シナリオ詳細
<総軍鏖殺>テメェ、どこ派だ!? ゼシュテリウスだ!
オープニング
●テメェ、どこ派だ!?
空を見よ、大地を見よ、宇宙を見よ。
鉄帝国がピンチの時に、どこからともなくやってくる。
誰だ。奴らは誰だ。
彼女たちを称するならば、似合う言葉がひとつある。
「「――鋼鉄軍閥ゼシュテリウス!」」
これは、鉄帝国群雄割拠のなかに産まれた、一握りの懐かしさと一握りのおふざけと、そしてそこはかとない真剣味みよって描かれたある『同窓会』の物語である。
●ゼシュテリウスとは?
鉄帝国中部にて新皇帝派による『接収』が行われていた。
接収とは名ばかりのほぼ略奪と称して間違いないほど強引なそれは冬を前にした村々に絶望をもたらしていた。
「オレが今から言うことはチョーゼツにシンプルだぜ。『死にたくなければ食料を出せ』」
木の棒をくわえ、死んだ目をした軍帽の男が跪く老人を見下ろしている。
彼は拳銃に指をかけると、そのグリップで老人の頭をこつこつと叩きはじめた。
「別にテメェがやってくれなくてもいいんだぜ? 全員殺して片付けついでに部下共に運ばせりゃあ済む話だ。その手間を省いてくれりゃあ、テメェらの命を報酬としてくれてやるってハナシだ。チョーゼツにハナシの分かる男だろお? オレってばよおー」
ニヤニヤと笑う軍帽の男。彼ことペルニー・ゲッテン少佐は鉄帝国新皇帝派として知られる将校である。
元々人望の薄かった彼は数人の部下だけを連れ新皇帝派を名乗り、その戦力をアンチ・ヘイブンモンスターによって補っていた。
とはいえ、モンスターを大量に扱える彼らに多少武装した程度の村人がかなうはずはない。
村長とおぼしき老人は跪き、その後ろにも村の人々が頭の後ろに手を組んで膝をついていた。
「た、たのむ。せめて半分でいい。半分残してくれれば、なんとかワシらは生きていける」
「ンッンー」
ペルニーは口を引き結び、わざとらしく目を上向いた。
「お願いできる立場かなー。これ以上フクザツにするんじゃねーぜ? 『死にたくなければ食料を出せ』だ。死ぬか出すかの二択なんだよなー」
拳銃を振り上げ、グリップを思い切り村長の頭に叩きつけるペルニー。
ギャッという声と共に倒れた村長に、年端もいかぬ少女が駆け寄った。
「おじいちゃん!」
その様子をニヤニヤと見つめるペルニー。
だが、その光景がいつまでも続くことはなかった。
北の大地より走るオフロードトラックの走行音。
ハッと振り返るペルニーとその部下達。そして村人達。
なんでかしらんけど爆音で流れ出すヘビーメタルミュージック。
トラックの運転席の更に上。フツー人が絶対乗らない場所に仁王立ちする三人の姿があった。
「我等、派閥は違えども」
「一度は王を分かった身」
「世界も姿も違えども」
「「――心はひとつ!」」
バッと三人は同時に跳躍し、ペルニーたちの部隊の前へと堂々と登場した。
さあ、シリアスな状況を覆すイカれたメンバーを紹介するぜ!
「ザーバ将軍の目指した国に、貴様の居場所はない。ペルニー」
『雷帝』ソール・ヴィングトール――エッダ・フロールリジ (p3p006270)
「優しくて楽しいラド・バウの皆さん。ルシアも、戦います!」
『優帝』いりす――ルシア・アイリス・アップルトン (p3p009869)
「ヴァリューシャ!」
『虎帝』夢見・マリ家――マリア・レイシス (p3p006685)
ROOネクスト世界鋼鉄国の歴史を変えた史上初の民主主義的三皇帝の登場だ。
そこへ加わるのは五人の仲間たち。
「これも仕事なんですよ。独立島アーカーシュより、状況へ介入します」
――佐藤 美咲 (p3p009818)!
「皇帝を見つけないと、チョウセンができないんでね」
――イグナート・エゴロヴィチ・レスキン (p3p002377)!
「ROOじゃヴィーザル相手にバチバチやったが、そろそろラドバウに良い知らせも持って帰らねーとな!」
――長谷部 朋子 (p3p008321)!
