PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<咬首六天>お酒という名の罠

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●アーリアを狙う罠
 鉄帝のとある町中で、1つの企みが進行していた。
 そこは……酒場、だろうか?
 次から次へと運び込まれていく酒樽と酒瓶。その中には高いことで知られるラベルのものも多く含まれている。
 鉄帝の今の状況を思うに、これだけの数の……それも嗜好品たる酒が運び込まれるというのは、かなり珍しいことであるように思える。
 しかし現実として、酒瓶や酒樽が運び込まれていくのは止まることがない。
 もしかすると、地下に酒蔵でもあるのだろうか? とにかく次から次へ、見上げるような大蛇でも酔い潰すつもりかとでも言われそうな量である。
 そうして酒が運び込まれていく様子を見張っている男に……別の男が声をかける。
「なあ、あとどれだけ運び込むつもりなんだ?」
「運べるだけだ。この作戦に必要なものだ」
「そりゃそうかもしれねえけどよ……いくら何でも多すぎじゃねえか?」
 そんな当然のことを言う男に、最初の男は手配書を広げてみせる。
 そこに記されていたのは……どうやら『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)であるようだった。
 その賞金額は……2,830,000GOLD。かなりの額だ……無論、本当に支払われるかは分からないが。
 そしてどうやら……これはアーリアをおびき寄せる為のものであるらしかった。
「ゴツい酒飲み」、「常時酔っ払い」……複数枚ある手配書には真面目なものもあれば、酒のことしか書いていないものもある。
「……酒を飲むってことしか分からねえ」
「相当飲むらしい。何処までやれば酔い潰せるか分からん以上、とことん酒を用意するしかない」
「そんなことせずともよお……」
 言いかけた男を、最初の男が止める。
「甘く見るんじゃねえ。確実に仕留めるんだ。その為なら安いもんだろが」
 なるほど、かなり用意周到ではあるようだ。こんな時期にそんなイベント、有り得ないということを除けば……!

●アーリアからの誘い
「と、いうわけでねぇ。明らかに怪しいでしょ?」
 アーリアの言葉に、集まった全員が頷く。
 たまたま地上に降りる機会のあったアーリアに見えるようにバラまかれていた、何枚かのチラシ。
 それは鉄帝のとある町で開催されるイベントのものだった。
 鉄帝ナンバーワン酒飲み大会。参加費無し、時間無制限。
 まさに景気の良い言葉が並ぶが、アーカーシュであればともかく地上のそんな大きくもない町でそんなものが今の状況で開催されると思うほど、アーリアはピュアではない。
「一応調べてみましたが……該当の町ではすでに避難が進んでおり、住人は居ないはずです」
 犬も猫も鳥も、状況を読める動物たちも人間に合わせて移動していった。
 つまり、その町はまさに無人のゴーストタウンであるはず、なのだが……そんな催しが行われるはずはない、と歯車卿の使者は語る。
「ほぼ確実にアーリアさんを狙った罠でしょう。放置すれば何をしでかすか分かりません……此処は中から罠ごと食い破るのが良いでしょう」
 そう、放置すれば更に巧妙な罠を仕掛けてくる可能性もある。
 ここで一発、飛び込んでみるのが一番だろう……!

GMコメント

鉄帝の無人の町で「鉄帝ナンバーワン酒飲み大会」が催されるようです。
ただ、これはアーリアさんを狙った罠です。
どうやら酔いつぶれたところを楽に倒そうと狙っている様子。
罠を食い破り、返り討ちにしてやりましょう!

●目標となる場所
町は無人。シーンとしています。
目標となる酒場にも当然人は居ませんが、案内役兼、外でタイミングを見計らっている男は居ます。
地下には酒が山ほど積んであり、思う存分飲めるでしょう。
酔い潰れた……と外にいる見張りの男が判断すると、隠れていた敵が突入してくるでしょう

●敵一覧
・盗賊団×30
そんなに規模の大きくない、無名の盗賊団。
アーリアさんの賞金を狙って事を起こしました。
武器は銃や各種の武器。銃は全員標準装備です。

●特殊ドロップ『闘争信望』
 当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
 闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
 https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • <咬首六天>お酒という名の罠完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年12月28日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
老練老獪
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
小金井・正純(p3p008000)
ただの女
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者
ナール・トバクスキー(p3p009590)
ろくでなし
ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)
凶狼

