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シナリオ詳細

すごい魔砲で守ります

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●思う存分魔砲を撃ちたい
 魔砲、破式魔砲。
 どちらも素晴らしいものだ。浪漫が詰まっている。
 しかし、その性質ゆえにいつでもどこでも好き放題に乱発というわけにもいかない。
 だが、こう思わないだろうか?
 魔砲……好き放題撃ちたいなあって。
 こんなに素敵な魔砲なんだから、全員その魅力に憑りつかれたらいいのに。
 思う存分魔砲撃ちたいなあ、と。
 魔砲でしかとれない栄養素があるのにって。
 そんな願いを本気と書いてマジで叶えようとした奴は、どうやら古代から存在したようで。
「……馬鹿な! どうして分からないんだ! これさえ完成すれば誰でも簡単に魔砲を撃てる世の中になるというのに!」
「誰でも簡単に魔砲が撃てるからだよ馬鹿! あと自爆率高すぎなんだよ加減を知れ馬鹿!」
 何やらもみ合う2人。1人は研究者で……1人は役人か何かだろうか?
「ああそうだよ僕は魔砲馬鹿だ! だがそれが此処まで研究の成果を押し上げた! そうだろう!?」
「そういう馬鹿だって言ってるんじゃねえよ! いや、そういう馬鹿でもあるだろうけど度が過ぎるって言ってんだ!」
「何故だ! 破式魔砲をも超える零式魔砲……! これを撃てたらちょっと自爆するくらい構わないはずだろう!」
「目を覚ませ馬鹿!」
 グーで殴られた研究者が思い切り吹っ飛び、床に転がる。
「七色の閃光と共に周囲を吹っ飛ばして本人も空高く舞い上げられるような代物が『ちょっと自爆』で済むか! しかもなんだアレ! 七色のアフロになるって、どんな作り方したらどうなるんだ! 練達か!」
「僕だってそこは改善したかったさ!」
「お、おう」
「もっとラメを入れるべきだと思うのに、古代文明の連中、そこのプロテクトがキツいんだ!」
「そこじゃねえよ!」
 今度はパーで吹っ飛ぶ研究者が動かなくなるが、役人は外から研究所に駆け込んでくる衛兵に視線を向ける。
「た、大変です!」
「どうした、こいつに苦情でも来たか!」
「いえ! あ、それは毎日なんですが」
「毎日なのかよ」
「今回はそれではなく……魔砲でしか倒せないモンスターを中心とする一団が現れたみたいです!」
 その言葉に……研究者が、ゆらりと不気味な動きで立ち上がった。

●思う存分魔砲を撃ちなさい
「魔砲を撃ちたいかー」
 やる気の無さそうな声でチーサ・ナコックが腕を振りあげる。
 どうにも依頼人に最初に言えと言われたらしい。
「というわけで、依頼です」
 鉄帝の魔砲研究所のある街に向かって、モンスターの一団が突き進んでいるという。
 その首魁は、黄金の毛を持つゴリラのような巨大モンスター。
 強く、硬く、タフ。そして何よりも、通常の攻撃がほとんど通じない性質を持っているのだという。
「どうやら魔砲しか効かない身体を持っているようですが……動物的勘で研究所の存在を察知した可能性があるです」
 その周囲に居るのは通常のゴリラ型モンスター。
 通常のゴリラってなんだろう。ゴリラの概念がブレイクしつつある気がする。
 とりあえずこいつ等は普通に攻撃が効くが、魔砲は特によく効くらしい。
「というわけで、そういうモンスターの登場により魔砲研究所の有用性が再確認されたわけですが」
 問題として、魔砲研究所で研究中の武器はまだ完成に至っていないということである。
 使えば誰でも魔砲を撃てるという素敵な武器なのだが、そのリスクを抑えきれていないのだ。
 しかしイレギュラーズであれば出来るだろう。
 リスクなどモノともせず、魔砲を放ちモンスターを撃退できるはずだ。
「そう……たとえアフロになってでも」
 チーサはボソッと呟いて。
 聞き咎めた誰かが聞き返しても、そっぽを向いて口を開くことはなかった。

GMコメント

魔砲を撃ってゴリラを倒しましょう。という大義名分の下、思う存分魔砲を撃ちましょう。
貸し出してもらえる武装は以下から選べます。
街の入り口に山のように積んであるので、再出撃は幾らでも可能です。
ただし、『数の限定されている武装』もあります。これについては【1人】担当を決めて運用しましょう。
その1人にパイロット登録がされます。
なお、これらの武装は無造作に置いてあるので守りも必要かもしれません。

