シナリオ詳細
<13th retaliation>無謬の死
オープニング
●
空も地も先も後ろも、その空間には存在しなかった。
或いは、茫漠と広がりすぎているあまり認識できないのかもしれない。その世界は、ただただ白い空間だった。
「ここは……? 先程まで私達は、吹雪に巻き込まれるところだったはずですが……」
「こうも何もないのでは、何か起きると標榜しているようなものだが、さて」
グリーフ・ロス(p3p008615)は落ち着き払った様子で周囲を見回し、首を捻る。彼は多少の変化や状況の悪化で精神を乱す類の存在ではない。それはマッダラー=マッド=マッダラー(p3p008376)にも言えることで、ただ異常な出来事、というだけなら歌の一つでも紡ぎあげてしまうような気楽さが感じられる。が、何もない空間ではそんなことも出来やしない。退屈極まりない状況だ、と彼は嘆息した。
「どうなってるっすか、これ? 歩いているようで歩いてない不安定感があるっす。なんか心許ないっす……」
「吹雪そのものが我(アタシ)達に作用したみたいだねェ。噂通りなら眠りの呪いの類のようだけど」
レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)にとって、歩くこと、足場の安定感というのは精神のそれに大きく影響するものだ。足元がおぼつかない現状は、坐りの悪い気持ち悪さが伴う……他者よりもずっと顕著に。武器商人(p3p001107)は聞き及んでいる状況から類推はできたものの、こうも現状に対して『ヒント』が少ないのではどうしようもない。
同じくこの世界に飲み込まれたローレット・イレギュラーズはこの状況を理解できず口々に動揺の声を漏らすが、ふと誰かが視界を向けたその先に、小さな黒点が生み出されたのに気付くだろうか。
『死ィィィィィ……』
不吉な音を伴って黒点が揺れる。
吐き出された『それ』は明らかに黒点よりも大きな影で、しかし人型というにはどうにも歪な、寸胴の土塊のような姿をしていた。
●
『眠りの世界』。それはアンテローゼ大聖堂から大樹ファルカウに近付く辺りを包み込む猛吹雪に触れる事で侵入することの出来る異空間の総称である。
誰かの夢か、己の夢か。境界は定かでないにしろ、それが『夢の世界』特有の非日常性を伴い、宛ら『致死性の高いヘイムダリオン』のようなものと錯覚させる。
……そして、この世界に現れた黒い渦から揺らめく重々しい死の気配を、武器商人はとりわけ強く感じ取っていた。
周囲の仲間を見る。己を認識する。――成程、これは今まで『失うことを免れた命』の精算のようなものか。多くのケースで失いそびれたものの取り立てを、この世界で行おうというわけか。
徐々に大きくなりつつあるそれの奥にちらついた幻影は、きっと心地よいものとは程遠い。
だが、その『最悪』と向き合わねば夢からは醒められまい。それは一同が、直感的に認識した事実であった。
- <13th retaliation>無謬の死完了
- GM名ふみの
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年05月06日 22時20分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
純白の空間に生まれた、『死』という名のシミは徐々に膨れ上がり、渦を巻き、イレギュラーズ達を飲み込もうと唸り声を上げている。咄嗟に距離を取った一同の前で、それはじわじわと大きさを広げながら影のような、生物ともとれぬものを次々と量産しているのが見えるだろう……あちらはもう臨戦態勢だということか。
「足元覚束無くてソワソワする。こんな場所ささっと抜け出しちゃおうっす!」
「ハ―ー今まで覆してきた死の概念? 何度覆してきたかわかんねえなァ」
「死の歪みに引き寄せられたのなら、泥人形のこの身も生きていると認められたか。……それにしてもこの天津御膳は美味いな。泥・沼・雷の三位一体のコラボに次ぐマリアージュを感じる」
