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シナリオ詳細

<総軍鏖殺>天空の酒造所

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●遺跡に迫るもの
 天衝種(アンチ・ヘイヴン)。
『憤怒』の感情を宿した魔物であるそれらは、鉄帝の各地に出没していた。
 しかしながら、それらの個体のうち……空を飛ぶものがいることも、比較的初期のうちに知られていた。
 そうした飛行する天衝種(アンチ・ヘイヴン)のうちの幾つかはアーカーシュへの侵入も確認されていた。
 その最たる例としてはヘァズ・フィラン(黒天烏)であり、これにくっついて小型の天衝種(アンチ・ヘイヴン)が侵入する事例もまた確認されていた。
 最近ではラースホーネットと呼ばれるハチ型の天衝種(アンチ・ヘイヴン)も多く確認されており、より攻撃的に、より効率的に空への侵攻を強めている可能性も危惧されている。
 つまるところ、地上だけではなく空までも『憤怒』は登ってきているということであるが、地上に比べればその数は比較的少数に留まっている……ように見える。
 しかし、しかしだ。
 アーカーシュという場所に奴等が侵入することは、なんとも許し難い。
 ならばどうするか……答えは簡単で「見つけ次第排除する」しかない。
 そして……アーカーシュの遺跡にも奴等はやってくる。
 くるが、今アーカーシュには「とある一団」も滞在していた。
 アーカーシュに入り込みやすい今の状況をこれ幸いと探索活動をしている彼等の名はグルテンリッター。
 幻の食材の保護活動を表向きの活動理由としている、古代の遺志を継ぐ者たちである。

●酒造所を再稼働させよ
「あるだろうとは思っていたが、見つかった。酒造所だ」
 『ガストロリッター』アヴェル・ノウマン(p3n000244)は集まった面々の前で、そう切り出した。
 そう、浮遊島アーカーシュは古代人の暮らしていた場所だ。
 本来の住人たちが何処へ行ったかは今をもって不明だが、そこは然程問題ではない。
 大事なのはアーカーシュでは古代人の生活が営まれていたということであり、そこには娯楽も多数含まれていて然るべきだということである。
 娯楽施設の存在自体は、サウナ施設が発見されたことからも証明されていた。
 しかし古来より人の娯楽は「遊び」と「食」……その両方に密接に関わる「酒」を抜きに語ることはできない。
 そう、アーカーシュの住人が酒を呑もうというのであれば、当然酒造所はあったはずなのだ。
 そして現在の鉄帝の状況を鑑みるに、嗜好品に分類される酒の「製造」の優先度は下がっている。
 他に回すべきであるからだが……酒そのものの需要はむしろ高まっていると言わざるを得ない。
 どんな状況でも一杯の酒があれば頑張れる。そう考える者は多いからだ。
 しかし現時点で酒の安定供給を行える勢力があるとすれば、それはアーカーシュしかないだろう。
 ならば、どうするべきか。当然、アーカーシュ印の酒を製造するしかない。
 まあ……実際の供給をどうするかはさておいても、酒造所の再稼働自体は歓迎すべきなのは間違いないだろう。
 そして、何よりも。
「……工場の再稼働を阻止しようとでもしているのか、例のネズミどもがいる。排除するべきだろう」
 アヴェルはそう言ってから「ああ、そういえば」と付け加える。
「調べた限りでは、オリジナルの酒を製造できるようだ。どういうものにするか考えてみるといい」

GMコメント

邪魔者を排除して酒造所を再稼働させましょう!
オリジナルの酒を作れますので、どんなものを作るかプレイングにてご指定ください。
【例】
・エリザベスアンガス正純酒
エリザベスアンガス正純の生命力を象徴するかのようにフレッシュな味の酒。アルコール度は低めで甘い。
・銘酒ゴーレムパンチ
アーカーシュのゴーレムの拳の如くガツンと効く辛い酒。アルコール度数は高い。
(上記はあくまで皆様のイメージを刺激する最低限の一例です)

酒造所はレリッカ村とエピトゥシ村の中間地点くらいにあるらしいです。
地上部分は半壊して、地下2階層。
地下1階が製造に関わる制御装置や休憩室などの置かれたコントロールセンター。地下2階の製造工程(パッケージング)を見られる見学室などもあります。
地下2階は製造工場と倉庫。作ったお酒は此処の倉庫に保管されますが、搬入と搬出の為の発進口もあります。

