シナリオ詳細
<デジールの呼び声>悍ましき海の底へ
オープニング
●竜宮の現状
竜宮の危機を退け、新たな絆を結んだイレギュラーズ達。事態解決の糸口は見えど、しかし深怪魔たちは新たなる脅威『駄我奴子(ダガヌチ)』をけしかけ、攻撃を続けていた。
そんな脅威と戦い続ける中、収集を続けていた『竜宮幣(ドラグチップ)』はほぼすべての回収完了を見られ、『玉匣(たまくしげ)』はその力を取り戻す。
悪神ダガヌ封印の目処の付いた竜宮の乙姫『メーア・ディーネー』は、シレンツィオ総督府と協議を重ね、ダガヌ海域の悪神ダガヌの神殿たる『インス島海底領域』への一斉攻撃を提案したのだ。
悪神ダガヌを、ローレットイレギュラーズ・シレンツィオ合同軍の攻撃により消耗させ、今度こその完全封印を狙うのだ。
しかし、悪神ダガヌも、それを黙ってみているわけがなかった。合同軍がインス島近海へ布陣したころ、ダガヌは深怪魔たちを竜宮へと再度けしかける作戦へと出たのだ。
また、先の襲撃の際に、内部に『深怪魔の種』を残していたダガヌは、竜宮内で深怪魔たちを次々と生成し、内部からの竜宮崩壊を目論む。そして『深怪魔の種』は、乙姫メーアの精神を強く蝕んでもいたのだ……。
だが、その状況はインス島への攻撃をやめる理由になりはしない。
竜宮へと急行するイレギュラーズを信じて、インス島へと突入する。
それもまた、やるべき大切なことであるからだ……!
●インス島へ
「さあ、戦いよ!」
「ここが分水嶺ってやつでして!」
『深海の輝く魔砲使い』ロロミアと『ょぅι゛ょ』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)が、そう声をあげる。
ダガヌ海域に存在するインス島、その海上および海底に、一斉攻撃を行う今回の作戦。
それは確かに分水嶺であるだろう。
インス島は無数の『深怪魔』や『狂王種』が跋扈している他、彼らに手を貸すように『海乱鬼衆・濁悪海軍』と名乗る海賊たちもこちらを襲ってくる。
此処に集まった連合軍で、巨大で恐ろしい深怪魔や狂王種、凶悪で凶暴な海賊たちなどを倒し、インス島近郊の制圧を目指すのが今回の作戦だ。
海上、海中、そしてインス島そのもの。
全ての場所へ進撃し、制圧を目指さなければならない。
そして今回、ルシアたちが目指すべきは……海底だ。
防衛基地とも呼べる海底神殿を拠点に出撃してくる深怪魔(ディープ・テラーズ)を撃退し、制圧のためのルートを作らなければならない。
「けど、注意しなきゃいけないわ。アタシたちが今いるこの船から潜水していくわけだけど……何が潜んでいるか分かったものじゃないわ。場所によっては、妙に防備が分厚いところもあるって聞くし……このポイントは、そんなことはないみたいだけど。まあ、でも……万が一があっても」
「魔砲でぶっ飛ばせばいいのでして!」
「そういうことね!」
そう、この薄暗い水の底に何が潜んでいるかは分からない。
だが、魔砲の如き眩き輝きとなって吹き飛ばすこと。それを今、求められているのだ。
- <デジールの呼び声>悍ましき海の底へ完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年10月08日 22時06分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●海の底へ
響く。波の音が響く。
響く。風に揺れる船の音が響く。
響く。この海域に集まった仲間たちの声が響く。
静かに、されど大きく。それはこれから始まる戦いの緊張も含まれているのだろうか?