地に足がついている、ということが何より存在証明となる『赤々靴』レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)にとって、すべての実感を削ぎ落とすこの空間は何より違和感の強い場所だろう。そして不快な場所だ。死が歪みとなって襲ってくるという状況は、レッドや『血反吐塗れのプライド』百合草 瑠々(p3p010340)、『泥人形』マッダラー=マッド=マッダラー(p3p008376)達からすれば『何を今更』といった風情があるが、死線を潜り抜け、死という概念を意地と根性、魂を削って覆した『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)や『抱き止める白』グリーフ・ロス(p3p008615)にとってはとんだ言いがかりも甚だしい……かもしれない。
なお、一同揃ってマッダラーが用意した天津御膳に口をつけている姿は冗談めいているが、これはこれで大真面目に死の歪みに対し対抗する手段である……らしい。
「考えるほどに不思議な空間ですが、これも私たちを排除しようという防衛機構と思ってよいでしょうか」
「そりゃあ、そうだろうな。だからってこの環境で『極めて死にやすい』なんて言われるのはこの状況だからだろうが……気持ち、いつもより『死ににくく』なったように思うよ」
グリーフの推察を半ば聞き流すような返答をしつつ、サイズは遠く蠢く死の歪みの影響がほんの僅か、自らに及んでいることをなんとなく感じ取れた。彼が感じ取れると言うなら、翻ってそれは『妖精の仕業』なのかもしれない。邪な、という但し書きがつくが。
「妖精鎌がそう感じてるってことは、他の能力が犠牲になってるのかもねぇ。……我(アタシ)達が揃ってしまうと能力の変化なんて些細なものに思えるよぉ。ねえ、泥人形?」
「俺に聞かれてもな。別に、高い低いを競い合うつもりもないし、奢る心持ちなどないよ」
『闇之雲』武器商人(p3p001107)は、とりわけ『死や敗北の拒絶』を強く憎み、敵意を向けてくるこの空間の特性に興味津々だった。『倒れにくさ』とでも表現できる能力は、この面子からすれば武器商人は一般的な範囲で、マッダラーが不必要なまでに突出している。……が、ローレットの大多数から比するに彼らが『逸般的』であることは語るまでもないだろう。普通だよね? と聞かれてマッダラーが言葉を濁すのも当然だ。
「――ああ、畜生め! こちとら多量のリソースを吐いてまで手に入れた体だってのに、まだ取り立て足りねえってかぁ!? 畜生、畜生め、最悪だ! 考える限り最悪の手合いだよクソがっ! どう考えたってボク単体じゃあ勝ち目がねえ!」
「セレマさん、大荒れですねえ……」
「唐突に巻き込まれた状況で、今まで積み上げた力を否定するようなものが現れれば誰だってそうなります。……恐らく。私はいまいち、よく分かっていませんが」
『性別:美少年』セレマ オード クロウリー(p3p007790)はじわじわと巨大化し、次々と影を生み出す存在の向こうに極めて性悪な『それ』の姿を幻視した。無論、彼を煩わせる魔性のせいではなく、単なる幻覚の一種であるが……付き合いが長いわけでもない『割れぬ鏡』水月・鏡禍(p3p008354)から見れば、その取り乱しようは尋常なものとは思えなかった。畢竟、武器商人にせよマッダラーにせよ、『そうなる』ことに費やした多大なリソースを無駄にされるのは内心、我慢ならぬことがわかる。グリーフはひとつ事に固執していない分自覚はないが、他者が怒りに身を焼かれることは理解できた。
「リソース……ですか。倒れてしまったら彼女を心配させてしまうじゃないですか。そのせいで取り立てが来たっていうなら、受けて立ちますよ」
「死ぬのは望んでるんだ。殺せよ。その概念で覆しようもない永遠の死をな」
「在り方を求めて納得と後悔を繰り返して歩めども、諦めだけは入れ込むつもりは無い。それに、こんな殺風景な空間で戦うのは性に合わん」
瑠々は朱の旗を振り仰ぎ、じわじわと迫り来る死の影へと一歩踏み出し、不敵に笑う。マッダラーの従えた二頭の協奏馬は主人の意図を汲むべく音楽をかき鳴らし、イレギュラーズ達の感情を賦活させようとする。