●敵一覧(酒造所前のラースホーネットは排除済)

ヘイトマウス×40
天衝種(アンチ・ヘイヴン)。
周囲に満ちる激しい怒りが、陽炎のようにゆらめくネズミ型をとった怪物です。
人類を敵とみなすおそろしいネズミ達です。
噛みつくことで相手を確率により【頭ぷー】にする能力を持っています。
【頭ぷー】になると自分が直前に何をやっていたか忘れてしまいます。
それ以外の効果はなく、忘れることによって状態は解除されますが場合によっては結構恐ろしいかもしれません。

・ヘイトマウスリーダー×1
天衝種(アンチ・ヘイヴン)。
周囲に満ちる激しい怒りが、陽炎のようにゆらめくネズミ型をとった怪物です。
人類を敵とみなすおそろしいネズミ達です。
一定時間ごとに「ヘイトマウス」を1体生み出します。
他に特殊な能力はありませんが、見た目でヘイトマウスと区別がつかないので凄く面倒です。

●友軍
・ゴーレム×3
酒造所の施設整備を行っているゴーレム。
ヘイトマウスが施設を壊して回るのでテンヤワンヤです。
更には隙あらばヘイトマウスが噛んでくるので、酒造所の整備も遅々として進みません。
・アクアエレメンタル×2
酒造所の管理を行っている精霊。ヘイトマウスのせいで酒造所を再稼働できないので怒っています。

・アヴェルとガストロリッター2人
特に指定が無ければ酒造所の地上階にて見張りをしてくれています。
ヘイトマウスリーダーが地上に逃げる心配は要りません。

なお、ヘイトマウスは普通にやってれば今回は駆除可能です。
お酒が本番といっても過言ではありませんので、素直に欲望をぶつけてきてくださいませ。

●特殊ドロップ『闘争信望』
 当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
 闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
 https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • <総軍鏖殺>天空の酒造所完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年11月13日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
武器商人(p3p001107)
闇之雲
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
胡桃・ツァンフオ(p3p008299)
ファイアフォックス
紲 酒鏡(p3p010453)
奢りで一杯
リドニア・アルフェーネ(p3p010574)
たったひとつの純愛

リプレイ

●酒造所を掃除せよ
「どこにでも湧いてくるわよねこのネズミ。もうアーカーシュ内で繁殖してるんじゃないかしら、怖いわ……やってくることが同じなのがある意味で救いだけど精霊たちのためにもさっさと退治しないといけないわね」
 『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)が倒したヘイトマウスが消えていくのを見ながらそう呟く。
「さすがにここまで頭ぷーのネズミの相手をするとだいぶ慣れてくる気がするわね、鬱陶しいことには変わりないんだけど」
 そう、ヘイトマウスは噛んだ相手を「頭ぷー」にするネズミだが、倒すこと自体は難しくもなんともない。
 他と組まれると相当面倒だが、今回はヘイトマウス「だけ」なのだから。
「ネズミを片付ければ酒を飲み放題だって聞いて! ヒュー! やったね! あ、ちゃんと仕事が終わってから飲むからね! ソコは安心して欲しい! ちゃんと仕事はするから!」
「そこは疑ってないわ」
「ありがとね!」
 『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)はオデットにサムズアップするが……そう、今回の目的地は酒造所である。
「何が来ても驚かないとは思っていたけれど。なんと、酒造所なの。古代遺跡にもあるあたり、お酒は歴史と共にあったのね。ところで、酒造所と醸造所って違いはあるのかしら〜?」
「確か醸造所だとお酒以外も作ってるんだったかな?」
 『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)に『呑兵衛』紲 酒鏡(p3p010453)が酒好きならではの知識で答えれば、胡桃は納得したように頷く。
 手元にギフト「無尽の酒」で出した酒を持っている割にはキリッとして真面目な答えだが……。
「酒だああああああああああああ!!!!! 酒造所の再稼働っていうことはお酒の流通が増えるってことだよねー、それはすっごくいいことだぁー! じゃけん全力で、邪魔するネズミは殲滅しちゃおうねえ」
「イヤッハー!! 酒!! 酒ですわ!!! 大体万事酒があればこの世は楽園! アルコールは世界を救うですわ!! 火酒はこの間作りましたし、今度はもっと過激で私チックな物を作り上げて差し上げましてよ~~~!!!」
 いや、テンションは爆上がりしている。今も『味のしない煙草』リドニア・アルフェーネ(p3p010574)とハイタッチしている。酒への喜びが酒鏡の思考力をフルパワーにしているのだろうか?
「天空の酒造所……お酒作れるんだねやったーーーー!! 再稼働の為にも頑張るよ!」
 そこに『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)も加え3人でハイタッチになるが……まあ、それだけお酒は人を魅了する力があるということだろう。
 そんなヨゾラは保護結界で戦闘時に酒造所に影響がないようにもしていた。その辺りの気遣いも完璧である。
「ほう、天空の酒造所か。趣があっていいねぇ。とはいえ、使う様にするにも一苦労の様だね。ヒヒヒ……」
 『闇之雲』武器商人(p3p001107)もそう笑うが、事前に資料検索や読書で酒造所再稼働に必要な知識を得ておくのを忘れてはいない。
 更には手など身体の見える箇所に「破滅の呼び声を使う」と書いておき【頭ぷー】対策もしている。
 この辺りはヘイトマウスの手口に対する経験が高まってきたおかげと言えるだろう。
「……まあ、ある種、酒はないとな。働かなくなる人種もいるし、確保は大事なんだろうよ。わかる、わかるんだが……うーん……まあ、難しく考えるのはやめるか。頭ぷーってなんだよ」
 哲学じみたことを言い始めた『紅矢の守護者』天之空・ミーナ(p3p005003)に武器商人が「ヒヒヒ……」と楽しそうに笑うが、まあ……頭ぷーは頭ぷーである。

