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シナリオ詳細

覇竜でローストビーフが食べたい

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ブタウシ鳥の謎
 ブタウシ鳥。それは覇竜に存在するモンスターの1種である。
 豚のような外観と牛のような模様と頭部、そして鳥のような羽を持つ生き物だ。
 その肉は部位によって豚、牛、鳥の特徴をそれぞれ持っており、外でいうそれらの生物が持つ部位を全部持っているという、意味の分からない生き物だ。
 しかし、ファンキーにしてフリーダムな覇竜式を代表する食材であるとも言えるだろう。
 どう食べても美味しいこの生き物の肉は以前、イレギュラーズによってレシピ集が作られたこともある。
 しかし、しかしだ。
 料理の神髄がレシピ集1冊程度で収まるだろうか?
 否、否、否。そんなはずがない。
 料理のレシピとは作った瞬間に過去のものになる……と、とある鉄帝の料理人は言ったそうだ。
 成功例に固執すれば進歩はない。
 料理とは常に進化を続けるもの、過去の成功体験は未来の失敗体験と心得よ……と。
 その発言の是非はさておいて、料理が奥深いという点については誰もが納得するところだろう。
 特に食材が変われば味も変わる。だから、たとえば。
 覇竜に存在するブタウシ鳥でローストビーフなどを作れば……どんな味に、なるのだろうか?

●食べたい、ローストビーフ
「ローストビーフが食べたい! 作るしか無いよね、これは!」
「おう。そうじゃの」
 すっかりローストビーフの口になっている『純白の聖乙女』スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)に、『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)は凄い適当に頷いた。
 まあビーフって言ってんだからアレだろうな、と。そう思ったのである。
 牛。ビーフ。それに類するものは覇竜にも幾つかあるが、一番無難なのはブタウシ鳥だ。
 何しろ適当に放っておいても勝手に増えている便利な生き物だ。
 しかもそんなに強くないので、お肉が食べたい時にはブタウシ鳥を狙えばいいと言われているような相手だ。
 しかし、ローストビーフ。
 その不可思議な料理の神髄を、どれほどの人が知るだろうか?
 いわゆるチャーシューにも似ているが、似て非なる料理だ。
 味付けもシンプルなものから奥深いものまで多数あり、見様見真似のローストビーフと熟練の技によるローストビーフは全く違うとも言われている。
 それだけではない、作る者によって仕上がりが違うとも。
 そう、それこそがローストビーフ。美食の1つとして数えられる、そんな素晴らしい料理である。
「しかしまあ、そうなるとブタウシ鳥じゃの」
 ブタウシ鳥であれば、ローストビーフに使うものとしては最適な肉が手に入るだろう。
 必要な分だけ狩ってきて、ローストビーフをメインに他の料理も作っていく。
 そうすれば、素敵な肉パーティーになることは間違いないだろう。
「今の時期、ブタウシ鳥は……まあ、この辺じゃろうな」
 相賀はサラサラと地図を描くと、スティアに渡してくれる。
 そう、この瞬間。パーティーの成功はスティアの手に託されたのだ……!

GMコメント

地図に従って「岩山の近くにある草原」に行き、ブタウシ鳥を狩りましょう。
そしたら戻ってお料理です。今回のメインはローストビーフらしいです。
あ、作ったものは当然食べるのでパーティですね。

●ブタウシ鳥
全長5m。
豚のような外観と牛のような模様と頭部、そして鳥のような羽を持つ生き物。
その肉は部位によって豚、牛、鳥の特徴をそれぞれ持っており、外でいうそれらの生物が持つ部位を全部持っているという、意味の分からない生き物。
全然強くないですが、ワサビのような強烈なツーンとする刺激臭を放つことで外敵から身を護る術をもっています。
基本行動は「匂いを放つ」「逃走」です。
匂いを放つ攻撃は目、鼻、口、皮膚などから入り「ツーン」とした感覚を呼び起こします。結構辛いでしょう。
ただし、全然強くないです。