「かしこみかしこみ申します……。稀久理媛神様、今日も力をお貸しください」
『嫉妬の後遺症』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)の祈りが、船の上で響く。
インス島攻略作戦。その一環であるこの作戦は、かなり大規模な戦いになっていた。
稀久理媛神の加護を祈る華蓮の姿も、然程珍しいものでもない。
「水中で戦うのは初めてですが、頑張ります。今回は水中神殿の破壊ですが建物を壊す……というのは流石に未経験なので、皆様を参考にさせていただきますが……ああ、女神様。ひとたびの蛮行をお許しくださいませ……」
『シロツメクサの花冠』ジュリエット・フォン・イーリス(p3p008823)もそう祈っているが、祈る理由もまたそれぞれ、というのを華蓮は感じていた。
「飛行種なもので、水中戦には少し不慣れなのだけれど……不慣れだからこそ経験して慣れていかなきゃ……なのだわよ。ロロミアさんとルシアさんの二本の魔砲が、とってもとっても派手で見ごたえありそうだわね」
「僕には火力というものはないので……『魔砲』でしたっけ? まぁそれを扱われる方はすごいなぁと思います。でも僕にもできることはあるはずですので、それを粛々とこなしていきましょう。集まった敵のところに『魔砲』が決まれば、きっと楽しいことになるのでしょう?」
「ええ、きっと楽しいのだわ」
そんなことを言う華蓮と『守護者』水月・鏡禍(p3p008354)は最新式の潜水装備を借りているが、これさえあれば水中でも支障はない。
さて、そんな華蓮から名前の出た『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)と『深海の輝く魔砲使い』ロロミアであるが、こちらはやる気満々だ。
「今回こそどれだけ魔砲を撃っても転がされたりお仕置きされたりは無いのです! もうこれだけでやる気が出てくるのでして!!! というよりは今までの依頼がちょっとルシアたちに厳し過ぎるのですよ!!! せめて依頼時は街中でももっと気軽にずどーんしたいのでしてー!!」
「そうよね、もっとずどーんしてもいいはずよね! なんで怒られるのかしら!」
気軽にズドーンしていい破壊力ではないからではないだろうか。さておいて。
「とりあえず悪い奴の本拠地だと分かっていれば多分十分でして! ならばやるべきことはいつもと一緒! まっすぐ行ってずどーん! ですよ! どんなに暗い深海でも、ルシアの魔砲で照らして貫いてみせるのでして!!」
実にやる気満々で頼りになるが、『優しい絵画』ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)も竜宮イルカを軽く撫でながら準備を進めている。
「水鳥でもないのに海に潜っての戦闘ってのは苦労しそうだが、奇襲が来る前提で挑んでおかねぇとな。リョウにも手伝わせる手前、俺がしっかりしておかねぇとアイツを守れる奴はいねぇ。ポーカーフェイスで慌てず騒がず確実に拠点を潰しにいこう」
ベルナルドの言うリョウとは「竜墨のリョウ」……グッピーのディープシーで、シレンツィオリゾート二番街にてレストランを経営する男だ。とはいえ、そのリョウが近づいて来ればベルナルドはわざとらしくしかめっ面を作ってみせる。
「アンタのせいで海洋じゃ海洋じゃ落ち着いて絵を描けなくなったんだ。埋め合わせにちっとは手伝えよな」
言われてリョウは肩をすくめるが……まあ、そのくらい気の置けない関係ではあるのだろう。
「今回はディゴンとやらに横やりを入れられる可能性が高い。罠を作れそうなロープを持ってきたから、リョウは大型船の上で網を作って罠設置を頼む。時期が来たらエレメント・マスターで水中から合図をするから、網を合図があった方に投擲してくれ」
そんな作戦確認も怠らない。
「海底神殿での深海魔じゃな…フム…まあ加護がある分、期待に応じようかね! さて、ワシも水中用装備は持った方がいいかね?」
ノアの舟板を所持している『ティブロン海賊団“重戦騎”』オウェード=ランドマスター(p3p009184)がそう確認しているが、念には念を入れたいといったところだろうか。流石のプロ意識である。
「海底への進撃、言葉で言うより遥かに難しいだろうね。それも海種ではない僕達なら尚更……とは言え、厚い支援と期待をされてるんだ。これで奮起しなきゃ冒険者じゃないよね!」
「ニルたちで道を切り開く、のですね。建物を壊すのは、ちょっと気が引けますが、とってもとってもがんばります!」
『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)と『眠らぬ者』ニル(p3p009185)は竜宮イルカを連れてきているが、この辺りのやり方はまさに人それぞれ……といったところだ。
「冒険の心得はあるから少し泳ぐくらいなら出来るけど、流石にこの子に頼んだ方がいいだろうね。そして慣れない場所だからこそ慎重に、確実に」
そんなカインにニルも頷く。そう、此処は慣れない場所であり……なおかつ敵地なのだ。竜宮イルカの力を借りるのは、むしろ良い手段であるとすら言えるだろう。
そしてニルはファミリアーを放ち、周囲を確認できるようにもしていた。
この場所は敵地だ……何かが乱入してくるかもしれない。その可能性を排除などできるはずもない。
気付ける方法は多いほうがいいはず、とそう考えていたし、ベルナンドや仲間たちも同じ考えだった。
「よし、行くか」
海の精霊とコンタクトを取っていたベルナルドが合図し魔神黙示録を発動すれば、全員が海へと潜っていく。深い深い、海の底へ……。
●悍ましき海の底へ
暗い海の底。インス島付近の海中は薄暗く、不気味な雰囲気が漂っている。
ゴポゴポと音が漂う中……見えるのは目標となる海底神殿。
然程大きな規模ではないが、そこから人の身体に魚を乗っけたような不気味な半魚人がスイスイと近づいてくる。
フォアレスター、半魚人型深海魔だ……!