それ自体に魔力的作用はない。だが、何もかもを受け容れぬ世界よりは遥かにマシだ。
「俺は幻覚だったら『自分が被った臨死の状態』『親しい誰かの死の想定』『ありうる最悪の想定』の三回は経験してるから、今更って話だけど巻き込まれ事故じゃないかなあ、これ」
「やっぱりサイズさんもそこそこいい経験してるんだと思うっす。だから誘い込まれたんであって巻き込み事故と呼ぶのはちょっと違うと思うっす」
「……それ言っちゃう?」
●
「忌々しいけどボク一人じゃどうにもならねえ! 足並み乱すなよ!」
「それはもう。しぶといだけじゃないってところを見せなきゃですから」
「死なせたい相手ってのは最高だ。いくらでも相手になるぜ!」
セレマの苛立たしげな声は、しかし仲間達に頼ることを躊躇しない正直さがある。鏡禍と瑠々は離れ過ぎぬ程度に散開し、死の影達を引き付ける。無軌道に前進していたそれらは、明確な流れを以て二人へ向かう。
「音の反響が薄いようですから、広さはあるのでしょうね。足場はありますが感触がはっきりせず、視覚的に距離が掴みづらいと……肉体的にも、精神的にも蝕む構造に思えますね」
「視覚的に静かでも、彼らが騒々しいのでは本末転倒だろうに。死をどうにかしたいという感情ばかりが急いた結果、目的と挙動があべこべになっているようだな」
それぞれにゆっくりと動く死の影の間合いに踏み込み、グリーフとマッダラーは互いに近付く敵へと攻撃を仕掛けた。遠間からなら脅威たりうるが、さりとて踏み込めれば傷を負わせることは容易であった。……それに。
(魔力、というか威力そのものが上がっている……? 傷はいつもどおり浅い様ですが、相手の攻め手もいつも以上に『見える』気が……)
(死にやすさ、死ににくさは良くわからん。力が増しているようにも思えない……だが、急所がよく見える、ように感じるな)
其々が、いつもの攻撃よりも強力なものを放っている実感があった。ベクトルは真逆なれど、死の影を排する結果は共通している。どころか、グリーフは回避能力すらも上がっている実感つきだ。
「セイヤッ! 光あれー! もう一発、セイヤッ! ……おおおおお! 凄いっす! いつもより魔力が減らないっす! っていうかどんどん攻撃できるっす!」
「十分近づけば魔砲も有効なんだったな! どんどん叩き込んでいくぞ!」
(妖精鎌の攻撃力は兎も角、赤靴の追撃能力は一線級だった筈だけどねえ……そこが上がってるってことは、死ににくいという状況に反目したがってる、と)
武器商人は仲間達の攻撃を観察しつつ、自己強化を己に施し身構える。レッドが二度の神気閃光を放つことは珍しいことでもない。サイズの攻撃に目立った変化はないが、されど全体的に動きがいいのは明らかで……どちらにせよ、常に『死ににくさ』を追求する者達(サイズを除く)のリソースが攻撃に振り分けられたことで、結果的に死の影を排除する一助となっているわけか。皮肉極まる。
「師匠! ウチらでお膳立ては済ませたから格好いいところを見せてくれよ!」
「瑠々、もうちょっと言い方があると思うんだけどねぇ。……でも弟子にせがまれてやらないとはいかないね。ところで……冥界と水辺は深い関わりがあるのは常識だから、死がわざわざやって来たなら『ここは当然』水辺だね?」
「泥人形が景気よく戦えている状況なのだ、ここに雷でも降りれば完全だ。泥沼のような覚束ない足場で水場じゃない、では不協和音も甚だしいな!」
敵を引きつけた瑠々に焚きつけられるような口ぶりに、武器商人はくすりと笑う。マッダラー共々無理やりがすぎるこじつけを訥々と語る姿は滑稽にすら映るが、『それすら詠唱だったらどうか』。
次の瞬間まき起こった大波は、武器商人の言葉を反映するかのような質量の暴力で死の影を洗い流していく。真っ白な空間で黒のシミをどう流せというのかは問うまい。
だって、影は溶けて歪みを広げていくじゃないか。
100秒が経過し、3mだった歪みはとうとう直径20m、いやさ30mを超えたところだ。離れようと思えばいくらでも距離を取れるが……潮時だ。