●酒造所を再稼働させよ
「直前まで何してたか忘れるってことはそれより前から同じ行動してたらいいのよ、つまり『ネズミを見たらシムーンケイジ』シンプルイズベストよね」
 オデットの言う通り、ルーチン化した行動であれば「とりあえずシムーンケイジ」的な行動も可能だ。
 ヨゾラも武器商人同様に「手に『ケイオスタイドで敵攻撃』と書いておく」方法をとっていた。
(直前の行動は忘れても、マウスが敵だってことまでは忘れないはず! 壁に何か書いてあればそれも参考にしよう』
 そんな思考によるものだが……今のところ、想定通りに出来ていた。
 これは仲間たちにも徹底されており……たとえば胡桃は「鼠凹」、リドニアは「H・ぶらんでぃっしゅ」と書いていたりする。
「私学習するお嬢様。前回の缶詰工場ではマジで何やるか忘れたレベルでしたが今度はそうは行きません事よ。こうしておく事でとりあえずH・ブランディッシュを連打する事が出来るって寸法ですわ!」
「まぁ、普段そこまで頭を使っているわけではないのだけれども。これで完璧かしら」
 事実、リドニアも胡桃もしっかりとヘイトマウスを攻撃し叩き潰せている。
「頭悪い名前だけど、やっかいな状態異常だな全く!!」
 ミーナも『仲間をコーパス・C・キャロルで回復しろ!』というメモを手に貼りつけているが、もしこのメモがどっかに飛んでいったらどうなるのかはあまり考えたくない。
 そうしてヘイトマウスを倒せてはいるが……問題はヘイトマウスリーダーだ。
 これまでの経験上、とりあえず全滅させてみないと見分けがつかないのでどうしようもない。
 そのくらい本気で判断がつかない……人間に嫌がらせをするために生まれたかのようなネズミたちなのだ。
「ヘイトマウスリーダーに関しては、他のネズミと見分けが付かないのが厄介なポイントなの。倒さないと増えるばかりなので、増えている所を発見次第、他のネズミに紛れ込む前に始末したいのよ。一瞬で連続攻撃を叩き込んで沈められれば理想的かしら〜」
「確かにその通りだねぇ。見つけてさえしまえばカラーボールを投げつけるなり直接叩きつけるなりでマーキングできるのだけれども」
 武器商人もそう頷けば、イグナートが「最終的には薙ぎ払ってしまえばイイしね!」と身もふたもない、しかし確実な案をあげる。
「ゴーレムもこちらを味方と認識してくれてはいるが……あっ!」
 修理を始めようとしていたゴーレムをカプッと噛んで頭ぷーにしたヘイトマウスをミーナが見つけ、酒鏡のフォロウ・ザ・ホロウが貫く。
「ジューッ!」
 耳障りな音をたててヘイトマウスが消えていくが……本当に厄介極まりない。
 わざわざ飛行型の天衝種にくっついてくる辺り、アーカーシュを狙い撃ちしている感すらある。
「前に関わった施設同様ならコントロールセンターで隔壁とかの操作が出来るはず。それならお酒の倉庫や敵の増幅範囲を抑えられますわ。行動範囲も狭くなって敵に纏めて当たりやすくなるでしょうし、敵の出現範囲も知る事が出来るでしょう。うーん前回の行動を活かす私華麗なる女。世の殿方が見放さない」
「確かにコントロールセンターがあるんだからない話じゃないな、やってみよう」
 リドニアにミーナもそう頷き、コントロールセンターに行けば……確かに隔壁がある。
 まあ、施設の火事などをどうにかする目的でそうしたものがあるのは普通だ。早速操作して……やがて最後のネズミを駆除すると今までよりも大きな怒りの炎が燃え上がり消えていく。どうやら今のがヘイトマウスリーダーだったようだ……!
「施設修繕を手伝って……お酒造りだー!」