いや、それだけではない。フォアレスターと同じような姿かたちでありながら色合いが異なり、確実に「違う」と分かる何かがそこにいる……!
ハッピーサマーフレンズを使用した鏡禍が、名乗り口上をあげてフォアレスターたちを引き寄せようとする。
「その水で僕の首を飛ばせるか、やってみましょうか? 絶対にできませんよそれぐらいの水じゃ」
相手は水中戦の得意な半魚人たち。だが鏡禍は恐れずに黒い半魚人「ディゴンに仕えしもの」を睨みつける。
「■■――■―ディゴンー■■■ー」
何を言っているかは分からないが、ディゴンという単語だけがやけにハッキリと聞き取れる。
そして、アレがこの場で一番の実力者であるということも明らかだった。
「先ずはフォアレスター達を自由に動かせない様に……ごめんなさいね、私達も襲われるのを待ち続けるわけにはいかないのだわよ……」
華蓮の茨姫の指先が発動し、少しでも多く行動を阻害できるように狙っていく。
「大丈夫、抜けてきた敵も自由にはさせないのだわ。ここはロロミアさんとルシアさん、二人が派手に思いっきりやる所を是非是非見たいだわね!」
「そうだね。フォアレスターは武器を使用する……ならそれ次第で遠距離攻撃や、あるいは盾を持ってタンクの真似事とかもするかも。それでも魔砲なら盾の上から吹き飛ばせる筈……!」
カインも破式魔砲は使えるし、その準備もあるが……まずはAKAからの神気閃光で確実にダメージを与えていく。
「敵は水中用装備を狙っている! 斬れる物なら斬って見よッ!」
覇竜穿撃でフォアレスターの腕を狙うオウェードの一撃も炸裂し、前線を突破させない布陣が完成していく。
戦略眼で常に大局的な見地からチャンスを狙っているオウェードは、しっかりと仲間の現在地も頭に入れている。
「こっちには魔砲好きの頼れる火力がいるからな。彼女達が全力で戦えるよう慎重に動くまでだ」
ベルナルドのヘビーサーブルズも放たれるが、魚そのものな頭部のフォアレスターたちの表情は全く分からない。
「首から上は魚……なのですね。何だか現実感が湧きませんが」
ジュリエットもそう呟いてしまうが、それでもやるべきことは変わらない。
インフィニティバーンを自分に発動させていたジュリエットは、フォアレスターに向けてシムーンケイジを放つ。
狙いは華蓮と同じ。徹底的に相手の行動を阻害していくつもりだった。
「■■ーーーー」
そして、鏡禍の頭上にディゴンに仕えしものの作り出した水のギロチンが落とされる。
「く……!」
見た目には透明なその刃も、落ちてくることでその存在をしっかりと確認できる。
かなりの威力のあるそれを受けきれば、ニルが即座に天上のエンテレケイアを発動させる。
強い。だが、それを想定して此方も準備しているのだ。
「他と色が違うのです! 多分強いのでずどーんしておくのですよ!」
「おっけー!」
ルシアの殲光砲魔神とロロミアの竜宮式魔砲が放たれ、ディゴンに仕えしものを撃ち抜く。
「ディゴン……■■■ル■、■■■■■――ディゴン!」
また唱えるその名前。まさに「ディゴンに仕えしもの」といった風情だ。
だが、その意味自体は誰にも分からない。
「捉えたのだわ。私の手順に一度嵌れば、後はゆっくり削られていくだけ……なのだわよ!」
華蓮が放つのは追想する緑光からの神威。他より強いのは分かっている。だからこそ、徹底的にやるつもりだった。
「うむ、この調子でゆくぞ!」
「はい、攻撃に集中させていただきます……!」
オウェードにジュリエットも応え、更なる攻撃を加えていく。
減っていくフォアレスター、傷ついていくディゴンに仕えしもの。
その姿を見ながら、カインは思う。
(ディゴン何某の情報もないからそちらについても留意しなきゃね。奇襲やバックアタックされたんじゃ目も当てられない)
散々唱えているディゴンという言葉。それが何であるにせよ、警戒しないでいいわけがない。
「そこのお魚が仕えてたディゴンさーん? いるなら出てこなきゃ神殿潰れちゃうのですよー?」
ルシアもそう呼びかけてみるが、何かが出てくる様子はない。
やがてオウェードの一撃がディゴンにトドメを刺す。
「素早い決着もまた重要じゃな……」
出てこないなら、何も起こらないなら、それでいい。そう考えたその瞬間、オウェードは閃く。
何かが来る、今こそまさにその瞬間だと。
「ディ、ゴン……!」
ディゴンに仕えしものがその言葉を唱え、絶命したその瞬間。
海の中に虚空のような闇が現れ、巨大なタコの足じみたものが現れる。
違う。今まで戦っていた敵とは格が違う。ゾワリとするような感覚に逆らうことなくオウェードは叫ぶ。
「拙い……! 避けるんじゃ!」
ズドン、と。海底を両断するかのような一撃が放たれた後、タコの足は消えていくが……アレが「ディゴン」だったのだろうか?
