PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ようこそ! グルグルアイランド

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●なんか凄い場所
 古来より、兎を追いかけたら異世界に辿り着くという。
 ならばバニボナを追いかけてメイルシュトロムったら何処に辿り着くのか。
 それは知らないが、なんかオラボナ=ヒールド=テゴス (p3p000569)がめちゃくちゃぐるぐるすると、時折変なことになるわけで。
 なんか地理的には鉄帝なんだけど、地図に載ってないぞ此処何処だ。え? オラボナも知らないの? みたいな場所に辿り着くことだって、ままある。あるかなあ。でもあったし。納得しとけ?
「で、何処は何処なのかしら?」
「知らん! Nyahahahaha!!! まったく何たる偶然と悪戯か! 世に不思議と不条理、理不尽なダイスの目はあれど、斯様なものに引きずり込まれるとは! 嗚呼、嗚呼、そうだろうとも。言うなれば幕間とでも呼ぶべきものなのだろうさ。ならば存分に踊ろうか!」
「踊ってきなさい」
 イーリン・ジョーンズ (p3p000854)がオラボナをメリーゴーランドに蹴り込むと白馬と共に軽快なメロディでオラボナがグルグルと回っていく。
「なあに、心配は要らんだろうさ! 是なるは所詮幕間! 存分に踊れば終幕を迎えるだけの舞台だ!」
 オラボナが何を言っているかはともかく、イーリンは即座に状況を整理していく。
 そう、これは……いわゆる鉄帝現象だ。
 たぶん鉄帝の何処かで何かあって、その余波とオラボナのグルグルが良い感じの反応を起こして妙な空間を形成しているのだろう。
 だって、ほら……見てほしい。明らかに何かのルールに基づいた遊具ばかりである。

●名付けてグルグルアイランド
「ウッ! お酒がいい感じに回ってるせいでさっきのグルグルが……!」
 アーリア・スピリッツ (p3p004400)が虹を作りそうになりながらも椅子に座るが、何故か回転椅子である。
 おお、回る回る。ちょっと回転が良すぎる。しかしなんだろう。回り過ぎていったん正気に戻った感がある。
「え、何あれ。公園の、遊具……?」
 ジェック・アーロン (p3p004755)の視線の先にあるのは、公園の遊具の……グルグル回るやつだけだ。
 回らないやつはない。なんと歪な構成だろう。
「全部回るものだな……ここまで偏った構成は我も初めてだが」
 エル=シャドウ (p3p000986)の言葉を受け、沁入 礼拝 (p3p005251)も周囲を見回す。
 何処かも分からない……しかし鉄帝の何処かだろうと思わしき山に囲まれた場所。
 周囲にあるのは無数の回転系遊具。
 メリーゴーランド、コーヒーカップ、吊り下げた座席が大回転するスピンゴーランド、その他諸々……あと公園の回転系遊具。
 食べ物系の露店もあるが、トルネードポテトに渦巻ソーセージしか売っていない。どうあっても回転系で攻めたいようだ。
 あと飲み放題の酒の自販機もある。回るからだろうか。誰のセンスなのか。
 そして空を見上げれば、グルグルと謎のエネルギーが回転している。
 飛行して空から現在位置を確認するわけにもいかなそうだ。
「……まあ、今は此処の遊具を全部試してみるしかなさそうですね」
 とにかくグルグルすればどうにかなるだろうか?
 なんとなく……なんとなくだが、全員が虹を作ったらアウトであるという気もする。
 しかしアトラクションを一定数制覇した上で出てくる何かを使ってオラボナをボッコボコにすると成功であるという……なんか、そんな気もしていたのだ。

GMコメント

というわけでオラボナさん以外の人が回転アトラクションを1つクリアする度に「グルグルメダル」が1枚、代表者の手の平に出てきます。
8枚集めるとオラボナわからせ棒になるので、これでオラボナさんをバシバシ叩くと通常空間に戻ります。
なお、それまでの間にオラボナさん以外の全員がRe︰version、虹シャワー(隠語)したら依頼失敗らしいです。
その場合はオラボナさんが無傷で戻るから失敗ってことなんでしょう。ええ。

この「全員がRe︰version、虹シャワー(隠語)したら依頼失敗」は依頼原文そのままです。天野は悪くない。
ここ、大事なとこですよ。全員赤線引いといてくださいね。