 ヨゾラが叫び、ゴーレムやアクアエレメンタルたちの手伝いをする形で修理と掃除をしていけば……ベルの音と共に、施設がゆっくりと稼働を始める。
「で、お酒ねぇ。人間の年齢にしてみたら飲める年齢(100年以上生きてる)なんだけどあんまり興味がわかないのよね。お酒になる前の液体とかジュースみたいに飲めないのかしら、どう?」
「原材料次第かな。過程としては途中までは似たようなものだし」
 酒鏡はオデットにそう答えながら、何を作るか考えていく。
「オリジナルのお酒、ねえ……色々と思いつくけど、まず最初に取り掛かるなら、やっぱりミードかなあ」
 そんな酒鏡は、どうやら蜂蜜酒を作りたいようだった。
「名前は安直だけど、アーカーシュミード、でいいんじゃない? ここにしか分布してない植物とかたくさんあるだろうし、地元のダチコーで知人の養蜂家にでもここら特有の植物から蜂蜜の採取をお願いしてみようかなー。未知の蜂蜜からできる未知のお酒、これは飲んでみたくなるんじゃない? 地域的な特徴、っていうところでもそうなんだけどねー……シンプルに酒鏡さん、数あるお酒の中でもミードが一番好きなんだー。目標は繊細な甘さのある飲みやすいもの、それでいて酒精の強いお酒、だねー」
 それを聞いていれば、自然とヨゾラの中にもアイデアが浮かんでくる。
「オリジナルのお酒、となると……飲みやすいの作りたいな。そしてアーカーシュと言えば……アーカーシュと言えば……!」
 そうしてヨゾラが提案するのは此方だ。
 アーカーシュやまねこぱんち
 アーカーシュの果実を用いた、甘く爽やかで飲みやすいカクテル。
 アルコールの苦みはほんの僅かに感じる程度でさらっと飲めるが飲み過ぎに注意。
 可愛い猫ににくきゅう付きお手手でてしてしされながらいかがでしょうか。
「どうかな⁉」
 アクアエレメンタルが拍手しているが、カクテルなので更にひと手間が必要なアクアエレメンタルの匠の技が光るものになるだろう。
「お酒呑むならおつまみもいるかな。この後の試食の為に果実類(あれば、ひょろり空瓜・ふえならず)を食べやすく切っておこう」
 酒造所で美味しいお酒が増やせて、アーカーシュや鉄帝の大人の皆がおいしく呑めますように。
 そんなヨゾラの願いも込めた提案だ。
「あとは……ノンアルコールの飲み物も作れるみたいだし、そっちは『アーカーシュやまこねこてしてし』とか名付けようかな
 ちなみにアーカーシュの山猫に子猫は発見されていないのでヨゾラが勝手に言ってるだけ……らしいのだが、意外に探せばいるかもしれない。
 そして武器商人だが……何やら天啓を得たようだった。
 その名もフミノ酒。
 熟成させた度合いで味わいがガラリと変わる、とろりとした濁り酒であるようだ。
「なぜかこれを作らない様な気がして。はて」
 イグナートはそれに楽しそうに笑いながらも、自分の提案をアクアエレメンタルたちに伝えていく。
「オレはね! 酒はウマイ酒なら何でもイイんだ! レリッカの酒はどちらかと言えば果実を推しているイメージがあるし、果実酒を造ってみようかなって思うよ! 穀物はこれからの冬を越すタメに重要って点も一応気にしてる!」
 なるほど、穀物が主食であることにも配慮しているのはイグナートらしいとも言えるだろう。
「柑橘類やリンゴ何かのちょっと酸味のある果実を基にして濃厚な酒を造りたいな! 炭酸や牛乳で割ったりカクテルの材料に出来るようにしておけば量を飲めないヒトでも後日楽しめるからね! オレは全部飲むけれどね!」
 そんなイグナートの要望に応えるようにアクアエレメンタルやゴーレムたちが動き出す姿は、中々に面白いものだ。