●お料理、そして試食会
こっちのプレイングを重視した方が良いと思われます。
相賀は今回呼ばれなければ手出しせず、試食会の時にお酒やジュースを振舞ってくれます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 覇竜でローストビーフが食べたい完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年08月10日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)
天義の聖女
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
ユーフォニー(p3p010323)
誰かと手をつなぐための温度
嶺 繧花(p3p010437)
嶺上開花!
リエル(p3p010702)

リプレイ

●美味しいローストビーフのために
「ブタウシ鳥……牛肉、豚肉、鶏肉それぞれの肉質の部位を持っているという。話には聞いていたが、実際に食べられる時が来ようとは、何という幸運か」
「豚、牛、鳥とそれぞれの特徴を持っているなんて珍しいよね。サイズも大きいみたいだし、お料理するのは楽しそう! 頑張って捕まえないと!」
「ああ。チャチャっと片付けてじっくり料理に取り組むとしよう」
『優穏の聲』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)と『純白の聖乙女』スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)が頷きあうこの場所は、覇竜領域デザストル。
 かのブタウシ鳥が住まう場所であり、それを狩ってローストビーフを作ろうというのが今回の主目的である。
「相変わらずツンとくるねぇ! ぐわぁ、目がー!」
 視線の先では『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)が早速ブタウシ鳥の刺激臭にやられているが、狩猟風景もそんなほのぼの感が漂うものだ。
「文字通りに美味しいとこ取りな鳥だな? 練達に連れ帰って、牧場を作れば最高の……え、ダメ? そっかー。――ならば、ここで喰うしかないな!!」
 『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)もちょっとよだれをジュルリとさせながら襲い掛かっていくが、まあブタウシ鳥は覇竜のモンスターなので外に連れていくのは色々と問題も多いのだろう。
「ゴリョウ、動きに合わせる、只管に逃げ道を塞ぎながら捌きにかかるぞ。ああ、捌くとも。戦いながらな!」
「おう!」
 霊刀『大祓・速佐須良禍断』を引き抜いた汰磨羈は目を付けたブタウシ鳥にタイミングを合わせ襲い掛かっていく。
「まずは、逃走を防ぐ為に足からだ! 全く、実に美味そうなもも肉め! けしからん、血抜きだ!! ついでだ、そのスジもちょん切ってくれる!」
 ダメだぞ。メインディッシュが逃げちゃぁ……! と叫んでいるその姿はハンターかはたまたライオンか。
 獲物を狙うその目は猫かもしれない。さておいて。
「ブタウシ鳥はお肉の味が落ちないように……はわわ、ツーンって! ツーンってするのです。呼吸はしないようにしても目が……涙がポロポロ出ちゃうのです」
「この匂い……もしや、ローストビーフに付き物の西洋わさびか!? ええい、辛くはあるが食欲も増す! 涎が止まらぬわ、早く食わせろッ!」
「とりすぎはいけないですよね。ニルたちが美味しくいただける分だけ……」
 汰磨羈の戦意が高いおかげか、『おなべがたべたい』ニル(p3p009185)もやる気が刺激されていく。
「狩りの始まりから料理も始まり。命をいただくことは、本当に尊いことですね……お店で買う時は全然意識していないことを改めて思い知らされます。あっ、持ち帰るのはドラネコ配達便におまかせです!
 汰磨羈の姿が刺激になったのか、『ドラネコ配達便の恩返し』ユーフォニー(p3p010323)もそう頷く。
「お肉だ、お肉ー♪ たっぷり獲るぞ、たっぷり食べるぞー! なにせ、いっぱい食べていっぱい動く! 亜竜っ子は基本的に肉食なのさ!」
「ブタウシ鳥……覇竜ご当地グルメってことね? 食肉として安全で勝手に増える。もはや生態系が独特すぎて、将来学者たちが来たら目を回しそうよね」
「覇竜だからねっ」
 リエル(p3p010702)は『嶺上開花!』嶺 繧花(p3p010437)の言っていることに納得してしまう。ともかく今は狩りである。
「さぁ、狩りの時間だ! といっても亜竜が闊歩する覇竜の中じゃ、可愛いもんだよねブタウシ鳥。モンスターのハンターが最初に出会って生肉の取り方を覚える的なアレでしょ? 楽勝楽勝――って、うわっ! 辛っ!?」
 近距離から刺激臭を受けた繧花が「う、うえー……忘れてたぁ……」とヨロヨロしているのを見てリエルも頷く。
「む、距離が近くなるタイミングでの臭い……! 覇竜を生き抜く肉だけあって護身能力はあるというわけね」
 とはいえ、それが分かっているなら然程問題はない。
「私に出来るのは戦闘と包丁捌きくらいだから、サクッとブタウシ鳥を狩るとするわ。キツイ臭い、と言ってもきっと迎撃用……遠距離攻撃で仕留めればただのお肉よ」
「私も大人しく遠くから仕留めようっと……」
「置くタイプの能力がないのは不備だわ。他の亜竜は怯むでしょうけど、目的があなたの肉なら、諦めない」
 リエルは言いながら、積まれていくブタウシ鳥を眺める。
「運ぶのも苦労しそうだけど一頭狩れば覇竜での肉の需要を満たせるというわけね」
 これだけあればローストビーフどころかバーベキューにしたって問題はない。
 あとは料理だが……今日はゴリョウの料理教室も開かれるのだ。それはきっと、素晴らしいものだろう。

