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シナリオ詳細

ジェット・フライハイ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●鉄帝を騒がせる怪鳥たち
 ギャアギャア、と怪鳥たちが鳴く。
 全長2Mほどの黒い鳥の群れは、鉄帝の空や屋根を制していた。
 飛行技能持ちでも追いつけず、逆に音波攻撃で落とされる始末。
 地上から遠距離攻撃は風読みの能力でもあるのかヒラリと避ける。
 今日も怪鳥をどうにかするべく舞い上がった飛行持ちが落とされている。
 どうするべきか。どうすればいいのか?
「おのれ怪鳥め……どうすればいいんだ」
「こんなこともあろうかと!」
 この町に存在する研究所の研究員が、前に進み出る。
「そう、こんなこともあろうかと! 当研究所では武装飛行ユニットの開発を進めていたのです!」
 その研究員が背中に背負った鞄のようなユニットに「おお」と声が上がる。
 よく分からないが、その飛行ユニットとやらで怪鳥問題を解決できるならば素晴らしいことだ。
 何しろあの怪鳥どもめ、洗濯物も干し柿も、とにかく外にあるものは片っ端から何処かに持っていくのだ。
 半裸の美青年の描かれたシーツを咥えて飛んでいる怪鳥を見た女性は泣いていた。
 3日くらい家から出てこなかったところを見るに、相当ショックだったのだろう。おのれ怪鳥。
「では行きます! 武装飛行ユニット「イカルス」1号機! 発進!」
 ジャキン、と展開された翼からキイインという音が鳴り、轟音と共に天高く発進する。
 高く、高く。天高く。
「あ、爆発した」
 発想は良かった。使う人間に相応のパワーがないと制御できないという点を除けば。

●そして依頼になる
「というわけで、依頼になったです」
 チーサ・ナコックはそう言うと集まった面々を見回す。
 選び抜かれた最精鋭のイレギュラーズたちは、机の上に置かれた金属製の鞄のようなものを胡乱な目で見ている。
 武装飛行ユニット「イカルス」。
 発想はいいと思うのだが、爆発するのではないだろうか?
 そう考えているのがありありと分かる。
「安心するです。このイカルスとかいうゴ……発明品は、一定高度を越えると安全の為に自爆するそうですから」
 何も安心ではない気がするが、まあ一定高度を越えなければいいということなのだろう。
 というか、さりげにゴミと言いかけなかっただろうか。気のせいかもしれない。
「鉄帝の空に陣取ってる怪鳥どもの駆除が目標ですが、それにはこの武装飛行ユニットを使いこなすのが不可欠です」
 上手く使いこなせば、武装飛行ユニット「イカルス」は大きな力となるだろう。
 超高速の飛行能力、旋回性能も抜群で空対空ビーム「イカルスビーム」もついている。
 危なくて一般流通もできそうにないので、これが試す最初で最後のチャンスでもあるだろう。
「ま、気楽にやってくるですよ」

GMコメント

今回のシナリオは空を飛び回る高速飛行アクションです。
鉄帝の空を騒がす怪鳥をやっつけましょう。
怪鳥は屋根に居たり、空を舞っていたりします。
飛行能力では追いつけそうにないので、イカルスを背負って頑張りましょう。
なお、怪鳥のいないところで事前練習も可能です。

●怪鳥×30
全長2Mほどの怪鳥。凄まじい飛行能力を持っています。
通常の手段では追いつけないかもしれませんが、イカルスを使えば追いつけます。
強力な音波攻撃を使います。3回命中するとイカルスが壊れてしまうかもしれません。

●武装飛行ユニット「イカルス」
鉄帝で開発されたすごいやつ。
背中に背負って起動すると金属翼が飛び出し飛行可能です。
固有武装として威力500で固定の「イカルスビーム」を使用可能です。

なお、イカルスが壊れて墜落すると痛そうですが、代わりのイカルスは用意してあるそうです。
建物を壊しても、とりあえず皆怪鳥のほうが迷惑なので許してくれます。
頑張って空へ舞い上がりましょう!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • ジェット・フライハイ!完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年10月28日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
天城・幽我(p3p009407)
孔雀劫火
佐藤 美咲(p3p009818)
無職
ユー・コンレイ(p3p010183)
雷龍

