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シナリオ詳細

<Sprechchor al fine>最後に、暖かければ

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 ――男は雪の中で立っている。
 雪は黒く、大地を覆っている。岩の上にも降り落ちて凍り付いている。男が一歩戯れに踏み出すと、さくり、と凍った雪が砕ける音がした。
 正味、彼は――朝時は、シュプレヒコールの目的にしか興味はなかった。
 自分に託されたヴィジャ盤の欠片にも興味はなかった。だからイレギュラーズにくれてやった。
 どうせなら最後まで食らい付いてきて欲しいと、其れだけを思った。
 どんなに寒い冬でも、どんなに冷たい雪に手足を焼かれても、最後に暖かければ其れで良い。
 ――シュプレヒコールの目的は、成就しないだろう。
 間も無くこのノウェル領へと彼らは雪崩れ込んでくる。そうしてきっと、立ちはだかる誰もを打ち破り、平和を取り戻すのだろう。

 俺は、託せるだろうか。

 目を閉じる。周囲を蠢くのは、肉の塊たち。まるで其れ等といがみ合うように、式神が己の周囲にいる。託された肉の塊は、シュプレヒコールなりの警告なのかもしれない。いや、……警告なんてしてくれるほど“親身な”男ではないか。彼もきっと、朝時の動向には興味がない。俺という病人が何をどう成すのか、興味があるのはきっと其れだけだ。
 そうだ。俺達は、やりたい事をやるだけだ。
 ……俺は何をやりたいのだろう。シュプレヒコールに味方したいのか? 其れとも、弟の行く先を見たいのか?
 判らない。この戦いで、其れを見極めるのも良いかもしれない。
「……まあ、見極められる頃には」
 俺という雪はきっと溶けているだろうがね。



「みんなが集めたヴィジャ盤の欠片とダウジングストーンで、シュプレヒコールが恐らく潜んでいるだろう場所が特定できた」
 グレモリー・グレモリー(p3n000074)は幻想の大地図を取り出し、其の隅にすらりとマルを画いた。
「領主は“アルフラド・ノウェル”。恐らくこのノウェル領にシュプレヒコールと仲間たちは潜んでいる。けれど、調査隊の報告は芳しくない。“霧が立ち込めていて領地の場所が掴めない”とか“仲間が忽然と消えた”とか、そういう良くない情報ばかりでね。――でも、君たちはヴィジャ盤を持ってる。君たちならノウェル領の位置を特定し、突撃する事が出来るだろう。今回この部隊に依頼したいのは、――“鵜来巣朝時”の撃破だ」
 前回取り逃した魔種だね。
 グレモリーは周囲を見回す。
「……兄貴の目的は、何なんでしょう」
 鵜来巣 冥夜(p3p008218)が呟く。
「あの動向は、まるでシュプレヒコールを――」
「……其れでも」
 グレモリーは真っ直ぐに、冥夜を見た。
「其れでも彼は魔種だ。魔種が元に戻った例はない。知っているよね、冥夜」
「……知っていますよ。ただ、シュプレヒコール側が一枚岩でないかもしれないと言いたいだけです」
「そう。なら良いんだ。……ただ、前みたいに君が突撃するには、今回は少し難しいかもしれない。今回は町中で、肉腫だとかの情報も上がっている。恐らく朝時の傍にも式神以外の何かがいるだろうね」
 グレモリーはひりついた空気にも構わず、ノウェル領――地図の上でもそこそこ広そうだ――を見下ろした。
 朝時はこの何処かにいる。寒さを辿ればきっと、出会える。
 出会えば――きっと最後の戦いが始まる。

GMコメント

 こんにちは、奇古譚です。
 ふみのGM主催の<Sprechchor al fine>の一篇です。
 他にもすごいシナリオがあるので、見てみて下さいね。
 今回も割と心情寄りのシナリオになります。

●目標
 「黒雪法師・鵜来巣朝時」を今度こそ撃破せよ

●立地
 幻想内、ノウェル領主邸宅の庭です。其の場だけ黒い雪が降り続いています。
 周囲には式神が、庭には肉腫が跋扈していますが、寒さのせいか動きは余り早くありません。
 そして、朝時は何かを待っているようです。

●エネミー
 魔種「鵜来巣 朝時」x1
 雪の式神x3~無数
 純正肉腫xたくさん

 雪と氷を操るレガシーゼロの陰陽師「鵜来巣朝時」が相手です。
 彼は己に解除不可の凍結系列BSを課しており、機動力が低い代わりに中距離から大威力の神秘技で攻撃してきます。
 また、攻撃を受ける度体内の冷気が周囲に満ちて、氷に関連する技に【復讐150】【凍結】が付きます。(【凍結】BSは解除しなければターン経過で上位のBSに置換されます)

