PandoraPartyProject

シナリオ詳細

飲まないと爆発するけど飲んだら飲んだで軽く爆発する酒を飲み干さないと帰れない依頼

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●これまでのあらすじ
 幻想には、ある酒樽が存在する。
 その酒樽は、いくら酒を吐き出してカラになったとしても、翌朝には必ず満タン(『天使のわけまえ』除く)にするという、飲兵衛であれば一度は夢見る代物だった。
 ……多分本物の飲兵衛ならば「ちゃんぽんしたいから物足りない」なんだろうがそれはさて置き。
 問題があるとすれば大きくふたつ。
 酒樽に入っていた酒が非常にアレな特性を持つ酒であったことと、折しも幻想にはちょっとした酒場不況が吹き荒れていたこと、である。
 1つ目については、単純明快に「飲まないで長期間放置しておくとアルコール濃度的なアレで大爆発を起こしてしまうし、飲んでも口の中で爆ぜる」というクソみたいな特性の存在。
 本来は定期的に消費されて「わー口の中がパチパチするー」みたいな宴会向けの酒であったのでそれなり重宝されていたのだが、長期的に放置されると口に放り込んだ際に軽く「ボフッ」くらいの爆ぜ方をする。単純に痛いだけで盛り上がりに欠けるのでさらに消費されづらくなる。
 2つ目は、もう何でかはっきりわかっていない。ローレットが概ね練達の事件の解決に軸足を移しているのも理由にありそうだが、幻想国内でもいろいろあったりなかったりしている為、はっきりした理由をつけるのは難しいだろう。
 ……とまあそういうワケで、今その酒樽は非常に危険な状態なのである。放置期間長かったからしょうがないね。

 で、ローレットが呼び出されたのはその酒の処分です。

●というわけではありません
「とうとう着いたか……ここが泥棒どもの住処だな」
 そう、イレギュラーズは酒を煽りに来たわけではなく、その酒樽含めて大量の酒を盗んだ連中をしばき倒して回収するために来たのである。
 問題の酒樽がある酒場は半壊、酒をおおよそ根こそぎ奪われるという不幸に遭ったわけだが、さりとて店が大爆発するのとどっちがマシかみたいなところも存在した。
 取り敢えず今は泥棒を締め上げることが最優先課題である。踏み込もうとした一同は、足元に突き立ったナイフを一瞥する。
「へへへへェ、俺達の酒を奪いにきたのかァ? 酒ならもう何がどれだかわかんねえくらい飲んじまったなあ、ハハハハハ!」
 どれがどれだか……わからない……?!
 イレギュラーズは戦慄した。
 つまりここから持ち帰ったら最後に店舗は爆発するだろうし、ここで爆発してしまったらそれはそれで不味い。
 となると処理するしか無いのだが、その酒の爆発を抑えるにはここまできたら一つしか無い。
 それは……樽の中身を一旦飲み干すこと。
 つまりは、ここにある酒を総て飲み干すほかはない! ひとまず泥棒ぶっちめてからな!

GMコメント

 酒を飲ませるシナリオだけでバリエーション出したいわけじゃないんだけど色々な期日を指折り数えてたらアルコール流し込みてえなっておもったんで、私が飲めない分皆さんに飲んでいただきます。

●成功条件
・泥棒全員の排除
・『爆弾酒in魔法の樽』の中身の完飲
※魔法の樽の回収は必須。激しく爆発させたら失敗もありうる

●酔った泥棒×20
 酔っ払っています。
 一部の幹部級はそれでも結構手練なので油断なりませんが、千鳥足にうつろな目、戦闘としては大して脅威たり得ないでしょう。
 ですがアルコールが入っているため変に打たれ強いです。めんどくさいな。
 連携が取れるかって言うと無理でしょうけれども数の暴力というものがありますので、そこはご注意下さい。

●爆弾酒in魔法の樽
 大体OPのとおりです。
 補足するとすれば、地面にぶちまけたり粗末な扱いをすると一番ヤバい爆発の仕方をするというところです。
 ちゃんと口で迎えましょう。爆発するけどね。
 なおどの樽か全く分からん模様。