リプレイ

●鉄帝の空へ!
 今日もギャアギャア、と怪鳥たちが鳴く。
 全長2Mほどの黒い鳥の群れは、鉄帝の空や屋根を制していた。
 飛行技能持ちでも追いつけず、逆に音波攻撃で落とされる始末。
 地上からの遠距離攻撃は風読みの能力でもあるのかヒラリと避ける。
 もうどうしようもないのか。
 そんな諦めの境地に達しかけた鉄帝の町に、立つ姿8つ。
 その背中には、武装飛行ユニット「イカルス」が背負われている。
 一般人とかに渡すと法的にちょっと笑えない事になる凄いやつだ。
 そしてこの8人の実験台……もとい戦士たちのうち、『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)と『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)がちょっとボロボロになっているのには、多少の事情がある。
 そう、この8人が集まる前。
 何を考えていたのかヴァレーリヤとエッダは2人で先行してこの場に辿り着き、状況確認……どころか開戦準備に入っていた。
「ふふん、多少大きいといっても、しょせんはただの鳥でしょう? 私達にかかれば、下戸を酔い潰すようなもの! 3分で決着を付けてご覧に入れますわっ!」
「ほう、3分でとはよく言ったものでありますな。本当に3分で倒せたらいっぱい奢るでありますよ」
「言いましたわね!? なら早速……と思っていたのだけれど、なんかアレ、私よりも大きくありませんこと!? ひええええ! ちょっと、こっち来ないで下さいまし!」
「こっちくるな!! 一人で美味しく頂かれてろでありますオマエ!!」
 ……とまあ、そんな感じで怪鳥につつかれた結果ヴァレーリヤとエッダはちょっとボロっているわけだが。
「イカルスか! 中々素晴らしい発明品だね! 敵の数も多いし気を付けて行こう! ヴァリューシャも落ちないようにね!」
 そんなヴァレーリヤにあえてツッコまない優しさを見せる『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)に救われつつも、ヴァレーリヤはちょっとテンション落ちた状態でなんとか「ええ」と返す。
「うう、ここまで来てしまったものは仕方がございませんわ。なんとか倒して、無事にお家に帰りましょう。マリィも皆も気をつけて」
「しかし、まさか鉄騎種に空戦をする機会が来るとは。イレギュラーズをやっていると何があるか分かりませんね」
 ええと……ループに……シャンデルに……ハイ・ヨー・ヨー……? などと事前に勉強したことの確認をしているのは『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)だ。
 制限高度を超えると爆発するイカロスの限界をも確認し、準備は万端といった風だ。
 勿論、これは大切なことでマリアも事前にイカロスの試運転をして使用感と操作感覚、緊急時の対応をシュミレートしていた。
「代わりは用意してあるって言うけど……その、この手の奴って開発費の額、とんでもないよね……?? な、なるべく壊さないようにしないと……」
 そう呟いている『孔雀劫火』天城・幽我(p3p009407)も墜落した時の対策についてしっかりと考えている。
(壊れて墜落したら流石に痛いよね……ううん、背中に背負えるなら両手で持てるハズだし、もし壊れちゃったら【媒体飛行】で飛んで一時退避して撃墜の衝撃を軽減できないかな? 飛ぶ前に試しに両手で持って飛べないかやってみようかな。できないなら素直に落ちるよ……墜落するにしろしないにしろ、建物を壊さないようにだけしたい……壊したら申し訳なさすぎて穴に入りたくなるから……)
 ちなみに両手に持つのは安全性の為ダメらしく、幽我がショボンとしていたが……いろんな可能性を模索できるのは。幽我の良い所だろう。
「飛行可能な機械なんてこの世界では珍しいわね。後でお土産にお持ち帰り出来ないかしら……いや、この場所でバラバラに解体して解析した方が……あ、依頼は頑張るからね!」
 危険なことをブツブツと呟いているのは『狐です』長月・イナリ(p3p008096)だが、勿論持ち帰り不可である。
 そして……意外にも今日一番やる気を見せているのは『ダメ人間に見える』佐藤 美咲(p3p009818)であった。
「市民の安全を守るのが我々ローレットの役割のはずでス……悪依頼はちょっと今置いといてね。ややこしくなるから」
 特に海洋辺りでちょっと悪名が知られていそうな美咲が言うとややこしさが増しそうだが、さておこう。
「とにかく、害獣を駆除して人々が安心できる環境を作るのも私達の社会的責任ではないでしょーか!」
 ぐっと拳を美技る美咲にマリアやオリーブが「おおー」と拍手をする。
 実にその通りであるだろう。
「で? 本音はどうなんでありますか?」
「本音っスか? こいつら鳥じゃないでスか。となると私の住む再現性東京まで生息域を拡大スる可能性があるじゃないでスか? そうなると、私が抱きまくらカバーを干せなくなるんだよ! というわけで根絶やし決定でス。人間様の都合は何よりも重要ということをあの鳥公に思い知らせてやる……!」
 どんな抱き枕カバーかまで聞かなかったのはエッダの優しさであるだろうか?
 イカルスの基本操作とスマートな着脱について確認と練習をしていた『雷龍』ユー・コンレイ(p3p010183)も、空を見上げて笑う。
「いやー、凄えな。2mの鳥が30匹だとよ。今は洗濯物や柿で済んでるかもしれねえが、1匹でも赤ん坊くらいなら、集団なら大人でも襲って食い始めておかしくねーぞ。やばい被害が出る前にきっちり駆除しねえとな。食い出がありそうだ」
 なんか食うとか聞こえた気もするが、とにかくユーもやる気は充分なようだ。
「では、いくでありますよ! スクランブルダーッシュ!!」
 エッダの掛け声を合図に、各自が空に舞い上がる。
「異邦の龍の裔、宇・空雷。隣人たる風の精霊に助力を願うぜ。謝礼はまだ種の残っている草花を50本で」
 精霊疎通と精霊操作で風の精霊にイカルスのサポートを頼んだコンレイも他のメンバーに少し遅れて舞い上がり、そうして全員が空へと飛び立った。
 こうして……鉄帝の空の平和を賭けた空中戦が、始まったのだ。