 最初に既に3体、氷と雪で造られた人型の式神を召喚した状態で戦闘開始です。
 式神は朝時の護衛を第一に行動しますが、氷の棘を飛ばしたりするなど中~遠距離攻撃型です。
 また、朝時は1ターンに式神を生み出すか攻撃をするかどちらかを選びます。ほっとくと式神でえらいことになります。
 更に肉腫も朝時を護っています。彼らは全て純正肉腫で、元の姿に戻すなどの必要はありません。また、寒さのせいで彼らも機動力は低めです。
 兎に角敵の数が多いです。対多の対策が必要になります。


●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。


 此処まで読んで下さりありがとうございました。
 アドリブが多くなる傾向にあります。
 NGの方は明記して頂ければ、プレイング通りに描写致します。
 では、いってらっしゃい。

  • <Sprechchor al fine>最後に、暖かければ完了
  • GM名奇古譚
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2022年03月13日 23時05分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

武器商人(p3p001107)
闇之雲
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
ルチア・アフラニア(p3p006865)
決死行の立役者
エル・エ・ルーエ(p3p008216)
繰切の友人
鵜来巣 冥夜(p3p008218)
カチコミリーダー
水月・鏡禍(p3p008354)
守護者
ヴェルグリーズ(p3p008566)
桜舞の暉剣
グリーフ・ロス(p3p008615)
紅矢の守護者
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
サルヴェナーズ・ザラスシュティ(p3p009720)
砂漠の蛇

リプレイ


 どんなに冷たくても。
 どんなに寒くても。
 身を切るような痛みに晒されても。
 ――最後に暖かければ、其れで良いのさ。



 ノウェル領は地獄の様相であった。
 肉腫が這いまわり、良く判らない影が屋根の上で笑っている。
 あちこちで黒煙があがり、悲鳴が聞こえてくる。
 名ばかりの領主――どころか、アルフラド・ノウェルという人間は実在しないのかもしれない。
 だが、彼らを助ける余裕は『冷めない熱』鵜来巣 冥夜(p3p008218)たちにはない。少なくともノウェル領の屋敷の傍に、兄は、朝時はいるのだ。魔種である朝時を討伐しなければならない。決着をつけねばならない。其れだけが確かな事実。街の肉腫を撃破する役割を持つものがいると信じて、彼らは走るしかない。
 『ふゆのこころ』エル・エ・ルーエ(p3p008216)が2羽の小鳥を呼ぶ。番う2羽はひゅるりと寒空を飛んで、降り始めた黒い雪の中でエルと視界を共有する。
 エルが屋敷までの案内をしている間に、雪が振り始めていた。色は黒。柔らかく屋根に芝に降り積もり、彼の人が近いという事を一堂に教えていた。『闇之雲』武器商人(p3p001107)は其れを踏み躙り進む。
「不思議」
 『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)が黒い雪を手に受けながら呟く。
「……以前より、暖かい気がします」
「へえ、そうかい?」
「いえ、……私達が、慣れてしまっただけかも」
 武器商人の相槌に、フルールは静かに頭を振る。相対した黒い雪の温度を知って、慣れてしまっただけかもしれないと。
「黒い雪……聞くと見るでは全然違いますね。本当に、黒い」
 『「Concordia」船長』ルチア・アフラニア(p3p006865)が岩に降り積もる其れを横目に見た。そうして、言葉を発した自分の息が白く濁っている事に気付く。
 ――気温が急激に下がっていた。
 少し暖かかったのが、冬に逆戻りしたかのようだ。『鏡に浮かぶ』水月・鏡禍(p3p008354)は空を見上げる。白い雪雲から黒い雪が降る様は余りにちぐはぐで、いっそ神聖でもあった。
「前回は不覚を取ったからね」
 汚名返上といこう。そう、『全てを断つ剣』ヴェルグリーズ(p3p008566)は呟く。けれどせめて、彼の事を覚えていてくれる人の手で終わらせられたら。
 
 ――反転とは、どういうものなのだろう。
 雪の中に立つシルエットを見ながら、『抱き止める白』グリーフ・ロス(p3p008615)は思う。本質に記憶、認識まで変わってしまう者もいる。けれど朝時は恐らく、“変わっていない”方だ。
 ならば彼の望みは。『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)は魔術のカンタービレを奏でながら思案する。きっと、冥夜に越えて貰いたいのではないか。ほかならぬ己の弟に。

「ああ、きたか」

 件の人は、軽い調子でそう言った。

 『砂漠の蛇』サルヴェナーズ・ザラスシュティ(p3p009720)は魔眼を解放する。眼帯を外し、美しい緑色の瞳を露にすれば――周囲の肉腫達がぞわりとおののく。まるで大蛇のように彼らの目には映っているのだろう。
「さて……がおー、とでも言った方が宜しいでしょうか」