リプレイ

●酒を飲もう
 0次会。それは酒飲みの間に伝わる、本番の前の飲み会のことである。よし、もう訳が分からないぞ。
 ただ、識者は語る。現場に来る前にベロンベロンに酔ってきた連中とか前日から現場入りして飲んでた連中とか。
 そういうのも過去の鉄帝にはいたし、まあ別にいいんじゃないかと。マジの話である。
 ともかく今回の「0次会」とは何を指すのか。つまるところ、今回の罠を逆手にとって酔っぱらったフリをすることである。
 おお、真面目だ! こいつは安心だぜ! というわけで、早速罠の舞台である酒場に入っている『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)たちを見てみよう。
 今回の件はそのアーリアが賞金稼ぎに目をつけられ、酔い潰れたところを倒そうとこの会場を用意したところから始まったのだ……。
「うっうっ、なんて酷いのかしら私が指名手配!? ちょっと酒クズたちと酒場を爆破したり眼鏡を割ったりしただけよ! 無実だわ! ……え? 罪? んーあーりあわかんなぁい☆」
「うわキツ」
「誰ようわキツって言ったの、エリザベスアンガス正純養殖場の餌にするわよ」
「えっ、いつの間にそんなものを」
 『燻る微熱』小金井・正純(p3p008000)が驚いたように声をあげる。どおりで最近アーカーシュ名物「エリザベスアンガス正純の缶詰」の生産が安定しているはずである。自分の顔をプリントした缶詰がアーカーシュから全国配送されようとしている正純の気持ちも考えてあげてほしい。子どもに「あ、缶詰のおねーちゃんだ!」と嬉しそうに声をかけられたらどうする気なのだろう。
 ともかく、これは作戦なのである。そう、アーリアの手にあるジョッキも作戦だ。
「罠にかかったと思わせおびき寄せた敵をガッね。そう、だからこの罠にかかるのも演技! 幹事の寛治注文まとめてちょうだいなぁ、とりあえず生8杯。樽で。なにとは言わないけどついに私の後ろの誰かも最近は変換のトップが寛治らしいわよ、そんな寛治あんな寛治、いやまああの人もう分身してるんだけど」
「残念ながらこの年末シーズン、役者の都合もつきませんでして」
 『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)がふるふると首を横に振る。
「しかし作戦は完璧です。0次会で酒を飲んで賊がやって来たらガッとやって飲ませて1次会で酒を飲む。間者を放つまでもない。パーフェクトプラン完成です。では、後はシナリオ通りに。このリプレイを戦闘無しの宴会シナリオにしてやりましょう。あ、正純さん熱燗ください」
「何言ってるんだが分かりませんけど、もう酔ってます?」
「酔ってません」
「いつの間にか眼鏡が2022眼鏡になってるんがそれは」
「残像です」
 ちなみに本気で残像だったらしい。怖い。
「こんなに天国なのに貸し切りなんて申し訳ないわよねぇ、ということでエリザベスアンガスん正純のアヒージョとホットの覇竜ワインで! あっついわねぇ、もう脱いじゃってよくなぁい?正純ちゃんとかブレンダちゃんなんかも脱がして、ファンドチャンスに鼻息荒い誰かの眼鏡は事故で割って――あれ、もう割れてる?」
「2個目です」
「脱がないからな!」
 『導きの戦乙女』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)がそう叫びつつも、ぐいっと瓶を傾ける。いきなり瓶である。
「いやべつに私自身は鉄帝とあんまり関係ないんだがな。タダ酒がたらふく飲めるというなら参加しない理由もあるまい。マイベストチョイスおつまみたちと共にGOだ! と思っていたら……は?罠?そんなの許せんが??? 酒があるなら罠なんて知るか! 手筈通りに0次会で飲んでガッとして1次会で飲めば問題なし!」とは本人の談だが、つまり寛治やアーリアの同類である。
「ふふふ……飲み放題なら遠慮の必要もない。赤のワインをもらおうか。樽で。持ち込んだおつまみたちの中でベストマッチを探してやろうではないか……ジャーキー、チーズ、ピクルス、ナッツ、スルメにエイヒレ……選り取り見取りだぞ?」