●ローストビーフ!
「ふむ……我ながら完璧な血抜きだな。実に美味そうな肉になっているじゃないか」
 満足げに頷く汰磨羈だが、そこでふと首をかしげる。
「さて、何を作る? 定番のローストビーフ丼は確定として――ふむ、メインシェフたるゴリョウの手伝いをしつつ考えてみよう」  
 そう、お肉はたっぷりある。となればいよいよ料理の時間だ!
「お肉パーティー! ゴリョウ様たち、お料理が上手な方がたくさんいるのです。ニルはとってもとってもたのしみなのです!」
 ニルがそう叫ぶが、ゴリョウにスティアと、今日は料理が得意な面々が多い。
 スティアは用意された調理台で意気揚々と調理を始めていた。
「さくっと捕まえたし、お料理の時間だね」
 これだけあれば、作れるものはたくさんある。しかし、選択肢が増えれば悩むのもまた当然といったところだろうか。
「牛の部分を使ってローストビーフを作るのは確定として後は何を作ろうかな?」
 そう悩んでいたスティアだが、やがて「あっ」と思いついたように声をあげる。
「ちょっと凝った付け合せを作ってみよう! アスパラの肉巻だー! 後は豚の角煮と串焼きも作っておこうかな」
 足りない食材も相賀をつつけば出てくるので問題はない。奴はおつまみになりそうなものなら大体持っている。
「まずは下準備! お肉をいい感じのサイズに切り分けていくよ。あ、鶏肉はミンチにした物も用意しておくね。後でちゃんと使うから!」
 準備ができたら豚の角煮を煮込みながらローストビーフを作っていく。この辺りはちゃんと管理さえ出来れば同時進行で出来るのが素晴らしいところだ。
「まずは下味をつけて、その後に強火で牛肉のブロックに焼き色をつける。全体的に焼き色がついたら玉ねぎとローリエを入れて、牛肉をその上にのせるね。後はお酒を入れた後に蓋をして蒸し焼きだー!」
 5分くらい焼いたら取り出してホイルに包んで後にふきんで更に包む。
 予熱でゆっくり火を通す作戦というわけだ。
「フライパンはそのままソース作りに使っちゃうね。肉の旨味を利用したソースにしちゃうのだ!」
 これは素晴らしいものだろう。この時点で美味しさがある程度確保されたようなものだ。
「肉を寝かせてる間に他の料理も進めておくね。特製のアスパラの肉巻きも作らないと! これは普通のとは少し違って、アスパラを鳥ミンチで巻いてその周りを豚肉でぐるんと巻く。隙を生じない二段構えの肉巻きだよ! しっかりと焼いたらラサ風のソースも作って完成かな?」
 ラサ風のソースは勿論好みはあるだろうが、合わないはずもない。
「豚の角煮はいい感じに煮込めたら終わり! 串焼きは下味をつけて串に刺すだけー! 焼きながら食べる用だよ」
 そして、ここでは終わらないのがスティアだ。
「ローストビーフは1時間くらい寝かせたら切って丼にしちゃうね。綺麗に盛り付けて中央に卵の黄身をのせて特製のソースをかけたら完成! うーん、美味しそう! 目玉はローストビーフ丼とアスパラの肉巻きだよ。肉巻きも自身作だからいっぱい食べてほしいな。なんたってスティアスペシャルバージョン(量がとても多い)だからね。やっぱりいっぱい食べれる方が幸せだよねってことで」
 そう、スティアスペシャルは量が多い。多いが……今日は見物客も多いので問題はないだろう。
 さて、他の面々はどうだろう? ゴリョウは早速お料理教室の最中だった。
「皆と共にローストビーフ、ローストポーク、ローストチキンの料理教室を開くぜ! 出来る限りで皆と一緒に作り上げていくとしよう!」
「お料理のお手伝い、ニルもしたいです。おうちに帰ったときにナヴァン様に作ってあげられるようになれたらいいなって思うのです」