●武装
・試製魔砲バズーカ(固定攻撃力200)
バズーカみたいな武器です。持っていると「試製魔砲」を撃てます。
爆発とかしないので安全ですが、威力はそんなに……。

・魔砲プロテクター(固定攻撃力500)
着るタイプの鎧みたいな武器です。腹部に設置された「魔砲」を撃てます。
30%の確率で全身に電流が走り動けなくなります。そのターンは攻撃も防御も出来ません。

・零式魔砲アーマー(固定攻撃力3000)【限定3台】
乗るタイプの二足歩行ロボットです。人型ではなく、足に箱が乗っかったみたいな戦車タイプです。機動力は2です。
正面に設置された零式魔砲を発射可能です。
ただし、30%の確率で周囲を巻き込む大爆発を起こし空高く吹っ飛びます。
搭乗者は時間経過で治る「七色アフロ」状態になり零式魔砲アーマーも破壊されます。
なお「七色アフロ」が2つ重なると「七色フィーバー」状態に変化し、本人が七色に光り出します。

●敵の皆さん
・ゴールデンゴリラ
全長7Mの黄金ゴリラ。魔砲以外はほとんど効かない。
強くて硬くてタフ。得意技はパイルドライバーと各種格闘技。

・ゴリラ×30
全長2Mくらいのゴリラです。魔砲がよく効きます。威力が2倍くらいになります。
得意技はローリングソバット。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • すごい魔砲で守ります完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年12月07日 22時25分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

レッド(p3p000395)
赤々靴
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
生イカが好き
蓮杖 綾姫(p3p008658)
悲嘆の呪いを知りし者
フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)
挫けぬ笑顔
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星
ハンナ・フォン・ルーデル(p3p010234)
天空の魔王

