解放し、南部のノイスハウゼンとを繋ぐアルマノイス旧街道が復旧すれば、危険な帝都を経由せずとも、ルベンからアルマスク、そこからノイスハウゼン等の南部地域の物流が回復する。ポラリス・ユニオンの西進作戦『エウロスの進撃』と合わせれば、南東部全域のフォローが可能となるだろう。
「物流の回復がもたらす効果に関しては言うまでもない。つまり、この作戦にかけられた期待は大きい」
 では、現在のアルマスクはどうなっているかといえば……正直、あまり良くはない。
 アルマスク市街地の家々は門戸を固く閉ざしており、解放前の不凍港ベデクトを思わせる。
 違いは港を持たないこと、もう一つは深い雪に覆われていることだ。
 白銀に閉ざされた街、駅には人ひとり居らず。広場も時計塔も閑散としている。
 当局庁舎に立てこもる新皇帝派の軍人や無頼漢達は、天衝種と呼ばれる怪物を従え、貴重な食料品などの物資を占有していた。
 無論、勇敢な鉄帝国の民は新皇帝派の横暴に何度も立ち向かった。けれど今、雪は暴動の傷痕すらも覆い隠し、人々は僅かな小麦で粥を頼りに飢え、苦しみ、ただしんしんと降り続ける雪さえ囓っている。
 この街を救うことが出来るのは、独立島アーカーシュをおいて他にない。
 ない、が……具体的にどうするべきか。
 その手段は幾つも存在する。
 アーカーシュに出入りする者が使うワイバーン。『アーカーシュ・ポータル』を利用した、実績のある方法だ。
 そして、なんとこの状況で現れたのは『EAMD所長』ガスパー・オークソンだった。
 なんと「こんなこともあろうかと」軽騎兵隊が所有する軍用スノーモービルを量産していたのである。
 それだけではない。アーカーシュにはサキノソラ号をはじめとする、様々な手段が存在する。
 それらを活用すればアルマスクへ向かうことは難しくはない。
「さて、そこでだ。お前たちには破壊してほしいものがある」
 それはアルマスクの町を巡回する最大戦力の1つ、防衛型要塞戦車タワータンク。
 対地対空の攻撃を備えた強固な「動く塔」だが、これを倒せば他の仲間たちへの大きな援護にも繋がるだろう。
「直接関わるわけにはいかんが、多少の支援もする。コレを倒し、力無き者の安寧を取り戻してほしい」

GMコメント

アルマスクの町を巡回する「防衛型要塞戦車タワータンク」を破壊しましょう!
4階建ての建物ほどの巨大な四角い塔のような戦車であり、キャタピラで安定感高く町中を巡回しています。
こいつをやっつけるのが今回の作戦目標です。
普通に奇襲するのも良いですが、広場付近まで誘い出せば町への被害を最小限に出来るかもしれません。
【怒り】などで誘きだすのは難しいかもですが、やりようはありますよね!

●敵一覧
・防衛型要塞戦車タワータンク×1
4階建ての建物ほどの巨大な四角い塔のような戦車。そう、巨大戦車なのです。
正面、側面、背面に無数の砲が設置されており、フレキシブルに動きながら対地・対空砲撃を行う厄介な相手です。
耐久も相当高く、攻撃も苛烈でしょう。
新皇帝派の軍人、ターメン中尉が指揮していますが、戦車をやっつければ「バ、バカなー!」って感じで死にます。

・ヘイトクルー(機銃型)×50
天衝種(アンチ・ヘイヴン)。
周囲に満ちる激しい怒りが、陽炎のようにゆらめく人型をとった怪物です。
人類を敵とみなすおそろしい兵士達です。
機銃のような幻影による怒り任せの射撃や掃射で物理中~遠距離攻撃してきます。

●今回使える兵器群
・軍用スノーモービル×人数分
深い雪に覆われたアルマスクを駆け巡れるスノーモービル。
素早い動きで走り回れ!

