シナリオ詳細
<総軍鏖殺>強襲型パワードスーツを回収せよ
オープニング
●強襲型パワードスーツ
次世代パワードスーツ研究所。
かつて、そう呼ばれていた場所があった。
遥か昔、もうほとんどの人間が忘却した、古代文明の時代の話である。
研究所では無数のパワードスーツが開発され、送り出されたという。
その中には他の遺跡で見つかるような普及型のものも多くあったという。
そう、次世代パワードスーツ研究所は一点モノではなく、多くの人が使えるようなパワードスーツの開発を中心にしていたのだと思われる。
そして実際、その遺跡からは汎用型パワードスーツ「汎用壱式」が発見された。
そう……汎用、である。
次世代パワードスーツ研究所の方針がそうであったのだから、それ自体は何もおかしくはない。
だが、『メタルカオス・ライダー』ノア=サス=ネクリム(p3p009625)はこう考えた。
汎用型があるなら強襲型、あるいは射撃特化型パワードスーツもあるはず、と。
そしてそれらは、実際に存在するだろう。
パワードスーツ自体の技術は鉄帝にも広まっており、シルヴァンスもよく利用している。
ならば、きっと存在するはずだ。それらのある遺跡が、何処かに……。
その知識を持っているであろう人物は幸いにも、独立島アーカーシュに滞在していた。
そう、『好事家』リチャード・マクグレガー。
非主流派に鉄帝国各地で使えそうな遺跡を教えている、あの男である。
●名もなき研究所
「と、いうわけでね。強襲型パワードスーツなんて物騒な名前じゃああるが、丁度それらしき遺跡は知っていたからね」
リチャードはそう言うと、集まった面々の前で飄々とした様子を見せる。
「強襲型……まあ、つまり敵地にグイッと攻め込めるようなものってことなんだろうけど、どうにもそういうモノを研究していたらしかった場所の遺跡があってね」
そう、かつてどんなものを研究し作っていようと、今となってはそれは遺跡と化している。
鉄帝各地にはそのようなものが多々あるが、今回もそういうことであるようだ。
その遺跡がかつてどんな名前だったか……それは伝えられていない。
忘れさられてしまったのか、それとも……。
「古代文明の時代にも公にされていないような、そういう類の秘密研究所だったのかもしれないね」
「軍事用とか、そういう機密性の高い研究ということよね」
「あるいは、だがね」
リチャードはノアに頷くと、遺跡までの地図を取りだす。
アーカーシュの外、山間部ではあるが……移動手段は山ほどある。特に支障はないだろう。
問題は、やはり天衝種(アンチ・ヘイヴン)であるようだった。
少なくとも信頼できる情報筋によれば、遺跡はすでに怒りの炎によって動き出した天衝種(アンチ・ヘイヴン)が存在している。
これらを倒さなければ、目的となるパワードスーツは手に入らないだろう。
いや、それだけではない。目的となるパワードスーツまで天衝種(アンチ・ヘイヴン)となってしまっては、大問題だ……!
- <総軍鏖殺>強襲型パワードスーツを回収せよ完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年11月12日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●名もなき研究所へ
「パワードスーツかあ。さっそく装着してパワードプロ野球しよ〜ぜ」
「あ、鈴音ちゃんパワードプロ野球なら私は8番レフトくらいで!」
『タコ助の母』岩倉・鈴音(p3p006119)と『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)がいきなりそんなボケをかますが、溢れるやる気の賜物である。たぶん。
ちなみに鈴音はブルマ指令も今回連れてきている。
(元の世界じゃ敵だけどスポーツなことはコイツに頼むしかないな。侵略者たるもの、攻略大好き。ヨイショして猪突猛進してもらうわ、チョロい)
「任せろ!」とか言っているブルマ指令を更に鈴音はヨイショしているが、あまり調子に乗らせてとんでもないことになっても仕方がないので、その辺りは鈴音の操縦次第だろうか。
「汎用型、強襲型、あるいは射撃特化型――そんなパワードスーツなら、飲酒特化型とかおつまみ作り特化型もきっと……あっうそ、冗談よぉこう、導入の和やかなジョーク! ま、冗談さておき技術力と生産力に特化して軍事力はあまり重視していないアーカーシュだもの、必要最小限で軍事力を底上げできるパワードスーツを手に入れられれば強い味方ね。研究所に忍び込んで罠をかいくぐってお宝ゲット! ってことはぴっちりしたレオタードで怪盗風に――だから冗談だってば!」