あの恐ろしい感覚は消え、海底神殿の中からも何も出てくる様子はない。
だが……今現れた「ディゴン」らしきものの感覚を思い出し、カインはハハッと笑う。
「余裕があるなら神殿の調査もしてみたかったな。今後の対策に必要になるかもしれないしね……けど、今のを見てあそこに入る気はない、かな」
此処はディゴンの射程内……それを考えれば、室内に迂闊に入りたくはない。
「うむ、ではさっさと壊してしまうとするかの」
「普段はどちらかといえば保護結界で建物とかをまもることがおおいのです……なんだかちょっと、残念な気もするのですよ」
ニルがそう呟くが、あるだけで危なそうな建物だ。壊してしまうにこしたことはない。
「ガハハ!壊すってこう言う風にやるんじゃ!」
そうしてオウェードが率先して外側から壊していき、少しでも壊しやすいようにしていく。
「そう言えば、練達で壊すだけの仕事に金掛かるのは崩壊による事故などがあるかららしいのう…だから壊すにも頭を使うと聞いた事がある……」
まあ、今回に関しては崩落が起こっても誰も困りはしない。
だからこそカイン、ルシア、ロロミア……魔砲を使えるメンバーがタイミングを合わせ、最後の仕上げの魔砲を放つ。
ルシアのウェルカム・竜宮がその力を発揮し……そうして輝くのは、神殿を叩き壊す魔砲の光。
「では……ずどーん! でして!」
放たれた魔砲は海底神殿を叩き壊し……それが、この戦いの終了の合図だった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
最後は魔砲でキメッ
おつかれさまでした!
GMコメント
インス島攻略作戦です!
現場近くにある大型船から降下し、水中へ潜ります。
敵が出撃してくる海中神殿を叩き壊せば今回の作戦は終了です!
なお、水中行動に関するスキルを持っていると多少有利になります。
持っていない方は最新型の水中用装備を借りることも可能です。
●友軍
『深海の輝く魔砲使い』ロロミア
竜宮カジノ『ドラゴンズドリーム』の給仕役兼ガード役の『竜宮嬢』。小柄な体に弾ける身体。アンバランスなそれは魅力であり、ロロミアにとってのコンプレックスでもある。
戦闘能力は高く、特に『魔砲』に分類される魔術砲撃が大得意。
●敵一覧
・フォアレスター×10
半魚人型深海魔です。首から上に魚がまるごと乗っているような造形をしており、人間と同じく武器をもって戦います。他のネームドのような特殊な個性をもちませんが、武器の持ち替えなどによって様々な状況に対応します。
・ディゴンに仕えしもの×1
フォアレスターと同じ形状ですが、深い闇色をしています。水を自由自在に操り、どのレンジにも対応します。
水圧を特定箇所だけ変え鋭い刃にしてギロチンのように相手の上から叩き落とす攻撃を使用します。
ディゴンなるモノの配下であるようですが……?
●特殊ルール『竜宮の波紋・改』
この海域では乙姫メーア・ディーネ―の力をうけ、PCは戦闘力を向上させることができます。
竜宮城の聖防具に近い水着姿にのみ適用していましたが、竜宮幣が一定数集まったことでどんな服装でも加護を得ることができるようになりました。
●特殊ドロップ『竜宮幣』
当シナリオでは参加者全員にアイテム『竜宮幣』がドロップします。
竜宮幣を使用すると当シリーズ内で使える携行品アイテムと交換できます。
https://rev1.reversion.jp/page/dragtip_yasasigyaru
●名声に関する備考
<デジールの呼び声>では成功時に獲得できる名声が『海洋』と『豊穣』の二つに分割されて取得されます。
●情報精度
このシナリオの情報精度はDです。
多くの情報は断片的であるか、あてにならないものです。
様々な情報を疑い、不測の事態に備えて下さい。
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