「なるほど! 飲んで、ガッてやって、飲んで飲ませる! よくわからないけどわかったよ! えっ? 大丈夫だよ! 22歳でちゃんとお酒が飲める年齢だよ! でもあんまり強くはないみたいだから、本当に酔っぱらっちゃったらごめんね」
「じゃあはい! とりあえず生!」
 『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)はアーリアから渡されたジョッキを受け取る。とりあえず生。鉄帝では先付けのおつまみみたいな扱いである。つまり酒には含まない。
「まずはお酒を飲んで酔っ払ったふりをして敵を誘き寄せる、だったよね。じゃあとりあえずアーリアちゃんが頼んでくれた生でかんぱーい!」
 ちなみにだが、生ビールジョッキを先付けにする鉄帝が変なのであって、普通は生ビール大ジョッキは酒に含む。
「くぴっくぴっ……ぷひゃー! みんにゃでいっひょににょむおしゃけはたにょしぃにゅぇ~」
「…………なんというか、その、実に鉄帝らしい罠ですね。言葉を選ばずに言えば迂闊というかゴリ押しというか。アーリアさんも災難。コホン。いえ、それは置いておくとして、まあ、指名手配されてる御本人がノリノリですし、他の皆さんも割とお酒に強そうな方ばかりなので何とかなるでしょう。私はほかの皆さんが飲む分、しっかりと節制して酔ったフリをしましょうか、ええ。絶対にお酒になんて負けたりしません!」
「あれぇ? まさじゅみちゃんあんまりのんでないえぇ。ほりゃぁ、よわないとだめなんだからぁ。もっとのまにゃいとぉ。えぇ、みんにゃにゅぐにょぉ? じゃぁぼきゅもにゅぐ~!」
「あ、焔さん、そんなに注がないで! あと誰も脱いでませんよ! 寛治さんが眼鏡を拭いただけです!」
「鉄帝に酒と言えば様々な記録がありますが、そこに新たな1ページが刻まれる。飲み放題は楽でいいですね。注文の取りまとめも割り勘も不要。場所さえ決まれば幹事も不要な感じです。私は寛治ですけど。ハハハ。あ、正純さんエリザベスアンガス正純の缶詰ください」
「寛治さん、それは私じゃなくて缶詰の絵です!」
 せっかく注がれた酒をまだ正純は飲めていないが、『老いぼれ』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)もガハハと笑う。
「せっかく酒の用意がされてんのに飲みに行かねえのは酒飲みが廃れるってもんだろ」
「ヌーハッハッハ! 鉄帝ナンバーワン酒飲み大会とは例え罠であろう参加せねば酒飲みの名折れ、タダで飲めるとあらば参加しない訳にはいかないからのぅ」
「わーはっはっは! その通り! 鉄帝ナンバーワン酒飲み大会なんて随分気前のいい罠なのだ! つまり……これは遠慮なく気兼ねなく全部飲み干して欲していいってことなのだ! 最高なのだー!わーはっはっは! アーリアさんはドンマイなのだ!なーに、賞金首になっても案外何とかなるものなのだ!」
 『ろくでなし』ナール・トバクスキー(p3p009590)と『凶狼』ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)もそう笑い、ジョッキをぶつけ合う。
「あん? 酔いつぶれたふりだぁ? 最初っから飲んでれば確実に騙されるだろ、俺たちゃ酒くずに酒を与えたことを公開させてやりゃ良いんだよ」
「ほうほうほうほう、今の鉄帝の情勢でこれだけ酒を集められるのなら十分冬を越せそう蓄えと思うのじゃがまぁ飲ませて貰えるなら何も言うまい」
 バクルドとナールもそんなことを言い合い、ヘルミーネは生樽一気飲みした後は浴びる程竜鱗葡萄の赤ワイン&ヴォードリエ・ワインを浴びる程飲んで調子を整え……よし、何言ってるんだか分からないぞ。
「ごく、ごく、ぷはぁ」
 そんな中で正純も空になった瓶を転がし、運悪く踏んだ寛治が縦に回転して元に戻る。凄まじい体幹である。