カードを投げる気なのかもしれないが、年齢的に言うと高い確率でアーリアが長女である。さておいて。
「パワードスーツそのものにはあまり興味が無いのだけれど、アーカーシュの遺跡に残されたテクノロジーを調査するいい機会だね。うむ、遺跡探索なら考古学者の端くれたる私の本領発揮だ。存分に奮うとしよう」
「しかし本当に色々なものがあるな鉄帝は…この世界に似つかわしくない物ばかり。サキノソラ号にしたって、最初は鉄帝じゃなく練達にあったって言われても納得できるレベルだぞ」
『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)と『紅矢の守護者』天之空・ミーナ(p3p005003)はそう言い合うが……練達と鉄帝の違いを言うならば蒸気機関だろう。鉄帝の古代文明には蒸気機関を利用したものが多く、その辺りが大きな差となっている。まあ、オーバーテクノロジーなのは変わらないのだが。
「政治とか軍事とかはどうでもいいけど、昔の遺跡ってワクワクするわよね。あわよくば一体ぐらいくすねても……だめ?」
『クノイチジェイケイ』高槻 夕子(p3p007252)もそんなことを言うが、勿論ダメである。危険物だからね。
「ふむ、強襲型のパワードスーツか。どういう形であれ、冠位魔種の撃破などに役立ちそうなら、他の派閥であれど僕も参戦する意義があるというものだな!」
「戦闘力にはそんなに自信はないし、そこを底上げできそうなパワードスーツにはとても興味をそそられるよね! 色んな種類のパワードスーツが見つかればパーツの代替でカスタム出来る未来も遠くないだろう。夢が広がるって物だよ!」
『先導者たらん』シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)と『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)の言う通り、様々なパワードスーツとその部品が見つかれば、カスタムを含め様々な役に立つのは間違いない。
それこそ「夢が広がる」わけだが……その為にも、この遺跡を攻略せねばならない。
「強襲型のパワードスーツ…強襲をかけるための兵装って事は高機動型で一撃離脱を目的とした火力特化型のパワードスーツかしら? 例えば、大推力で敵中枢にまで潜り込んで、大火力の爆弾を撃ち込んで敵が混乱状態にあるうちに自身は高速で離脱、みたいな、ね! 想像しただけで楽しみになってきたわ! この遺跡にのさばる天衝種を片付けて、ここにある技術の全てをアーカーシュに還元すればアーカシュのゴーレムに応用して強襲型ゴーレムなんて作れちゃうかも!」
『メタルカオス・ライダー』ノア=サス=ネクリム(p3p009625)などはすでに夢が広がっているようだが……だからこそ探索は重要だ。
「その為にも、まずはカードキーを見つけなければね」
ゼフィラのファミリアーが放たれ……そして、遺跡の探索が始まった。
●強襲型パワードスーツ
ある程度の情報こそあれど「名もなき研究所」の全容は掴めていない。
だからこそリスク分散のための複数チームではなく、全員で1つのチームとして行動していた。
ゼフィラも簡単なマップを作りながら遺跡を進むようにしており、自分たちの行った部分をマッピングしながら、空白のような場所があったら仲間と情報共有して調べるという探索の基本に準じたやり方と、シューヴェルトの戦略眼や夕子の透視、アーリアのハイテレパス……使えるものを総動員しての探索である。
「あー、此処は串刺し光線ね」
如何にも危険だと主張する真っ赤な光線が乱反射する空間を見て夕子が「うげー」と声をあげる。
生活空間の割には防衛システムが作動しているが「だからこそ」であるのかもしれない。
人間が油断する分システムが働けばいいし、適切な資格を持っていれば発動しないのだから。
とはいえ、それを見つけるまではどうにかしなければいけないわけで……この串刺し光線に対する対処は基本的には「串刺し光線のあるエリアはセキュリティが解除されるまでは近づかないけど、見える範囲(透視による視野含む)で何かありそうなら強引に突破」であった。
「あーしの透視で見える範囲じゃ、カードはないなあ」
「経験的に研究員達の利用頻度が高かったであろう生活空間や研究所が本命だからね、重点的に探索しよう。確か似た古代文明の遺跡だとロッカールームにあったかな……なんてね」
