PandoraPartyProject

シナリオ詳細

今年もお世話になります。花粉です

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●今年もお世話になります。花粉です。
 拝啓 梅花の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 日ごろは格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

 さて、早速ながら、本年も花粉の時期がやってまいりました。
 つきましては本月、皆様の御鼻下へと馳せ参じたい次第であります。
 ご多忙の所まことに恐縮ではございますが、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

                                     敬具


「うわああああああ今年も奴らがやってくるぞおおおおおお!!」
 恐怖した。その一報に誰も彼もが恐怖した。
 花粉――それは人々の涙を誘う絶望の象徴。
 毎年大体このぐらいの時期になるとホントに辛い人が多発するんです。マジで。
 その花粉たちが――やってくるという。
 しかもご丁寧に犯行予告まで出して。
「つまり……花粉の化身(精霊?)がやってくるって事なんだね?」
「はい、その為に既に防衛部隊を配置しています!!
 イレギュラーズの皆さんも、その防衛戦に参加してほしいのです!!」
「なんか魔物の大襲撃があるかのような言い草だけど、花粉だよね?」
 花粉だからこそですよ!! 机をブッ叩いてローレットの情報屋ギルオス・ホリス(p3n000016)やイレギュラーズ達に力説するのは、幻想王国の西部、バルツァーレク領に属する騎士の一人である。
 彼の言っている事を簡潔に説明すると――ある地域に時折『花粉の化身』(恐らく精霊か魔物の一種)と目される、巨大な花粉型存在が襲来する事があるのだそうだ。奴らはいつも大群で飛来し、村などを襲ってはその都度に花粉の被害を齎して去っていくという……
 まぁぶっちゃけそれだけと言えばそれだけなのだが、しかし奴らを放っておけばどこへ飛んでいくか分かったものではない……!
 もしかしたら甚大な花粉被害が出るかもしれないのだ。
 花粉に対し嫌な思い出がある者、苦手意識がある者、絶対に滅ぼさなければならないという硬い意志を抱いている者――様々な事情を胸に、騎士達はフル装備で奴らの迎撃態勢を整えていて。
「しかし! これでも尚に足りないかもしれません――
 そこでイレギュラーズの皆さんにもご協力願いたいのです!!」
 奴らは、例えば魔法をぶつければ簡単に倒せる。
 問題は圧倒的物量で襲来してくるという事だけなのだ。
 正直、猫の手も借りたい次第だと――イレギュラーズ達に話せば。
「準備が整いましたら、決戦の地へとお越しください……!
 我々は英雄たる皆さんの到来を心よりお待ちしております……!!」
「なんだかんだ言ってるけど、これ戦うのはあくまでも花粉だよね???」
 見事な敬礼をイレギュラーズにすると同時、足早に去っていく騎士――
 やれやれ、とんだ依頼だが……これでも依頼ならば仕方ないか。
「ローレットは何でも屋だからね。準備をして行くとしようか――ああ今回は僕も手伝うよ。どこまで力になれるか分からないけれど、叩けば倒せる程度の花粉なんてきっと余裕さ! 一緒に頑張ろうね!」
 にこやかな表情を向けるギルオス。
 同時。空を眺めれば穏やかな陽光が降り注いでいた。
 ああ全く本当に――花粉の大群が来るとは思えない程、いい天気だった。

GMコメント

 花粉こわいよおおおおお!!
 と言う訳で以下詳細です!!

●依頼達成条件
 花粉の化身を撃滅せよ!!!!!!!!!!!
 ……というのは目標であって、ぶっちゃけ防衛戦に参加するだけで(防衛線の援護を行うだけで)実質成功です。花粉を殲滅できるかは……ぶっちゃけ分かりません……!

●フィールド
 幻想王国西部の街道付近に防衛線が組まれています。
 もう少ししたら恐るべき花粉の大群が訪れるとの事です……
 時刻は昼。天候は穏やかで、そよ風が吹いています、が。
 なんだか嫌な予感がします。途中から暴風でも吹くかもしれません……

 周囲には廃屋が幾つかあったりします。
 へへ、いざとなれば此処に隠れれば花粉なんてどうとでもなる筈ですよ……!