●他の酒とか
 まあ中身わからないし飲んでも仕方ないよね。
 こことか酒場で爆発させるくらいなら飲んでしまっても仕方がない。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 飲まないと爆発するけど飲んだら飲んだで軽く爆発する酒を飲み干さないと帰れない依頼完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年12月11日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
終わらない途
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
日車・迅(p3p007500)
疾風迅狼
エルシア・クレンオータ(p3p008209)
自然を想う心
ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)
凶狼

リプレイ

●多分こうなるんだろうなあって皆思ってた
「ごきげんよう、天使が分け前を頂きにやって参りましたわーーー!!!!」
「いぇーいこんにちは皆さん! 天国へようこそ! なお移動式なので皆さんが動かなくても勝手に天国になります。素敵ですね!」
 『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)は挨拶代わりに住処の扉に蹴りをブチ込んで扉をこじ開けると、怪しい笑いを浮かべながら飛び込んでいった。なお『挫けぬ軍狼』日車・迅(p3p007500)のノリも完全に悪ノリ極まっている。質実剛健な子だと思っていたのにどうして……。
「うふふ……。私の天使はドアを蹴破る姿も可愛いなぁ……」
「現実復帰アルコール戦対よろぉ~……あっ違ったこれはえっとナウでヤングなギャルの真似!」
 顔のきれいは七難隠すというが、『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)の場合ヴァレーリヤがアルコールで隠している気がしないでもなく。『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)は多分仮想現実のなかで見たギャルのモノマネをしてるんだろう。まさか演じなれてるだなんてそんなそんな。
「ヴィーシャ……アーリアァ!! マリアも!!! みんなどうしてこんな……ずんどーのぺったんこな姿に……!!」
 『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)は目の前の狂人たちの狂態に唖然とした盗賊たちをよそめに酒樽に張り付くと、絶望した様子で抱きかかえながらわんわん泣いている。前後不覚というのはまさにこれで、地獄の巷はまさにここだ。何が天国だ馬鹿野郎、依頼開始前に一次会済ませた飲兵衛ズ+鳳圏のやべー狼の醜態がひどいぞ。
「俺の酒を……じゃねえや店の酒をかっぱらうなんざとんだ不届きもんだな」
「えっ? 一次会? ヘルちゃんそんなの聞いてないのだ……」
「いや俺も聞いてねえし大丈夫だろ」
 『帰ってきた放浪者』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)の本音混じりの舌打ちをよそに、ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)はすっかり出来上がっている飲兵衛共が楽しんだことを知り、ちょっとだけ泣いた。ヘルミーネは安心してほしい。今から目の前にある酒飲み放題だぞ。そこの盗賊共どうにかせんといかんが。