「大胸筋センサーってどうやるんだ……? 使えば敵の情報がわかるって聞いたんだが……」
――カイト (p3p007128)。
「この国の平和はボクたちが守ります!」
――リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー (p3p000371)
「こ、こいつらは……こいつらは……えっと……?」
ペルニーはこの協調性があんまない八人を見て顔を曇らせた。
そして、軽くキレながら怒鳴りつける。
「お前らは一体どこの派閥なんだ!」
「ふ、しれたこと」
誰が言ったか。
ROO鋼鉄軍閥。
「「ゼシュテリウスだ!」」
- <総軍鏖殺>テメェ、どこ派だ!? ゼシュテリウスだ!完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2022年11月17日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
あえて高い建物の上へのぼり、腕組みをしてモンスター軍団を見下ろす『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)。
「ふふふ! 虎帝とは私のこと!
悪党共! ゼシュテリウスだ! 我らが来たからには覚悟したまえ!」
「虎帝って誰だ!」
「知るか! ころせころせー!」
ペルニーの部下が赤いサイリウムロッドみたいな棒をぐるぐると振り回すと、控えていたアンチヘイヴンモンスターがむくりと起き上がる。
対するマリアは『とぅ!』と叫ぶと空へと跳躍。くるくる回転し空中で『あらぶるとらのぽーず』をとって激しい集中線を発揮すると、
「うおー!!
虎といえば私! 私といえば虎だ!
罪なき民への非道! 絶対に許すことが出来ない!
貴様ら全員めちゃくちゃにしてやる! とらきーっく!」
普通そうはならんやろって動きできりもみ回転すると、マリアは熊型アンチヘイヴンの胸へときりもみキックを炸裂させた。そのまま紅蓮の電光ラインをひきながら胸を貫通。
スライディング姿勢で止まると、
「虎の構え――どうだい? 怖いだろう?」
手を指鉄砲のような形にすると、顎にあててキリッとめを光らせる。後ろで熊の頭上に『33-4』という謎のダメージ表記(?)が現れなんかしらんけど爆発四散した。
そんな様子を一通り眺めた『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)。
「まてまて、一旦まて」
鋼のグローブをはめた両手を翳し、槍を構えるペルニー部下の軍人達や牙を剥く紅蓮の狼なんかを一旦待たせると、近くで頭からだらだら血ぃながしていた老人(たぶん村長)を手招きした。
「今回はシリアスじゃないんだな?」
「え? シマリスジャンガリアン?」
「よし、わかったからメイド服もってこい」
「え? メイドインモッコス?」
「誰が熊本産皇帝だ」
もってきましたーと言いながらたったか走ってくる孫娘っぽい少女。ふりっふりのミニスカメイド服だった。カチューシャにはバニー耳もついていた。
「あのー、私物でもうしわけないんですけどー」
両手の指を組んで手のひらを下げて腕を伸ばし、上半身をくねくねさせるというなんとも熟達したしぐさをする無名の孫娘。エッダは『これじゃないなー』と思いながらも一旦受け取ってみた。
まあ。バニーはやったし? ミニスカメイドも? できなくは? ないし? ふたつを? あわせたら? さいきょうに? なるし?
「あと赤いな、びろうどのな、マントをな」
「ありましたー」
頭にお花畑を散らしながらたったか走ってくる無名の孫娘。
よく水着売り場にある上下セット用のハンガーを手に、エッダの前にかざす。
赤いマイクロビキニと赤いビロードのマントがセットになったものがかかっていた。
「今からこれ着て戦うんですか?」
「コレ着て戦ってたまるか」
エッダブランドのラインをギリギリ越えてるんよ。
「すみません、これ以外だと『童貞を殺す服』しか」
「ちがうそっちじゃない」
エッダはマントだけをはぎとると、なんかうまいことしてメイド服と合体させた。
そしてポップコーン食べながらぼーっと見ていたペルニー部下の兵士をグーでぶんなぐり槍をもぎとると、その先端に鋼のグローブをくっつけていい感じの形にすれうと地面にガンッて突き立てた。
「リアルで復活の余である!!!」
「わーっ! かわいいー!」
こっちむいてくださーい! といいながらスケッチブックに鉛筆を走らせる孫娘。指笛を鳴らすジジイ(頭から血)。
「さっきこの人、銃で殴られましたよね?」
その様子をポップコーン片手に見ていた『開幕を告げる星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)。
「人には……時として奇跡がおきることがあるの」
隣で呟く『優帝』いりす(p3x009869)。
二度見するルシア。
「出てきたらダメなひとがいるのでして!?!?!?!?!?」
「人には……時として奇跡がおきることがあるの」
「その台詞言ったらなんでも通るわけじゃないのですよ!?!?!?!?」
今日だけはなんかしらんけど奇跡がおきたってことにしない? 今日だけだからね?