●絶対に滅すべき敵戦力
・花粉の化身×無数
 花粉です、よろしくお願いします。
 人によっては途轍もない脅威でしょう……巨大な花粉型存在であり、目視できる程にデカイです。また、その周囲には普通の花粉を大量に纏っており接触されただけで目や鼻から涙が止まらないわ大惨事になります。
 え、それだけかって? 馬鹿! それがキツイんでしょ!!!
 滅ぼしてください。
 全力で滅ぼすのです。
 花粉への怒りをその拳に乗せ、奴らを滅ぼすのです――!!

 なお。実は花粉の化身を撃破すると、細かい大量の花粉へと変じますので風向きによっては更に大変な事になります。ぴゃー

●味方戦力
・幻想の騎士達×たくさん
 フル装備の騎士達がたくさんいます。
 剣や槍、弓や魔法使いなどなど。これだけの数がいれば絶対勝てますね!

●ギルオス・ホリス(味方NPC)
 一緒に頑張ります。
 口元に布をマスク代わりに身に着けて、花粉対策としている様です。
 ……これで本当に花粉対策になるかは分かりませんが、まぁ何もないよりはマシでしょう! 多分!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • 今年もお世話になります。花粉です完了
  • GM名茶零四
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2022年02月28日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
アメル・パランズーズ(p3p007069)
生物兵器
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
九重 伽耶(p3p008162)
怪しくない
エルシア・クレンオータ(p3p008209)
自然を想う心
ハリエット(p3p009025)
暖かな記憶
ニル(p3p009185)
なめらかなふともも
カフカ(p3p010280)
ケータリングガード

リプレイ


「花粉を飛ばすのは、植物にとって、とってもとっても大切なことなのですね?
 でも、それでかふんしょーになってしまう……ふむふむ、それは大変なのです……」
 花粉達の襲来を『おかえりを言う為に』ニル(p3p009185)は見据えるものだ。なんでも毎年『かふんしょー』なる病気が流行ってしまうらしい……ニルは初めて知ったのです。あわあわ。
「メガネとか、マスクとかが必須でしょうか? どうでしょう、こんな感じでしょうか?」
「ギルオスさん、私も。こんな感じでいい? 似合ってる?」
「ああいい感じだね二人とも! うん、花粉は大変だからねマスクはしっかりと」
 故にニルはギルオスの恰好を真似する様に準備を整えるものだ。これで大丈夫だろうかと――同様に『今は未だ秘めた想い』ハリエット(p3p009025)もギルオスの服を微かに引っ張り、己の姿も確認してもらう。
 マスク完備だ。どうにも本で読んだが……花粉は植物が命を繋げる為のものらしいが、同時に人間にはアレルギーを齎す大変なものでもあるらしい。故に周囲が殺気立っているのはその為かと。
「フムフム! 皆サンに聞いたところ『かふん』というものはこの時期の悪者なんデスネ! ならばやっつけるが正しいデス! アメル、かふんなんてもの初めて聞いたデス! なので少しワクワクするデスヨ〜! がんばるデス!」
「ふふ。花粉症の経験はないけれど――マスクとゴーグルで対処出来るかしらね?
 まぁなんにせよ花粉を倒していけばいいんでしょう? 楽勝だわ!」
 ――正気か『生物兵器』アメル・パランズーズ(p3p007069)よ。花粉の精霊よ。君の事だよ? ま、なにはともあれ『狐です』長月・イナリ(p3p008096)の言う様に花粉が至るのならば倒すだけの事。山盛り仕入れた花粉症の対策グッズを彼女は周囲に配布していく――
「目薬やマスク、ゴーグルとか……備えておくに越したことはないわ」
「花粉、ねぇ。花粉症ってなったことないからあんまりようわからんのやけど、まぁ俺もやれることやらせて貰いましょうか。物凄い量が接近してきているのは確かみたいやしねぇ……」
 イナリが配っていくその傍らで『ケイオスイーツ』カフカ(p3p010280)は、まだ見ぬ花粉症の脅威を――甘く見ていた。皆さん、この無事だったカフカさんの姿を……覚えておいてくださいね……!
「なんなのよ花粉からの犯行予告って。
 はぁ――●す今すぐ●す焼き払って灰にして全部●すわ」
「アーリアさん、そう言わないでください――
 花粉だって、決して人類を苦しめる為に存在する訳ではありません……
 彼らの望みはただ一つ、素敵な雌蕊に辿り着く事。ただそれだけなのですから」
「分かったわ●すわ」
 そして『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)はガスマスクを着用していた――極大の殺意と共に、だ。最早ガチ装備過ぎて誰なのか分かり辛いが、えっ? あっ私よアーリアよぉ怪しいものじゃないの。
 同時。幻想種たる『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)が彼らの弁護を務めるが、しかし知った事ではない~!
「ギエエエエ! 近寄らないでちょうだい! 焼き払うわよ! ●す! ●すわ! 春はねぇ!美味しいお酒を飲もうとしても匂いがわからないしそしてアルコールを飲むと鼻が更に詰まるのよ!」
 故に焼き払う――魔砲の一閃にて彼方の花粉共を!
 攻撃開始だ! これは国家の存亡をかけた戦いと思え! キエエエ!!
「――いや、まじで花粉の季節というだけで大変なのに化身とか言うでかい塊の群れが来るわ。味方に受粉を加速させようとしている者いるわ、なんなら花粉の仲間がいるわもうこれカオスじゃな? これもしかして裏切り者おるか? 流石にそこまではおらんか?」
 鬨の声が鳴り響く――まぁこんな光景もここ(混沌)ではいつもの事かと。半ば諦める様な達観する様な心境でいるのは『怪しくない』九重 伽耶(p3p008162)だ――って、うわ。彼女の姿もガスマスク(空気洗浄フィルター付き)に軍用メット(密着タイプ)に密着タイプのアンダースーツにetcetc……完全装備だ!
「とりあえずは軽く薙ぎ払っていくのじゃ――花粉よ、砕け散れぇ!」
 同時。彼女が用意したのはミサイルポッド~!
 放つ一閃。彼方へと着弾すれば――花粉達がぶっ飛ぶ爆発が生じたとか。