なおアトラクションですが、回転系は大体あります。プレイングにてご指定ください。
椅子もベンチはないので回転椅子です。よく回ります。
ところで「お前の地獄をお前で指定しろ」って中々おにちくじゃないです?
(例:メリーゴーランド、コーヒーカップ)

●オラボナわからせ棒
グルグルコインを8枚集めると現れる棒。
攻撃、防御、移動を含むあらゆる法則を無視しオラボナさんに重傷にならない程度のダメージを与えるガンメタ武器です。
オラボナさん特攻につき、オラボナさんは扱えません。オラボナさん以外の7人の手に現れます。
そうだね、今回の黒幕はオラボナさんだからね。仕方ないね。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はOです。
 オラボナさんを頑張ってわからせましょう。グッドラック。

  • ようこそ! グルグルアイランド完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年09月27日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ロジャーズ=L=ナイア(p3p000569)
不遜の魔王
※参加確定済み※
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
※参加確定済み※
エル=シャドウ(p3p000986)
シャドウストーカー
※参加確定済み※
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
※参加確定済み※
ジェック・アーロン(p3p004755)
冠位狙撃者
※参加確定済み※
沁入 礼拝(p3p005251)
足女
※参加確定済み※
バク=エルナンデス(p3p009253)
未だ遅くない英雄譚