いりすとルシアは見つめ合い、互いの両手をぴたりと合わせた。
ゆっくりと小指から順に指を絡め、息がかかるほどの近さで互いの瞳をみつめあう。はいここ百合クラスタへのサービス。
「不完全ですが、二人一緒に……!」
両手をしっかりと組むと、二人は兵士たちへとキッと振り返った。
「全ては温かいおうちのために!」
「戦います!」「戦うのでして!」
宣言する二人を前に、兵士達がやっと仕事かなと立ち上がる……のだが、彼らを押しのけてスキンヘッドの男が前に出た。
「ここは俺に任せな」
「ギャイア先輩!」
「いりすとルシアと言ったな……俺を間に入れなァ!」
顔面ボコボコにして包帯まみれになったギャイアがいた。
「ギャイア!?」
「このトモコ・ザ・バーバリアン様の目の前で好き放題とかドエレー"COOL"じゃん……!?」
めちゃくちゃルビの多い台詞を喋りながら、『蛮族令嬢』長谷部 朋子(p3p008321)が『大蛮鳥 マジ・ス・ゲートリ』に跨がってにやりと笑った。『原始刃 ネアンデルタール』を地面にあえてつけギャリギャリいわせながら走るその姿は、もうなんか今までに無い(それでいてどっかで見たことある)画風をしていた。
「……なに、ゼシュテリウスってなんだって? うるせ~~~~~~~~~~!!!!」
「まだ何も言ってないのに!?」
兵士の一人を石斧のほら、横? よこんとこ? そこでべっちーんやると一人目を吹き飛ばした。
「ゼシュテリウスはゼシュテリウスだよ!!
そしてあたしがチーム・ゼシュテリウスのリーダー、長谷部朋子だ!! 文句あっか!!! うるせ~~~~~!!!」
「まだ何も言ってないのに!?」
二人目をおんなじかんじでべっちーんやると、『ドッドンー』ていう効果音と共に一瞬世界が静止して現れた自分の名前を油性マジックでいじりはじめた。
とりあえず称号のところを『蛮帝』にしとく。
「本物のリーダーはこのあたしだ! このあたしがニューリーダーだ!!
ゲートリもそう言ってる! だよな、ゲートリ!?」
「そうでやんす」
「ほらゲートリもこう――お前いま喋った!?」
二度見する朋子。
今日は奇跡が起きたってことにしない?(本日二度目)
「ここにいる朋子のアニキはROOでヴィーザル三天王を皆殺しにしてヴィーザルの王になると鉄帝をブッコロすべく立ち上がったのでやんす!」
「所々微妙に違うし口調のノリが昭和なんだよな」
「せつないでやんすー」
両手(?)の指を胸の前でつんつんするゲートリ。
「ええいもういい尺が足りねえ! 喰らえ! 必殺!!
ネアンデルタールスマァアアアアッシュ!」
「まだ何もしてないのに!?」
そして三人目の兵士をべっちーんした。
世界に詳しいみんなそろそろ気付いてるとおもう。四人の登場しか描写してないのにリプレイがもう50%くらいのところに来てることを。
「フッ、ゼシュテリウスだかゼシュテリオンだか知らないが八人程度あつまったところでどうなるってーの」
ペルニー少佐は木の棒をくわえ、拳銃で自分の肩をトントンと叩――。
「必殺尺削りクラッシュ」
美咲のホバーバイクがペルニーを轢いた。
「少佐ーーーーー!?」
「二行でやられたーーーー!」
「ホバーするバイクで轢かれるとああなるんだ。これからは絶対交通安全に気をつけよ」
地面でぴくぴくしてるペルニー少佐を見つめてつぶやく兵士。
美咲はこのあえて詳しく描写されないひとたちに向かってゆーっくりとUターンした。
「まーね、私も伊達や酔狂だけでパワーイズパワーのこのメンツについてきてるわけじゃないんスよ。最低限程度にはついてこれるようにはしてきたつもりでス」
美咲はアクセルをふかすような動作をすると、キラッと眼鏡を光らせた。
「とりあえず、交通事故にでも遭ったと思って出直して来なさいな」
「遭ってるんだよなあ」
「必殺尺削りクラッシュパート2!」
美咲がホバーバイクで兵士を轢いたあと牽引してたトレーラーでも轢いた。
「残念ですがベルニー、アンタの運命は決まってまス
見なさいこのメンツ
こいつら、打ち合わせの時に「派閥:ヴァリューシャ」って書かれてても誰一人としてツッコまなかったんスよ?