・ナイトギア(ガストロ騎士団仕様)×人数分
ガストロ騎士団の所有する乗り込みタイプの騎士型ギア。ガストロ騎士団からの貸し出し品です。
ナイトソードとシールドを装備しており、防御力は充分。
ホバー移動により雪上も楽々ですが、流石にスノーモービルやバジランテと比べると遅いです。

・サキノソラ号
8人~10人が搭乗可能な小型飛空艇。兵器群を運ぶことも可能です。

・飛行バイク「バジランテ」×人数分
高速で空を飛ぶ飛行バイク。騎乗戦闘を活性化している扱いになります。

●特殊ドロップ『闘争信望』
 当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
 闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
 https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <アルマスク攻勢>要塞車両攻略作戦完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年12月31日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
ルクト・ナード(p3p007354)
蒼空の眼
胡桃・ツァンフオ(p3p008299)
ファイアフォックス
御子神・天狐(p3p009798)
鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星
アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)
ライブキッチン

リプレイ

●アルマスクへ
「タワータンクと名乗るだけある。まるで、砲撃機能付きの動く物見櫓だ。あんなモノに見張られたら、確かに面倒極まりないな」
 『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)の言葉通り、アルマスクの道路を走る巨大なタワータンクは遠く離れていてもその姿が視認できるほどの大きさだ。
 ギャリギャリと音をたてて動くキャタピラは雪をものともせずに動き、その砲塔の群れはあちこちへ向けられている。
 敵を確実に排除するというだけではなく、治安維持のための威圧の効果もあるのだろう……実際、あんなものに逆らえる人は中々いなさそうではある。
 アルマスクの道幅に合っていることを考えると、元々は防衛兵器だった可能性はあると『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)は思う。
「巨大戦車……本来なら鉄帝を守る為の物だったと信じたいけど町の人や僕等の脅威になってるなら敵でしかない。ヘイトクルー共々ぶん殴ってぶちのめす!」
「はてさて、とんでもない戦車が存在したものだ。普通の要塞でいいのにわざわざタワー型にするところにこだわりが垣間見えるね」
 『隠者』回言 世界(p3p007315)も町中を動くタワータンクを眺め、そんな感想を漏らす。
「まあ街中での巡回に支障が無いよう横の面積を出来るだけ減らしたんだろうが……これもっと遣り様があったよな? そんな意見は捨て置いて早速攻略の為に頭を捻ろう。もっとも今回はそんな複雑な作戦も無いが」
 恐らくはアルマスクの事情に合わせた設計なのだろうが、そういうのを思いついて即作るのは鉄帝らしいと言えないこともない。
 そんな世界の隣にはナイトギアが鎮座している。
「ナイトギアか……乗り物に乗るという小回りの利く動きがし難い状況である以上、堅牢さは強力な武器となる。俺に主人公ばりの運命力があればモービルで神回避を披露してみせるんだが、まあそれは夢の見過ぎというものだ」