 まーったく花粉!? 連中はね人をおちょくるにも程があるのよ数年前花粉症デビューしてから、春は目がごろごろしてもういっそ目をぽろっと外して洗いたくなったり鼻が詰まって匂いを感じなくなったりお安いティッシュで鼻の皮が剥けたりなんなら肌が痒かったり咳が出たりもう冠位魔種の空いた席には『冠位鼻腔魔種:花粉』が入ったに違いないわよねぇ――
「そうでしょギルオスくん!? そうと言いなさい!!」
「えっ!? 何、え、あっ、はい!!」
「むずむず? ごろごろ? 目を外したい……? こ、こわいのです……
 眼って、取り換えられる者なんでしょうか……はわわ……」
 あまりのアーリアの気迫によく分からないが同意してしまうギルオス――近くではニルも怖がっていた。
 ともあれ幻想+イレギュラーズ連合軍は風上から花粉達に攻撃を仕掛け続けていた。放たれる魔力の砲撃が花粉達を吹っ飛ばしていく……ええい死になさい花粉! 許すまじ花粉!
「春はねぇ! 美味しいお酒を飲もうとしても匂いがわからないし!!
 そしてアルコールを飲むと鼻が更に詰まるのよ!! どーしてくれるのよ!!」
 あの。それならアルコール飲まなければいいんじゃ……あっ、そういう選択肢はないんですね! はい!
「ええと。とりあえず私は後ろの方から花粉の化身? てやつを攻撃していくね。
 とりあえず近付いたら危なそうだし……」
「ええ、ええ! それが宜しいかと!
 彼らが獣【ピッー!!】してしまわない様に気を付けるのは大切な事です!!」
 えっ? なんて?? ハリエットの耳が突如ギルオスに塞がれ、エルシアの発言が聞こえなかった――まぁあんな幻想種(?)の発言は聞こえない方が幸いかもしれない。うん。
 というかアーリアにしろエルシアにしろ使い捨てマスクの上にガスマスクをするとかいくら何でも厳重装備すぎるんじゃないか?
「彼らを破壊しつくして差し上げます……これこそが救済。
 ええ――何せ私、自然を愛する幻想種なので!」
 もしもし深緑ポリスメン? この人です。
 ともあれハリエットは己が愛銃を構えて片っ端から花粉共を撃ち抜いていく。エルシアもまた、彼方にいる化身共を超威力へと到達する熱閃にて焼き払わん。
「多少燃やしてしまったとしても塊を壊してあげるのが自然を愛する幻想種の役割です。そうでしょう? 化身という形で互いにくっつき合った状態では上手く雌蕊まで飛んでゆけないでしょうから……これも慈悲ですよ慈悲」
「よいか。皆アレが近寄ってはならぬ存在という奴じゃぞ――
 今日はそれだけは必ず覚えて帰るのじゃぞ。いいな?」
 花粉を愛で破壊していくエルシアを指差し、伽耶は周囲に注意を促すものだ。直球で言うと、あれはダメだと。ダメやん?
「ところで、アメルから皆サン距離をとっていマスが何でデショウ?
 ……Oh! わかりマシタ! 皆サン、アメルのようなロック歌手に出会うの初めてなんデスネ! なのでベリー緊張してるデス、気持ち分かりマス! デスが今から楽しい依頼、なのでエンジョイしていきマショウ! Yeah!!」
「いやいやいやいやそう言うのじゃないから、止めろヘドバン止めろおおおお!!」