「普段は豊穣でお上品なお酒ばかり飲んでいますからこういうシュワシュワしてるやつは新鮮ですねぇ。おいしい。冬なのにお酒のせいか少し暑いですね。んー……おや、おつまみとかも用意してあるんですか。あ、私もありますよ、エリザベスアンガス正純の缶詰!」
 正純によるエリザベスアンガス正純をアピールするかのようなポーズ。ポスターの絵柄は決まったかもしれない。
「ガッハッハッハッハッハ! 飲めや食えや! タダ酒ってのはどうしてこうも心躍る単語なんだ。ついでに覇竜のワインも持ってきた! とことん飲むぞ! あ、俺にゃスペアリブ頼む!」
 笑うバクルドの前にスイッと流れてくる眼鏡。酔っ払いしか居ないので仕方ない。そしてバクルドは眼鏡をかけた。
「一応酔い潰れたフリが必要でしょうか。ではゴロンと横になって狸寝入りを甘受します。あ、正純さん、膝枕ください」
「任せろ!」
「あーっ、バクルドさんいけませんあーっ、樹齢61年の木から削りだしたような硬い木製枕の如き感覚が後頭部に!」
 そんな宴会芸が披露されている間、ナールが外でタイミングを見計らっていた案内役……もとい見張り役へと声をかけていた。
「案内役の旦那、そんな外で見てないで中に入って一緒飲むのじゃ。ほう、この年寄りの酒が飲めぬと言うのか?……冗談じゃ、じゃがこれだけの酒を準備するのは大変じゃったじゃろう。だから、功労者である旦那にも飲んで貰いたいと思ってな、なーに一杯位構わんじゃろうて」
 そんなことを言いながら中へと案内役をおびき寄せるナールだが……勿論「ガッ」作戦の一環である。
 そうしたら……中は酷かった。慌ててターゲットであるアーリアを探せば、横倒しになった樽に頭から突っ込んでいた。
 遊び疲れた猫とかがあんな風になっている。さておいて。
「ちょっと!! 卑劣じゃない目隠しなんて何も見えないわよ!? ねえ!」
 これはひどい。しかし全員すでに体内の血液を酒と交換したが如くである。
「ふにゅぇ、にゃぁにしちぇりゅにょ? もぅ、あばれひゃらめらょ~あばれりゅわりゅいこにはぁ、ガッってしちゃうょ~」
「あっ、ちょっ、誰!? 樽転がしてるの! 眼鏡ね!?」
 地獄のような光景の中、バクルドがすっと立ち上がる。
「新田、ごろつきに呑ませる酒はねえ。つまるところあるのは死だ。そういうことだろ、アーリア?」
「アーリアさんは言っています。この酒を飲むか死ぬか選べ、と」
「そうよ、死あるのみ――って言いたいところだけど、可哀想だから半殺しで勘弁してあげるわ」
「わーはっはっは! 酒でヘルちゃん達を倒せると思ったら大間違いなのだ! このざーこ! ざーこ!」
「つーかゴミはちゃんと持って帰れ!」
「ぐあ、瓶投げるんじゃねえ! くっ、酔っ払いども……! てめェら、出会え出会え!」
「なんですか、別に酔ってないですけど。ほら、弓だってちゃんとこうやって弾けます! あ、敵だ」
 正純の撃った矢がガッとなって。まあ、結果的にガッとなったので全員縛り倒してお仕事(0次会終了)である。
「それでは作戦の成功を祝してカンパーイ!」
 寛治の乾杯で、一次会が始まる。罠の舞台となった酒場で。
「ひと眠りしたので酔いも割と回復したな。というわけでエールを持ってかんぱーい! あー……口直しのエールを飲み終えたら次は白のワインもいいな」
 ブレンダが早速そんな酒飲み用語を言っているが、尽きぬ酒でこれが一次会である。
「カンパーーーーーーーーイ! ガッハッハッハッハッハ! 飲むぞ飲むぞ、飲むぞ!」
「おら、酒持ってこーい! わーはっはっは!」
 バクルドとヘルミーネも、早速出来上がり直している。
「一気飲みさせるんなら盃で出すのは手間だろ? ドンと男なら樽だろ? だよなあ? いや別に強制はしねえよ?自主的にするんだよな????」
 空瓶をパシパシ叩くバクルドだが、それは空き瓶である。10升瓶だ。
「俺たちは無論まだまだ飲めるぜ、せっかくのタダ酒の宴会にご相伴預からせてやってんだからな。此処の酒全部飲み切るぞ! よし、俺ぁチーズの盛り合わせ頼む! どうせ勘定は全部コイツラだ! 悪いな、タダ酒な上に奢ってもらっちまってな! ガッハッハッハッハ!」