 巨大な剣と盾を装備したナイトギアは如何にも頑丈そうで、『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)も同じくナイトギアを持ち出している。基本性能でスノーモービルやバジランテに劣ろうとも、個人の能力やSSSガジェット3.0bでどうにかなるだろうと、そんな目論見が胡桃にはある。
「いつの間にか巨大? 戦車? なるものが作られていたのね。そんなものを転がして喜ぶのもいい加減にした方がいいかしら~」
「巨大な戦車か……確かに巨大だが、あれだけのサイズ感だと構造に欠陥がありそうだな。通常時の運用も困難だろうし、何より悪趣味だ。機能美に欠ける……さっさと撃破してしまおう」
 胡桃と『蒼空の眼』ルクト・ナード(p3p007354)もそう言うが、実際あのタワータンクは機能特化型ではあるだろう。
 とはいえ……あれが複数台存在し、並んで進撃して来れば城砦が迫るかの如き脅威かもしれない。
 だからこそ油断してはならないと分かっている。町への被害を考えれば広場近くへおびき寄せるのが一番いいが……胡桃はその為にギフト「炎狐招来」で自身が纏う炎を小型の狐の形にし、こっそり偵察に出していた。
(そこら中にヘイトクルーがいるかもしれぬし、注意してみるのよ。代わりに向こうからは見つかりにくくなるとは思うけれども)
 そんな胡桃の考えは正しかったようで、随伴歩兵のようにタワータンクの周囲を歩くヘイトクルーの姿が見受けられた。
 タワータンクの構造上、足元は意外に弱点であるのかもしれない……そんな想像を抱かせるような配置ではあった。
「戦車と戦う時はやっぱり……高火力のぶつかり合いな砲撃戦がしてみたいのですよ! でも、それは別の機会にするのです。今回はアレを何とかする依頼なのでして」
 『開幕を告げる星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)も言いながら、タワータンクを眺める。
「ところで、今は恐怖の象徴なあの戦車ですけども……もしあれを味方に出来れば一転して希望の象徴になりそうって思うのです。つまりは中の敵だけ倒して鹵獲して、自分達の戦力にーってすると今後のためにもなりそうでして! でも、壊すか奪うかはみなさんにお任せするのですよ!」
「うむー……どうかのう。やってみなければ分からんところはあるが」
 『鉄帝うどん品評会2022『金賞』受賞』御子神・天狐(p3p009798)は言いながら「実際どうなるか……」と思う。
「タワータンクを壊すか鹵獲が必要なのは確かだね。町の人達を恐怖から解放する為に破壊! したくはあるけど鹵獲もありかも……まぁ町の解放の為に外見はある程度ぶっ壊すけど!」
 そして、ヨゾラもそう頷く。
 アレを止めるとなれば、相当な激戦になるはずだ。壊す気でやって、残れば奪えばいい。まあ、そんなところだろう。
「何はともあれ人々の生活を脅かす輩共、許せぬな! 振り上げた拳を叩き潰し芽を摘み取り、圧政を敷き恐怖と暴力で支配する。強い弱いに関わらず食の自由はあるべきなのじゃ! 往くぞ鉄屑の塊よ、恐怖を撒き散らす貴様の頂に旗を突き立て希望に変えてくれようぞ!」
 そうして全員が用意したマシンに乗り込んでいき、『グルメ・ドラゴニア』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)もバジランテに乗り込む。
「ふ~ん。これがバイクってやつなのね。なかなかかっこいいんじゃない? ところで……どうやってうごかすの? さすがに、リトルワイバーンに乗る感じとはちがうのよねぇ?」
 その通りではあるが、バジランテは1度座席に座れば適切な操縦方法を教えてくれる飛行バイクだ。
 だからこそ……アルフィオーネは「あら」と声をあげる。これならば何の問題もなく操縦できそうだ。
「汰磨羈の案が上手くいけば広場で戦えるだろう……さあ、行くぞ。作戦開始だ」
 世界の合図に、全員がアルマスクに向けて発進する。今こそ、解放の時だ……!