「なあ、ジャリガキ」
 ところで、冥夜の隣には一人の男がいた。其れは彼の使い魔ではない。
 黒いスーツに身を纏った、見目50代の男だ。舐めていたロリポップを片手に持つと、ぎろりと冥夜を睨む。
「俺は兄弟喧嘩の御守りに呼ばれたってのか? お前が溜めてきた金は兄貴にゴメンナサイを言わせる為かぁ?」
「――そうです。叔父上、此処には肉腫が多すぎる。何人かが引き付けてくれてはいますが、其れでも兄上に届くかは怪しいでしょう。これまで金を稼いできたのは――兵装の開発の為じゃない。貴方を雇うためだ」
「へえ。で? 依頼の内容は?」
「……失礼を承知で依頼します。兄上との“兄弟喧嘩”が終わるまで―― 一部だけでも奴らを引き付けて頂けないでしょうか」
 『黒雷帝王』――鵜来巣 夕雅はロリポップを咥え直すと、思案するように其の持ち手を上下させて……仕方ねえ、と呟いた。
「依頼は依頼だ。其の内容で請け負おう。だがジャリガキ、クソガキどもの喧嘩にまで俺を駆り出すような真似はするなよぉ」
「ありがとうございます」
 夕雅は後方に位置していた仲間を呼ぶと、肉腫へとまさに雷のように向かっていく。途中で朝時とすれ違ったが、両者は何も言わないままだった。最早話す事はない。そういう事なのかもしれない。
「――叔父上。貴方と武器商人様が、兄上を失った俺に戦い方と生き方を教えてくれた」
 当の武器商人は、笑みを浮かべて肩を竦める。
「大切な師匠、お二人の前で俺は兄打倒を誓う! 兄上! 俺は己が名の通り、冥府をも平らげる夜へと成長した事を、貴方で証明する!」
「……大きくなったな、冥夜。だが今度は前回のようにはいかないぞ。何分、オマエが叔父貴に任せた肉腫達(ヤツら)は俺の言う事を聞かない」

 勝手気ままに遊んでるだけだからな。まあ、相手してやってくれ。

 朝時が笑う。黒い雪が降っている。
 鏡禍が肉腫と式神の注意を引く。紙のような氷のような不思議な成り立ちの式神が、鏡禍に氷棘の手を振り下ろす。冷たさがまさに身を裂くようだが、鏡禍は耐える。絶対に倒れる訳にはいかない。護ると言ったのだ。だから護る。密かに想いを寄せる彼女に心配をかけるわけにもいかないから。
 一方、サルヴェナーズも肉腫を引き付けていた。肉腫には、彼女が大蛇のような化け物に見えている。攻撃を受ければ、見えぬ棘で反撃を。ささやかに相手の体力を削りながら、サルヴェナーズはじりじりと後退する。攻撃を恐れている訳ではなく、引き付けている肉腫と朝時の距離を離しておくためだ。

 ――妙ですね。

 サルヴェナーズは、内心で首を傾げる。
 もし自分たちが敗北し、朝時が邸宅を守り切ったとしても、戦いの趨勢に影響を及ぼすとはとても思えない。別の誰かが邸宅に入り込み、直接シュプレヒコールを叩くだろうから。彼を護る意図があるのならば邸宅内で待ち構えたほうが圧倒的に良い筈なのだ。
 それが邸宅の外、こんな外れた庭のような場所に朝時はいる。シュプレヒコールを守る気がない、と取られても仕方がないし、さっき彼は“肉腫は言う事を聞かない”と言っていた。彼はシュプレヒコールと友好的な関係ではないのだろうか?
 まるで、……誰かを待っているような。
 待っていたとしたら、其れは。サルヴェナーズは視線を向けず、この戦いに全てを懸けた彼を脳裏に浮かべ――どろり、と足元から湧き出でた泥から蛇や蠍、羽虫といった災いを呼び出して、肉腫へとけしかけた。
 其れは疫病である。其れは致死へと誘う毒である。羽虫に、蠍に蛇に纏わりつかれ、肉腫は苦しみに悶える。