なんなら本人すらツッコみませんでした」
バイクをとめ、美咲はフッと笑った。
「アンタはもう……ツッコミ役確定でス」
「ツッコまれてるんだよなあ(物理的に)」
「ゼシュテルの地に危機あらば派閥を超えて力を合わせて敵を討つ!ソレがオレたちゼシュテリウスさ!」
清涼飲料のCMかってくらい爽やかにキメた『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)。
実際うしろでは爽やか系の歌が流れているし、なんでかしらんけどキラキラした水しぶきがあがっていた。どっから出たのその水。
「これ以上暴れようって言うのであればオレを倒してからにしてもらおうか! 来い! オレを殺してみろ!!」
「へへ、おもしれえ」
放水ポンプを持った兵士がにやりと笑うと、『お前らやっちまえ!』と言って振り返った。
「今更後悔しても遅いぜ。バルナバス皇帝陛下のパワーになんかアレして目覚めたこいつらは、選りすぐりの動物たちをベースにした凶悪なモンスターチームなのさ。
驚け、その能力はベースとなった動物の十倍!」
アンチシマリス。
アンチラッコ。
アンチアライグマ。
三匹のモンスターは兵士の後ろでぼーっと立っていた。
シマリスは十倍の速度で木の実をかじかじしはじめ、ラッコは石で貝を割り、アライグマは『オタクに優しいギャルがいないなら作ればいいんですよ』ってろくろをこねるポーズで語っていた。
「…………」
とても満足そうに頷く兵士。
イグナートはゆっくりと歩み寄ると……。
「シェイクハンド・ナックル!」
「もろっぺ!?」
今思いついた技名を叫んで兵士の顔面をぶん殴った。
「からの、シェイクハンド・ラッシュ!」
「でろりあん!?」
そして物凄いパンチラッシュを浴びせアッパーカットでfinishすると、空に向けて両手を組み合わせ『波ァ!』をした。
「シェイクハンド波!」
「めっしゅ!」
『波ァ!』でジュッて塵になった兵士を見上げていたモンスターたちは一秒ほど固まり……そして元の作業に戻っていった。
「よーし! 誰が一番カッコよくたくさん敵を倒せるかバトルしましょう!」
もしかしたら大半の人が忘れてるかもしれない前提を大声で叫び、『無敵鉄板暴牛』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)がモンスター軍団へと突進した。
そして、両手を頭の後ろで組んで膝をついていた村人たちへ呼びかける。
「みなさん! 戦えないひとは避難を――そして、戦える人は一緒に行きましょう!」
「いくいく!」
「いけたらいく!」
それまで(目の前で滅茶苦茶なことがあったにも関わらず)降参ポーズをとりつづけていただけはあって、村人達のメンタルはタフだった。全員薪割りの用の斧とかモップとか大きい三角定規とかもって立ち上がり、モンスター軍団へと突っ込んでは取り囲む。そのやる気たるや、『行けたら行く』て言ったやつが最初から居るほどである。
「あなた方ごときボク達の敵ではない!この国の土に還してあげます!」
リュカシスは『インビンシブル』を空に掲げ、カッと専用目線カットインをはさんだ。挿絵にしたいこの一枚。
「いけー!」
跳躍しモンスターへ殴りかかるリュカシス。
村人たちも一斉に殴りかかりなんかすごいあの、なに、くも? けむり? みたいなのが覆ったとおもうとドカバキいいながらもくもくした。
村人達が飛び出し、リュカシスが中心となってfinishmoveをきめると、その横で村長(頭から血)がすごい独特のポーズで横に立っていた。
あのね、両手を頭の後ろにもっていって、片肘を手で押さえるのね。もう一方の手は空高く伸ばして手を開いて、胸を反って腰をわずかにくねらせるポーズだよ。あと頭から血。
リュカシスは不敵に笑い、『インビジブル』を構えた。
「強いぞボクらのゼシュテリウス! 鉄の意志は決して敵に負けません!」
「なんてこった……チョーゼツシンプルにヤベえ状況じゃねーの」
松葉杖をついて全身包帯まみれにしたペルニー少佐。
彼は突如背後から吹いた生ぬるい風にハッとした。