●タワータンクを撃破せよ
「愚かなる反逆者どもよ、降伏せよ! 今ならばこのタワータンクの砲撃でたっぷり痛めつけ吹き飛ばしてやろう!」
「どのみち吹き飛ばすのは変わらないんだね……誰が止まるか!」
 タワータンクの無数の砲に狙われながらも、ヨゾラはスノーモービルでアルマスクの中を走り回る。
「ふははは、そんな鉄屑でこのバジランテに追いつけるものかよ! 高速で動き回るコイツの前では文字通り鉄屑よ!」
 天狐もバジランテで飛び回り、攻撃を分散させながら引き付けようとしていた。
 ヘイトクルーの銃撃も雨嵐のように降り注ぐ中で、ヨゾラと天狐は回避し、あるいは受けながらも広場へ誘導する。
 ヨゾラはその最中、ケイオスタイドを展開するのも忘れてはいなかったが。
 ドガンドガンと響くその破壊音は広場に展開した汰磨羈たちにも聞こえていた。
「この広場が集合予定地点だと思わせれば、攻撃の為にこの辺りまでやってくる筈だが。さて、上手く行くかな?」
 勿論、誘導してくれているヨゾラたちへの合図と目印にもなる。
 そんな役割をもつ魔晶式信号弾を空に向かって放てば……破壊音が近づいてくるのが分かる。
「よし、来るぞ……! 広場付近に到着した瞬間から行動開始だ!」
 ルクトの声が響いたその直後、タワータンクの巨体が現れ……ヨゾラと天狐が広場に飛び込んでくる。
「よし、今だ!」
 タワータンクの巨体が現れた瞬間、世界は仕掛けた罠……スノーモービル爆弾を起動させる。
 そう、世界は今回余ったスノーモービルを全機持ち出し、そこに手製の精霊爆弾を乗せていた。
 タワータンクに特攻させれば奇襲組のいい目眩ましになるし、あわよくば少なくない打撃を与えらえれる……と、そんな考えだ。
 突撃のさせ方は簡単。広場付近、或いは広場に直進するだけで辿り着ける道に設置し、簡易式召喚陣で召喚した精霊を待機させる。そして敵が来たら精霊にアクセルをONに固定してもらうだけだ。おそらくレバー式の為、引っ張るだけで締められるよう紐を結んで置けば固定も簡単だろう……とのことだが、実際にそれを仕掛け、突撃させたわけだ。
 流石にそれでタワータンクが壊れることはないが、一斉に突撃し爆発していくスノーモービルの迫力は抜群だ。
 そして更に、ルクトが上空から奇襲をかける。
 そう、『改造屋(チューナー)』ハンドレッドの協力により大量に爆薬を搭載したバジランテを直撃させたのだ。
 直撃時に良い威力が出せるようハンドレッドに整備してもらったバジランテはタワータンクに直撃するとともに爆砕し、タワータンクが揺れる。
 更にそこに神鳴神威を発動させていくが……当然、上部についた砲門がルクトを狙い苛烈な砲撃を加えていく。
 そこに更にアルフィオーネがバジランテをぶつけ離脱していくが……追うように放たれる対空砲撃は、それ自体が凄まじい。
「あらあら~大きなたいまつみたいね。素敵♪」
 そんな挑発を入れるのも忘れはしない。忘れはしないが……タワータンクに傷はついているものの、穴は開いていない。
 かなり頑丈だ……まあ、相手は戦車であり要塞であると考えれば、あまり驚くことでもない。
「やることに変わりはない……! まずは足回りを潰す!」
 スノーモービルに乗った汰磨羈の絶照・勦牙無極がタワータンクのキャタピラへと放たれる。
「まるでハリネズミだな。少しはさっぱりとしたらどうだ?」
 汰磨羈は自分に向け放たれる砲撃を回避しながらそう挑発するが、本当にハリネズミのように砲塔がついている。
「がしゃーん がしゃーん 自動で3ゲットしにいくの」
 練達でしか伝わらなさそうなネタを言いながら胡桃はナイトギアの剣から、らいとにんぐすた〜りんぐを放つ。
 残ったヘイトクルーを排除するべく放った一撃だが、タワータンクの足回りを潰しておきたいというのは胡桃も全く同意だった。
 今はそんな気配は微塵もないが、町への被害を考慮しない動きをされたらたまったものではない。
「良い調子じゃ! このまま削っていくぞ!」
 天狐もハイペリオンオーバーライドでヘイトクルーとキャタピラを狙っていく。