 キミの誓いを見届けよう、セパード。猟犬になれず、けれども必死に牙を磨き続けた牧羊犬よ。
 兄を殺す術を得たキミに、兄を殺すための道を拓こう。
 武器商人は一気に朝時に肉薄し、其の行動を抑え込む。同時にグリーフも接敵、二人がかりで朝時の式神を抑えにかかる。
「やァ、ちょいと歓談でもしようじゃあないか、鵜来巣の旦那」
「へえ? 何か面白い話をしてくれるのかい」
「そうだね。愛らしい我(アタシ)のセパードの事でも」
 キミを倒したくて我(アタシ)に未来を差し出したんだから、なんとも健気な話だよねぇ?
 武器商人が思わせぶりにそう言うと、朝時の表情が変わった。笑みから、片眉を上げて訝しそうな其れに。
「――何だって?」
「さぁ、どういう事だと思う?」
 戯れる。戯れているのは、或いは武器商人の方なのかもしれない。
 朝時は二人がかりで進路を塞がれ、苦い顔をする。
「冥夜がオマエに、未来を差し出したと?」
「そうだよ。外ならぬキミの為に。キミを眠らせる為に。セパードは差し出したのさ」
 距離を取ろうとする。許さない、と武器商人とグリーフが追う。其れはまるで、獲物と猟犬のやりとりに似ている。
 此処からでは近すぎる。己の攻撃範囲に入らない。式神を呼ぼうにも、グリーフの力で呼べない。――だが。
 ずろり。
 そんな音がしたような気がした。朝時の真後ろに虚空から肉の塊のような肉腫が生まれ出でて、武器商人を鋭い爪で狙う。


「ふっ……!」
 吐息一つ。肉腫をなます切りにしたのはヴェルグリーズだった。
 新たに生まれたものごと切り裂かれた肉腫たちは、ごろごろと黒雪積もる大地に落ちて悶え、やがて動かなくなった。

 ――……彼と冥夜殿の間に何があったか知らないけれど。

 再び剣を構え、サルヴェナーズと鏡禍が引き離してくれている肉腫と式神を狙って再び突っ込む。
 彼らの間に何があったのか。彼らがこれまでどう生きてきたのか、ヴェルグリーズは知らない。知らないけれど、冥夜の事なら知っている。そして朝時が魔種だという事を知っている。其れだけで十分だとヴェルグリーズは思う。
 魔種は討たなければならない。冥夜の為にも、世界の為にも。其れは以前言われた“罪のなすり付け”なのかもしれないが、少なくとも、ヴェルグリーズ自身が朝時を許せないのかというとそうではない。彼がもし魔種でなかったら、きっと良い友人になれただろう。だけれども、そうはならなかった。
 ならなかったのなら、“そう”するのみだ。ヴェルグリーズはとっくに割り切っていた。せめて彼の事を覚えていてくれる人の手で終わらせる、其れが一番だと思うけれども。どの道、鵜来巣朝時という魔種の運命は此処で断たねばならない。
 鵜来巣の縁者、鏡禍、そしてサルヴェナーズ。三者が肉腫を押さえてくれているお陰で、ヴェルグリーズたちの立ち回りも大分想定より楽になっている。
 負った傷はルチアが癒してくれている。彼女の方を振り返った時だった。
「――ルチア殿!」
 彼女の後ろに、肉腫がいた。


 冬きたりなば、春とおからじ。ボレアースの吐息がどれだけ冷たく、凍てつくものであろうとも、いつかはゼピュロスが運ぶ西風によって全ては溶けて暖かになる。
 けれども、今来たれる冬は雪解けを待つものではない。ルチアは癒しを紡ぎながら思う。春風を吹かせようとする意志がなければ、この冬は明けない。此処に居る者たちで、春を呼ぶ。そしてルチアも其の一助になりたいと思って、この任務を受けたのだ。
 ルチアは特にサルヴェナーズと鏡禍の体力を観察しながら、癒しを紡いでいた。時に歌い、時に紡ぎ、そうして凍てつくような寒さを剥がしとりながら、最後方にいた。
 ――だから、気付かなかった。
「ルチア殿!」
 ヴェルグリーズの叫びを聞いて、彼の顔を見る。其の視線を追って、後ろを見れば……宙から転がり出るように、肉の塊が現れた。
 其れが肉腫だと判断するのに、一瞬。まだ冬の寒さを知らぬ肉の塊が、鋭い爪をたたえた細い腕を振りかぶるのに、一瞬。そして――
「……ッ!」
 防御の準備はしてある。傷付く覚悟をルチアが固めた其の一瞬、何かが閃いて落ちた。びくり、と肉の塊が痙攣して、其の腕を落とす。ルチアに届く前の出来事だった。
 何事か、とルチアが目を開いてみると、其処には長い何かを胴体に突き刺されてひくつく肉腫がいた。これは……投げ槍だろうか。
 投げ槍を得意とする人物を、ルチアは知っている。しかし、……そんな莫迦な。彼が此処にいる筈はない。彼はソワソン管区の戦いで……
「……っ、大丈夫!」
 其れを考えている暇はない。もしこの投げ槍の主が“父”だったとしても、きっと今のルチアとは顔を合わせてくれないだろうし、姿を見せる事もないだろう。
 何が目的かは判らないが、ルチアはこの不思議な援軍に感謝する事にした。彼の本意でなくとも、助けられたのだ。感謝代わりに一度十字を切って、ルチアは再び仲間への癒しを紡ぐ。