「泥棒達がお酒を盗んだ事は確かかも知れません……けれど、果たして、悪人だから叩きのめせばいいという考えは正しいのでしょうか? もしかしたら、話し合えば解決する事だってあるかも知れません……力に訴えるのは、それが決裂した後からで十分ではありませんか?」
「何を言っていますのエルシア、天使が分け前を分捕るのは当然の権利でしてよ!」
「ヴァリューシャは天使だから多めに分けてもらっても許されるよ!」
「ホラこの通り駄目お姉さんも駄メイドも駄目わんこも駄目女司祭様もその介護役の虎(猫)も当てにならない今、その大役を果たせるのは私しかおりません!」
 『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)は勧善懲悪という名の暴力の正当化を好まない(ように見せかけた)正論を吐いた。正論は必ずしも正しいわけじゃないってそれ一番。
 なお反論した連中が一番ダメなので反論として体をなしていません。解散!
「というか仲間がヤベー奴らばっかりでヘルちゃん、一周回って今回はまともでいなくちゃって決めたのだ」
 ほら言わんこっちゃない。君らが突き抜けまくってるから一番の新人(めっちゃ活躍しとる)がスン……ってなっちゃってるじゃねえか。
「まあまあとりあえず並べ。お前ら自分らが酒を奪いに来たのが不満なのでありましょう? なら奪うのではなく一緒に飲めばいいのでは??」
 突入時にすでにボッコボコにされた一部の面子を除き、エッダのドスの効いた声に正座で整列する。まあ酒樽に腕を回して仲間だと思ってる酔いどれ駄メイドに説教受けるのは納得いかねえとこあると思うけどお前らが弱いのが悪い。
「ああ、逞しい筋肉……その芸術の如き肉体の為に、私にお酌させてはいただけませんか?」
「え、そうか? グヘヘヘそこまでいうなら御願いしちゃおっかな~~~~」
「おっと筋肉自慢ですかな? 僕も負けていませんよあっそうだ(唐突)これから筋肉勝負をして負けたほうがお酌をするということにしましょうハイ僕の負け~~ほら杯が空ですよ飲んで飲んでどんどん飲んで!」
 エルシアの口から先に生まれてきたかのようなでまかせじみた言葉に、しかし酔漢が気付くはずもなく気分を良くしてお酌されている。そこに割って入るように自然な流れで筋肉勝負からの勝手に敗北宣言からのお酌という迅の行動力は本当に感心する。まだ若いのに変な飲み方がうまい(褒め言葉)。
「おいおい、あまり注ぎすぎるなよ 俺たちも飲むんだからよ」
「大丈夫よぉ零しても虹っても掃除担当がいるわぁ!」
「お掃除? まかせて~! 虹掃除マスターと言えば私のことらぁ!」
「本当に可愛いですわねぇぇヨシヨシヨシヨシ」
 バクルドはあまりの狂態にちょっとだけヒき気味だ。だが裏工作の準備は如才なく進めている辺りが上手いというかなんというか……。アーリアの言葉に元気よく応じるマリアは本当にそれでいいのか。あと甘やかしてるヴァレーリヤももう少し己を顧みたらどうだ。
「ふっふーん! ヘルちゃんみたいな美女にお酌してもらえる事に感謝するのだー!」
 自分も盃を傾けながらガバガバ飲んでるヘルミーネのノリが一番『普通』寄りなのはどうしてだろう。御酌してるのに飲むなよとか色々言いたいことはあるんだけど。あるんだけれども一番テンションが普通なんだよなあ……。