リプレイ

●たのしいグルグルアイランド
 『同一奇譚』オラボナ=ヒールド=テゴス(p3p000569)の三半規管はザコである。
 どのくらいかというと本人申告でクソザコであり、ということは「ざぁこ♡」と罵られても言い返せないくらいにはザコなのだろう。
 実際、さっき『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)にメリーゴーランドに叩き込まれたオラボナは1回負けていた。さておいて。
 そんなオラボナだが、先程グルグルアイランドの制御装置を見つけて安全性に配慮された範囲で高速回転するように仕掛けてきた。
 あとでこいつがどうなるか、ちょっと楽しみである。
「というわけで私、司書のイーリンです。こっちは黒猫《スプーキードーキー》のオラボナ。さっき蹴落とした私は観覧席に居るから、特段あの狂乱の宴に参加するつもりは」
ない の、と。言いながらイーリンの座っているドーム状の観覧席が回り始める。
「しまった!これ練達にあった回転する喫茶店だわ!!」
 ご存じだろうか。練達の再現性東京に存在する回転する喫茶店を。
 円状の建物がゆっくりと回転し、景色を思う存分楽しめるという……そういうものだ。
 それが高速回転して屋根も無ければどうなるかというと。
「あー!! あれはバニボナだった……!!」
 遠心力で飛んでいくイーリンが出来上がる。見た目だけは練達のアニメみたいで楽しそうだ。
 そんなイーリンを見て……『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)に視線を移しオラボナは思う。「バタートースト貼り付けて宙に浮き高速回転してエネルギー作ってる狸は勝手に虹シャワーするだろうから放置だな」と。
 その汰磨羈だが……どうにも何やら不思議な状況になっていた。
 姿自体はギフト「瑞猫『白瑩』」によって、ねこの姿になっているのだが……何故かバタートーストがくくりつけられている。
「こんな話を知っているだろうか。バターを塗ったトーストを落とすと、必ずバターを塗った面が下になって落ちる。猫を落とすと、必ず足から着地する。では、バターを塗ったトーストを猫の背中に括り付けて落とすとどうなるか――」
 何を言っているんだか分からないしそういうものではないと思うが、汰磨羈は縦回転している。
\ぎゅるるるるる/(許さんぞオラボナァー!)
 そう、汰磨羈は縦回転している。
\ンぎゅるるるる/(私は狸ではない、ねこだ!)
 縦回転しているのだ。
「さて、まずはコインを入手せねばここには公園の遊具もあるのだろう? ならば、この状態で選ぶ遊具はただ一つ……『鉄棒』だ!」
\ぎゅるんるるるん/(摩擦熱でアッツゥイ!?)
 なんで縦回転が速くなったり着地したら横回転になるのだろう。謎だ。
「いや、まだ大丈夫だ。ちょっと腹が焦げそうになったが、三半規管は無事だぞ。なんせ、ねこだからな!」
 回転しながら汰磨羈が向かう先は、なんか店員ゴーレムっぽいのに絡んでいるイーリンだ。
「え、今の回転喫茶でコインもらえないの? ちょっとカメラ止めなさいよ」
 腰に提げた魔書をバンバン叩いて威嚇するイーリンだが、ゴーレムは首を横に振るばかりだ。
「まぁ私じゃオラボナのHP鎧割るの苦労するからぁああ、仕方なく従ってあげますけどぉおおお!」
「……どうしたイーリン?」
 イーリンは答えず、高速回転してる猫汰磨羈の下に手を潜り込ませることで、猫汰磨羈を浮遊させる。
 ほんと何なんだろうか。物理法則は海洋にバカンスにでも出かけたのだろうか?
「見なさい汰磨羈、あれが次のアトラクションよ」
「ふむ、次のアトラクションとな」
 イーリンの手の上で浮きながらぎゅるぎゅる回転する猫汰磨羈だが……その視線の先に居るのは『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)だ。
 なんだろう、先程からボタンを連打しているのが見える。
「オラボナさん、いえ気づいたらあの子大分かわいい女子だからオラボナちゃんーーご招待の表情がこう、だいぶ邪悪でうっぷあっせり上がって。でも何故かなんにも気にならなくなるのはハッピートゥーン的な効果か、根拠のない自信か。まぁきっと大丈夫よ!パンドラがあるもの!! まさか全員重傷で大変なことになんてならないわよね☆彡 え? フラグ建築の心得?ちょっとわかりませんね」
 何やらアーリア、一生懸命フラグを建築している。これはひどい。4コマで終わらせるつもりなのだろうか。
「すでに限界な身体にはどうするか。答えはおわかりよね。もう諦めるの。酔いには酔いを!! まず景気づけに飲み放題の酒の自販機のボタンを連打連打! 先にお酒に酔えば何もかもに酔わないはず。そう私の後ろの人ーー後ろ? うぅん、なんだか色んな境界がごちゃごちゃになってきたけどそんな人が言っていた、ような」
 ガシャコンガシャコンガシャコン。次々出てくる酒を見ながら、イーリンたちは遠い目になる。
「先にドロップアウトさせれば紫髪の女って個性がオンリーうわ酒!! 嘘でしょ、この幕間でも飲むの。やばいわよ。飲酒運転はともかく飲酒回転したらそれってスプリンクラーよね。どうにかして耐えさせてあげたいんだけど……汰磨羈、迎え酒を私達でやれば良いんじゃない?」
「いや待てイーリン。アーリアの飲酒大回転を阻止したい気持ちはよくわかるが、それはそれとして……」
\ぎゅるっぎゅるぎゅりゅりゅん/(この状態で迎え酒なぞ飲めんぞ。それこそ酒スプリンクラーになる)
「アッ待て! 浴びるように飲むとはいうが、本当に酒を浴びせにくることはあばばばばばb」
 そんなイーリンと猫汰磨羈に気付かないまま、アーリアはフラフラとコーヒーカップへ歩いていく。
「虹色モードでコーヒーカップに搭乗!一台だけコーヒーカップがワンカップ的なものに見えるのは気のせいかしら。気のせいだと思うし乗車してれっつごー!」
 流石にワンカップに乗って回る成人女性はどうだろう。イーリンの紫髪枠としての個性がピンチだ。
「あっちょっと待って思いの外これは不味いというか虹が見えてあっ何もかもに酔わないっていうか酔い×酔いの最悪のマリアージュでうっp」
 アーリアがどうなったかはまたの機会に語ろう。そんな機会があるかは分からないが。
「はぁ、はぁ、一人死んでもまだ失敗じゃないわ。あっ水分出たので自販機ポチー」
 とにかくこの時、アーリアは制約から解放された素敵な笑顔をしていたのだ……。