 朝時が何かを解き放つように、氷の波動を武器商人とグリーフに浴びせる。
 二人は其れを受けて僅かに後退り、けれども、と悪夢に朝時を誘う。
 グリーフは、反転というものを良く判っていない。自分も秘宝種であるから、悪夢からの黒い呼び声を聞く日が来るのかもしれないが、想像するしか出来ない。
 朝時は恐らく、殆ど何も変わらずに反転してしまったのだろう。そう、グリーフは想像する。冥夜が変わらず彼を“兄上”と呼ぶように、彼も変わらず“冥夜”と返し続けているからだ。
 そして前回の戦いで、冥夜がコアの場所を叫び、仲間に共有した時――彼は突然退いた。まるで、弟以外に討たれるのを嫌がるかのように。
 彼は何を為したいのか。或いは残して託したいのか。グリーフには想像は出来ても共感は出来ないだろう。だってグリーフは、まだ生きたいと願っているから。
 ――けれどただ一つ言えるのは。其処に“鵜来巣冥夜”というピースがないという事態だけはあってはならないという事だ。

 “罪のなすり付け”。

 以前、朝時はそう言った。お前達が許せない、の間違いじゃないのかと。
 そうかもしれない。グリーフは盲目的に“魔種は相容れない存在”だと認識し、そういう風に接してきた。だって其れが混沌における理だから。其の立ち位置はきっと間違っていないと今でもグリーフは少しだけ思う。
 けれども。個人としてはどうだろう? グリーフ・ロス個人が魔種を憎んでいるのか、と聞かれれば――いいえ、とグリーフは答えるかもしれない。其れこそまさに“人による”のかも知れない。
 では、朝時にとってはどうなのだろう。
 私たち“パンドラを抱く者”を、貴方はどう思っているのですか?
 貴方のいう罪とは何なのですか?
 ――貴方が護りたいものは、貴方にとっての世界とは、何なのですか?


 フルールの閃光が、式神をどろりと溶かす。
 肉腫は殺しきれないけれど、体力を削ることくらいは出来るでしょう。何故此処に居るのかしら。監視のためかしら。複製から純化したものではなく、始めから純正だったのかしら。
「ねえ、可哀想な貴方達。滅びを願い、尽くす事しか出来ず、其の反対側にいる生命(わたしたち)をただただ憎悪する貴方。ねえ、貴方は今何を思っているのかしら」
 きっと私が口にしたとおり、憎悪しているのでしょうね。あの目玉のおにーさんもそうだったもの。そういう生まれなのだもの。私達が絡繰を増やしていくように、貴方たちは滅びを増やす。そういうコトワリなのでしょう。可哀想、可哀想。
 フリーの式神はもういないみたいだから、一体ずつ肉腫を倒していきましょう。見て、この紅蓮の輝きを。これが今から貴方たちを、磨り潰して轢き潰すの。端から行こうかしら。真ん中から行こうかしら? 端から少しずつ磨り潰すと、音にならない悲鳴のようなものを感じた。ああ、可哀想。これはきっと恨み言。私達を憎み、世界を憎む声。
 ――魔種は……本当に滅ばなければいけない存在なのかしら?
 なりたくてなった訳でもないのに。勿論、なりたくてなった人もいるでしょうけど。肉腫だってそうだわ。必死に生きている生命である事に変わりはない。ただちょっと、生まれ方が歪だっただけ。じゃあこれは、命と命のぶつかり合いなのかしら。其れは自然淘汰ね? 生命の理で、昔から生命に仕組まれた争いだわ。
 本当はね? 私だってこうして磨り潰してはいるけれど、人も魔種も肉腫も、争わずにいられたらいいのにって思うのよ。共存できないなら、互いに関わらない世界で生きていけたらいいのにって思うの。魔種や肉腫、アークを抱える彼らは私たちにとっては余りにも残酷で。パンドラを抱く私達は、彼らにとっては許せない対象なのでしょうね。
 本当にみんな可哀想。
 可哀想だから――冥夜おにーさん。今度こそちゃんと、この魔種のおにーさんを、倒し切りましょうね。


 例えばこの黒い雪がそのまま溶けて、土に帰ったら。
 きっと其処は黒で蓋をされてしまって、二度とお花は咲かないんだろうって、エルは思いました。
 だからエルは、朝時さんの黒いものを吹き飛ばします。冬が終わってしまう前に。黒い雪を、今度こそ白い雪に変えるんです。
 エルの白い冬が、肉腫と式神を吹き飛ばす。冬とは恩恵であり、呪いでもある。四季の中で最も人が恐れる季節。けれども、冬がなければ春はなく、春がなければ草木は芽吹かない。世界が世界として循環するために、冬は必要不可欠な季節なのだ。
 人は冬を恐れ、女王だと例える。そうして御伽噺を紡ぐ。例えば少年を攫う女王。例えば自ら城を築く女王。
 人は冬を畏れる。けれども、美しいとも思う。雪は白く、侵し難い純粋さを表す事もある。そう、雪は白くなければ。黒いという事は、きっと、降らせる主にまだ黒いものが残っているのだ。
「……エルは、朝時さんの黒を吹き飛ばします」
 そう。其れは以前にも思った事。黒いものがあるから、きっと黒い雪が降るんだ。其の黒いものを吹き飛ばして、朝時(あのひと)の雪を白く変えてみせるんだ。