リプレイ

●魔砲を撃ちたいか
「魔砲使いのための依頼だって聞いたのでして!! 魔砲を撃ちたいか―!」
「おーーー! っす!」
 音頭を取る『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)に『赤々靴』レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)が叫ぶ。
「技量とか特に必要なく魔砲が気軽に撃てるなんて良い時代になったもんっす。こういう便利な物と場所を壊そうとするモンスターが迫ってくるなら守るしかないっすね! 研究員さん、実戦の使用記録しっかりとっておくっすよ……!」
「任せたまえ。実戦データを取る良い機会だ」
 レッドに研究員がそんな事を言うが、彼の後ろには山のように魔砲関連の武装が積まれている。
「ふふ! いつもは魔砲は闘技場で撃たれる側だから興味はあるね! でも私には試してみたいことがある! まずはそれからだね!」
 積まれた武器を見ながら『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)はそう言うが、実際試したいことがあるのだ。
 有効な手段はすでに確立されているのだから、その実験を行うのにも何の支障もないというわけだ。
「なにぃ?! 魔砲しかきかねぇゴリラが相手だって?! そいつぁ一大事だぜ! オイラガトリングしかもってねーからどうしよう?! なにぃ?! こんなこともあろうかと魔砲装備が貸し出されるだって?! こりゃすっげー魔砲を貸してもらうしかねぇ!」
 そして積まれた武器の前で『わもきち』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)は一通りの「お約束」をやると、魔砲アーマーの下へと突撃していく。
「魔砲でしか倒せないゴリラ……相変わらずの混沌ですね……私は純粋な魔砲使いという訳ではありませんが似たような技法を使うので多分なんとかなる、はず!」
 その魔砲アーマーの前では『断ち斬りの』蓮杖 綾姫(p3p008658)がルシアと一緒に魔砲アーマーのスペック表を見つめていた。
「……これ、何ですよ? 「魔砲」の名前を背負っていてこの威力は何でして!? 200とか500とか固定ってちょっと低すぎると思うのです!! それに破式魔砲を超えるとか言っておいて威力3000はないのですよ!! みんなが撃てても威力が低かったら「それ普通の武器で良くね?」ってなっちゃうのでして!!! ……ふぅ……魔砲のことだからつい熱くなっちゃったのです。いち魔砲使いのルシアなりに思ったことがあるのであれを倒したら言うのですよ」
「それにしても貸し出しの武装、ちょっと威力物足りなくありません? アーマーはそれなりにありますけど、3割で自爆してぶっ壊れて七色アフロになるって……ちょっと割に合わないじゃないですか! 特に最後の! これなら自前で(ほぼ)失敗しないのを振り回すほうがいいですね! 私のは安定性が売りの、魔砲によく似た技術なので」
 まさに魔砲に魂を売っていそうなルシアと綾姫に、研究員が髪をかき上げる。
「くっくっく……その熱い魔砲愛、いいぞいいぞ! たっぷり実験データを取らせてもらおうか!」
 まったくどこ吹く風なあたりは流石としか言いようがないが、そんなルシアたちを見ながら『空に願う』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)は苦笑する。
「街に迫るゴリラ、しかも金色の個体は7M、しかも魔砲以外は効かないってめちゃくちゃ危ないね!? 限定的過ぎない!? 良かったよ。ちょうど魔砲を撃てる装備があって。威力面に関しても私は今回物攻も神攻も0という状態だからバズーカですらスキル使うより威力高くて良いね。さらに、ここに集ってるイレギュラーズの半分は魔砲に類する攻撃ができて、なんなら零式魔砲アーマーより火力高い攻撃ができそうというのも本当に頼もしいね」
「まあ、その通りではあるんですが……」
『天空の魔王』ハンナ・フォン・ルーデル(p3p010234)もフォルトゥナリアに頷きながら、魔砲武器たちを眺めまわす。
 すでにワモンが魔砲アーマーに張り付いているが、それはさておき。
「いや、まあ。ロマンを追い求めることは決して悪いことではないとは思いますが……」
 目頭を揉んでいるのは、この状況が文字通り頭痛がするからだろう。
「一軍人としてはいろいろとツッコみたいところではありますね。安全なものが威力控えめなものしかないとは、なぜ安全性も一緒に上げられなかったのでしょうか……あとアーマーに関してはもはや兵器として運用できるか怪しいレベルですね。なんですか、30%の確率で大爆発且つ7色アフロになるって。というかなんで二回重なると本人が光るんですか……? ……これ以上考えるのはよしましょう。魔砲とは、おそらく私にはまだ計り知れない概念なのでしょう」
「それには深い理由がある」
 ヒュッと研究員が2人の前に現れ、フォルトゥナリアとルーデルが思わず後ずさる。
「リスクを減らそうとすると威力が下がるのだ。今回は実用できるギリギリまでリスクを下げている」
「え、なら元のものは」
「撃つと七色アフロになる」
「ひどいね……」
 古代人は何を考えているのか意味不明だという意味でフォルトゥナリアは呟くが、同じく頷いている研究員はきっと別の意味で頷いているだろう。
「まあ、自分は鋼覇斬城閃派閥に属しているので魔砲はよく分かりません。使い手が味方にいると、火力面での安心感はありますけど」
『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)は言いながら魔砲バズーカを抱えているが、同じように各自納得のいく武装で準備を整えていた。
「うひょー!魔砲アーマーかっけー!それにこのアーマーについてるネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング魔砲完成度たけーなオイ! これオイラ乗るー! うっひょー! アザラシ魔砲トルーパー出撃だぜー! うつぜうつぜー!」
 魔砲アーマーに乗ったワモンがオリジナル魔砲に解明していたが、研究員はうんうんと頷いていた。
 魔砲ならなんでもいいらしい。これだから鉄帝は。
「魔砲プロテクター装着ヨシっす! 試製魔砲バズーカ担いだっす! そして零式魔砲アーマーに搭乗っす! んんー? 3割の確率で不発っすか? なぁにたったの3割、大したことないっす! ガハハハっす!」
 何やらレッドが何かを言う度に「デェェェェェェェェェェン」と効果音がしているが、きっと研究員の仕業に違いない。
「というかこのバズーカ、束ねて固定して連装砲台にでもした方が有用なのでは……」
 オリーブが最もな事を言っていたが、研究員はなんかメモをとっていた。
 後々何が出来上がるか怖いところはあるが、ゴリラがやってくる時間である。