 同時。近寄ってはならないもう一人の存在――アメルのテンションは最高だった。
 皆を鼓舞する様に己が全霊を此処に注ぐのである。
 ギターを鳴らし、テンションの儘に体を揺らし壮絶なヘドバンと共に皆を応援だ――! そしたら皆さんすごい声援(悲鳴)をくれるのです! ヒャッホウ!
「『かふん』なんて気にしない方の勝ちデース! そもそもかふん、毎年辛い聞いてマスがアメル今まで一度も辛くないデス! これ、思いましタ。『かふん』っていうのは――皆サンの思い込みかも知れマセン!」
 絶対違うよ花粉の化身! こら――! 更にタップダンスするな――!
 アメル、ご乱心。位置的に背後に敵が現れた様な心境であるこれ……!!
「わわわ。花粉さんが、どんどんこっちに来るのです……!
 数が多すぎるのです! ニルだけじゃ、とても抑えきれません……!」
「とにかく手数よ! 常に勝負を掛け続けて、勢いを衰えさせないで!
 一度飲み込まれたら――終わるわよ!!」
 まぁナチュラル背信者であるアメルはともかく――戦況は、まずかった。
 いやもう、何がどうこう以前に花粉共の数が多すぎるのである!!
「花粉の化身なんて随分とニッチな化身だわね……一体どこから生まれたのか……
 とりあえず存在していて良い連中じゃないみたいだから、叩き斬らせてもらうわね!」
 追い風の時を狙ってニルがカチコチに凍らせんと冷気の魔力を振るい、イナリの斬撃が数多の化身共を粉砕する――のだが。しかし次から次へと奴らはやってくる。終わりははたしてあるのか? 幻想の騎士達も全力で戦いを続けている、が。
「う、うわああ花粉が纏わりついて、た、助けてくれ――!!」
「おう任せときや! こういう時こそ俺の出番で……えっ? 花粉症はアレルギー反応やから、無理なんこれ? えっ、別枠判定マジで……えっ?」
「だめなのです? え、そういうのじゃないの、ですか?」
 遂に各地の戦況で花粉が押している場も現れ始めていた――
 故にここぞとばかりにカフカが号令一つ。ニルも治癒術を付与し、皆に齎された負の要素(BS)を払わん……としたのだが、花粉はあくまでもアレルギー反応であってBSの類じゃないので、効かない……? そんな――!
「……すまん、俺は無力や。俺にお前達は……救えへん」
 かつてこれほどまでに己が無力を痛感した事があっただろうか――
 仕方ないので邪悪を裁く光で薙ぎ払っておこう。お茶濁しやけど無いよりマシやろ!
「それにしても花粉症ってそんなに辛いもんなんやなぁ。なんや無駄に免疫力高いからあんまりなったことないんやけど、周りみてると涙やら鼻水やらで大変そうやん。アーリアさんとかギルオスさんとかティッシュ持ち歩いとるけど使う?」
「使”う”わ”!!」
「ひぃ、ひぃ、僕も、僕にも一枚くれ……!!」
 ティッシュ! ティッシュを頼む――!
 おかしい。ガスマスクすら装備しているのに、どこからか化身共は人間に干渉出来るというのか……!? おのれ化け物め! やはり花粉は何が何でも滅すべき存在――!!
 風が穏やかであるので奴らの進行が緩いのだけは幸いだろうか。
 キツイ戦況(と鼻とか目)だが、しかし戦い続けられない訳でもない――
 と、思っていたのだが。