夕子にカインもそう言うが、実のところそうした場所にカード類が落ちているのは偶然ではない。
基本的に集中する場所、あるいは油断する場所では「忘れやすい」のだ。意識がちょっとしたものについ向かなくなる、とでもいうのだろうか。練達でセキュリティからうっかり締め出される研究員の哀愁を見た者には比較的想像しやすいものかもしれない。
そしてそれは同時に、カインに相当の期待を抱かせるものでもあった。
(期待に気持ちが流行るな……でも、落ち着かないと。慎重に遺跡探索を進めよう)
逸る心は冒険では失くしてはいけないが、抑え込まないといけないことは根っからの冒険者であるカインはよく知っている。
「上手く使えば天衝種にも当てられそうだが……」
シューヴェルトもそんなことを言う串刺し光線だが、ひとまずはスルーするしかない。
ラースビットにラースドール。鉄帝の遺跡出身の天衝種たちとは、すでに何度か相対しているが……彼等もまたセキュリティにとっては異物であるようだった。
とにかく、この場所は今はこれ以上進めないと判断して別の通路へ移動し……「敵!」という夕子の声が響く。
曲がり角からやってきたのは本日何度目かのラースビット。
「任せてくれ! シューヴェルト!」
「ああ!」
誰より早く動いたゼフィラの神気閃光がラースビットを貫き、続くシューヴェルトの貴族騎士流蹴技『蒼脚・堕天』がラースビットを完全に破壊する。だがそれでは終わらない。続けて響くのはガシャガシャというパワードスーツ特有の足音。
「ラースドール……!」
「やるしかないわね!」
カインのAKAからの神気閃光が放たれ、アーリアの燈想糸繰がラースドールを絡めとりメイヴ・ルージュが放たれる。
更にミーナの葬送曲・黒が放たれればラースドールはガシャンと音を立てて怒りの炎で燃え消えていく。
「面倒な敵だな。だが、こうしてバラバラにきてくれるなら対処は容易か」
「そうね。数も減らせているし、完全排除も……っと」
夕子と連携してスプレーの罠を見つけたノアは立ち止まり、レインボースプレーの塗料を貯めているであろうタンクを透視で見つけるが……見て思わず「うえっ」と声を上げてしまう。
小さいタンクが分散して置いてあるのだ。かなり嫌らしいやり方だ……正直こんなものをどうにかする時間がもったいない。
鈴音と頷きあうと、ブルマ指令を突撃させ……「ぎゃー」という悲鳴が聞こえてくるが気にしない。
「うっ、レインボーカラーで蛍光⁉ 見た目が結構キツいわ!」
「繊細に染まってるね。無駄な技術力だ……」
アーリアとカインがそれぞれの感想を漏らすが、絶対に受けたくない罠だ。
さておいて、探索を進めていけば、2階層の研究所へと辿り着く。
「この機密レベルの高い建物を放棄せざるを得ない出来事……何かしらの侵攻でもあったのかしら……だとしたら慌ててカードキーを落として、蹴りとばしてそうだから机の下とかに?」
言いながらノアが机の下を覗き込むと、ペンが落ちている。それも同じ型が5本。余程うっかりさんだったのだろうか……?
「早めに見つけたいところではあるな。どの罠も面倒だが、殺人音波は解除されるまでは耳をふさぐなどして耐えながら進むしかないしな。破壊しようとして下手をすると音波がさらにひどくなる可能性もあるからな」
「あーしのせくしーなココとかアソコとか理解できないとか、機械ってやーねー」
シューヴェルトや夕子も言いながら机の引き出しを開けると……コーティングされた写真のようなものが出てくる。
大切な人の写真だろうか……いや、サインがあるので古代のアイドル写真だ。シューヴェルトは黙って引き出しに戻す。
「大体衣類のポケットとか、あとは鍵付きの引き出しか、うっかりさんならゴミ箱か。その辺を探していきましょ!」
アーリアの言う通りの場所にある可能性も高いが……どういう材質なのか残っている衣服も多くある。
「カードが落ちているんなら机のなかや白衣のポケットとか本のしおり代わりにしているかな? 探してみるよ。にしても……なんだなんだお茶の一杯もないのか〜?」
あっても賞味期限などとっくに切れて塵になっていそうだが……鈴音もごそごそと探していく。
「しかし当然だけど、資料の類は風化してしまっているね。実物を探す方が早いかもしれない」
カインの言葉通り、紙などの資料はとっくに風化しているが……そんな中、少しでも怪しい場所があれば躊躇なく探していたゼフィラが「あっ」と声をあげる。
「あったぞ、カードだ!」
「こっちにもあったわよぉ」
アーリアもゴミ箱の中からカードを見つけヒラヒラとさせる。そうして手に入った2枚の職員用カード。