●ゴリラがせめてきたぞ
「うっしゃー! 魔砲アーマーに乗ったオイラはまさに無敵アザラシ! 当然狙うはゴールデンゴリラ! このネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング魔砲でチタタプにしてやるぜー! いくぜ相棒! オイラに合わせろー! 突撃じゃー!」
「うん、行こう!」
「よーし迫り来るゴリラ達に目に物を見せてやろーっす!」
 ワモンの掛け声でフォルトゥナリアとレッドが魔砲アーマーに乗りガションガションと出撃していく。
 ちなみにだが、積まれた武装の周囲にはフォルトゥナリアの発案により廃材などを利用したバリケードが作られている。
 こういったものがあれば時間稼ぎも充分に出来るという、そんなアイデアによるものである。
 武装を自動で撃てたりとかしたら楽しそうだけど、持っていると使えるって感じみたいだから難しそうだね、とはフォルトゥナリアの言葉だが、研究員が何かメモっていたのでいつか更に危ない兵器が完成するのかもしれない。
 ちなみにルシアは巻き込まれが怖いので、と魔砲アーマーに乗ってる人から20m以上は離れておくという安全策をとっていた。
 すでにゴールデンゴリラに破式魔砲を空から放っており、魔砲合戦は始まっている。
「ゴールデンゴリラ目がけて魔砲をうつべしうつべし!」
 ワモンの魔砲アーマーから零式魔砲もといネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング魔砲が放たれる。
「乱れ撃たれる魔砲は壮観だね」
「零式魔法発射っす。ってーーーいっす!」
 フォルトゥナリアとレッドの魔砲アーマーからも凄まじい音と共に零式魔砲が発射され、ゴールデンゴリラへと突き刺さる。
 その様子を見ながら、マリアは笑う。
「今のところ順調みたいだね……! ふむふむ……魔砲しかほとんど効かない敵か……! 今後同様の敵が現れるか分からないし、一度色々試しておこう!」
 戦況は予想通りにこちらが有利。ならば此処で実験しない理由がない。
「まずほとんど効かない、というのはダメージを与える攻撃に対してなのか? はたまたダメージを与えるBS、ダメージの与えないBS等も含むのか? APへのダメージはどうか? が気になるね! 私は呪縛くらいしかBSはないけど、まずは自分最大で唯一の武器であるMアタの実験といこうか! 呪縛はついでに実験できる!」
 幸いにもゴールデンではないゴリラに関しては「魔砲が効きやすい」だけであって「魔砲以外はほとんど効かない」わけではない。
 マリアは雷装深紅を纏って普通のゴリラを先に纏めて天槌裁華で蹴散らすべく突っ込んでいくが……こちらは普通に効いているのが分かる。予想通り、というものである。
「おっと!」
 ゴリラのローリングソバットを受けながらも、マリアは位置取りを重視していく。
 相手の数が多い以上、突っ込むのは危険と分かっているからだ。
 そしてそんな中、遠距離から励起・黒蓮を放っていた綾姫が一気に距離を詰めたゴールデンゴリラのパイルドライバーでリング……もとい大地に沈む。
「格闘技もパイルドライバーも近寄らせなければ関係ありませんからね! 何が7mのゴリラですか。こちらは40mの大剣ですよ!!」などと言っていたのがゴールデンゴリラにバレたのかもしれない。
 頭から突き刺さっていた綾姫を戻ってきたハンナとルシアが慌てて引っこ抜く頃には、ゴールデンゴリラは見た目にもデカい魔砲アーマーの下へと走り去っている。
「だ、大丈夫ですか⁉」
「葉っぱが出たばっかりのチューリップみたいになってたのでして!」
「私も、これでも乙女なのでその表現はちょっと……!」
 自分がどんな感じだったか正確に把握して少し落ち込んでいる綾姫目掛けて近づいてきたゴリラがローリングソバットの態勢に入り、オリーブの覇竜穿撃が迎撃する。
「不用意に跳び、同時に視線を一瞬でも外した事を悔やむといいですよ……!」
 攻めに出ているマリアとは逆にオリーブは武装の防衛が主だ。
 バリケードのおかげで大分やりやすいが、先程綾姫を突如地面に植えていったゴールデンゴリラは別だ。
 アレは魔砲でなければ倒せない。
「行くのでして!」
「ええ!」
 ルシアとルーデルが再び舞い上がり、3機の魔砲アーマーが確率の女神という気まぐれやさんの試練を見事乗り越えながらも零式魔砲をゴールデンゴリラへと叩き込んでいく。
「ん? あれ? 全然発射されな……アバァアアアアアアアア!!!」
「あっ、うわあああああああああ!?」
 かと思いきや、ここにきてレッドとフォルトゥナリアの魔砲アーマーがドクロの形の爆発煙を噴き上げながら大爆発する。