「……あれ、眼がかゆいなぁ」

 こしこし。銃撃放ちつつ目をこするハリエットが――気付き始めていた。
 ……なんだか天候の様子が変わり始めていた、と。


「よぉし順ちょ――ふえっくし! え、なに、これ、嘘」
 地獄がやってきた。戦場に暴風が吹き荒れ、数多の花粉を舞い上げる――
 先程倒して地を舐めている筈の花粉達すらも……! アーリアのガスマスクすら貫通して!
「くぅ――こ、こんな暴風じゃあ流石に……アニキカゼを吹かせても……!!」
「いやそもそもその技能って風を吹かす技能だっけ??」
 更にイナリは苦悶の表情を見せていた――くそぅ。折角にもアニキカゼの木枯らし吹かせてこちら側の防衛線に花粉達が来ない様にしようとしていたのに……風向きが変わってこんな暴風じゃ意味がないわ!
「今じゃ! ギルオスを盾に!! プロテクション! ギルオォォォス!!」
「ああああ何をする伽耶――!! うわ花粉が直撃し」
 ともあれ伽耶は突発的に起こった事態に冷静に対処するものだ――
 そうだ。ギルオスを盾にしよう、と。
 時間を稼いでいる間に一時撤退。武器に花粉が詰まっていないか確認する為にも後方に退こう……! 案ぜよギルオス。後でいい薬や医者を紹介してやるからの!
 そして暴風の被害は防衛線の陣形をズタズタにしつつあった――
 騎士達が阿鼻叫喚の渦に巻き込まれている。組織的な抵抗が出来ていない――!
「HAHAHA! 更にヒートアップしてきましたネ!
 いいですよ、ここからがクライマックスってヤツですYO!」
 そこへ。音楽の力を届けて彼らの支援をせんとアメルが全霊を注ぐものであった。
 ヘドバン最高潮。前からも後ろからも花粉の被害。
 アメル、戦いはよく分からないノデ、皆サンの後ろで演奏してエールを送るデス――!
 デスっていうかDeathっていうか。かふんのパワーに負けない様にしっかりと全身で応援するアメルのパフォーマンスが騎士達の身を(花粉症的な意味で)震わせていた――!
「わ、わ。もう無理だよこれ、分裂した花粉が更にあちこちに舞って……
 あっ。ギルオスさんに花粉が……あ~あ……」
 うわああああ――! いつものギルオスの悲鳴が聞こえてくるのをハリエットは感じ取っていた。的が大きいから狙いやすい――そんな事を思っていた時期があったのだが、もうこんな事態では地獄が地獄を呼ぶ事態。
 風向きを考慮した攻撃ぐらいはしようかと思ってたのだが、これではもう風向きとかいうレベルではなく……
「ごめんね。でも倒さないとどうにもならないし……困ったな」
「ハ、ハリエット! 君は無事なのかい!!? へーっくし!!」
 ギルオスは涙ながら。けれどハリエットはアレルギーが出ないのか涼しい顔。くそう、羨ましい!
「ふふ。これが花粉の生命力。子孫を残さんとする渇望の一端ですね――
 素晴らしい力ですが、ええ、まぁ依頼なので焼き払うとしましょうか」
「え、焼き払うん? 火力とか風向きとか調整出来る? ほんまに大丈夫?」
「ええ。万が一の時には『祈り』ますから」
 微笑むエルシア。カフカの不安を他所に、彼女は二種類の撃を使い分ける。
 一つは先程と同じく火線の砲撃。そしてもう一つが――祈りだ。
 悲劇に終焉をもたらす決意が――周囲の花粉共を駆逐していく――!
 傷ついた化身が周囲の花粉を取り込んで回復してしまわない様にある種の呪いを掛けて遣ったなら、花粉が再び固まって拡散しないことを防ぐことも出来るのだ。むしろこちらの方が『良い』かと思考して。
「いやあああかゆいガスマスクでガードしたってもう視界がかゆすぎるわよぉ!
 むりむり廃屋に逃げ込むわぁ! いやぁあああ帰りたいいいいい!!」
「あわあわ。も、もうだめなのです~! ニルも一度、屋内にひなんするのです~!」
 が。もう各地で限界の人が出始めていた――例えばアーリアだ。
 ついていく様にニルも屋内へと逃げ込めば、厳重に、厳重に扉をロック。
 さすれば服に付いた花粉を払うような動作をして……
「はぁ、はぁ、ここまでくればもう大丈夫ね……ふぅ。ちょっとだけ鼻をかんでから戻りましょうか――あっ風に手が滑ってガスマスクが落ちて」
 と、その時。
 アーリアは油断した。そう。今、『風』が吹いてきていたのだ――廃屋の中に。
 ……どこかに隙間があったのだろう。そこから至った大量の花粉が、鼻腔を擽り。
「ふえっくしょん!へっ、へっ、へっくしゅん! ああああああもういやあああああああ!」
 全部灰になーあれ☆