●たのしいオラボナわからせタイム
「殺意を覚える仲、恋仇 彼の真似事だが、我々に相応しい対決だろうよ グロテスクめ! 駿河問いを仕掛けたいが内容は遊園地、ならば アトラクション全制覇するまで帰れま千 たとえ虹シャワーしても乗せる、乗せまくる 乗った分だけコインが増えわからせ棒追加 Nyahahahaha!!! 最後はあの狸みたいに空中大回転で〆るとしよう」
 何やら『足女』沁入 礼拝(p3p005251)を見ながら邪悪なことを言っているオラボナだが、オラボナとて分かっている。
 なんかやってきた此処は、別にオラボナの味方じゃないということを。
 笑っているオラボナを見ながら、『シャドウストーカー』エル=シャドウ(p3p000986)は溜息をつく。
(全く、厄介なモノに目を付けられたものだ。我は別に目を回したくて回している訳ではないのだが。……まぁ、だが。遊園地とやらには来てみたかったのでな、そこだけは感謝してやらんでもない。ほんのちょっとだけ)
 そう、ここはなんだかんだいって遊園地だ。
 オラボナが速攻で余計なことをしたのを除けば、基本的には楽しい場所なのだ。
「ふむ。好きに回っても良いようだが。誰かと行動を共にするのが得策だと我は思う。同じアトラクションに乗ってもコインは貰えるのだろう? 一人でどこに行けばいいのか……だとか、乗り方もわからないから不安だとかそんなことはないぞ。断じて。……バク辺りがこう、優しそうに見えるな、うん」
 言いながらエルが追いかけたのは、『未だ遅くない英雄譚』バク=エルナンデス(p3p009253)だ。
「回転する物が多数……これはいったいどういう事なんじゃ……? 而して脱出する為であるなら、意識攪拌も同胞を叩く事も耐え抜こう……む?」
 そんなバクの裾を、エルが掴む。数をこなさなければいけない以上一緒に乗るわけではないが、無計画よりは大分マシだ。
「遊具の類は数も多い。それに条件として必ず一人は複数回乗りメダルを貰わねばならん。ならば儂が耐えうる限り多く乗り込み回収しよう。あと個人的に、故郷ではこういった遊び場は来る以前に無かったから楽しみでもあるしのう」
 そんな頼りになる作戦もバクは提案してくれる。そして……バクが選んだのは、空中ブランコだった。何故なのか。
「まずは……空中ブランコ、とやらから。ブランコという物は幼少のころから遊べる遊具と聞いていたし始めの物としては良いじゃろう。翼を切り取った身として、擬似的にも空を飛べるのは嬉しいしのう。あ゛あ゛ー!!」
 超回転で揺れるバクの三半規管。ちなみに空中ブランコとは中央で回転するタワーの遠心力で凄いことになるブランコである。
「なんか飛行機がぐるぐる回るやつ。ざっと見た限り、この……名前はわからんが乗り物ならそれほど酔わない気もする。様子見の一手としては良いと思うのだ」
 ちなみにエルが選んだアトラクションは飛行機に乗って飛ぶような気分を味わえるかもしれないやつだ。
 通常であれば酔うはずもないが……オラボナが来て早々余計なことをしたせいで速度がエグい。
 エルがなんか凄いことになっている間に戻ってきたバクが選んだのは……その名もバイキング。
 バイキング船みたいな船に乗って前後に揺れる系の遊具だ。分類としては絶叫系である。
「つ、次は、バイキングとやらの船の遊具。しかし話では回転する物とはやらは聞いておらぬが……まぁ同じように空を飛ぶような物なら先程もあったしいけるじゃろ! み゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛ー゛!!」
 エルとバクでなんかこう、似た感じのものに乗っているのは運命なのかなんなのか。
 そして……『天空の勇者』ジェック・アーロン(p3p004755)と礼拝もまたコンビを組んでいた。
 なんとなく皆コンビを組んでいるので、それならと組んでみたわけだが。
「まぁ、オラボナ様も酔狂ですね。勿論可愛がってくださるというのであれば、受けない理由はございません。分かりやすい言葉がよろしいかしら。なんでも来なさい、正面突破です」
「わかった。分かりたくないけど、分かった。つまり一人で8つクリアすればプラスアルファで思う存分オラボナを叩けるんだね????」
 おっと、ジェックはどうやらわからせ棒1本では足りないようだ。
「ふぅ…………任せて、今日のアタシは平常心活性化ジェックだよ。更に言うなら、回転の酔いって三半規管の【乱れ】、平衡感覚の【崩れ】でしょ。このアタシを誰だと? 【崩し無効】のジェックだよ?」