「酒って昔ながらの時間をかけて作るモノが美味いってイメージがあるけれど、こういう施設でスピーディに造ってもなかなかイイね!」
「確かにね。うん、なるほどねぇ……確かに酒工場だわ」
 ミーナは言いながら、ゴーレムたちさえ健在なら此処まで修理可能のかと感心したような声をあげる。
 これならば、急いで直すべき箇所も残ってはいなさそうだ。となると、後は酒の話なのだが。
「酒の案? 私は酒飲めるが……詳しい訳じゃないしなぁ。皆に任せるよ。味見ならできるけどな」
 ミーナのような者も決して少数派ではない。こういうのは出来る者がやればいいのだと、胡桃も声をあげる。
「わたしもアーカイヴの方を見てきて材料になりそうなの、見繕ってきたのよ」
 そんな胡桃の提案は、こうだ。
 まずは『ギエエエエエエエ』……名前ではよく分からないが実は稲である。
「お米からお酒が作れると聞いていたので、持ってきたの。吟醸、つまりギエ醸なの、鳴いているのは気にしない方向でかもすの」
 あまりにもアレなので結構みんな忘れがちである。煩いし。
 もう1つの材料は凰花桃だ。
「果物だし、醸造に向いていそうじゃないかしら? 醸造向きじゃない場合は、お酒に漬け込んで果実酒が作れると思うの……「見た目的にお酒はアウト」というのはどういうことかしら〜?」
 何か聞きとがめた胡桃が周囲を見回すが、全員サッと目を逸らす。さておいて。最期はリドニアだ。
「前回は火酒作りましたし、今回は私の好きな物や9%のストロングな奴とか作りますわ~~!! という事で此処に私の好物ヴォードリエ・ワインがありますの。こいつを分析してなんか味の近いワイン作れません事? あとアルコール度数はもっと上げますわ。火酒並みに」
 おっと、酒でリバースエンジニアリングをやろうとしている。まあ、アーカーシュなら出来ちゃうのだが。
「こうして出来上がった物がこちら、「アルフェーネ・ワイン」ですわ~~~!!! 寒い冬でもホットに仕上がるスペシャルワインでしてよ~~~!!」
 そうして出来上がった飲み物を試飲している間……やってきたガストロリッターたちにヨゾラはふと思ったことを聞いてみる。
「他で要警戒の情報が出てきたからアーカーシュ内の状況も変化するかもって思うんだよね。アヴェルさん達、何か気になる情報あったりする?」
 その質問にガストロリッターたちは顔を見合わせると、1つの言葉を紡ぎ出す。
「気になる情報というわけではないが。あのネズミどもを運んできたハチは現状、アーカーシュ近辺の空域でしか発見されていない。気を配っておいた方がいいかもしれんな」
 なるほど、それは確かに気を配った方がいい話であるかもしれない。
 独立島アーカーシュ。この空の上にも、天衝種は来ているのだから。
 まあ、今はただ……この酒の出来を喜ぶべきでは、あるのだろう。

成否

成功

MVP

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器

状態異常

なし

あとがき

・妖精のリンゴジュース(ノンアルコール)
・アーカーシュやまねこてしてし(ノンアルコール)
・アーカーシュミード
・アーカーシュやまねこぱんち
・フミノ酒(⁉)
・濃厚みかん酒
・ギエ醸
・凰花桃酒
・アルフェーネワイン

こんな感じのアーカーシュ印の飲み物が出来上がりました!

●運営による追記
 本シナリオの結果により、<六天覇道>独立島アーカーシュの生産力が+10されました!

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