●鉄帝の空を守れ
「おお、アホ兵器にしては悪くない使い心地でありますね。落ちやすいというのもわかっていれば別に。それなりに対策するであります。商品化しろよ」
 そんな事を言いながらエッダは空を舞う。
 とんでもない速度で飛行するイカルスも、そうと分かっていれば操り切れる。
 役割としては囮として逃げ回る盾役だが……つまるところ、全員の安全を確保する役割でもある。
「私達の無事は貴女に掛かっているのです。頼みましたわよエッダ!」
「別にー! ヴィーシャに言われるまでもなく! 自分は騎士でありま、数がおおい!」
 何しろ30体だ。そんな数の怪鳥を引き付けようと思えば、当然そうなるというものだ。
 しかしエッダ1人であれば早々に落ちていたかもしれないが……そうはならない。
「私は普通に飛べるんだけど、装備を駆使して更に自由に飛び回れるのもいいものだね! おっと!これは仕事だったね! さぁ! 行こうか!」
 雷装深紅を纏ったマリアの天槌裁華が炸裂し、しかし怪鳥も中々空戦に手慣れていて簡単に落とさせてはくれないようだ。
 むしろマリアを脅威と見て矛先を変えてくる怪鳥がいるほどだ。
「ヴァリューシャ! 挟み撃ちだ! ぶっ飛ばしてあげて!」
「どっせえーーーい!!!」
 ヴァレーリヤがマリアの合図で猛牛のように突撃し、怪鳥を吹っ飛ばす。
 イカルスによる空戦機動のせいか、その姿は流星のようですらある。
「降下による速度の有利は覆し難い物です。速度が落ちる前に……!」
 オリーブの放つイカルスビームが怪鳥を直撃し、近づかれる前に急上昇で距離を取る。
「いつもの戦闘経験はあまり役立たなさそうですが、少しばかり慣れてきましたね……!」
 オリーブの体感した感じ、イカルスは速度に全振りした飛行ユニットだ。
 その分細かい機動は苦手だが、出来ないわけではない。
 だからこそオリーブは真っ直ぐ飛ばずに軌道を変え続けて被弾を減らす方向で飛んでいた。
 その中で後ろに付ける敵を見付け、後ろからの射撃で逃がさず撃墜したいと考えていたが……その辺りは囮になってくれているエッダやイナリのおかげで大分楽になっているといえるだろう。
 見下ろせばエッダがイカルスビームを放ち攻撃しているのが見える。
 そしてエッダと同じく囮役をしているイナリはルーンシールドにマギ・ペンタグラムと防御を重視した行動でありながらも、それを過信しない堅実な動きで怪鳥を引き付けている。
 自分の上空にいる怪鳥に向けて酒解狂騒霧を展開することで高度を確保し、更にはイカルスに加速用噴進弾を搭載することで更に移動力を確保する作戦だが……実のところ、最初の1回目で見事な打ち上げ花火になっていたりする。
 この噴進弾にはちょっと欠陥があるけど、数万分の一の確率だし、きっと、たぶん大丈夫なはずよ! と言いながら音速の壁を突破する勢いで打ち上げ花火になったイナリのことを、ちょっとエッダが大爆笑していたが、それはさておこう。
 ともかく、懲りずに装備されている加速用推進弾のおかげで、ただでさえピーキーなイカルスが更に扱いにくいモンスターマシンになっている。
「暴走してもしなくても扱いにくい……! でも、これなら!」
 相手は空をホームフィールドにする怪鳥だ。可能な限り直線的な動きをしないようにイナリが飛び回り、そのイナリを追う怪鳥に幽我の魔曲・四重奏が炸裂する。
「よし……!」
 普通にやっても回避されるだろうと多重展開した中規模魔術を立て続けに相手にお見舞いする攻撃を選択した幽我であったが、その選択は正しかったと確信する。