 何やら凄いらしい。礼拝も思わず拍手してしまう。
「要するに、だ。なんとかゲロらずに(乙女の尊厳を守りつつ)無理してでも8回耐え抜く。なんでこんな状況に追い込まれたのかはさっぱり微塵もこれっぽっちも! 分からないけど愉悦な余裕面は叩き潰してやらなきゃ気が済まないよなぁ!」
「メリーゴーランドでも観覧車でもなんでも来なさい。これもオラボナ様の為の『苦行』だと思って全て耐えきって見せます。どれを選んでも同じ事。遠心力に耐えれば良いのですから」
 礼拝もやる気満々だ。さて、そんな中でジェックが選んだものは……とにかく片っ端からだ。
 手始めに一度乗ったことのあるグローブジャングルから。オラボナの勧めるクネプフェ、どの向きに回転するか分からない星形の邪悪なメリーゴーランドみたいな遊具。座ったまま真っ逆さまに回転するバイキングの宇宙船版みたいな乗り物。
 骨休めにもう一度グローブジャングル。バクも乗った空中ブランコ。
 縦回転と横回転、円盤状の地獄みたいな遊具。ゆっくりな動きがかえって三半規管を刺激する、急流下りをイメージした船のアトラクション。公園の遊具系から大規模アトラクション系まで色々である。
「同じものにチャレンジしても当然クリアした回数分コインは貰えるんでしょ? 食事は抜いた、水分補給も最小限。唾は吐く前に飲み干して……そろそろいいよな、アタシ頑張ったよな……」
 そんな一歩手前のジェックを横たえて、礼拝もまた冗談みたいな回転数の観覧車に挑んでいく。
 回転している時は力に逆らわず、かといって頭が揺れないように姿勢を正し続ける。根性論ではない、真面目な対処法だ。
 回転が終わった後は無理に立ち上がらず、冷たいもので体を冷やし乱れた三半規管を整えるのに集中する……感動的だ、知恵が使われている。
 嘔吐感は我慢、我慢して……みせた。礼拝のインテリジェンスの勝利だ。
(口の中にあふれる苦い味も耐え続ければいずれ引いていくもの……倒れ込んで地に伏せても絶対に戻してやるものですか……!!
吐きそうになっても飲み込んでやります)
 ……かくして、ジェットコースターまで全員で乗ったあげく……1人あたり2本のオラボナわからせ棒がオラボナ以外の全員の手に渡る。
 ワイングラスにホイップクリーム注いでテイスティングしてるところ囲まれたオラボナは気付いた。
 あ、これは拙いな、と。完全にオラボナをメタってきた、何やっても重傷にならない程度の特攻武器である。
 ついでに何やっても防げそうにないし、確実に「痛い」と思わせてくると理解できる。
「それはそれとして貴方が吹っ飛ぶ姿が見たいわ、オラボナ乾杯」
「さて……オラボナよ。楽しい時間をありがとう、お礼と言ってはなんだが、この棒で極楽へ連れて行ってやろう……!」
\ぎゅるんぎゅるんぎゅるりらぁー!/(くらえ、キャット大回転わからせ棒アタック!)
「ええいオラボナちゃんありもとあらゆる恨み!! 羽交い絞めよ!」
「オラボナわからせ棒でただ叩くなんてつまらない。コイツも全部乗せよう。アタシ達が乗ったやつに全部。な? 乗るよな?」
「す、すまぬが、もう限界……叩くのは、他の方に頼む」
 バクがちょっとフラフラしていたが……礼拝がまとめるように微笑む。
「以前、私を遊園地に誘ってくださったの覚えていらっしゃいますか? そこでも貴方回転させて嘔吐させてくれましたよね。(少しは真っ当に仲良くなれると思っていたのに裏切られたので)私は怒っています。ええ、ええ、貴女をか弱い女だと思い出させてやりたくなる程度には。分からせ棒を得たからには、もう二度とそのお口から虹色の物体を吐き出さなくてもいいように突っ込んで差し上げましょうね。大丈夫です、窒息状態からでも気持ちよくできますから。大事な大事なオトモダチ(恋敵)が苦しんでいる所なんて見たくないに決まっているでしょう?」
「Nyahahahaha!!! 絶対に、私は! 謝らない!」
 かくしてオラボナはボコボコにされ、全アトラクション制覇して……なんかこう、近年稀に見るレベルの「ざまぁ」をされたそうである。
 めでたし、めでたし(虹色)。

成否

成功

MVP

バク=エルナンデス(p3p009253)
未だ遅くない英雄譚

状態異常

なし

あとがき

リクエストありがとうございました。
ちなみに天野はバイキングは子供の頃に見てガタガタ震えそうになりました。
凄い勢いですよね、アレ。

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