●ヤ……作戦……ってコト?!
「貴方の、ちょっといいとこ見てみたい!! はい、イッキ、イッキ、イッキ、イッキ……は~い、飲んで飲んで飲んで飲んで~♪ イェーイ! 素敵~♪」
「さあこの子達とどんどん飲むわよぉ~~~~!!」
 ヘルミーネの合図に合わせて度数の高い酒をイッキさせられた盗賊がぐったりと倒れ込む。その傍らでは、アーリアが呼び出した妖精達が悪い酒をかっくらった絡みのように盗賊たちを取り囲んで酒を飲ませようと掴みかかっていた。悪い酒の飲み方してんなぁ……。
「おい、返事はどうしたであります……チッ、気持ちよく寝てやがる。では次」
「大丈夫大丈夫。このくらい全然平気ですまだいけます全然いけます」
 エッダは飲み明かしていたうちの1人が潰れたのを確認すると素早く蹴り転がし、次の男の襟首を掴んで酒樽から汲み上げたなみなみのジョッキを叩き込む。迅はその様子を煽り倒している。そうそう。大丈夫大丈夫イケるイケる。
「なんて素敵な飲みっぷりでしょう……他のお酒を飲まれる時はどんなお顔をされるのか、見たくなってしまいますね……!」
「嬢ちゃんいいお酌ぶりじゃねえか、ホレご返杯」
「あっあっ、ズルい !私も、私もお酌致しますわーー!」
 エルシアが見事なお酌とおだてぶりを披露しているのを見たヴァレーリヤは、その所作ではなく返杯を受けるという結果にのみ注目していた。つまり飲みたいってことで、自分でガブガブいくのとは別の栄養があるってことで。
「え、ああすまねえな嬢ちゃん……いや、あー……これだけ?」
「えっ、少ない? だってなみなみ注いだら、私が飲む分が減ってしまうではありませんの。こんな美人な司祭が貴重なお酒を分けてあげたのに不満だなんて、ちょっと欲張り過ぎではありませんこと!? 主の罰が下りますわよ!」
 盗賊はしかし、御酌されたはいいもののあまりにも少ないというか舐める程度にしか注がれなかったグラスを見て渋い顔。当たり前である。それにふんぞり返って当たり前だと言わんばかりの態度を返すヴァレーリヤは非常にどうかと思う。一理あると言えなくもないのが腹立つな。
「はぁぁぁぁん???? 君達はヴァリューシャのお酒が飲めないっていうのかい??? むしろ私が代わって欲しいんだけど???」
「飲めないっていうか飲ませてくれっていうか」
「飲みたいんですねどうぞどうぞ、そおい!」
 そしてヴァレーリヤに文句をつけようものならマリアの報復が待っている。十重二十重にしか得られた虎ップじゃなかったトラップには流石の盗賊達もドン引きだ。飲まないといえばエルシアとエッダと迅が襲いかかってくるし飲むといえばヴァレーリヤの『飲ませないアルハラ』というド級の変化球が飛んでくる。
「美人な司祭って何処に居るのかしら、ゲームのしすぎで目が悪くなったのかも!」
 なお、それに対して即座に反論したアーリアの目はもう虚ろであったことは言うまでもない。二次会だからね……。
 というかこの状況でバクルドがどうしたかって言うと、こんな混沌とした状況とは裏腹に彼が一番働いていたと言える。なにせ酔いの回った連中を次々に罠に嵌めて縛って猿轡で口止めをしてとひたすら敵の数を減らしていたのである。
「……まあ、こそ泥共にも同情しなくはないが……そんなことより酒だな!」
 俺の酒だからな! という感じの思い切りのよさは何というか清々しい。
「勿論ヘルちゃんも辛い現実や寂しいの忘れる為に飲むので……」
「待つであります。爆弾酒の樽が分かっていないうちに飲んだら危険なことになるであります。無理に飲」
 ボン。
 ヘルミーネが手酌で酒を注いで煽り、エッダが注意を促しかけたのと、エルシアが口から煙を吹き上げて転がったのとはほぼ同時だった。盗賊のしてやったりフェイスが滅茶苦茶ウゼえ。
「……拘束!」
 斯くして爆弾酒の在り処もわかり、無理に全部飲まなくても大丈夫になり、盗賊達も全員拘束したんだけど。
「ようやく飲める現実のお酒! まだまだ飲めるおさけ! 全部飲み干すわよぉ対よろぉ~~~~!」
「分前は全部ですわー!」
「これでやっとゆっくり飲めますね皆さん大丈夫ですか?」
 樽によじ登ろうとするアーリア、樽の横っ面をどっせい(隠語)して溢れたものを口で受け止めるヴァレーリヤ、壁に「皆さん」って話しかける迅。
 もうだめだこいつら! 早くなんとかする間もなく手遅れだよ!!