振り返ることは、できない。
「なぁ、常識と『真逆』の事象を起こす事で『その反転に巻き込む』って呪術があるの、知ってるか?」
後ろから聞こえる声と気配に、ペルニーは恐怖したのだ。
『雨夜の映し身』カイト(p3p007128)は黒いフードつきロングコートを靡かせ、フードを指でちいさく上げると小刻みに震えるペルニーに問いかけた。
「なんでそんな話をした? とアンタは言う」
「なんでそんな話をした? ――ハッ!?」
全てを手のひらの上で踊らせるかのようなカイトのすさまじさに、恐怖すら忘れて振り返る。
「手遅れだからに決まってるからだろ!!!!」
ペルニーの足元から氷戒凍葬『黒顎逆雨』の術式が発動。吹き上がる豪雨を浴び運命をねじ曲げられた空間に捕らわれたペルニーは、助けを求めるように松葉杖を投げだし手を伸ばす。
「そしてアンタは逃げるように手を伸ばし――」
全く同時に手を伸ばす動作をしたカイトは、ぎゅっと自らの手を握りしめる。
「死に至る」
ペルニーは口からごぼりと黒い血を吐き出し、膝から崩れるように地面に倒れた。
「もうアンタに、選択肢はねえ。この、不条理な舞台の上ではな」
ニヒルにキメて背を向けるカイト。
アレ? もしかして俺だけ普通にスタイリッシュバトルしてねえ? たしか場を作って影のリーダーらしくスタイリッシュに活躍する筈では?
カイトは首をかしげたが、勝利に沸く村人達の前ではもう些細なことだった。
大きい三角定規を持った村人がガシッとカイトに肩を組んでくる。
「見てたぜ! あんた、いい右大胸筋してんな!」
「絶対見てなかっただろ?」
「君達は反省したまえ!
この大変な時期こそ力を合わせて乗り越えるべきではなないのか!?
君達がちゃんと更生できるようにちゃんと私は考えているよ!
そう! VDMランドの地下強制労働施設で性根を鍛え直してあげよう!」
マリアが『たのしいVDMランド』というパンフレットを全身包帯まみれになってタンカに寝てるペルニー少佐に差し出した。みんなで丸太をぐーるぐーるまわす絵が表紙だった。
「徹頭徹尾貴様の死は侮辱されるのだ。安心しろ。貴様の汚名は侮蔑と共に語り継いでやる」
「地下労働施設いきますけどね」
ニヒルに言いながらウサギ耳をぴこぴこやるエッダ。
いりすは後ろでぼそっと呟いてからファーッて消えていった。
「ああっ! いりすさんが! やっぱり今日だけの奇跡だったのでして!?」
ふとみれば、朋子と美咲が残りの兵士達を簀巻きにした状態でトレーラーにのせて牽引している。
「成敗!」
「あと有効活用ッス」
リュカシスは満足そうに一連を見守って、同じく腕組みして満足げなイグナートと一緒にこくこくと頷いた。
「これにて一件落着!」
「ですね!」
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
完!
GMコメント
突然ですが鋼鉄軍閥ゼシュテリウスオフ会が開かれました。
ギアバジリカで首都にブッコミかけたのが懐かしいですね。
勿論今回は<総軍鏖殺>シナリオのひとつとして扱われますが、ノリ自体はスピンオフドラマの感覚でお楽しみください。
●今回のもくてき
『ゼシュテリウスだ!』て皆で叫んだ時点でおおよその目的を達成したようなもんなので、ここからは皆さんがかっこよくすたいりっしゅに悪徳軍人やモンスターたちをボコボコにするさまをお楽しみ頂きます。
折角なので誰が一番スタイリッシュにキメたかを競ってください。
もしくは合体技を急に考案してください。
勝者には勝者の栄誉がみんなから送られます。
●えねみー
悪徳軍人ペルニーとその僅かな部下。そして戦力を補うためにごっそり投入されたモンスターたち。彼らが村人を取り囲み圧をかけています。
こいつらをこう、ね、今からボッコボコにしていただこうと思いますよ。
●特殊ドロップ『闘争信望』
当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran
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