「調子良く戦ってるところ悪いが、魔力が足りないんじゃ話にならねえよな! 回復してやるから集まれ! そして……突っ込みたいヤツから突っ込めばいいだろ!」
セレマは神気閃光をばら撒きつつ後退し、仲間達の魔力量を推察。盾として立ちはだかる者達の状況に空寒いものを覚えた。死ににくさを犠牲に賦活された魔力量を持つ者だろうが、削り取られれば意味はなし。……なるほど、体力が減らないうちに気付けばジリ貧を狙うか。嫌らしい奴らだ。
「あぁ! 目の前で大事な資産のぱんつが破かれてくっす!?」
「……俺も行こう」
レッドは眼前で大事な物が失われていく幻覚に目を剥いた。それ以上に大事なものが消えていく状況にも。サイズはとっくに、大事なものが自分に牙を剥く幻覚を見続けている。心が擦り切れる前に、あれを切り裂き克服したい。じくじくと痛む心を解放したい、そう願った。
●
「妖精に作られた武器が幻覚に惑わされるなんて冗談があるわけない。それに、彼女がいるなら俺よりここにふさわしかったはずだ」
サイズは『自身』を握り、思い切りよく幽体の少女へ振り下ろす。幽体であるという真実に、幻覚という嘘。そして、死ぬならそれは大嘘なのだ。彼女は死なない。既に死んだ者なのだから。何度も何度も振り下ろす鎌は、彼女をずっと見ていた。だからこそ、自らの『内側から』突き立てられた刃の意味に気付くのに時間がかかった。それで倒れなかったのは、歪みが生んだ『死ににくさ』の弊害か。
「幻影……そりゃあボク自身っすか? それとも誰かっすか?」
レッドの目の前には、自分と瓜二つの存在、そして密かに想う相手の姿があった。どちらを大事に思っているのだろう。何を大事と規定しているのだろう。多すぎる、とレッドは感じた。だから、真っ先に自身を撃つ。日和った覚えはない。青い髪の青年を撃つ。……違う。そして、そこに残されたのは……赤く輝く靴。『ボク』だ、とレッドは理解した。
「待たせる気はなかったっす。大事なものが増えすぎたっすよ」
「瑠々さん、影をよろしくお願いします」
鏡禍はそう告げると、死の歪みの射程へと踏み込んだ。たった一歩の距離。踏み込んだだけで悪意の奔流に巻き込まれ、そこに愛しい相手の姿。赤い髪の、自信満々の面差しの相手が。
鏡の持ち手を相手に向けた鏡禍の表情はどこまでも鬱々としている。だがやらねば、と浅い呼吸を繰り返し、しかし躊躇せずに突き立てる。取手を横に、肋骨を過るように。
「っ……はは、はははは……!」
笑う。血塗れになっても、倒れていないと自らに言い聞かせ。
彼は愛しき相手の死を掻き抱くように、奪われ転化した生き汚さをただ力に変えて影を振り払いながら、戻るべく。
「大丈夫。これは幻。あの人ではありません」
次に踏み込んだ、というより拡大した歪みに巻き込まれたグリーフは、眼前に聳えるマナの木を真っ直ぐに見た。今あるうえで大事なもの。振り切った過去ではなくただ今あるもの。
そして、大事であるがゆえに結びつきを感じない幻覚に、グリーフが躊躇いを覚えることはない。構えた盾で木を押しつぶそうとし、しかしそれを庇うように落下してきた『それ』に手を止めた。
それは幼子。自分そっくりの幻覚。宙に浮いた幻覚は、しかし叶わぬ願いのあらわれだとするならば。
暫しの沈黙、躊躇。削り取られる正気は、しかし最後の一片でその赤子ごと木を打ち砕くことを選択した。自分の悪夢なのだから、自分で決着せねばならないのだから。
「ああクソ、そうだろうよ! 自分(おまえ)がここにいるだろうよ! ボクにだけ見える幻覚で最高だったよ……そして最悪だ!」
自らの頬を抑え、セレマは眼前の老いさらばえた姿を見た。みずみずしい肌から水気が僅かに飛んだように想うが、死を克服した自分から『取り立てても戻りはしない』。だとしたら、感覚は間違いなく偽りだ。
だとしても、やはり目の前の姿もまた自分自身。切り捨てようとして心の奥に残された虞そのもの。
「死は恐ろしい、だが恐怖に屈することは死ぬよりも屈辱だ……! 死風情が! ボクに意見するな!」
価値の無い自分はいらない。それは、ローレットのイレギュラーズとして用をなさない自分もそう。だったら死とか命如きの恐怖、美少年でなくなることより怖い筈がないだろうが!