『ええか――万が一の時の廃屋だけは巻き込んだらあかんよ? 絶対やで? 絶対やで――』

 そんな感じの事をかつてカフカが言っていた気がするが。
 もうそんなの考慮できるような精神状態じゃなかったので――全部纏めて吹っ飛ばした。


 ――戦いは終わった。花粉達は過ぎ去ったのだ。
 数多の幻想の騎士達が倒れている――まぁその内どうせ救助は来るだろうから。
「……はいギルオスくんちょっと私今日やけ酒したいの。
 ハリエットちゃんも連れて飲み行くわよ ね? ギルオス君の奢りで」
「ん? ほんと? おさけ、私も行っていいの? ……嬉しい。ありがとうギルオスさん」
「ハリエットは未成年だからジュースね……!」
 最早何もかも忘れて飲みに行こうとアーリアは、ハリエットやギルオスと共にバーへと直行するものだ。ふふ。飲まなきゃやってられないわぁ!
「……しかし、こんな化身とかを生み出す木があるなら調査したほうが良いと思うのじゃが……だってこれどうせ来年も来るんじゃろ?」
「ふふ――まぁいいではありませんか。我々は依頼通りしたんですし」
 疲労困憊の伽耶。に続いてエルシアは言うものだ――
 依頼通りにはしたのですから。
 その結果、幻想種と同じ名を名乗っておきながら花粉を憎む愚かしい国がどうなったとしても私は構いません――それもまた報いというものでしょう。ええ、花粉達の嘆きを知るといいのです。
 と。そうだそうそう。今はなんとかなっても、花粉は来年も来るのですよね?
「じゃあ、また来年も頑張りましょうね! つぎは勝つのです!」
「ははは、まぁ来年来たとしても俺はどうせ――くしゅん。
 ……嘘やん?」
 ニッコニコのニルの笑顔。と同時にカフカには鼻に痒みを感じていて。
 ああ全く――花粉は一度でも懲り懲りである!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 依頼お疲れさまでしたイレギュラーズ……!
 花粉はやっぱり脅威ですね……私も辛いです。
 ありがとうございました!!

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