 なんということか、この場の酒を全部飲むまで帰る気はないらしい。
「はいかんぱぁーい! ここのお代で見逃すんだから優しいものよねぇ、ほーんと!」
 アーリアもそう上機嫌に笑っている。
「幸いにして保護結界でお酒は守ったんですもの、ねぇ? いいのよぉ、私を指名手配とかぁ、賞金とか? そんなこと言って売ろうとした相手に慈悲なんてなくても不凍港のコンテナに詰めたり、不凍港のカニ船に乗せたり――ねぇ?」
 言ってる事は恐ろしいが、酒の席の話である。
「さ、自主的な一気飲みと宴会芸見せていただきましょ! 自主的でしょ? ね? ほら、タイムカード切った後の自主的な勉強みたいなものよ、ね? ふふ、今日も人のお金でお酒が美味しい! 忘年会、ばんざぁーい!」
 ちなみにタイムカード切った後の忘年会の自主的な練習(拒否権無し)はやめてさしあげてほしい。さておいて。
「きゃんぴゃ~い! しゃっきあばりぇてちゃひちょたちみょ、はんしぇいしちゃにゃらまじぇちぇあげよぉ! えんりょしにゃいで、もっちょにょんでいいだよぉ、ほりゃぁ、ぼきゅがついであぎぇりゅ! んぅ~? しょういえば、にゃんでみんにゃでおしゃけをにょんでりゅんでゃっけ? みゃあたのしぃけりぇびゃいいきゃ!」
 焔がすっかり出来上がっていて、寛治が「そうですね」と万能の返事で頷く。
「さておき、ここからは無礼講ですね。盗賊達も昨日の敵は今日の友です。友のお酌は断れませんよねぇ? 乾杯は杯を乾かすって書くんですよ? はい盗賊の! ちょっといいトコ見てみたい!」
 一気飲みの強制は犯罪ですが、自主的な一気は問題ありません。盗賊君の一気は自主的なので問題ありませんね、とは寛治の個人的な見解であり鉄帝の法律をしっかり守り専門家の指導を受けて行っております。
「あ、正純さん、エリザベスアンガス正純の缶詰、温めてもらっていいですか? それと寒締めした野菜と、熱燗おかわり」
 そんなことを言いながら、寛治は思う。
 まあ私は幹事で無い新田寛治です。
 酔っ払った焔さんは台詞から漢字が消える感じなんですね。
 バクルド氏やナール氏も閑事の慰みを楽しまれている様子。
 莞爾と笑うブレンダさんとアーリアさんの笑顔も素敵だと感じます。
 肝心の酒がお留守になっては感じ悪いですから、監事に目を付けられないよう自分も飲まないとですね。
 ところでこの後報告書を書くどなたかは、そろそろお使いのIMEで「かんじ」の変換が崩壊して来た頃合いではないでしょうか?
 此処ではない何処かに向けてニッコリ笑う寛治の頭に、誰かの開けたシャンパンのコルクがスカーンと命中して。
「何とかなりましたね! 酔いが覚めて来てだんだんしんどくなってきました。み、水が飲みたい……」
「はい、お水です」
「今豊穣酒入れませんでした……?」
 正純が迎え酒をしつつ、ナールが更に酒を飲む。
「運動したら腹が減ってきたのぅ、つまみに干し肉を持って来たのじゃがこれでは足りんからどうせじゃし盗賊達に何か作らせるか。悪党を気持ちよく殴ってタダ酒も頂ける年の最後に良い目に合わせて貰えるのも日頃行いじゃのぅ。それじゃあ、取り敢えずそこのワイン樽こっちに持ってきておくれヌーハッハッハ!」
「おらおらおら! ヘルちゃんの酒が飲めねーのか!」
 そうして全ての酒を飲み尽くすまで続く、この宴会。
 きっと教訓としては「酒飲みを酒でおびき寄せたらこうなるじゃん」と。まあ、きっとそんなところであるだろう。

成否

成功

MVP

アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯

状態異常

なし

あとがき

寛治(予測変換で一発)。
2022年最後の酒シナリオ。いやー、凄いことになりましたね!
ご参加ありがとうございました!

●運営による追記
 本シナリオの結果により、<六天覇道>独立島アーカーシュの技術力(?????)が+10されました!

PAGETOPPAGEBOTTOM