「どれだけ装甲が厚かろうと、動く為にある程度の柔軟性が必要なキャタピラ部分はどう足掻こうとも装甲を厚くすることは出来まい!」
 そう。いくら堅牢なタワータンクといえど、キャタピラまではそうとはいかないだろう。フレキシブルな移動を可能とさせる以上、厚さには限度があるのだから。
「鹵獲するにしても、破壊するにしても! まずはどう戦っていくかを考えなきゃでして。見た感じ前後左右砲だらけで攻略は難しそうですよ。天辺も硬い。対空手段も充実してる、けども……「上に取り付いた時の対策」がまるで足りてないように思うのです! ならばルシアはここを突くのですよ!」
 そしてルシアも攻撃が分散した隙を突き、殲光砲魔神をタワータンクの上部へと放つ。
「ぬううう! 何しとる! 撃ち落とせ!」
「でしてー!?」
 タワータンクの司令官らしき声が聞こえ、ルシアに向かって砲が放たれる。
 今の反応からして、何か重要な機関がありそうにも感じたが……装甲がとにかく硬い。
 だがそれでも、かなりのダメージは与えている。ヨゾラのケイオスタイドがついにヘイトクルーを全滅させれば、残るはタワータンクのみ。幾つかの砲も潰し、見た目にも相当のダメージが入っている。
 世界が「それっぽい動作」とナイトギアそのものが持つ目立ちっぷりにより指揮官ぽさをアピールすることで攻撃をある程度引き受ける作戦も成功しており、構えた盾に相当の砲撃が命中している。
「こういった所謂砲と呼ばれる兵器は、接近戦において取り回しの不自由さから小物を狙うのが苦手と相場が決まっている。近ければ尚の事、だ。耳元で飛ぶ虫のように、嫌がらせのように攻撃し続けてやろう」
 そんなことを言いながらルクトのSAGも放たれ、アルフィオーネもバーストストリームを放つ。
「ええい、おのれおのれー!」
「今度こそ……どーん、でしてー!」
 そして……ルシアの殱光砲魔神が、ついにタワータンクの天辺をぶち抜く。そう、ぶち抜いて。
「ば、ばかなー!」
「ひゃー!」
 そのダメージで各部が臨界に達したのか、タワータンクが内部から爆発し巨大な火柱が上がる。
 幸いにも頑丈な装甲により周囲に被害は出なかったが……見事な張りぼてと化したタワータンクを見ながらルシアは残念そうに「あー」と声をあげる。
 余剰パーツがあれば修理することは可能だろうが……まあ、すぐに……とはいかないだろう。
「悔い改めさせることも出来なかったわね」
「せめて修理できた暁にはこの街を護る希望の象徴になってほしいのでして」
 アルフィオーネとルシアはそう頷きあい、ヨゾラも「そうだね」と同意する。
「ひとまず、あのタワータンクの残骸は分解回収かな、町の皆を怖がらせ過ぎたからね……巨大戦車、今度こそ鉄帝の人達を守れるよう生まれ変われると良いな」
「何処まで回収できるかは分からんが、タンクから使えるパーツを回収できたら御の字だな。特に、エンジンなんかは重宝するんじゃないか?」
「割と廃材としては使えると思うんだよな。防衛兵器や資材として何か有効活用できないか、技術者と相談してみないか?」
「わたしは壊した後の残骸には全く興味が湧かぬので好きにすればよいと思うの」
 汰磨羈とルクト、胡桃がそんなことを話し合う。
「何はともあれ……この戦いは勝利じゃな!」
 そう、天狐の言う通りこの戦いは勝利を収めた。アルマスクを巡る戦いに大きく貢献したこの戦いの成果は……他の戦場にも小さくない影響を与えることだろう。

成否

成功

MVP

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式

状態異常

なし

あとがき

壊れた機械群は経費で落ちたみたいです。
破損した古代兵器群は再稼働した機械部品製造工場で生産したパーツによる修復が行われます!

●運営による追記
 本シナリオの結果により、<六天覇道>独立島アーカーシュの技術力が+10されました!

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