 鏡禍は、兄弟の因縁を知らない。
 朝時が魔種で、冥夜はきっと朝時を止めたい。其れだけしか知らない。
 鏡禍は、大切な人を守りたかった。其の為に此処に居る。
 そうして、出来れば――冥夜が決着をつける手伝いを出来たら、と思うのだ。
 引き付けた肉腫が鏡禍を引き裂く。後ろから暖かい光が差して、鏡禍を癒していく。其れは想い人の、ルチアの光。
 ――絶対に倒れない。
 其れが鏡禍の誓いだった。例え小さな奇跡に縋る事になろうとも、絶対に倒れない。だって倒れたら、彼女が心配するから。
 この冬を終わらせるまで、斃れる訳にはいかない。きっと朝時を倒せば、此処も暖かくなる。雪解けが訪れ、暖かい春になる。其の春をみんなで掴むまで、絶対に、誰一人として、此処は通さない。
 其れは冥夜の決意を鏡に映したかのような、鏡禍の決意だった。


 シュプレヒコールは、魔種を治そうとしていた。イズマは其れを知っている。
 けれどもシュプレヒコールは“深入りし過ぎて”魔種を生み出す存在になってしまった。朝時も“世界を救う”力を求めて反転し、魔種となった。
 あらゆるものがうつろいゆく中で、ただ一つだけ変わらないのは。魔種は世界を滅ぼすものである事。特異運命座標は世界を救う者である事。そしてこの両者は戦うしかないという事。其の摂理だけは、誰も変えられていない。
「朝時さん」
 肉腫の数は削れに削れて、もうサルヴェナーズに任せても大丈夫そうなくらいの数になっていた。イズマは狙いを鵜来巣朝時に変える。其れが転じる合図だと、ハイテレパスがなくとも皆に伝わった。
「貴方は平和を望み……魔種の身の限界に気付いたんじゃないかな」
「……」
「だから、待っていた。貴方が積み重ねた願いを託す時を。冥夜さんが貴方を超えるに足る時を」
「……だが、其の時は」
「今が其の時だ! 俺達の可能性に、託して欲しい! 冥夜さんじゃない俺が言うのもおこがましいけど、でも! 俺達は、最後まで諦めない! そうだろう、冥夜さん!」


 単純な話だったんだ。
 とても、単純な話。

 どうあがいても魔種の身では亡ぼすしか出来ないと知った時、……どうすればいいのかと、途方に暮れていた。
 世界を救いたかったのに。平和を手繰り寄せようと手を伸ばしても、掴めるものは血と肉ばかり。戦いばかりの日々に呆れて魔種になっても、結局戦いばかりの日々しか訪れてはくれなかった。
 其処に現れたのが、シュプレヒコールだった。
 彼は自分を病人だと呼んだ。病なら治せる筈だと、彼は朝夕なく研究に没頭した。
 其の様は、似ていたのだ。古語で書かれた書を懸命に読み、陰陽の術を習得しようと没頭する「子ども」だった弟に、よく似ていた。
 重ねたのかもしれない。未来ある弟を、彼に。
 病が治ったら何をしよう。降りしきる雪の中、そんな事を考えるようになっていた。弟に会いに行って、全て治ったと言ったらどんな顔をするだろう? 共に改めて世界平和への道を歩もうと言ったら、どんな表情をするだろう。
 きっと最初は怒って、……最後には、喜んでくれるだろうか。
 そんな事を夢想していた。

 ――けれども。
 気付いてしまった。魔種という病に完治などないという事に、朝時は一足先に気付いてしまった。
 シュプレヒコールは狂っている。其れに気付いてしまったから、全ての歯車は狂ってしまった。

 病が治ったら?
 病などではないのに?

 治す術など、この世には一つもないのに!