(殺してるのに死なない、死のうとしてるのに死ねない。戦ってるのに――終わらない、戦えない)
瑠々は旗を振り、敵を薙ぎ払い、次から次へと押し寄せる敵を押し返す。だが、終わらない死と戦いは次第に穏やかな空気でその頬を撫で付ける。停滞と安寧。そんな者は求めてないのに。
だから、彼女の眼前に現れた穏やかな顔をした瑠々(にせもの)は、ここでやめてもいいとささやきかけるのだ。
クソほどに気に入らない提案を、気に入らない相手がする。ウチは今日のウチではなく、より死に近づきよりそれを克服した自分がみたいのだ。停滞するなら一人(かこ)でやれ。
「……じゃあな。最も大切な存在とやら。ウチは死ぬ為に生きるんだ」
「全く、忌々しい。"誰の許しを得てその姿を取っている"?」
武器商人にとっての大切なものなど、誰が語るまでもない。
そして、それが武器商人の躊躇を誘う筈がない。何度も何度も近寄る不届き者の手を払い殺し切り、番と紡いできた日々を冒涜するなら、それを殺すことに躊躇いがあるわけがない。
だから、突き出した手はつまらないものを引き当てるように彼だった影を握りつぶす。端的であるほどに、想いは強いとばかりにだ。
(そうなるのだろうと思っていた)
マッダラーは目の前で自分を誘う仲間達の姿を見た。常に失敗と成功との間でしか生きれぬ流派の師弟、狂気じみた宗教家の顔をした、誰より純朴な少女。異形の頭をしておきながら、まともな生き方をする(少し歪んでしまった)者、言葉こそ乱丁文を読むような口ぶりでありながらその心は一遍の流行歌のような美しさを伴う、異形頭の狂人。
誰もが自分という物語を紡ぐ楽器のようなもので。
それを欠くなどとんでもないのだ。
だが、納得しても後悔しても、諦めで足を止めることはない。そんな変わり者の一人なのだから、自分も。
白一色の風景は、白と緑のコントラストにまみれた吹雪に切り替わる。
だが、吹雪はやがてその場だけでも、徐々に弱まっていくように思えた。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
なんかごめん。
GMコメント
もういっそ特定の性質を持つ面々を集めて「アッふみのGMってこういうのに弱いんでしたっけ?」みたいなことを言えないまでにアレしてコレすればいいんじゃないかって思ったので優先がこうなりました。悪いが地獄に付き合ってもらうぞ。
●成功条件
『死の歪み』の克服
●失敗条件
過半数が克服できないまま20ターンが経過する
●『死の歪み』(初期:半径3m、以後拡大)
夢の世界に引き込まれたイレギュラーズの性質を反映した結果として、これまで数多に覆された死や挫折の概念が大きな歪みを形成したもの。形状は小さい黒点だが、次第に大きくなっていき最終的には空間全体を飲み込むまでになります。
これに飲み込まれても即座に重傷を負ったりパンドラを消費することはありませんが、近づくほど『歪み』に引きずり込まれ、自身の能力が意図しない形に変質していきます。
それらは見方によれば優位に働きますが、大体の場合不利に働きます(一例:特定のステータス値が極めて高い→他のステータスや【〇〇n】のn値に置き換えられるなど)。
また、絶えず『死の影』を排出し、これが多いほど影響範囲が広がっていく為、これらの処理もある程度は必要となってきます。
死の歪みの影響が大きくなればなるほど、『自分が被った臨死の状態』『親しい誰かの死の想定』『ありうる最悪の想定』などが幻覚となって現れ、【不吉系列】相当のBSを帯びた状態となります(『相当』のため無効化されません)。また、幻覚は目の前で起きながらも『本人にのみ確かな手触りがあります』。
克服するためには、早期に死の歪みに接近して幻覚に現れた『最も大事な相手(自分か、誰か)』を己の手で命を断つこと。ここで怖気づいて躊躇する時間が長かったり、『一番』ではないものを日和って殺すなどした場合、(シナリオ内でのみ)不可逆なダメージを負います。
とはいえ、全員突っ込んでいって割り切って殺ろうとすれば精神的負荷やステータスの歪みから重篤な結果が誘発される恐れがありますのでお勧めできません。
あと、後半まで待って手を下した方が『克服』によって死の歪みに与えられる負荷が大きくなり、『死の影』の排出量を制限できたりします。
●死の影×無尽蔵(初期数5、以後毎ターンランダム5~15。前述の『死の歪み』に対する負荷で変動)
今まで覆された数多の死の概念が影として産み落とされたもの。神至単の通常攻撃に【Mアタック大】を伴う。
機動が極めて低く、ゆっくりとしか近付いてきませんが、レンジ3以上の攻撃に対し極めて強い耐性を持っています。HPはそこまで高くないです。
『死の歪み』の範囲拡大ペースに影響を与えるため、早めに倒したいところですが、掃討範囲まで近付くと『死の歪み』の影響を受けやすくなります。
●フィールド
真っ白い空間。周囲は限りなく広く感じるが、同じくらい『死の歪み』は拡大していくため広さに大きな意味はないとみてよい。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
Tweet