「はい、ゴリョウ先生のお料理教室に参加しますっ!」
「よーっし、後はお料理して食べまくる! 私も料理には少し自信があるけれど、ローレットで指折りのお料理無双、ゴリョウさんの料理教室とあれば全力で参加するよ!」
「料理の専門家もいるけど獲物も大きいわけだし、私も手伝いましょう」
「折角だから私もそちらに参加させてもらうとしよう。私も料理はするが趣味レベルだし商売等で料理をしている者の技術には興味があるしな」
 ニルにユーフォニー、繧花、リエル、そしてゲオルグも参加していた。
「ローストビーフにローストポーク、そしてローストチキン……火を通し過ぎれば硬くなってしまうだろうし逆だと全然火が通ってないという事になりかねん。しっかりと肉汁が滴りながらも口の中で解けるような食感を出すには火加減の調節と肉の状態の見極めが重要だろう。ここはプロの技術をしっかりと見せてもらうとしよう」
「そうですね! ローストチキンはオーブン……窯……? で焼けば何とかなりそうな気がしますが、ビーフとポークは火加減が難しそうです……火を通しすぎてもレア過ぎてもいけません。下拵えとか、他にも美味しく作るコツがあればブタウシ鳥レシピ集にしっかりメモします! 使わなかった部位は出汁をとってスープにしたいですね」
 そんなゲオルグやユーフォニーの言葉にゴリョウはぶはははっと笑う。
「よーし、んじゃ早速! まず表面の水分(ドリップ)は綺麗に拭き取るぜ。これが残ってると焼いた際のメイラード反応が起きずに焼き目が悪くなる」
 料理人ならではの視点に早速ニルが「うわあ……!」と声をあげるが、流石といったところだろう。
「塩を擦り込み、米油を敷いた高熱のフライパンで表面を焼くぜ。焼き目は美味しそうなビジュアルもそうだが、肉汁が外に出るのを防いでくれる。肉を取り出して冷ます間に先のフライパンで擦り下ろしたリンゴや玉ねぎ等野菜、調味料を入れてデグラッセし、ソースを作るぜ」
 テキパキと進んでいくその手順は分かりやすく、無駄がない。
「プラスチックバッグに牛肉とソース、嶺が採って来てくれた香草を入れて湯煎にかけるぜ。お湯は65℃未満を維持しつつ30分程度湯煎だ。これを超えると肉汁が外に出ちまうから温度管理が重要だ。これでしっとり柔らかくなるぜ。なお、豚肉と鶏肉は火を通した方が良いので湯煎ではなく野菜と共にオーブンに掛けとく方がベターだな」
 料理には手順も道具も重要だ。感覚が必要な部分もあるが、道具に頼ってもいいのだ。どっちも出来るのが理想ではあるだろうが。
「終わったら肉を取り出して……おぉっと慌てちゃいけねぇ『休ませる』工程が残ってるぜ。これを忘れちゃ台無しだ。そりゃまぁ出来立てアツアツの肉は基本美味い。だが、それは薄切りで盛り付けるローストビーフとは相性が悪い。切れば切るほど肉汁が零れてパサパサになっちまうからな。だから肉を落ち着かせる必要があるわけだ。冷蔵庫で寝かせることで肉と水分を馴染ませれば、切っても肉汁が出なくなるぜ」
 この落ち着かせるという工程は料理では度々出てくるものだが、意外に忘れがちでもある。
「うっし、そんじゃその間に別口のソースや付け合わせ作っとくか! 1時間くらい後で肉を取り出し、薄切りで皿に盛り付けて完成だ! 綺麗なロゼ色になってりゃ完璧だな! ソースをかけて各自好きなように食べると良いぜ! 丼に良し、カレーに良し、ハヤシに良し、寿司に良し、サンドに良し! もちろんそのまま食うのも良しだ!」
 そうして出来たスティアやゴリョウの料理に拍手が響き、汰磨羈も何度も頷く。