「大体こういうカードっていうと、どこかにピッてしてセキュリティ解除よねぇ」
その効果は絶大で、全てのセキュリティがそのカードだけで沈黙した。
なるほど、これならば生活空間にまでセキュリティがあったところで何の問題もない。
そうして3階まで辿り着けば……比較的大きめのパワードスーツがそこに保管されているのを見つける。
「……これが強襲型パワードスーツ……この構造からして、敵の不意を突くための作りかしら……? とりあえず持って帰って研究しましょうか」
ノアのそんな言葉が響く。
大きさとしては、前回見つけた汎用型よりは大きめ。スラスター類と思われるモノが背面に充実しており、パイルバンカーらしき武器もついている。砲撃用の武器もついているところを見るに、猛スピードで突貫し障害物ごとぶち壊すような、そんなコンセプトであったことは想像に難くない。
「持ち帰りが大変そうだな……この場で着用できそうだが、どうかな?」
試しにミーナが着てみれば、蒸気音をたてながら動き始める。
周囲にはパーツもあるようで、何かあった時の修理も容易いだろう。
「この場で改造は……できそうにはないか。ちょっと出力の効率上げたりとか……まあ、拠点に帰還してからじっくり考えるとするか」
シューヴェルトも回収したパーツをゴリアテに乗せていき、脱出の準備を整えていく。
「パワードスーツゲットしたし、外出たら早速草野球しよーぜ。燃えろパワードプロ野球!!」
「そうね。じゃあ撤退! 伝説のホームラン王が走者一掃して客席が冷めやらない中、ダメ押ししちゃう次の打者っていやらしくて最高! ということで脱出記念にかんぱぁーい! お酒よぉー!」
搬出口から外に出れば、もう夕日が見えている。かなり危険なパワードスーツではあるが……アーカーシュであれば、上手く使えるだろう。
「あんなところで寝てるより、外に出たほうが幸せよ。多分ね!」
帰りのサキノソラ号で言う夕子に、誰もが頷く。そう、きっとそうだろう。
そんな優しい気持ちの中、誰か(アーリア)が酒の瓶の封を切って。なし崩しで仕事完了の宴会が始まっていくのであった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
強襲用パワードスーツ「TA207」と各種パーツをアーカーシュに回収しました!
凄まじい機動力で敵陣に突入しパイルバンカーやアームキャノンで障害物を粉砕する突撃用のパワードスーツです!
●運営による追記
本シナリオの結果により、<六天覇道>独立島アーカーシュの技術力が+10されました!
GMコメント
アーカーシュを出て鉄帝の山間部「名もなき研究所」へ向かいましょう。
全ての地理的条件を無視して「サキノソラ号」で現地、遺跡前まで急行可能です。
遺跡は地下3階層。
地上の建物は崩れ落ちているので、ハッチを開けて中に入る形になります。
地下1階は生活空間、地下2階が研究所、地下3階が格納庫になっているようです。
パワードスーツを手に入れた後は地下3階の搬出口を開けて直接出られます。
なお、セキュリティは生きているようで以下のような罠が存在します。
・串刺し光線
一定区間を乱反射する赤い光線の群れです。
常に発動しているので分かりやすいですが、無理に通り抜けようとすると結構なダメージを受けます。
・殺人音波
生命体にのみ影響を及ぼす、特定周波数の殺人音波です。
無数の小さな穴から発信されるようで、かなりきっついです。
・カラースプレー
とっても落ちにくいレインボーカラーのスプレーです。
受けると鮮やかなレインボーカラーに染まります。
なお、何処かに研究員用のカードなどが落ちている……かもしれません。
●敵一覧
・ラースビット×10
天衝種(アンチ・ヘイヴン)。
古代遺跡から出土した警備用ドローンに怒りが宿り、動き出した怪物です。
自由自在に飛び回り、高出力のレーザーによる攻撃を行います。
・ラースドール×10
天衝種(アンチ・ヘイヴン)。
古代遺跡から出土したパワードスーツに怒りが宿り、動き出した怪物です。
非常にタフです。ハンマーのような長い腕による高威力近接攻撃や、機銃掃射による中距離扇攻撃を行います。ハンマー攻撃にはブレイクを伴います。
●特殊ドロップ『闘争信望』
当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
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