●こっから延々と酔っ払いが酔っ払って碌でもないことしてる内容が続きます
「どれ、これがそうか……かっー! うめぇ! うめぇがこれじゃねえな、今度はこっちを飲んでみるか」
 バクルドは我先に(すでに4番手ぐらいだが)と酒をすくい上げると一気に飲み干し、恍惚とした笑みを浮かべた。だが爆発しなかった。なぜなら先程判明した爆弾酒を敢えて避けているからだ。ズルい。
「寝たきりで体力も落ちたし、樽なんて抱えられないし頭からだぁーいぶ! ふふ~、グラスを持つから零すの、自分から行けば零れないってわけ!」
「気のせいかしら。なんかさっきアーリアが酒樽に沈んでいったような……」
「あ~りあくんならだいじょうぶらよぉ、のもうよヴァリューシャぁ」
 対戦(頭からのダイブ)キメたアーリアのことを僅かな人の心で案じたヴァレーリヤだったが、背後からマリアに抱きつかれてお酌などされればそれどころではない様子。完全にろれつが回っていない恋人の誘いを断れることがあろうか?
「人の姿で飲んでもいいんですけどこの死屍累々の地獄には癒しが必要だと思いませんか。思いますよね」
 あっちにうろうろこっちにうろうろ、そして時折爆弾酒を口に含みボフッてなっているのは狼姿に変じている迅だ。さながら地獄の巷の様相をよそにフラフラ歩き回っているのだが、目の焦点が合っていないのか話しかける相手はことごとく壁である。運良くアーリアが落ちた樽に近づいたが鼻先を樽にタックル。滲み出た酒をペロペロと舐めるさまはもう犬! 完全に犬です!
「こんな刺激の強いお酒もいけるだなんて、なんてお強い……! どれくらいまd、あれ? 飲んでない? し、死んでる……!」
 死んでいない。
 爆弾酒をうっかり煽ってしまって意識をすり潰していたエルシアは起き上がって予習通りの台詞で煽り倒そうとして、しかし相手が皆倒れていたことを遅ればせながら理解した。
「私の酒が飲め」
「ないなら飲ませればいいのでありますイェヘェ~~~~イ」
「一体何が始まろうとしているのだ……」
 エルシアがついうっかりで火線砲を爆弾酒の樽に向けて依頼大失敗☆ ってなりかけたところで声を上げたのはエッダだった。お前のそれがなかったら大失敗だったぞ。ヘルミーネが凄まじく動揺しているがお前がこの場だけはチャンピオンだ。
「爆発酒を寝かしつけた野郎共の口に突っ込んで誰が一番綺麗に爆発するかとかそういうゲームをするのでありますよ」
「え、爆発……きれい、ゑ……?」
「ヒャッハーいいわよエッダちゃん! どんどんやっちゃってぇ!」
「本当に何をするつもりなのだ……」
 エッダのとんでもない宣言を煽るアーリア! 動揺して絶句するバクルドとヘルミーネ! ヴァレマリは完全に2人の世界だ! やったれエッダ、雰囲気をかっとばせ!
「今の本命は4番でありますね、まだ新鮮な悲鳴が聞けるでありますよ。6番はそろそろ寝ゲロ始めてるでありますがまだまだ前回優勝の線で買いでありますよそらなんぼ握るでありますか!!」
「じゃあ僕は大穴の3番ですね! 顔の皮膚が爆弾酒でちょっとバリィってなってるので追い爆弾酒で傷口にアルコールを塗り込んでいい悲鳴になりますよ!」
「えっ賭け事ですの? 私も参加しますわー!」
「ヴァリューシャと一緒のに賭けようかなあ!」
「本命に決まってんだろ、4番行くぜ!」
 エッダが胴元となって行われた『賭け』は混沌とした様相を見せていた。迅の選び方がえげつないしヴァレーリヤは神職であるという自覚がないしマリアは無条件にヴァレーリヤを信じ過ぎで、バクルドもなんかこうなんか、アレ。
(酒は飲んでも呑まれるな……酒飲みの鉄則なのだ……皆が楽しそうでもヘルちゃんは冷静を貫くのだ……!)
 ヘルミーネはちびちびと酒を飲みながら周囲の狂態を観察し、我慢の構え。さりげなく一番爆弾酒を煽っているのは彼女であることを理解せねばならない。
 酔い醒ましに丁度いいじゃあないんだよ。普通に危険物なんだよ。
「ああ……なんて心地良い悲鳴……! こんな声を聞きながらお酒が飲めるなんて生きてきてよかっ」
 爆発音。エルシアはとうとうパンドラの加護からも(この依頼においては)見放され力尽きた(この依頼においては)。……無謀って知ってる?
「理由なんざどうでもいい片端から空けて片端から飲むぞぉ!」
 バクルドの叫び声を背景に、小爆発と悲鳴がとめどなく響いた。こんなもん全年齢の範疇を超えてないだろうか?

「いやぁ飲んだ飲んだ……なに? 関係ないものまで飲んだんじゃないかって? 恐らくここのすべてが爆発する酒だったんだろ」
「おお、主よ…迎えに来て下さったのですね……」
「ヴァリューシャぁ……」
「はーーー楽しいでありますねーーー」
「とんでもねぇ惨事なのだ……」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

エルシア・クレンオータ(p3p008209)[重傷]
自然を想う心

あとがき

 酒クズムーブからしか得られない栄養素がありました。

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