 ……イズマの言う通りだった。
 治す術のないこの身ならば、せめて越えて欲しかった。
 そうしてそれが、可愛がった唯一の弟ならばどれだけ良いかと。

「水月の旦那!」
「ああ!」
 武器商人と鏡禍が位置をスイッチする。

「兄上!!」

 冥夜が叫ぶ。
 見ましたか? 迸る黒い雷を。懐かしいでしょう、向こうで戦っている叔父上の技です。我流ではありますが、俺も叔父上の技を扱えるようになったんですよ。

「冥夜」

 吹雪く。黒い雪が乱雑に吹雪いて、竜巻のように巻きあがる。凍り付いた砂利が小さく鋭い刃となって、グリーフと武器商人、そして冥夜を切り刻む。
 ルチアが聖歌を歌う。聖なるかな、聖なるかな。其の旋律は癒しとなって皆を包むけれども、全てを癒し切るという訳にはいかなかった。


「――皆さん! 私が押さえている間に……!?」
「ッらあッ!!」
 サルヴェナーズが抑えていた肉腫を焼き焦がす黒い雷。
 吹き飛び、そのまま動かなくなる肉腫。
 サルヴェナーズが視線を移すと、黒いスーツのあちこちに傷を蓄えた男と、彼に付き従う集団が其処にいた。
「貴方は、確か……」
「鵜来巣夕雅ってモンだ。宜しくなぁ、お嬢チャン。ジャリガキに付き合ってくれてありがとよ。あっちは片付いた。お嬢チャン一人にゃさせねえよぉ」

「砂漠の蛇にも心強い援護がついたようだねぇ。なら、加減する必要もないか」
 鏡禍と位置を替えた武器商人が笑う。彼も決して無傷ではない。無傷ではないが、追い込まれるほど強くなる術を心得ている。まあ、あれさ。追い込まれないと燃えない性質でね。
 “旧き夜”、其の一撃を喰らい朝時がよろめく。氷の棘が武器商人に逆襲を成すが、其れ以前に武器商人にも復讐の手があった。傷だらけになりながら殴り合っていたという訳だ。
 そして冬の寒さは彼には通じない。寒いけれど、其れだけだ。
 ヴェルグリーズが更に斬り込む。一気に三撃、斬りを見舞う。さてはめでたき猪鹿蝶、花札を叩き付ける如く“さっぱり”とした連撃は見事に朝時へと刻まれた。血が飛沫いて、凍る。
「もう、冬は終わりにしましょう。春が来るのですよ」
 もう3月ですからね。
 エルが呼び出した土壁が、どおんと音を立てて四方から朝時を圧し潰す。文字通りの土葬である。しかし其れ等は一瞬にして凍り付き、衝撃波でばらばらと砕け散った。
 其処に鏡禍が畳み掛ける。己の防御を攻撃に転化し、朝時に叩き付ける。至近から喰らって仰け反った朝時だったが、ぐん、と顎を戻して脚に力を入れ、其の場に踏みとどまった。
 ――イズマの間合いである。
 反動を厭わず繰り出す一撃。黒いあぎとが喰らうかのような一撃は朝時を一瞬包み込み、牙で咀嚼して其の姿を消す。ばだばだ、と朝時の身体中から血液が流れ落ち、凍り付いて氷柱のようになった。
 ふわり、あたたかな風が吹く。朝時のマフラーが揺れて其の陰に、
「! コアです!」
 エルが言う。鎖骨の上、冥夜と同じ場所。R.O.Oで照れ臭そうに笑った“朝時”が言った通りの場所に、シャーマナイトのコアがある。

 黄金色の雨が降る。
 兄上、見えますか。これが貴方の黒い雪を溶かし、救うための秘儀です。
 そして俺は今から、貴方を壊します。

 肉腫が静かに、優しく溶けていく。黒い雪はいつしか止んで、あの日の思い出のような、陽光にも似た黄金色が降り注いでいた。

 ――西風が吹く。

「兄上……!」

 しがらみの中で凍える貴方を助けたい。
 行く道が判らない貴方に、手を差し伸べたい。
 貴方は俺の兄上だから。俺に、どんな形ででも道をくれた人だから。
 だから、俺も。貴方に道を教えたい!

 冥夜の手に剣が点る。其れはまさに冥府をも喰らい尽くす牙のような、虚空そのものだった。攻撃にのみ特化した、殺す事にのみ特化した剣。一気に肉薄し、朝時のコアを狙う。

「冥夜」

 朝時は穏やかだった。
 しかし其の手に黒い剣を灯した。其れは恐らく、彼の魔種としての全てだ。得た力全てを剣に注ぎ込み、ああ、知っている。知っているとも。オマエがコアを狙うなら、俺もお前のコアを狙おう。
 冥府への道連れに、なってくれるか?

 ――いいえ、させません。

 刺し違えようとした朝時の前に、グリーフが飛び出した。



 ……ああ。
 俺は、死ぬのか。
 そうか。
 ……不思議だ。気持ちが軽い。
 魔種である身を厭う心だったからか。

「兄上!」

 冥夜。
 オマエには、……いや。
 ……よく、此処まで来たな。

「兄上、俺は……兄上の弟に生まれた事を、幸福に思っています」

 幸福?
 其れは……こっちの方だ。オマエの兄になれた事、俺こそ……
 ……魔種の俺に言われても、不快なだけか?