 その爆発範囲は意外に大きく……ワモン、そしてゴールデンゴリラも巻き込まれる。
「あれほどの爆発が出来るだけの性能があるのに威力3000ですよ……?」
 そんなルシアのもっともすぎるツッコミが響くが、とにかく全員アフロである。
 それだけではない。2つ目の爆発も重なったことで、全員七色に輝く七色フィーバー状態である。
「あー! なんか面白い髪型と髪色っす! イエーイっす」
「すっげー!なんかかっちょえー! って、うおおお! これはまさか! 伝説のスーパーアザラシにオイラはなったっていうのかー!? いける!この状態ならゴールデンゴリラにも勝てる! 今フィーバーしてるオイラはまさにオイラ自身が魔砲になったといえるぜ! くらえ! アシカクラッシャーアタック!」
 魔砲アーマーから飛び降りたワモンが伝説のスーパーゴールデンゴリラ(ワモンの法則による)のパイルドライバーで地面に突き刺さるが、フォルトゥナリアに引っこ抜かれて事なきを得る。
「……っと、玩具で浮かれている場合じゃあないっす! 魔砲プロテクターと試製魔砲で応戦しないとっす……アババババババッ」
 レッドが感電して動けなくなっているが、そこに今日何度目かのルシアの破式魔法が突き刺さりゴールデンゴリラを打ち倒す。
 その頃には全てのゴリラも排除され、見事な勝利を収めていた……のだが。
「むー……欠点ある割りには元祖魔砲より威力低くはないっすか?」
 どうせ七色アフロになるのなら威力を下げなくてもよかったのではないか。
 そんな不満を抱くレッドを皮切りに……いや、綾姫は七色フィーバーする七色アフロ3人衆に腹筋が死にそうになっているが、ひとまずさておこう。
 とにかく物申すチャンスをずっと狙っていたルシアが研究員に詰め寄っていく。
「何回でも使える、ということを重点的に考えすぎて威力が落ちてるかもって思うのです。魔砲は本来「全身の全ての力を魔力変換し、破滅的威力を叩き出す大技」だから数回使えば空っぽになるのです。そして破式魔砲は収束を行って2回分の魔砲を一回に束ねて放つような感じでして、これを省略したい場合は即座に収束を完了出来るだけの膨大な魔力か、過程を吹っ飛ばせる程の特別な技術が要るのですよ。だから別での補給と収束が必要な装備にするのはどうでして?」
 うんうん、と無言ながら頷く研究員に、ルシアのトークはさらにパワーアップしていく。
「それはそれとして、魔砲の研究をするなら自分で魔砲を撃てるようにするといいと思うですよ! 魔砲についての実感がわくし、どうすれば威力が上がるのかが自分で分かるようにもなるのでして! そこで! ちょうど使えそうな武器が沢山落ちてるから魔砲トレーニングをするのですよ! 魔砲自体は神秘を少し習えばすぐ撃てるようになるのです! あっ、ちゃんと「自分の力で」撃つのですよ? その武器だからサボったらすぐ分かっちゃうのでして」
 やはり無言でうんうん、と頷く研究員。
 その態度に不審を感じたルシアが研究員をじっと見上げて。
「あーっ! いつの間にかロボに入れ替わってるのでして!」
 目の所がカメラになっている辺り、データはしっかり記録していたらしい。
 ルシアのキックで研究員ロボがゴインと揺れてうんうんと頷く中。ルーデルは、空を見上げながら溜息をつく。
「どうやらこの世界には私の知らない概念がたくさん存在しているようですね。これからはそういったものも知っていければ……これ、私に理解できる概念なんでしょうか……?」
「いや、これは別口だと思うなあ。鉄帝の闇というか……」
「確かにねー……」
 苦笑するマリアに七色フィーバーアフロ三人衆の1人になったフォルトゥナリアも頷くが……2人の視線を受けて、フォルトゥナリアも遠い目になる。
「これ、綾姫さんの大天使の祝福でも治らないんだけど……いつ治るの、かな……?」
 分からない。
 分からないがワモンは喜んでいて。
 研究員ロボがうんうん、と頷く中、何処かからやってきた武装回収ロボの後をルシアが追いかけていくのが見えたが……そうして今日も鉄帝の平和は守られたのである。

成否

成功

MVP

ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星

状態異常

なし

あとがき

ついにベールを脱ぐ鉄帝魔砲計画……!
敵味方共に魔砲の乱れ飛ぶ戦場で、ついに真の零式魔砲が放たれる……!?
七色アフロの増殖は鉄帝の終わりの始まりなのか。
それとも……。

次回「もっと! 凄い魔砲で守ります!」にご期待ください!
(そんな予定は今のところございません)

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