 鷹のファミリアーを召喚して怪鳥の動きを観察する為の補助にもしているが、連携を意識した幽我の戦い方には実にあっているといえるだろう。
「おびき寄せてくれている間に可能な限り叩いておきたいところだけど……」
 落下したエッダが新しいイカルスを装着して戻ってくるのを見ながら、幽我は呟いて。
「エッダ氏がイカルスつけるとロボットの合体パーツ感が強いっスね。シリーズ後半に新商品としておもちゃ売り場に並べる奴って感じが」
 DX合体スカイエッダ・イカルス。鉄帝の玩具コーナーにて発売未定。
 なんかネーミングまでそれっぽいがさておき。
 思わず吹き出した幽我の近くを、美咲が戦闘機のドックファイトを思わせる動きで飛んでいく。
 放つのはブルーコメット・TS。
 速力を破壊力に変換するその技は、イカルスを装着している今だととんでもない破壊力を叩き出す。
 普段の数倍以上の威力を出す美咲のブルーコメット・TSは怪鳥を「パーン」という軽やかな音と共に粉砕する。
「見たか鳥公! これが人類の英知ってやつでス!」
 ちなみに抱き枕も人類の英知である。推しと合法に寝れるのですよ?
 そして、そんな美咲を狙う怪鳥をコンレイのイカルスビームが撃つ。
「サポートは任せな、センパイ方」
 コンレイは今回はサポート役と割り切って行動しているが、事前の細やかな準備に「その時一番攻撃の対象になっている敵を相手に攻撃」するという明確な目標、そして味方の落下にまで気をかける配慮の深さ……どれをとっても一流のサポートといって差し支えない動きをしていた。
 だからこそエッダやイナリの囮役ものびのびと動き、全員の動きを底上げできていた。
「お膳立ては済んだでありますよ……少々くたびれましたが。では後は、良きように」
「よおし! 蒼雷式・天槌裁華!」
 マリアのトドメの一撃が大規模な落雷と共に残った怪鳥を打ち砕き……そして、鉄帝の空に平和が戻っていく。
 マリアの黙とうに、全員が倣って。
「ふぅ……意外に疲れるものだね……皆お疲れ様だよ!」
「空を自由に飛び回るのって少し憧れていたけれど、もう当分は結構でございますわ……」
「とりあえずヴァリューシャ、何か飲み物でもどうだい?」
「良いですわね。温かいものでも飲んで、ゆっくり休みましょう」
「高高度で冷えた身体にはやはり酒であります!! おらのめっ!!」
「あーっ!」
 マリアとヴァレーリヤがそんな事を言いあって、エッダがまだ酔ってないのに絡み酒である。
「なんとかなりましたか」
「うん、壊さないで良かったよ……あれ、イナリ君は?」
 オリーブと幽我がイナリを探して。
「……アレ、イナリセンパイじゃね?」
「おー、飛んでるっすね。速い速い……あっ」
 コンレイと美咲が、加速用噴進弾の大暴走で光速の壁を超えそうな勢いで空高く舞い上がり花火と化したイナリを見上げる。
 ドーン、と。美しく散ったイナリの笑顔が、平和を取り戻した鉄帝の空にでっかく映っていたような……そんな風景を誰もが幻視した。
 本人は屋根に落下しているので本当に幻だったかもしれないが……とにかく、そうして鉄帝の空は取り戻されたのである。

成否

成功

MVP

長月・イナリ(p3p008096)
狐です

状態異常

長月・イナリ(p3p008096)[重傷]
狐です

あとがき

コングラチュレーション!
鉄帝の空を取り戻しました!

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