「ローストビーフで色んな具材を巻いて食べるのもいいな。カイワレ大根とかアボガドとかカブとか。何なら、サラダにして大皿に盛ってもいい……うむ、酒が欲しくなってくるぞ。相賀よ、イイ酒を持ってきていたりしないか?」
「そうです相賀さん、お料理に合うお酒ってありますか? ソースを作るのに少し使えたらありがたいなと思いまして」
 ユーフォニーにもそう言われ、相賀はほっほっほと笑って酒を出してくれる。
 期待以上の仕事だ、そのくらいは当然の権利というわけだ。
「相賀さんのお酒に合うものだとやっぱり和風でしょうか。この前リーベルタースで手に入れた太陽花の種もローストしてアクセントに加えましょう。卵は温泉卵にします♪ 丼に盛ったご飯に、チキン、ビーフ、ポークをお肉タワーみたいに盛り付けます。温泉卵はてっぺんに……3種丼、完成です♪」
「それじゃあ私からも一品! 覇竜で採れる、お肉によく合う美味しい香草。この上にローストビーフ、ポーク、チキンを添えて……秘伝の甘辛ソースを回しかける! このツーンと来る辛さがね、癖になるんだよ。え、この辛さはどうやって出してるのかって……? うーん……企業秘密ならぬ、覇竜機密、かな……」
 繧花も刺激されたように一品出せば、ゲオルグは里でお留守番してもらっていたにゃんたま達、そしてギフトで呼び出したふわふわ羊のジークを呼びだす。
「先日、ドラネコはカフェでもてなしたので、今日はこの子達の番なのだ」
 そう、いよいよ実食の時間だ。
「こちらはあなたに。熱いからゆっくり食べるのよ?」
 リエルのドラネコに料理を取り分けているが……美味しいものは皆で食べたいのが心情ということだ。
「いただきます!」
 だから、ニルのそんな元気な声が響く。
(とろりとしたチーズに、温泉卵。お肉に添えられた鮮やかなグリーン、デミグラスソースのいいにおい。じゅわ、とか、シャキ、とか食感もいろいろで。みなさまとごはんを作ってたべること。ニルはとってもとってもたのしくて、うれしくて)
 この「おいしい」時間を噛みしめるように食べましょう、と。ニルはそんなことを思う。
「働いた後のご飯は美味しいね」
「はい!」
 だから、スティアのそんな言葉にもニルはそう答える。
「ああ、そうだ。シンプルに、ローストビーフにソースを掛けただけのモノを頬張ってもいいな! んーッ! これぞ贅沢の極みと言うものだよ。酒が進む! よし、次はハンバーガーだ……!」
 汰磨羈も元気よくモリモリと食べていくが、皆食欲は旺盛だ。
「ドラネコ配達便はデリバリーにも挑戦したいところです。美味しいものはみんなで食べた方が幸せですから! たくさん狩りをしてたくさんお料理して、フリアノンのみなさんにたくさんお届けするんです! それに、鉄帝の誰かが言っていたという、料理のレシピとは作った瞬間に過去のものになるという言葉……作る人によって仕上がりが違う料理だからこそ、多くの人に食べて知ってもらうことでまた新たな一品が生まれるかもしれません♪」
 そんなことをユーフォニーは呟くが……そう、だからこそ「こういう機会」は覇竜に新たな風を吹かせていく一助になるだろう。
 文化とは、常に料理と縁深いところにあるのだから。

成否

成功

MVP

スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)
天義の聖女

状態異常

なし

あとがき

ろーすとびーふたべたい

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