「いいえ、いいえ……魔種が元に戻った例はない。いつか大好きな兄上を手に掛けなければならない。……その宿命を背負っても余りあるほどのぬくもりを、貴方は、っ、与えてくれたから……!」

 ……泣くなよ。凍るぞ。
 ……ああ。もう、凍らないのか。
 そうか。冬は、終わったんだな……何故だろうな、暖かい……

「兄上、……俺は、貴方を、越えていきます」

 ああ。
 そうしてくれ。そうで、なければ。世界平和は、程遠い、ぞ。
 ……これを、

「……兄上? これは、俺が贈った……」

 ……クチ ナシ の、花。
 これが、いちばん……きれい、……だからな……

 そうだろ、……めいや。


●終幕
「……ったく、ロスの方。キミも無茶するねぇ」
「すみませ……い、痛い、痛いです」
 武器商人がつんつんとグリーフをつつく。幸い咄嗟に飛び出したお陰で、急所ではなく肩を貫かれただけで済んだけれども、傷を癒すには時間がかかりそうだとルチアはおかんむりである。
「でも、朝時さんなら刺し違えようとするかもしれないと思ったんです。そう思ったらいてもたってもいられなくて」
「だからって飛び出す人がいる!? あのね、鎖骨辺りっていうのはどんな種族にだって急所なの!」
「は、はい……」

「……行かれるんですか?」
 サルヴェナーズは、立ち去ろうとする夕雅に声を掛けた。
「ああ。ジャリガキたちの兄弟喧嘩は無事終わったしなぁ」
「貴方も血縁者でしょう。何か挨拶くらい……」
「いぃや。良いんだよ、これで。あいつは兄貴を倒す為に文字通り全てを捧げてきた。俺が今なにをいっても、右から左へってもんだ」
「……そうですか。……助けて下さって、ありがとうございました」
「良いって事よ。お嬢チャンも一人でバケモンと対峙して、立派だったぜぇ」
 それじゃあなぁ。
 手を振り、夕雅たちはノウェル領の街へと降りていく。
 サルヴェナーズは彼らを見送り……其の方にひょい、とフルールが顔を出す。
「ひゃわっ」
「見ーましたよ、見ましたよ。素敵おじさまとお喋りしてましたね? 惚れちゃいました? ロマンスグレーに目覚めちゃいましたか?」
「ちっ違います! 単純に助けて下さったので感謝を!」
「ほほう。では何も思わなかったと?」
「そ、其れは……心強くは思いましたけど、其れだけです!」
「なーんだ」

 ……シュプレヒコールに接触する機会は逃した。
 鵜来巣朝時は彼に始終迎合している訳ではなかったようだ。
『……狂気は、魔種を役者に仕立て上げるには事足りぬ』
『舞台に上げるだけの価値はあるが、其れだけ』
 とある女優はそうメモに書き添えて、そっと姿を消した。
「……?」
 エルが振り返る。
 ヴェルグリーズが其れを見て、どうしたかと声を掛けた。
「エルさん? 何か気になるかい」
「あ、いいえ。何か……知ってる気配を感じた気がしたですけど、気のせいですね」
 エルは向き直り、ふわ、と白い雪を降らせる。
 黒い雪はもうないよ。白い雪が、全てを包み込んで、終わらせてくれるよ。

「……冥夜さん」
 散々武器商人につつかれていたグリーフの視界に、冥夜が入ってきた。其の眼には泣いたような跡があったが、誰も其れをからかう事はしない。
「グリーフさん。ありがとうございました。貴方がいなければ、俺は今頃……」
「いえ、良いんです。いま冥夜さんが無事なら、其れで。……其れに……」
「其れに?」
「きっと朝時さんは、弟さんの命を奪う事は望んでいないんじゃないかって、思って。……単なる予想ですが」
「……そう、かもしれません」
 眼鏡をかけ直しながら、冥夜が微笑む。今は少し力ないけれど、きっとこれからを生きるために、彼はまた日常へ帰る力を取り戻す筈だ。

 誰ともなく、朝時を埋葬しよう、と言い出した。
 コアは砕かれたがボディは残っている。どうせなら暖かい場所、花咲く場所が良いだろう。
 其の場所を見付ける為、冥夜は朝時をおんぶして“持ち帰る”。

 いつか、貴方が俺にしてくれたように。
 美しいものを、暖かいものを、貴方が享受できるように。

 ――兄上、この世界は。
 ―― 一番綺麗ですよ。

成否

成功

MVP

鵜来巣 冥夜(p3p008218)
カチコミリーダー

状態異常

グリーフ・ロス(p3p008615)[重傷]
紅矢の守護者

あとがき

お疲れ様でした。
“鵜来巣朝時”は撃破されました。もう、黒い雪は降りません。
彼が知らず知らず寒さに凍える事ももうありません。
MVPはいつだって兄を想っていた貴方に。
ご参加ありがとうございました。

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